私の知ってる超かぐや姫!がなんかおかしいんだけど質問ある? 作:天空ラスク
でもゾウさんの方がもっと好きです
何が言いたいかって?ボケ過ぎて本題に入る前に4000字超えたよって報告
ごめええええん! 次回は本題から入るからあああああ!
orz
ポコっとやって来ました酒寄家。メモリはいつもの3(完全透明人間・物体の次元間移動可)に合わせたが、かぐやと彩葉はどうやらツクヨミに行っている様子。
畳んだ布団に背中を預け座る彩葉と、隣で彩葉の手首を握っているかぐやの姿が見えた。見る人もいないし、ほなメモリ5(そのまんま酒カス)でええか。
「私勉強したかったんですけどー?」
「まあまあ損はさせないから! かぐやのbeautifulなダンス期待しとき!」
「ふーん。……ま、程々に期待しとくよ」
スマコン操作中の様子を外から見ると、目も合わせずガッツリ閉じたまま会話しているから不審者っぽい。目を閉じてるだけで画面映えする美少女二人のその姿をカメラに収める。
しかし、向こうに来てそうそうにかぐやのダンスと来たか。配信の神様はかぐや姫の元気ハツラツダンスを視聴者に届けよと言っているに違いない。自分も高校生の時ならかぐや以上に元気に踊れたのに、としみじみと思い出を振り返った。
「(ゲッダン☆は人間が踊るもんじゃないって怒られたっけ……)」
あの頃は動画サイトでみんな踊ってたからみんなできると思っていた。常識を教えてくれてありがとう同居人。今夜“ピタッ”の出し方教えてあげるから一緒に踊ろ、そう決めた。やめて差し上げろ。
このままささっとツクヨミに向かうのがベストだろうが、目の前には完全無防備な彩葉がいる。
いざ、イタズラタイム突入の時。
気づかないうちに意地悪な笑みが浮かんでくる。かぐやもツクヨミに行っている以上、イタズラを邪魔する者はいない。
泥棒のようにすり足でフローリングを進むと、彩葉の真隣にしゃがみ込んだ。
「ヤッチョもいろのダンス見たいな〜〜」
彩葉の耳に手を添え、吐息多めにして
「うひぇっ!? いいい今ヤチヨの声がした!?」
「いろはぁ……もうちょい寝とく? 今ならかぐやちゃん抱き枕が付いてくるゼ☆」
「寝不足じゃない! ほんとにしたんだってば」
「またまた〜。な〜んも聞こえなかったよ〜」
「ぐぬぬぬ……はぁ、もうそろそろ着くよ」
「あ〜彩葉話逸らした〜」
「うっさい」
仲良いなこやつら。会話の応酬に混じってかぐやが手を伸ばしてじゃれつき、それを無抵抗で受け止める彩葉。もう距離感だいぶ近づいてる。密です。
「今からそっち行くよ〜。……ふ〜」
最後に耳に息を吹きかけ、バイザーのスイッチを入れツクヨミへと向かった。酒臭っ。
場面転換も間もなく、パッとツクヨミに現れた海琴は辺りを見回す。……が、お目当ての人物の姿が見えない。近くにはいるはずだが、どこかに隠れているのだろうか。
「(ありゃ、この辺のハズなんだけどな〜?)」
いつもはこんな事にはならないのだが、どうやら彩葉に何かあったらしい。小首を傾げ思考に耽ろうとして、
「彩葉ああああああああああ!?」
タイミング良く路地裏から大声が響いてきた。さしずめ(絶)叫かぐや姫! と言った所か……自分で思って面白くなかったので心の中に秘めとく。実に利口である。
「あ、あっちだね。神々のみんな〜、今からかぐやのダンス野次馬しちゃうよ〜!」
・《¥160・username・MMO@ヤチヨ推し》もう私この後の展開予想できました
・《¥874・username・フランスの鈍器》オタクが推しからあんな事されたらどうなるか……ねえ?(・ω・)
・《¥499・username・いーある算数》ああ、頭がボーンと吹き飛ぶな
・なわけ!あるか!
・彩葉の御耳に息を吹きかけるなど言語道断!酒カスそこ代われ
・彩葉の耳は俺が守る!彩葉そこ代われ
・唐突におっさんずラブ始めないで貰えます?
