異世界ントム   作:色々残念

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本日3回目の更新となります
今回で北斗の拳編は終了となりますね
次回は番外編を挟んでから、また別の世界となります


北斗の拳編その5 南斗の拳と北斗の拳

仮面を着けた修羅の少年を一蹴し、襲い来る修羅達を倒して進んだ俺達3人。

 

郡将すらも容易く蹴散らして、羅将ハンの居城に足を進めた俺達。

 

修羅の国を治める羅将達は、ちょうど羅将ハンの居城を訪れていたようで、3人の羅将と俺達3人が対面することになった。

 

第1の羅将ハンはサウザーが、第2の羅将ヒョウは俺、第3の羅将にして、トキの実の兄であるカイオウはトキが相手をすることになり、それぞれが戦いを始める。

 

「我が拳は疾風、見切れるかな?南斗の男よ」

 

即座にサウザーが南斗の拳士だと見切る程度に眼力が優れている羅将ハン。

 

「フハハハハ!外見が非常に濃い奴がこのサウザーの相手か!聖凰の前に散るがよい!」

 

そんな羅将ハンを相手にしたとしても、いつもの調子をサウザーが崩すことはない。

 

南斗鳳凰拳と同じく構えることがない南斗聖凰拳伝承者の1人であるサウザーは、無造作に羅将ハンへと近寄ると「突いてくるがいい破孔とやらをな」と立ち止まる。

 

その隙を逃さず放たれたのは、羅将ハンが使う北斗流拳の疾風の拳。

 

それを避けることなく受けたサウザーへと「既に破孔を突いた。貴様の命は後5秒」と言い放つ羅将ハン。

 

「ほう、そうか。ならば数えてやろう。ひとーつ、ふたーつ、みっつ、よっつ、いつつ!」

 

5秒間経過しようが破孔の効果が発揮されることがないサウザーの身体に「馬鹿なっ!確かに正確に破孔を!」と羅将ハンは戸惑いを隠せていない。

 

「聖凰には秘孔も破孔も通じぬ!だが、だからといって突かれて痛くない訳ではない!」

 

そんなことを堂々と言ったサウザーは、相変わらずイチゴ味みたいな言動は変わっていなかった。

 

「貴様には聖凰の十字をくれてやろう!」

 

仕切り直して瞬時に間合いを詰めたサウザーが振るう南斗聖凰拳の技、それは南斗鳳凰拳と極十字聖拳の融合により、生み出された新たな南斗の拳。

 

「聖凰極十字拳!」

 

疾風の拳を放つ羅将ハンの反応速度を上回り、深々と羅将ハンに刻まれた致命の十字。

 

「南斗聖凰拳によって刻まれたその十字、あの世でせいぜい自慢するがよい」

 

身体に深く刻まれていた十字の傷口から盛大に血を噴出させて倒れた羅将ハンが動くことはもうない。

 

第1の羅将ハンと南斗聖凰拳伝承者サウザーの戦いは、サウザーの勝利で終わる。

 

第2の羅将ヒョウは、ケンシロウの実の兄であり、北斗宗家の血を受け継ぐ存在ではあるが、拳の腕はカイオウに劣っているとヒョウ本人も自覚しているようだった。

 

北斗流拳の使い手であるヒョウは、その優しさからか魔界を見てはおらず、魔闘気を使うことはまだ出来ていない。

 

俺と対峙しているヒョウへと接近し、波紋を用いて手早くヒョウを気絶させたことで終わらせたヒョウとの戦いは、あっさりと終わる。

 

最後となる第3の羅将カイオウと北斗神拳伝承者トキの戦いは、カイオウがトキへと放つ魔闘気が明らかに弱まっており、トキが優勢となっていた。

 

本来の世界なら憎い存在であるケンシロウ相手に全力の魔闘気を放てていたカイオウだが、実の弟で末弟であるトキを心底憎むことが出来ていない今のカイオウだと、憎しみを力とする北斗流拳の実力を完全には発揮できていなかったみたいだ。

 

修羅の国に渡る前に文珠を用いて、魔闘気によって放たれて相手を一時的な無重力状態にして位置を見失わせるという暗流天破などの技術を再現した俺が、トキに北斗流拳対策の経験を積ませていたことも影響して、カイオウを圧倒していたトキ。

 

「我が兄ラオウより託された拳を、今こそ長兄カイオウ!貴方へ捧げよう!」

 

トキが得意とする柔の拳ではなく、ラオウと同じ剛の拳を繰り出すトキは、カイオウへとラオウより託された拳を放つ。

 

「北斗神拳伝承者には負けられぬのだ!」

 

なんとか絞り出した憎しみを纏わせて、カイオウはトキへと拳を繰り出す。

 

互いの想いが込められた拳が放たれ、僅かに速かったトキの拳がカイオウの胸部へとめり込んだ。

 

「貴方もまさしく強敵だった」

 

そう言ったトキは、死する運命にあるカイオウへと「もう誰かを憎む必要はないんだ兄さん」と話しかけていた。

 

「フフ、強くなったなトキ」

 

血を吐きながらも憎しみなど欠片もない穏やかな顔を見せたカイオウは、弟との最期の会話を楽しんでいたのは間違いない。

 

穏やかな表情で亡くなっていたカイオウは、愛する弟であるトキに倒されたことで憎しみからは解放されていたのだろう。

 

その後、唯一生きている第2の羅将ヒョウに修羅の国を治めることを任せた俺達は、修羅の国から元の国まで戻ることにした。

 

シンの都市を更に発展させたり、トキが愛する人を見付けたり、ケンシロウとユリアの間に子どもが生まれたりもして、忙しい日々を過ごした俺達。

 

シンの都市から始まった世界の復興は、何十年もかけて進んでいき、俺が潤沢に物資などを提供したこともあって、荒れ果てていた世界には緑が戻ってきていたのは確かだ。

 

ケンシロウとユリアの子が次代の北斗神拳伝承者となり、トキとその妻の子が何故か南斗聖凰拳を受け継いだりもしたが、無事に後継者ができたのは喜ばしいことではあった。

 

亡くなるその日まで、元気にカレーを食べていたサウザーとケンシロウは、老人になっても食欲旺盛であったな。

 

復興が進んで、普通にカレーが食べられるようになってからも、俺が用意したカレーを食べたがっていたサウザーとケンシロウの2人。

 

そんな2人を思い出しながらビーフカレーを作ってみた俺は、セイリュートと一緒にビーフカレーを食べていく。

 

「カレーを作る腕前だけが飛躍的に上手になっているのは、それだけ彼等にカレーを沢山作っていたからなのだろうな」

 

しみじみとそんなことを言っていたセイリュートに「そうだな、一万回以上はカレーを作ったと思うぞ」と言う俺。

 

「それは随分と作ったな。ワタシも驚きだぞ」

 

「カレーだけならプロ並みになったかもな」

 

なんて会話をセイリュートと楽しみながらビーフカレーを食べていった俺は、敵を倒した回数よりも、カレー作った回数の方が遥かに多かったのは悪いことじゃないな、と思いながら笑う。

 

まあ、今回も愉快な友人には恵まれたんで悪い人生ではなかったと思えた人生だった。




ケンシロウとサウザーは、亡くなるその日まで、スザクのカレーを食べにいっていたようです
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