二次試験の試験官となるのは美食ハンターのブハラとメンチの2人で、今回の二次試験の課題では料理をすることになるが、最初の1品は、ブハラさんの好物である豚の丸焼きであった。
二次試験が行われる場所であるビスカの森に生息する唯一の豚、グレイトスタンプという頑丈な鼻を持つ豚を手早く倒した俺達。
単純に丸焼きにするだけだとしても、元料理人としては少しは手を加えたいと考えた俺は、心臓が動いている内に血管に切れ目を入れて一気に血抜きをし、グレイトスタンプの内臓を綺麗に抜き取ると、空っぽの腹の中に森で見付けた香草を幾つか詰めていく。
そして、鞄に手を突っ込んだ俺は【黄金生成】で金貨を2枚ほど生成し、その2枚を代金として【商品購入】を発動させ、かつてウォーターセブンで購入したアクアラグナの塩という美味な塩とアラバスタで買ったことがある香辛料を【商品購入】で購入して用意。
鞄から出した用に見せかけて、取り出したアクアラグナの塩とアラバスタの香辛料。
それらを焼いているグレイトスタンプへと擦り込んでいったが、適量の塩と香辛料を擦り込む際に、スキル【香辛料理】で香辛料であるスパイスに極上の旨味を与えることも忘れずに行い、完成したグレイトスタンプの丸焼きをブハラさんに食べてもらう。
「丁寧に血抜きをしただけじゃなく腹の中に香草も詰めて野性的な臭みを抑えて、グレイトスタンプという豚の旨味を格段に引き上げているね!更に表面がカリっと焼かれた丸焼きには塩とスパイスで絶妙なバランスの味付けが施されているけど、この旨味を大量に含んだスパイスが極上の味をグレイトスタンプに与えているよ!丸焼きされた豚の肉を食べる度に口内に広がる味で凄まじい幸福感を感じるし、食欲も増進されてる!メチャクチャ美味いよこのグレイトスタンプの丸焼き!」
などと食レポみたいなことをしてくれたブハラさんは、俺が作ったグレイトスタンプの丸焼きが1番美味しかったようで、ブハラさんに頼まれて連絡先を交換することになったが、また豚の丸焼きを俺に作ってほしいと思う程に美味しかったみたいだ。
俺が作った豚の丸焼きで食欲が結構増進されていたブハラさんは、100頭の豚の丸焼きを食べて、ようやく満腹になったようだが、原作よりも30頭は多く食べていたブハラさんの食欲は凄かったな。
二次試験第1の課題である豚の丸焼きを用意し、ブハラさんに豚の丸焼きを食べてもらった100名だけが挑める第2の課題。
第2の課題となる料理はスシであり、メンチが満足するスシでなければ合格にはならないようだが、ビスカの森で獲れる魚でメンチが満足するような味のスシを作るのは難しそうだ。
【商品購入】を使えばトリコ世界のストライプサーモン等の寿司ネタを確保することは容易いが、ストライプサーモンを用意したとしても、ピンポイントで寿司ネタになるものをどうやって用意したかを説明する訳にはいかないし、鞄に入る大きさの食材なら持ち込みだと思われるだろうが、鞄にストライプサーモン入ってましたとか怪しすぎるし、ビスカの森で獲れる食材でなければ美食ハンターの2人には、明らかにおかしいと判断されるかもしれない。
という訳で魚ではなく肉を使った肉寿司を試しに用意してみようと考えていた俺と殺せんせーはグレイトスタンプを素早く捕まえて下処理し、グレイトスタンプの豚肉を使った肉寿司をそれぞれ作ると決める。
俺が作っていくのはグレイトスタンプの挽き肉を使ったハンバーグ寿司で、殺せんせーはグレイトスタンプのシャリアピンステーキ寿司というものを作るつもりらしい。
俺が【商品購入】で用意したタマネギを微塵切りにして、此方はそれを挽き肉に混ぜ込んでアクアラグナの塩と、アラバスタの胡椒で味付けしていくと同時に【香辛料理】で胡椒に極上の旨味を与えながらハンバーグの形を整えた。
殺せんせーの方は薄くなるまで叩いて柔らかくしたグレイトスタンプ肉を微塵切りにしたタマネギに漬け込み肉を更に柔らかくしていく行程があるが、長く漬け込む時間がないんで俺の文珠で時短もして殺せんせーの調理を手伝っておく。
俺は俺で大きくなり過ぎないように大きさを調節したグレイトスタンプのハンバーグを、鞄に入れて持ち歩いているフライパンで焼き上げて、シャリが固くならないように握って一口大のハンバーグを乗せると、完成させたハンバーグ寿司。
殺せんせーは殺せんせーで、かなり柔らかくしたグレイトスタンプの肉を焼いてポークステーキとすると、微塵切りのタマネギのソテーも作成し、一口大に切り分けた柔らかなポークステーキを握ったシャリの上に乗せて、ポークステーキにタマネギのソテーもかけておくと、グレイトスタンプのシャリアピンステーキ寿司が完成したようだ。
俺と殺せんせーがメンチにハンバーグ寿司とシャリアピンステーキ寿司を同時に見せてみると「なんであんたらはやたらと美味しそうな肉寿司を持ってきてんのよ!寿司知ってるならちゃんとしたの持ってきなさいよあんたら!」とメチャクチャキレられた俺達2人。
「美味しそうだけど、スッゴく美味しそうなんだけど、肉寿司を寿司と認めるのはどうなのかって気持ちが料理人としてあるのよ。食べたいけど、ものスッゴく食べたいけど食べたら合格にしちゃいそうだからこれは食べないわ」
それから俺と殺せんせーの肉寿司はメンチに食べられることなく不合格ということになったんで、捨てるのもどうかと思った俺と殺せんせーは肉寿司をブハラさんに渡して食べてもらう。
「ハンバーグはシンプルな塩胡椒だけどシャリとの相性は抜群だね!うん、スッゴく美味いよこれ!こっちのタマネギのソテーがかかったポークステーキ寿司も、柔らかなポークステーキとタマネギの味わいが素晴らしいよ!これも美味い!」
俺と殺せんせーの肉寿司を食べたブハラさんが高評価しているところを怨めしそうな目で見ていたメンチは、本当は俺達の肉寿司を食べたかったんだろうが、試験官として肉寿司を寿司とは認められなかったんで、食べないことを選んでいた。
その後、ハンゾーという受験者がスシの作り方をバラした為、味で審査することになっていたが、メンチは直ぐに腹一杯になってしまい、二次試験第2の課題は合格者無しとなるが、ハンター協会の会長が現れてメンチを説得し、別の料理で再試験となった二次試験第2の課題。
崖から飛び降りてクモワシの卵を取り、崖をよじ登って戻ってきてゆで卵にするという新たな課題に挑んだ受験者達。
とりあえず俺達も無事に新たな課題で合格し、クモワシの卵をゆで卵にして食べてみたが、確かにクモワシの卵は美味い卵だった。
殺せんせーが2個取ってきていたクモワシの卵の内1個を、小銭の100ジェニーで購入し、スキル【商品購入】で購入可能な状態にしておいたりもしたが、格段に美味いクモワシの卵がいつでも食べれるようになったのは、中々悪くないな。
ブハラさんだけ美味いものを食べてたんで、二次試験終了後のブハラさんはメンチに無言で腹パンされたようです