狭い路地をテテテと小走りで駆け抜ける。建物に挟まれた視界の先に一筋の光が見えた。
「彩葉しっかり! 今かぐやの回復アイテム分けたげるからね!!」
光の先からかぐやの焦る声が聞こえてきた。
「ありり? なんかダメージ受けるようなイベントあったかな〜?」
コラボライブの時も武器を取り出せたし、街中でもHPが設定されているのかもしれない。相当強く転んだとか?
・(´・ω・`)(諦めの目)
・(《・》ω《・》)(諦めの悪い目)
・彩葉まさか魂抜けてないだろうな
確かにヤチヨオタの彩葉にするにはちょっと刺激が強かったかもしれない。……けれど、そんな回復アイテムを出すような事とは? いや、見てみる方が早いか。
「とうちゃ〜く☆ さてさて、彩葉達はどこにい…………る?」
路地裏を抜けると────顔面にソフトクリームが突き刺さったまま仰向けに倒れ込んだ彩葉と、ブルーハワイ色の液体が入った丸底フラスコ型の容器を彩葉の口に突っ込むかぐやの姿があった。
……おのれ犯人!
「彩葉をこんな目に合わせたのは誰だ〜!!」
・お前お前お前お前
・恒例になってきたなお前×4
・雪国じゃなくてギャグ路線に行った……(´・ω・`)
・供給過多で気絶はすると思ったけど顔面ソフトクリームまでは予想できんかったwww
・酒カス手伝え。お前がやらかした物語だぞ
「あっ! ヤチヨ助けて! 彩葉が急にひっくり返って起きないの!
声を上げたせいでかぐやがこちらに気がついた。相当慌てているようで一気にゼロ距離まで駆け寄ってきた。
なるほどなるほど、ここは自分のできるところを見せて有能アピールするところだ!
このルナティックヤチヨカップでかぐやいろPを優勝に持っていくには、最低でも二人の配信に同行を許される関係にならないとダメだ。この世界は何故かバッドエンドに向かいがち。このままだとまだ見ぬ大物達に踏み潰される可能性が消えない。せめて困った時に何かできるようにしておかないといけない。
まずはかぐやから距離を詰めよう。彩葉はお母さん語録のせいで人に頼る行為を悪い事だと認識してしまっているから。
「受っけたまり〜! ヤチヨは普段からこんな事もあろうかとね〜、と〜っておきの────────あ゛」
さてさて、みなまで言わずとも察する人はいるでしょうが、一応聞いておきましょう。こんなことわざを知っていますか?
酒は百薬の長。
未成年飲酒、ダメ、絶対。
「よよよ〜!? まさかのやらかし! 彩葉にはまだ早いやつでした〜!」
「うえええ!? じゃあ何、ヤチヨ何もできないって事!?」
「ううう、ヤチヨが知ってるのはもうおはようのちゅーくらいしかないのです〜……」
「(昔お爺ちゃんが読んでくれたおとぎ話だとそれで起きてたけど、さすがに現実じゃ無理だよね〜!!)」
気付け薬なんて都合がいいものはさすがに持ってない。配信のネタに買ったスピリタスはあるが、まさか飲ませる訳にもいかない。ツクヨミにいるから飲まそうとしても位置もないだろうし。
ここで打出の小槌を使おうと思い浮かばない辺り真性のポンコツである。脳まで酒浸りなせいですね。
「ごみん、ちょっと横になるね」
何ができるところを見せようだ。いつも肝心な時に何もできないじゃないか。ヤチヨ本人ならスパっと解決しただろうに。
「よ〜し、……いくよ彩葉! せーのっ!」
「んぅ、一体何が起きたンブッ!?」
「んぢゅうぅ────────!!」
「ん〜〜〜〜〜!! ん〜〜〜〜〜〜〜〜!?!?」
「およよ〜〜ん……」
横たわって膝を抱え丸まっていると感情を読み取ったのか、自動的に【泣く】エフェクトが再生された。重力を無視して水が頬を流れていく感覚はとっても不思議に思えた。
・後ろを写せええええええれ!!
・カメラさーん!もうちょっと上からお願いしまーす!
