次回で暗殺教室編は終了となりますね
磯貝のバイトがA組の浅野にバレて、それを浅野が教師達に報告するかどうかを、近々行われる体育祭の棒倒しの結果で決めることになり、A組から勝負を挑まれたE組。
体育祭の為だけにA組を率いている浅野が外国から呼び寄せた体格のいい外国人の学生4名。
その4名を一時的にA組に組み込んで、体育祭の棒倒しでE組の生徒を痛めつけようと計画していたみたいだが、全く浅野と関わりがない俺について、A組の浅野は詳しく知らなかったようだ。
体育祭が進んで棒倒しが始まった時、E組は俺以外が防御を選び、俺のみが攻撃となった。
外国から来た体格のいい学生達がタックルしてこようが前進しただけで弾き飛ばし、組みついてこようが無人の野を行くが如く4人の外国人学生を引き摺りながら前に進んで、A組の棒をたった1人の力技で倒した俺に、化け物を見るかのような目を向けていた浅野。
「E組が誇る重戦車を見たか!」
「外国人がなんぼのもんじゃい!」
「うちの渡のパワーをなめんなよ!」
などとA組に言うE組の面々とハイタッチしておき、棒倒しで敗北したことに茫然としていたA組に対し「俺を止めるにはパワー不足だったな」とだけ言っておく俺。
それからE組が怪我をすることもなく2学期の中間テストが近付いていたが、E組が偶然知り合ったお爺さんの松方さんが保育施設を経営していると知り、希望者達が授業終わりの放課後に保育施設の手伝いをすることになる。
保育施設を改修したり、子ども達の世話をしたりしながら過ごしたE組の生徒達。
原作の暗殺教室では松方さんに怪我をさせることになった生徒達が居て、その責任を取る為に保育施設で働いたE組だったが、この世界ではそんなことがなく、普通に知り合って保育施設の手伝いをしただけとなったE組。
怪我人が出なかったことはいいことではあり、強制的に労働することもなくなったことで、中間テストも問題なかったE組は、しっかりと成績を伸ばすことができた。
それはそれとして暗殺者としての訓練の際、クラスメイトに頼まれて指導者の側に回った俺は、潮田が殺し屋のロヴロさんから学んだ必殺技の猫騙しに発展系があることを教えると、実際に体験してみたいと言い出す潮田。
そんな潮田の波長を読み取り、クラップスタナーで麻痺させておくと、麻痺から回復した潮田は、他者の波長を読み取れるようになって、クラップスタナーが使えるようになっていたな。
暗殺者としての才能に溢れている潮田は、磨けば磨くほど光る原石でもあるのは確かだ。
クラスメイトを育てて鍛えていった俺に「渡くんは先生が向いているのかもしれませんね」と殺せんせーは言っていた。
そんなことがあったりもしたが文化祭の時が近付いていて、E組は豊富な山の幸を活かして原価を浮かせた料理を提供することになり、ドングリの粉と自然薯で作った麺にスープを合わせたものをメインにすることになって、ドングリつけ麺というメインメニューが決まる。
つけ麺のスープは豚骨醤油となるが、家がラーメン屋で料理上手な村松と俺が協力して作り出した豚骨醤油ドングリつけ麺は、試食してもらった全員が「美味い!」と迷わず言うものであり、サイドメニューも山の幸から用意したものに決定となったが、どれも味は悪くない。
こっそりと文化祭当日に全メニューを制覇した俺は、スキル【商品購入】でE組が作った文化祭メニューを全て購入できるようになっておく。
特に何事もなく無事に終了した文化祭ではあったが、大人気だったドングリつけ麺のおかげで、文化祭でも上位にランクインしたE組。
文化祭が終わった後、椚ヶ丘中学校内で未練を残した魂を2名ほど発見した俺は、その2名から話を聞いて、まずは椚ヶ丘中学校の理事長に会いに行くことに決めたが、案外すんなりと対面することができた浅野理事長と俺。
