次回からまた別の世界の話となります
紅魔族達が住まう紅魔の里から届いた手紙を読んでいたゆんゆんの気が動転していたので、軽く癒しの波導を流してゆんゆんを落ち着かせておくと、ちゃんと手紙を最後まで読んだゆんゆんは、魔王軍によって紅魔の里が滅ぼされたという設定の小説を手紙に書いていた紛らわしい相手に、直接文句を言いに行きたくなったそうだ。
めぐみんも実家に居る妹であるこめっこの顔が見たくなったようなので、紅魔族な2人の里帰りに着いていくことになった俺達全員。
ベルディアやハンスといった魔王軍幹部を倒したことで得た賞金がまだまだ沢山残っていたので、テレポート屋に全員分のエリスを支払って紅魔の里近くまでテレポートで送ってもらった俺達。
早めに紅魔の里に行こうと急かす、ゆんゆんとめぐみんが焦っているように見えて、不思議がっていたカズマへと、女神アクアが「紅魔の里近くにはオークの巣があるのよ」と教えたことで「ゆんゆんとめぐみんにアクアが危ないじゃねぇか、急ごうぜ!」と言ったカズマは周囲を警戒しながら早歩きになった。
「カズマ、狙われて危ないのは貴方とガレッドよ。オークは基本的にメスしかいないの」
しかし女神アクアが神妙な顔でそう言った瞬間、メスのオークの群れが姿を現す。
このすば世界にはオークは殆どメスしかおらず、オスのオークは長生き出来ずに死んでいるので、オーク達は繁殖の為に他種族を性的に狙っているそうだ。
「素敵な殿方発見!」
「お前達がパパになるんだよ!」
「そしてあたし達がママになるの!」
「それはとても気持ちのいいことなのよ!」
ハイテンションなメスオーク達が「ヒャッハー」と北斗の拳のモヒカンみたいな叫び声を上げながら近付こうとしてきたんで、思わず「北」「斗」「有」「情」「破」「顔」「拳」と7文字で7個の文珠を使用して、北斗の拳のトキが使う北斗神拳の技を発動させてみた。
此方に近付こうとしていたメスオーク達の足がぐにゃりと曲がり、それでも痛みを感じることがない有情の北斗神拳により、お前達は既に死んでいるという状態となったメスオーク達は「き、気持ちいい!」と快感だけを感じながら身体を爆発させていく。
身体を爆発させて死んだメスオーク達は数体だが、同胞の凄惨な死に様を見ようが決して退かないメスオーク達。
「退かぬ!」
「媚びぬ!」
「省みぬ!」
「メスオークに敗走はないのだ!」
何処ぞの聖帝のようなことを言い出したメスオーク達へと「ならば、死をくれてやろう!」と構えた俺は、8個の文珠に「超」「強」「化」「北」「斗」「剛」「掌」「波」と8文字を込めて使用していき、圧縮した闘気を放射して対象を破壊する北斗剛掌波という北斗神拳の奥義を超強化して放つ。
超強化された凄まじく強力な北斗剛掌波の闘気により、大量に現れたメスオーク全員の身体が完全破壊されていった。
それから全員で素早く移動して到着した紅魔の里で「紛らわしい手紙書いて送ってきたあるえに文句言ってきます!」と走り去るゆんゆんを見送り、めぐみんと行動を共にしていた俺達。
到着しためぐみんの実家は両親が不在で、めぐみんを小さくしたかのような少女だけが居たが「我が名はこめっこ、紅魔族随一の魔性の妹。お腹空いてるから何か食べるものをください」と名乗りながら俺に話しかけてきたこめっこ。
栄養失調とまではいかないが、満足な栄養を摂取できていない様子のこめっこには【商品購入】で用意した肉まんを幾つか渡しておいたが、それを直ぐに食べ終えてしまう食欲旺盛なこめっこが満腹になるまで沢山のものを食べさせておく。
めぐみんの父は、ひょいざぶろーという名前で、売れない魔道具ばかり作る魔道具制作者であり、家族に満足な食事を食べさせてやれないことも多いようだ。
ひょいざぶろーの妻で、めぐみんの母は、ゆいゆいという名前であり、ひょいざぶろーの魔道具を売りに出歩くことも多いそうで、家を留守にすることも珍しくはないらしい。
パーティを組んでいるめぐみんが、実家にエリスを仕送りしていたのは知っていたが、どうやらめぐみんが妹のこめっこがちゃんと食事ができるようにと仕送りしていたエリスは、ひょいざぶろーが魔道具制作に使い込んでいたようで、こめっこが腹を空かせていることは変わっていなかったみたいだな。
