新たに生まれ変わった世界には普通の人間以外にも様々な種族が存在していて、肉や魚に卵などは食べないエルフや、酒好きなドワーフ、卵を好むリザードマンに、獣の頭部を持つ魔族など、多種多様な種族が生きるこの世界。
ファンタジーっぽいこの世界には、かつては邪神や魔王なども存在していたらしく、邪神を倒した四英雄と呼ばれる存在も居るそうで、魔法などを使える存在も少なくはない。
特に原作のないファンタジーな世界に転生したんだろうか、と思いながら世界を巡る旅をしてみた俺は、流れの料理人として様々な場所で料理を作ってみた。
北斗の拳世界で、復興が進んでからはカレー店を開いていた俺は、カレーが1番得意な料理となっていたが、それ以外の料理も作れるので、場所に合わせた料理を作成していく。
公国と呼ばれる国で、大鍋を使って豚汁を作っていると「こ、これはまさしく豚汁!」と豚汁を知っている老人が驚いた様子を見せながら近付いてきた。
アルフォンスと名乗った老人は「もしやカレーを作れたり?」とも聞いてきたので「作れますよ」と答えておくと「是非とも頼む!」と食い気味に頼んできたが、アルフォンスさんはカレーに対する執着が凄かったな。
肉は豚肉を使ったカレーに馴染みがあると言われたので、スキル【商品購入】で用意した豚肉を入れたカレーを作っていき、異世界である為か野菜の名称が違っていたりもするが人参と玉ねぎにジャガイモも入れておき、しっかりと具材を煮込んで作ったカレーをアルフォンスさんに提供した俺。
「美味い!美味いぞ!ねこやにも負けない味わいのカレーだ!」
大喜びしていたアルフォンスさんが言うには、異世界の料理店であるねこやに繋がる扉とやらがこの世界には存在しているようで、7日に1度だけ、異世界に繋がる扉は現れるそうだ。
様々な場所に現れるねこやの扉は、公国の近くにも存在しているようだが、先日がちょうど7日に1度の日だったらしく、また待たなければカレーが食べられないと我慢していたアルフォンスさんは、この世界でもカレーが食べられることに喜んでいたな。
異世界に繋がる扉と、ヨーショクのねこやという異世界の料理店が存在しているこの世界は、異世界食堂の世界で間違いない。
アルフォンスさんは異世界食堂でカレーを食べている人であるが、無人島から公国に戻ってきているとなると、ねこやは先代店主から今の店主に引き継がれたということになっている筈だ。
ヒャッハーなモヒカンが襲ってくるような北斗の拳の世紀末な世界に比べれば、平和な世界だと言えそうではある。
それからアルフォンスさんから紹介された公国の騎士であるハインリヒというエビフライ好きな人に、エビフライを食わせてやってほしいと頼まれてエビフライを作ってみたりもした。
「この世界でもエビフライを食べれるとは!これぞ至福!」
アルフォンスさんと同じく異世界食堂の常連でもあるハインリヒさんにも喜んでもらえたんで、俺の料理の腕は、本職の料理人であるねこやの店主に劣っている訳ではないみたいだな。
それからも俺は旅を続けていき、リザードマンの集落でオムライスやオムレツを提供したり、エルフの集落で餅つきをしてつきたての餅をきなこ餅などにして提供してみたりもした。
旅先で赤の女王という赤龍に頼まれて、凄まじく巨大な鍋一杯のビーフシチューを作ることになり、完成させたビーフシチューで満腹になった赤の女王は、物凄く喜んだ。
「うむ、満足だ。そなたには妾の加護をやろう!」と上機嫌な赤の女王から直々に加護を渡されることになったりもした俺。
赤の女王から加護を受け取ってから神の恩恵を確認してみると、新たなスキルが2つ増えていたのは確かだ。
カリュート(ントム)
Lv1
力:S999
耐久:S999
器用:S999
敏捷:S999
魔力:S999
《魔法》
《スキル》
【山吹波紋】
【波導勇者】
【商品購入】
【廃棄貯力】
【祝福恩恵】
【恩恵確認】
【黄金生成】
【超人体質】
【霊力変換】
【変形霊刀】
【文珠生成】
【人影倉庫】
【聖剣創造】
【聖魔支配剣】
【冒険者札】
【神通棍】
【破魔札】
【霊体弩】
【精霊石】
【聖悪魔祓】
【聖返不死】
【式神使役】
【気力変換】
【朱槍傾奇】
【超硬気功】
【幽波紋】
【系統魔法】
【南斗聖凰拳】
【煮込達人】
・煮込む系統の料理において達人と言える存在となり、料理中は発展アビリティ調理、煮込、調味料、香辛料、の一時発現
【赤龍加護】
・6柱の1柱である赤龍、赤の女王より授けられし加護
・スキル所持者を害す炎熱を完全無効
その日から、赤の女王に加護を授けてもらった礼として、ビーフシチューだけではなく、様々な料理を赤の女王に提供してみた。
とてもとても喜んではもらえたので、ちゃんとお礼を返すことはできていたかもしれないな。
その後、赤の女王の住みかに長く滞在することになった俺は、赤の女王に料理を提供し続けたが、この世界での寿命が近付いていた俺には、終わりが近い。
赤の女王に提供するビーフシチューとは別にビーフシチューを作り、セイリュートと一緒に食べているこのビーフシチューが、最期の食事になりそうだ。
「更に腕を上げたようだな、このビーフシチューはとても美味いぞ」
そう言いながら夢中でビーフシチューを食べていたセイリュート。
「今回はカレー以外も沢山作ることになったな」
今生の人生は料理人として生きたが、そんな人生も、たまには悪くない。
【商品購入】のスキルを用いて様々な食材や調味料に香辛料を購入し、毎日ひたすら赤の女王に料理を作っていた本作主人公となりました