私の知ってる超かぐや姫!がなんかおかしいんだけど質問ある?   作:天空ラスク

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後続の超かぐや姫!小説が最新話が投稿されてない日でも何百何千UAされてるの見ると、『一緒にめでたししちゃお〜☆』って喜んでる光のヤチヨと『キラキラのかぐや姫は、もう、オワコンです』って当作の一日のUAの少なさに泣いてる闇のヤチヨが出てくる今日この頃

後続の超かぐや姫!作家よ、俺の屍を……超えていけ……がくっ


ヤチヨ(?)の違和感について質問ある?

 Side・酒寄彩葉

 

 七月二十三日。

 

 午後一時。受験勉強に一区切りつけ、休憩がてらツクヨミに来た。もはや当たり前のように宇宙人と共にぶらり旅だ。

 

 特に何かをする宛もなくふらふらとヤチヨアクスタを買ったり、屋台で遊んだり、ヤチヨぬいを買ったり、ヤチヨポスターを買う。ああ、至福の時……!!

 

「ぬっぬっぬっ。ようやくかぐやの元に星が巡って来たようですな〜」

 

 なんだその笑い声。

 

 同居中の宇宙人はウィンドウを見て不敵に笑っている。絶妙に大物感を出そうとしているのだろうが、屋台で買ったみたらし団子のタレが口に着いてるせいでちっちゃい子供にしか見えない。

 

「8910位だったのがたった一日で8740位。170も上がった! これもミコとフブキのおかげ〜。そしてぇ!」

 

 どやどや星人が指揮棒を振るようにウィンドウを操作して、ニュースツクヨミのwebページが開かれた。というかミコって誰の事? ホロか?

 

 【まるで星空の水族館!? 謎の超新星ライバーかぐやのゲリラライブ!】と題された記事の前で当人が鼻を長く伸ばし、

 

「天っ才歌姫! かぐやちゃんの溢れんばかりの魅力がツクヨミを飲み込む日は近い! ぬっははは〜!!」

 

 ニュース記事に掲載された写真を見れば、いつもより小さいかぐやの姿があった。

 

 正直私は当時この場にいなくて良かったかもしれない。大きなうさ耳を振り回しながら軽やかに踊るちびかぐやを見たら、なんか、あの、……かわいいから、ぎゅってしたくなる。本人にはぜっ〜〜たい言わないけど!

 

 ええい、可愛さで私をどうにかしようとしてるんだなこの宇宙人め。私の口撃をくらえ。

 

「でもホロリンピック負けたんでしょ」

 

「あれはノーカンだよ!?」

 

 ギョルン! と怪音がなりそうな勢いで振り向いた。話を聴けば、ホロライブ主催の大型企画のラスト種目、借り物競走でこの宇宙人が借りられていったそうだ。

 

 で、結果二位で負けた。

 

「大体ミカ()ってふざけてんじゃん! アレのどこが黒鬼な訳! 服装もアゴも全然違うのに〜〜! クソァ!!」

 

 おー荒ぶっとる。触らぬかぐやに祟りなし。なむなむ。

 

 ブツブツと自らコスプレして優勝した剣持(けんもち)何某に文句垂れるかぐや姫。先に会場入りしてた上にお題も最高得点だったらしいので負けるのもやむ無し。

 

 まぁ、帝って言われたら黒鬼の帝アキラを連想する人の方が多いだろう。隣でおもちゃ買って貰えなかった子供みたいになってるかぐやのように。

 

 まさかジブ〇の方のかぐや姫の物語の帝で来るとは思わんわな。写真見せてもらったけどあの鋭角なアゴの再現はあの人にしか出来なかったろう。

 

 だけどかぐやが注目を集める事に成功したのは間違いない。あとは集まった人を離さず更に集めればいい。それは凄く難しい事だけど、なんとなくこいつはやっちゃうんだろうなー、と思う。……ヤバい、親バカ入ってるかも。

 

 ふと、漂ってきた良い匂いに顔を向ける。

 

「あ、彩葉だ〜。それにかぐやちゃんも〜」

 

 リスの耳と尻尾を生やした女性アバター──真実が通りの奥から焼きもろこし食べながら歩いてきた。

 

「二人もあっちの店行った方が良いよ〜。これすんごい美味しいから」

 

「ねぇ真実、この匂いって……」

 

 ツクヨミは視覚と聴覚以外実装されてないはず。だから、良い焼き色が着いたとうもろこしと焦げた醤油の香ばしい匂いなんてするはずない。ない、はずなんだけど……。

 

「うん。匂いも味もちゃんと本物だよ。なんと、この激ウマもろこしが50ふじゅ〜で買えちった〜」

 

「こ、この焼き加減。もろこしの色艶は……間違いない、もろこしマスターがいる!」

 

 かぐやが変な電波受信してる。知らない職業生み出すなよ勝手に。ああ、瞳がキラキラしてらっしゃる。というか、あなた今みたらし団子食べたばっかりじゃないのよ。まだ食べる気でいるの?

