異世界ントム   作:色々残念

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本日2回目の更新になります


真剣恋編その2 暴力

俺が文珠などを用いて霊力を使えるようにしてみた直江少年や榊原少女が、それぞれ霊能力を発現し、脚力に秀でていた榊原少女は霊力の具足を作り出せるようになり、直江少年は霊力の糸を出して自在に操ることが可能となって糸使いの才能を開花させていた。

 

直江少年や榊原少女の2人と同じ小学校に入学すると、しばらくは何事もなかったが、ある日からクラスメイトの椎名京という少女がいじめられるようになっていたので、椎名少女に悪口を言うだけでなく様々な嫌がらせをしていたいじめっ子達が、いじめをしていた証拠を録音録画で記録してから、担任教師にいじめの証拠となる音声を聴かせて動画を見せてみる。

 

しかし、いじめ解決に担任教師が動くことはなかったんで、いじめっ子達の家に記録した音声と動画をコピーして送り届けてみたが、それでもいじめは続いていたので、担任教師といじめっ子達の親が動かないなら此方で動くかと決めて、椎名少女の味方となった俺達が、いじめっ子達に言葉で注意してみたが此方を馬鹿にしてくるだけで、いじめをやめるつもりは無さそうないじめっ子達。

 

全面的に椎名少女の味方をする俺達もいじめの標的にしようとしてくるいじめっ子達を、言葉じゃ止まらないなら適当に痛めつけとくかと考えて、容赦なく鞭打という皮膚を狙う攻撃技をいじめっ子達全員に放ってみた俺。

 

鞭打とはその名の通り鞭の如く腕を動かし、皮膚を狙って平手で打つ技ではあるが、熟練者の鞭打は打たれた皮膚が裂けて身体に激痛が走るような凄まじく痛い技だ。

 

皮膚が裂けない程度に手加減したとはいえそんな技を小学生が喰らったのだから、当然の如く痛みに泣き喚くいじめっ子達の頬の皮膚は、裂けてはいないが真っ赤に腫れ上がっていた。

 

すかさず文珠で「全」「員」「完」「治」の4文字で4個の文珠を用いて、いじめっ子達を完治させた俺は、再び鞭打を叩き込んでから文珠での治療を行うという作業を繰り返しておいたが、怪我は完治させているので、俺がいじめっ子達を痛めつけたという証拠は消し去られている。

 

それから「椎名京をいじめ続けるなら毎日同じ目にあってもらうが、どうするんだ?」といじめっ子達に問い掛けてみると全員が「やめるからもう叩かないで」と泣いていて、完全に痛みで心が折れている様子を見せたいじめっ子達。

 

担任教師やいじめっ子達の親がいじめ解決に動いていれば、こんなことをする必要はなかったんだが、周囲の大人に恵まれなかったな。

 

かなり力技というか、暴力、やはり暴力が全てを解決するとでも言わんばかりな解決方法ではあったが、これで椎名少女へのいじめは完全に無くなり、いじめっ子達だった小学生達は俺達から全力で逃げていくようになったみたいだ。

 

ちなみにいじめから助けられた椎名少女は、今度同じことがあっても自分で解決できる位に強くなりたいと思ったようで、圧倒的な暴力を見せた俺に弟子入りを志願してきた。

 

そんな椎名少女に「力こそが全て、良き時代になったものだ。椎名よ、暴力はいいぞ」と言っていた直江少年。

 

暴力を肯定している直江少年の脛にローキックを入れて黙らせた榊原少女が「大和の言うことは話し半分に聞いといた方がいいよ椎名さん」と忠告をしていたりもしたが「今のわたしだと暴力を振るえるようにならないと安心できないから」と安心する為に力を求めていた椎名少女は、暴力を否定しない。

 

暴力で助けられたことで、何事も暴力で解決するのが1番だ、という思考に染まりかけている椎名少女に、ただ力を与えることは簡単だが、それで椎名少女が敵と認識した相手に過剰な暴力を振るうようになってしまえば、死人が出てもおかしくないだろう。

 

とりあえず人間がどの程度で死ぬかを教えるのは最優先として、手加減のやり方も教えておいた方が良さそうだ。

 

今回いじめを解決する為に俺が振るった暴力は、ちゃんと手加減したものだったことを伝えておき、必要以上に攻撃を加えると人間というものはあっさりと死ぬことも、しっかりと椎名少女に教えた俺。

 

暴力はあくまで解決手段の1つであることも覚えておくように言っておき、椎名少女の師匠となった俺は、一緒に鍛練を積み重ねていくだけではなく、普通の子どものように直江少年や榊原少女と遊ぶことも忘れないようにさせて、友達と一緒の時間も大切にするようにアドバイスしておく。

 

「ふふ、我が運命の同胞よ、歓迎しよう盛大にな。影の如き鬼となりし我を見せるとしよう」

 

なんてことを言う直江少年が何を言っているかいまいち理解できて無さそうな椎名少女に「こうして友達になったなら、一緒に影鬼やらないかって誘ってるだけだよ」と説明しておく俺。

 

「大和くんの言葉は、ちょっとわかりにくいね」

 

「大和の言葉をちゃんと翻訳できるようになるまでは前田先生を頼るといいよ椎名さん」

 

直江少年の中二病な言葉の解読が難しいようだった椎名少女は、榊原少女のその言葉に「うん、前田師匠を頼るね」と頷いていたな。

 

その後、全員で影鬼をやってみたが、霊力による身体強化が使える直江少年と榊原少女とは違って、身体強化を行えていない椎名少女には俺が【廃棄貯力】で貯めていたエネルギーを付与しておき、エネルギーによる身体強化も試してもらったので、身体能力で椎名少女が劣ることはない。

 

白熱した影鬼を行っていた俺達全員は、身体能力を強化したことで大人顔負けの動きをすることが可能であった。

 

影鬼をして遊んでいる時に、ちゃんと子どもらしく笑えていた椎名少女は、笑顔を取り戻していたようだ。

 

まあ、笑えていなかった椎名少女が、また笑えるようになったなら良かったとは思えるな。




いじめっ子達は親に泣きついたかもしれませんが、怪我という証拠が残っていないので、親にも相手にされなかったようです
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