「渡くんがわたしに会いたいと言うとは思ってもみなかったから、何を言うのか興味があってね。それで時間を作ってみたんだ」
そう言う浅野理事長は、表面上は穏やかであるが、内面に狂気を宿しているのが感じ取れてしまう。
かつて私塾を開いていた浅野理事長は、私塾から卒業した教え子だった生徒が、いじめで自殺してしまってから、おかしくなっていたのかもしれない。
そんな浅野理事長に伝えたいことがあると、着いてきたこの魂は言っているが、やはり言いたいことがあるなら自分の口で言うのが1番だ。
という訳で、自殺したが未練を残してこの世をさ迷っており、今は浅野理事長の近くに居る池田陸翔くんの魂へと、8個の文珠に「霊」「魂」「一」「時」「的」「実」「体」「化」の8文字を込めたもの発動させておき、池田くんの霊魂を一時的に実体化させておく。
突如として現れた池田くんに、目を見開いた浅野理事長は「立体的なホログラム、幻覚?いやこれは違う」と言いながら実体化した池田くんの頭に触れて「やはり感触がある。ホログラムや幻覚の類いではない。超スピードで用意された人形?違う、人形は涙を流すことはない。ならば、彼は」と現状を把握しようとしていた。
「おれだよ先生」
「きみは声帯摸写して整形して似せた別人であると考えるのが1番現実的だ。しかし何故かな。先生としてのわたしは、きみが本物の池田くんだと感じている。死んだ筈の存在が、今こうしてここに居るという非科学的な現象になんと名付ければいいか。冷静ではない今のわたしでは難しい」
「ああ、やっぱり先生は変わってないな」
それから会話をしていた浅野理事長と池田くんは、とても穏やかな表情をしていて、池田くんと会話するごとに浅野理事長の内側の狂気が和らいでいたが、やはり池田くんのことを浅野理事長は常に気にしていたのかもしれない。
「死んじゃって後悔したことは沢山あるけど、1番の未練は先生と直接会って話せなかったことでさ。こうして話せて嬉しいんだ。ありがとう先生、これで未練が晴らせたから、おれはもういくよ」
「ああ、さようなら池田くん」
一時的な実体化が解けていった池田くんは、残していた未練が晴れて成仏していき、この世から完全に消える。
「未練を残した魂に頼まれて、死者の声が伝わるようにしましたが、少しは気が晴れたようですね」
「渡くん。きみは霊能者という存在でいいのかな?」
「そんなものではありますね。防衛省や政府には明かしていませんが」
「何故、わたしにはそれを明かしたのか、と聞くのは無粋か」
「まあ、しいて言うなら、池田くん達が貴方にプレゼントした椚の葉の形をしているネクタイピンを、今も大切に身に付けている貴方だからこそです。それでは失礼しますね浅野理事長」
立ち去ろうとした俺を呼び止めた浅野理事長は「渡くん。今後何か困ったことがあれば、わたしに言いなさい」と言ってくれたが、そんな浅野理事長の顔はとても穏やかで優しい顔をしていた。
その後、もう1人の魂が会いたい相手である殺せんせーと茅野を呼び出した俺は、雪村あぐりの魂を文珠で一時的に実体化させるついでに、茅野という偽名を使っていた雪村先生の妹の触手も無痛で取り除いておき、実体化した雪村先生と雪村妹に殺せんせーの3人で、しっかりと話してもらう。
それからしばらくしてこの世に残る未練が無くなった雪村先生が成仏し、雪村先生を殺せんせーが殺したと誤解していた雪村妹と殺せんせーが和解することができたようで、殺せんせーを憎むこともなくなっていた雪村妹。
まあ、ちゃんと誤解が解けたなら良かったと言えるな。
ちなみに悪霊の除霊などもたまに行っている渡砕牙は、定期的に「全」「世」「界」「悪」「霊」「消」「滅」という7個で7文字の文珠を使っていたりします