小さな沢を塞き止めて殺せんせーが作ったプールで涼んでいたE組の生徒達だったが、水着を着て上半身を晒した俺を見た生徒達は「筋肉がヤバイ」と言って、割れた腹筋や筋肉質な腕を触ってきた。
スキル【超人体質】を得てからは、どの世界でも筋肉が発達した身体に成長しているんで、パワーが強めでもあまり違和感を持たれることはない。
「これは金取れる筋肉だわ、1触り500円位で」
などと言いながら俺の腹筋を撫で回すクラスメイトの女子な中村は、アダ名がオヤジ中学生というとんでもない女子であり、頻繁に男子の潮田にセクハラしているが、多分潮田のことが中村は好きなんだろう。
中村が1触り500円とか言い出したせいで、筋肉を鍛えれば稼げるんじゃないかと勘違いした磯貝が「おれもムキムキなれば」と筋トレを始めようとしていたが、家に金銭的な余裕がなくてバイトもしている磯貝の勘違いを正すついでに、スキル【黄金生成】で大粒の砂金の形で生成した黄金を、プールの底から拾ったことにして磯貝に渡してみた。
「砂金落ちてたからやるよ磯貝」
「ああ、ありがとう渡、って砂金っ!そんなの落ちてたの!」
大粒の砂金を受け取った磯貝が大騒ぎしていたことで、プールの底に砂金が落ちていたとE組の生徒達に広まり、砂金探しが始まってしまったプール。
磯貝に渡した1個だけだと不公平かと思って、事前に砂金の形で黄金を生成してプール内に幾つか置いておいたが、発見した生徒達が大喜びしていたのは確かだ。
殺せんせーに鑑定してもらって「これは本物の金ですねぇ」と言われた生徒達は大興奮していたが、換金をどうするかということになり、最終的には烏間さんのつてで、手に入れた金を換金してもらっていたE組の生徒達。
ちょっとした小遣いを得ることができていた生徒達は喜んでいたが、暗殺に積極的ではない寺坂が妙な動きを始めており、裏で寺坂がシロと接触していることも確認できた。
殺虫剤のスプレーに偽装した薬剤を散布した寺坂が翌日になって、拳銃のような形をした装置を片手に、E組の生徒達をプールに誘導しようとしていたが、乗り気ではない生徒達ばかりで、E組は誰も動こうとはしない。
そんな生徒達を粘液を垂れ流しにしていた殺せんせーが説得し、プールにまで生徒達を連れていこうとしていたが、E組の生徒達が危険に晒されるのは避けておきたいと思った俺は、生徒達がプールに入る前に寺坂から拳銃の形をした装置を奪い、引き金を弾く。
爆弾を起爆するスイッチであった引き金が弾かれたことで、設置されていた爆弾が起爆されて巻き起こる爆発。
それよってプールの堰が破壊され、激しく流れていく水を見て、クラスメイト達をプールに入れていたらどうなったかを悟り青ざめていた寺坂。
「都合よく使われているだけなのは楽だったか寺坂。何も考えず流されて従っているだけだと、こうやって利用されることもあると覚えとけ」
「オレは関係ねぇ!こんなことさせるって知らせずに指示を出した奴が悪りーんだ!」
本当は自分も悪いと思っているのに、自分自身を誤魔化すようにそんなことを言い出した寺坂には、かなり加減した拳を叩き込んでおいたが、俺が阻止しなければ悪ガキの悪戯では済まないことを実行していた可能性が高い寺坂に少し苛立っていて、ちょっとだけ強めに殴ってしまったかもしれない。
加減したとはいえ俺にぶん殴られた寺坂は頬を腫らしていて、殺せんせーが持っていた氷嚢で寺坂は頬を冷やしており、甲斐甲斐しく世話をしていた殺せんせーに根負けした様子を見せていた寺坂は、考えを改めることができたみたいだ。
寺坂を利用した計画が失敗したことに気付いて、姿を現すことがなかったシロと堀部は帰っていったようで、E組の生徒達が危険になることはなく無事に終わる今回の騒動。
そんなことがあったりもしたが中学校に通う中学生であるなら、成績を決めるテストというものがあり、1学期の期末テストがあるらしい。
気合いの入った殺せんせーが、テストで100点を取った枚数によって触手を破壊する権利を与えるとも言い出したんで、それを聞いて勉強に励んでいたE組の生徒達。
図書室でA組とE組の間でトラブルがあり、どちらが教科のトップを多く取るかによって勝負をすることになったA組とE組。
ますますやる気になった殺せんせーから、特別ヌルヌル教科テストというものを出されるようになった俺は、即座にテストを終わらせて採点してもらうと「流石ですね!全教科満点ですよ渡くん!」と喜んでいた殺せんせーだったが、更に追加でスーパーヌルヌル教科テストというテストを出されることになる。
それも満点を取ると今度はハイパーヌルヌル教科テストがあり、そちらも満点で終わらせると、ウルトラヌルヌル教科テストというものが待っていた。
全部にヌルヌルという名称が入っているが、どれだけヌルヌルしたいんだと思いながらも、難易度が上がっていくヌルヌルテストを全問正解して、満点を取り続けた俺。
「渡くんの学習力は素晴らしいですね。教えたことを全て覚えて学習してくれるのは教師としては嬉しいものです」
嬉しそうな笑顔を見せていた殺せんせーだが「渡くんは勉強やクラスメイトを守ることには力を見せてくれていますが、先生の暗殺にはそこまで積極的ではないですねぇ。何か理由でも?」とも聞いてくる担任教師。
嘘を答えても殺せんせーには見抜かれそうなんで、正直に話せることは話しておくかと考えて口を開く。
「E組には、まだまだ殺せんせーが必要だと思ってな。もう大丈夫かな、と思ったら殺せんせーを俺も殺しにいくよ。暗殺とはかけ離れた殺しになるかもしれないが」
「そうですか。やはり渡くんはクラスメイトを大切に思っているんですね」
穏やかな一時を過ごす俺と殺せんせーだったが「それでですね渡くん。今日のおやつは何でしょうか」と聞いてきた殺せんせーに「フルーツ入りのミルク寒天が家庭科室の冷蔵庫に冷やしてあるぞ」と伝えておくと、素早く家庭科室へ行った殺せんせーはミルク寒天が入った容器を持って戻ってきた。
そして「いただきます」と言うとミルク寒天を食べ始めた殺せんせーは「絶妙な甘さのミルク寒天とシロップ漬けにされたフルーツが組み合わさって凄く美味しいです!」と食レポ風に語りながら複数の容器に入っていたミルク寒天を全て平らげてしまう。
「いやそれ、クラスメイトの分もあったんだけど」
「にゅやああああっ!よく見ると生徒達の名前が容器1つ1つに書いてありました!」
あまりよく見ないで全部食べちゃった殺せんせーが間違いなく悪いんで、とりあえず殺せんせーからE組の生徒達に謝ってもらった方が良さそうだ。
この先生は、たまにこういうところがあるんで、一応代わりとなるアイスは念の為に冷凍庫に入れておいたが、ミルク寒天の口になっていた生徒達からは間違いなくキレられるだろうな。
ミルク寒天の口になっていた生徒達にキレられた殺せんせーは、生徒達に謝罪しながらお詫びの品を買いに行かされたようですね