 

「いろはぁ。かぐや、もろこし食べたいなぁ〜……」

 

 うっ、そんな、人差し指の先端を軽く加えて上目遣いになった程度でこの酒寄家の長女酒寄彩葉を落とせると、

 

「まぁ、私もちょっと気になるから。別に付き合ってもいいけど……」

 

「やたっ! も〜ろこっしも〜ろこっし〜♪」

 

 はぁ、ダメだ。一生勝てない気がしてきた。

 

「チョロ葉〜」

 

「チョロ葉言うな」

 

 誰がチョロ寄チョロ葉だ。私は別にチョロくないし。ただかぐやのお願いが断れないだけだし。

 

「真実も一緒行く? 今日はかぐやが奢っちゃう、ZE☆?」

 

 うわ、ウインクがやかましい。スパチャが沢山貰えたからって分かりやすく調子に乗っている。

 

 それにしても、

 

「初めてのスパチャの使い道がもろこしって……」

 

 もっとこう、形に残るものにしなくていいの? せめて文房具とか……いや、こいつは百均で訳分からないもの大量に買うタイプだった。

 

「違うよー? もう既に買い物済ましてるから」

 

「えっ、初耳なんですけど」

 

「何回も声かけたのにぜ〜んぶ無視する彩葉が悪い!」

 

 特撮の悪役怪人がヒーローを指指すように怒られた。

 

 うぐっ、それを言われると弱い。思い返してみれば確かに勉強中に声掛けられてたような気もする。

 

「まぁまぁかぐやさんや。ここはもろこしに免じて許してあげてよ。彩葉も無視したくてしたんじゃないだろうし〜」

 

「む〜〜、しょうがないなぁもう」

 

 なんかもろこしに救われた。でも元はと言えばもろこしが売ってたからこうなってる。ふ、複雑だ……。

 

 もろこしにかじりつきながら先導する真実の背中を追って私たちは通路の先へと足を進めた。

 

「彩葉彩葉! 人めちゃ増えてきてる!」

 

「それだけその店が珍しいって事でしょ。ツクヨミで食べれば栄養価もカロリーも気にしなくていいし」

 

「さっきは開店したばっかだったのかも〜。これもう一回買えっかな〜」

 

 真実さん? もしかしてまたもろこし食べるの? 体調面は気にしなくていいけど味は同じだからせめて別のメニューにしたら? 

 

「あ、あのっ! もしかして、かぐやさんですか?」

 

「そだよ?」

 

 ん? 誰だろう、かぐやが私の知らない人に話しかけられた。もしかして昨日のゲリラライブで増えたファンかな。

 

「ハッ!? もしかして、かぐやのファンだったりしちゃったりするの!」

 

「はっ、はい! それで、もし宜しかったらなんですけど、……これにサインください!」

 

 ま、まさか本当にファンだったとは。これがバズった人の影響か。

 

 ファンの方はショルダーバッグからアクスタを取り出す。裏面を上にして渡されたそれを受け取ったかぐやがそのままサインを記入した。

 

「ありがとうございます! ヤチヨカップ優勝頑張ってください!」

 

 推しから直筆サインを貰ったファンは宝物のようにアクスタを掲げ瞳を輝かせた。

 

「わっ、それかぐやのアクスタだ〜! もしかして作ってくれたの?」

 

 え、かぐやのアクリルスタンド? かぐやに声をかけられて胸元に抱え込まれたアクスタをじっと観察した。

 

 ……あ〜〜、ほんとだこれかぐやのアクスタだ。プリントされたイラストがそのまんまアバターを貼り付けたレベルで上手い。でも作ったにしては作りが丁寧すぎるような気がする。まさかアクスタ作りのプロだったりするのか。

 

「いや、これはその、あそこのお店で取り扱ってたんです!」

 

 指差した先は私たちが向かっている方向に伸びていた。……もろこし屋でアクスタが売ってるって、そんな事ある?

 

「うーん、そういえば売ってたかも。色んな食べ物あったから夢中で見てなかったけど〜」

 

「彩葉!」

 

「わかった、わかったから! 腕引かないでよ!」

 

 はしゃぐ大型犬かあんたは。腕が掴まれている感覚は無いがアバター同士の干渉は発生している。イノシシかぐやと腹ぺこ真実に両手を捕まれ、宇宙人のように奥へ奥へ連れ攫われていく。

 

 匂いが濃くなってきた。焼けた炭の香ばしい香りと様々な食材が入り交じった匂い。沢山の人がみな幸せそうな表情を浮かべて屋台飯を頬張っていた。

 

「ザル焼きそろそろ出来るから、もうちょっと小野(おのの)お待ち〜」

 

 えっ、嘘、この鼓膜から入ってきて脳を愛しく抱きしめてくれるような優しい声は……!?