・地面に置くな
・ワロス
「ヤチヨー! 彩葉起きたー!」
唐突にそんな声が聞こえてきた。いつの間にか彩葉は自然に起きたらしい。何もできなかったけど何とかなって良かったと安心した。
「よよ、ヤチヨは何もできず申し訳ないのです……ん〜?」
のそのそと起き上がり声のするほうを向いた。
「えへへ、彩葉べたべた〜」
「正気か!? キスはもっと大事な人にするもんでしょうが!」
なんか顔が
状況が良く分からないが、彩葉の言葉から察するにまさかソフトクリームが突き刺さったまま拭かずにキスしたというのかあの宇宙人。
「ヤチヨありがとね〜」
「えっ、はっ!? 今のヤチヨに見られ、見られ……って新衣装!?」
「………………」
ニコニコと笑みを浮かべたかぐやが一段落ついたとばかりに手を振ってくる。それに反応した彩葉が振り向くと自分を見て目を落としそうなほど見開いている。
「(新衣装? いや後でいいね。 この状況はボケられる……! よっしゃ、やってやんよ!)」
心の中の若かりしクソガキがひょっこりと顔を出した。狙いはどちらにしようか思考する。
かぐやは論外。まずボケをボケと理解せず素直に受け入れる可能性が高い。8000年の旅路がなかったら死ぬまでピュアピュアやってるに違いない。
……考えるまでも無く彩葉しか選択肢に載ってなかった。
ちらと彩葉を見ると、
「ウッ新衣装かわいすぎ……。法で取り締まるレベルの犯罪的尊さ……。ってかスリット深っ」
口元を手で覆い、瞳を感動に近い色に染めあげていた。未発表の衣装を発表前に見れたと勘違いしているのか、ちょっとした動きに乙女が入っている。
「ねぇいろ? ちょ〜っとデリケートな話題になるから、オブラートに包むんだけどね〜」
「はいなんでしょう!」
声掛けた瞬間に正気に戻った。これぞ正しいオタクの反応なり。聞こえてるかコメント欄。
両腕を体の左右でビシッと揃えた彩葉。その目をじっと見つめ、
「
「やらへんよ!?」
かなり食い気味にツッコミが入った。あまりの衝撃に地元の方言が出るほど動揺している。
「(彩葉すっごい混乱してる……超面白い)」
わたわたとボディランゲージを織り交ぜてなんとか推しからの誤解を解こうとする彩葉だが、確信犯である自分には届かない。タチ悪いぞこのクソ酒ガキ。
「ねー彩葉ー。エッチってなにー?」
「んなっ!? 今それどころじゃ──」
そろそろ誤解を解こうかと言うところで、まさかのピュア宇宙人からの無邪気な追撃が加わった。こてんと首を傾けた姿は空はなんで青いのと尋ねる幼子のよう。
そう、ボケ続行のお時間である。はい。
「エッチはね〜、もっと仲良くなりたい大切な人とやる事だよ〜」
「ヤチヨさん!? いや間違っては無いんだけど」
「へ〜そうなんだ〜! じゃあ彩葉、エッチしよっ! 一緒に!」
「〜〜っ! あんたってやつは〜〜っ」
彩葉が悶えている。顔をトマトのように赤く染めながらこの状況の打開策を必死に考えている。でもアナタ十年後にその子と添い遂げるんですよ、と微笑ましい感情を頬に浮かべた。
・酒カス早くこのエロ端会議を止めろ!
・終わらせんぞ……かぐや推しの俺の性癖を破壊した責任を取ってもらうまで
・でもその宇宙人もう好きな人がいるんですよ
・どぼじでぞんなごどいうの?