怒りと悲しみが混ざったような顔をしていためぐみんは、こめっこの手を握ると「お姉ちゃんと一緒にアクセルに行きましょう」と言っていためぐみんは、もう両親はどうしようもないと判断したようで、両親とは縁を切るつもりなのかもしれない。
紅魔の里を出る前に、里の服屋で物干し竿として使われていたものを、1万エリスで購入して受け取った俺は、物干し竿として使われていた魔法を装填するタイプのレールガンを、1万円相当の金銭や価値あるものがあれば、スキル【商品購入】で幾らでも用意できるようになっておいた。
紅魔の里から出た俺達の前に現れた魔王軍幹部のシルビアへと、レールガンにめぐみんの爆裂魔法を装填して発射し、グロウキメラという種族であったシルビアを倒してから、近場の街に移動してテレポート屋でアクセルの町に戻ってきた俺達全員プラスこめっこ。
拠点となる屋敷を購入して、全員で暮らすことになり、めぐみんとこめっこからは新しいお父さん扱いされるようになった俺。
カズマが俺の所持スキルを幾つか覚えて、単独でも結構戦えるようになったり、王宮に呼び出された俺が王族と手合わせして気に入られたりもして、他にもアクセルの近場に封じられていたクーロンズヒュドラを討伐したりもした。
最終的には俺達全員で魔王城に行ってカズマが魔王を倒し、女神アクアが天界と地上を自由に行き帰り出来るようにカズマが願ったことで、頻繁に地上に降りてくる女神アクアが屋敷に泊まって、俺がセイリュートと一緒に食べる為に買っていた霜降赤蟹を食べていったりもしたが、とても騒がしい賑やかな毎日を過ごしたこのすば世界での日々。
何だかんだで、めぐみんとカズマが付き合ったりもしたが、しばらく付き合ってからめぐみんと結婚すると決めたカズマが俺に「ガレッドお義父さん!めぐみんをおれにください!」と頭を下げてきたりもしたな。
「ちゃんとめぐみんを幸せにしろよ、カズマ」
それだけ伝えて、めぐみんをカズマに任せた俺は、アクセルの教会で行われた2人の結婚式にも参加し、幸せそうな2人を見届けておいた。
俺は俺でゆんゆんから告白されて、結婚することになり、家族が随分と増えたことは確かだな。
こめっこはこめっこで、魔剣グラムの使い手であるミツルギキョウヤを捕まえていて、そろそろ結婚するかもしれない。
ミツルギキョウヤの付き人みたいだった女2人は負けヒロインとなったが、酒場で、思いきりやけ酒していたりもしたみたいだ。
鈍感なミツルギキョウヤを惚れさせて、夢中にさせたこめっこという魔性の妹には勝てなかったのだろうな。
まあ、様々なことがあったこのすば世界で生き抜いた賑やかな日々は、決して悪いものではなかった。
「ワタシの出番が来ることは全くなかったから、戦闘面はお前だけで大丈夫だったみたいだが、この世界は随分と賑やかな世界だったようだな」
そう言って話しかけてきたセイリュートと、焼き霜降赤蟹を食べながら話をしていると、夢中になって霜降赤蟹を食べていたセイリュートは「やたらと食い物が美味い世界でもあるみたいだが、食事にも霊的な力が宿っているな。ワタシの力が上がっているぞ」と言うが、食材に含まれていた経験値がセイリュートを強化していたのかもしれない。
このすば世界は高級で美味な食材となると、かなりの経験値を含んでいることが多いからだろう。
「【商品購入】で、この世界の食材を別世界でも購入できるようにはなってるから、詳しい検証は別世界でだな。また着いてきてくれよセイリュート」
「異なる世界を巡るお前の終わらない旅の同行者は続けるさ。ワタシはお前の相棒だからな」
それだけ言うと笑っていたセイリュートは、たらふく霜降赤蟹を食べてから満足そうに俺の影に収納されていった。
俺の【人影倉庫】に入っていたものは、別世界に転生しても無くなることはない。
これからも終わらない旅に、セイリュートが着いてきてくれるようで、俺としては有難いところだな。
魔王を倒した転生者となったカズマが、天界と地上を自由に行き帰り出来るように願ったことで、女神アクアは頻繁に地上に降りてきて、ガレッドやカズマとその家族に会いに来ていたようです