「あの〜、悲鳴が聞こえたから見に来たんですけど。……お邪魔でした?」
声を聞いて振り向くと、先程自分が出てきた路地からひょっこりと顔を覗かせた女性がいた。長い銀髪の隙間から犬耳を覗かせた救世主は気まずそうに目を泳がせている。
この者、名をば忠犬オタ公となん言いける。
わいわいわにゃわにゃとした
それもこれもニュースを取り扱う仕事柄真剣に話を聞いてくれるオタ公と、ピュアガキと酒カスの波状攻撃に耐え抜きながら事実のみを話し続けた彩葉の努力の
「なるほど。不慮の事故でああなっちゃったんですね」
「そうなんです! 決してやましい気持ちは無いんです!」
彩葉の顔色は恥ずかしさから真っ赤に熟していた。時間経過でベトベトが消えた白い肌がリンゴのように赤みを増していく。
超至近距離で見たかぐや姫の美貌と唇を合わせていたという事実。感覚が無いとはいえ、視界に収めた情報が脳に焼き付いて剥がれないという意味で目に毒である。
「──うわっ」
突如、固まった彩葉の腕が後ろから引っ張られた。片側だけ引かれた事で回転が加わり、くるりと体の向きが反転する。
その目線の先にはむっと頬を膨らませたかぐや姫の姿があった。
「いーろーはー。そろそろかぐやのダンス見てよー! かぐや、ずーっと待ってたんだからね!」
「は〜い、やっちょもダンス見た〜い☆」
すかさず自分も手を挙げ賛成する。
・申し開きはあるか酒カス
・オタ公からの彩葉の印象がお盛ん寄エロ葉になるとこだったんだぞ
うるせえ彩葉はエッチだろ。ヘイベイビーで何人堕としたと思ってるんだ。……と言い返したいところだがここは
さっきのはいいのか、と聞かれたら顔を背けるけど。
「あんなにお熱〜い宣戦布告されたら、みんな気になっちゃうよ〜」
「そうですね。ヤチヨカップ優勝を目指すなら歌とダンスは身につけておいて損はありません」
オタ公は注目を集めるように指を一本ピンと立てた。
「ツクヨミ一のライバー、月見ヤチヨはもちろんのこと。BLACK ONYX、ホロライブ、にじさんじ、しぐれうい、キズナアイ、ぶいすぽっ!、あおぎり高校、ミリプロ、……──」
一つ一つ数えるように指を立て、収まりきらずに畳んでいき、また立ててを数度繰り返す。何度か大物の名前が出る度に海琴の頬が引きつった。
「──子さん。これ以上の数のライバルがかぐやさん、貴女の前に壁として立ち塞がっています。彼ら彼女らに対抗するには歌かダンスのどちらか、あるいは両方が無いとかなり厳しい戦いとなるでしょう」
「────────」
かぐやは顔を伏せたまま黙っている。まさか、あの無鉄砲なかぐやが弱気になると言うのか。もしそうなってしまったらバッドエンドを回避する事は不可能になる。ヤチヨカップを優勝して、コラボライブの思い出を胸に刻み込む。そのイベントがなければかぐやの8000年の旅の心の拠り所が一つ欠けてしまう。
「(最悪は打出の小槌でポジティブに……、いや、それをしてしまったらこのかぐやを否定することになるね)」
どんな性格をしていようとかぐやはかぐやだ。それを自分の都合で性格を変えるなんてやったら悪役のソレになってしまう。
「ですが、無理にとは言いません。ボイスパーカッションや演奏で盛り上げたり、ライブ演出に携わるのも一つの、」
「──────すっ」
かぐやが顔を跳ね上げる。大きく開いた瞳に星明かりを灯したその顔は諦めや諦観のそれではない。
楽しい。
「すっげぇぇぇぇ!! そんなにいっぱいライバーいるんだー!」
笑顔すらも輝いて見える。溢れんばかりの興奮と、全てを無邪気に楽しむ気質がその場にいる者の視線を自然と引き付けて離さない。
「どんな人達かなー? 一緒に配信してみたいなー。そうだ! みんな集めて配信したら面白いよね〜〜! 面白〜い!」
遊園地に来た子供のように飛び跳ねる。人が生きていて自然と身につけてしまう遠慮や緊張といった概念はこの宇宙人に存在しなかった。
「……なるほど。これは思わぬ金の卵を見つけてしまったようですね」
「うんうん。かぐやは絶対にバケるよ。ヤッチョの保証付き〜」
その場が静まり返る。自分も含め、みんなが太陽を見る向日葵のように自然とかぐやの方を向いていた。
「よーし、一番かぐや! 踊ります! タイトルは〜〜、“私は、わたしの事が好き。”っ!」
ウィンドウに細い指が触れ、音楽が流れ出す。キラキラと輝く金髪を靡かせ、かぐや姫は優雅に舞う。
・おい……これどうなってる
・これがわた好きダンス?え、違うよね?
・なんで振り付け変わってんだよ!?
・動きが全体的にぎこちない!かぐやの持ち味全部死んでるぞこれ!
見ている者に不自然な違和感を抱かせて。
UCHIDE.log 【BadEnd No05 死にかけハートビート】が成立する可能性があります。
ボケ過ぎて止まれんかった。許し亭許してヒヤシンス
楽曲コード
N01701829 私は、わたしの事が好き。