 

 ようやく到着した目的地には、店頭で四つのBBQコンロが赤熱した炭を抱えて横一列に佇んでいた。今も尚食材が金網と鉄板の上で炙られ、料理人の腕が凄まじく良いのか、全ての食材が輝いて見えた。

 

 一番右のコンロ、焼き鳥の油が炭に落ちて香りが爆発する。パチパチと弾ける音は喝采のようだ。

 

 その隣のコンロには鉄板が敷いてある。具材違いの数枚のお好み焼きが焼き上がり、店主の手で割り箸に巻かれて持ちやすくされた。

 

 一番左のコンロは真実も食べてた焼きもろこしだ。色艶が美しいとうもろこしをタレが染み込んだハケが撫でる度、炭と焼けたタレの香りを纏っていく。

 

 店主の両隣には七輪が置いてあり、片方は大きな骨のようなものが縦半分に割られて金網の上で焼かれていた。

 

 反対側は小さな中華鍋、その中で自らの油でカリカリに揚がった鶏皮が浮かんでいる。

 

「ザル焼きの仕上げ、行っくよ〜♪」

 

 店主──ヤチヨがお玉で鶏油を掬う。額に汗を浮かべた顔もまた綺麗だぁ〜。しかも、こないだと同じストリート風十二単で料理してる! ということはバグった方のヤチヨだ。バグヤチヨがツクヨミの機能を超えた物を出せるのは一昨日オタ公に渡してたフライドチキンで確認済み。じ、じゃあ本当に美味しいやつだ〜〜! もう目で見た光景が美味しく感じてきた!

 

 焼き鳥とお好み焼きの間のコンロ、炭の上に乗せられた金属ザルの中で一口大に切られた鶏肉が揺さぶられ、もうもうと立ち込める白煙の中で黒く色ずいていく。ザル焼きと呼ばれたそれにたっぷりと鶏油が掛けられて、

 

 炎が油に引火して一気に巨大化した。

 

「わっ!?」

 

 隣でかぐやが驚きの声を挙げた。その気持ちも分かる。

 

 火の中でザルが揺さぶられる度に鶏肉が跳ねる。火の中で鶏油の香りと炭の香りが煙と熱と共に辺り一面に広がっていく。

 

 焼きあがったザル焼きが手早く複数の紙コップの中に詰められ、コンロの前に並んでいた人達に配られていく。

 

「今日は買ってくれてありがとね。また明日も待ってるよ!」

 

 うわぁぁぁ!? 手ぇ握ってもらってる! う! ら! や! ま! し! い!

 

 ……あ、目が合った。

 

「あっ、いろPとかぐやも来てくれたんだね! ヤチヨのスペシャル焼きそば、食べちゃう〜?」

 

食べちゃう〜♡

 

 星が飛ぶようなウインクを心臓に受けた。ヤチヨのスペシャルとか食べない選択肢は絶対にありえない。

 

 私の財布がこれで終わってもいい、だから、ありったけを……!

 

「いろはぁ♡ かぐやのスペシャルもろこし、食べちゃう〜?」

 

「食べん」

 

「なんでぇ!?」

 

 それヤチヨが売ってたやつだろ。しかも一口かじってあるし。

 

「まあまあ、落ち着きたまえよ若人よ〜」

 

 私とかぐやの肩に真実の手が置かれた。西部劇の扉を開けるワンシーンのように私たちを横にずらしてバグヤチヨの目の前に立つと、

 

全部下さい

 

「「待てや!」」

 

 何言っちゃってんの真実!? スペシャル焼きそばが気になるのは分かるけど! 分かるけども! せめて私とかぐやの分は残してよ!?

 

「そいでは、チャチャッと作っちゃうね〜☆ まずはコチラにご注目!」

 

 その言葉がヤチヨから発せられた瞬間、私含め三人の動きが止まる。

 

 先までお好み焼きが焼かれていた鉄板の上に、いつの間にか黄色みがかった麺が鎮座していた。

 

 ヤチヨが厚手の手袋をして、隣で焼かれていた両断された骨を持ち上げた。あれ何なんだろう。

 

「ねぇミコー、これスーパーでも見た事ないけどなにこれー?」

 

 ナイス宇宙人。ちょうど気になってた事聞いてくれてありがと。でもなんでバグヤチヨの事ミコって呼んでんの。

 

「これはボーンマローって言ってね〜、牛さんの美味しい所が詰まった牛の骨髄だよ」

 

 え、牛の骨髄? どうなんだそれ、なんか独特のクセとかありそうなんだけど……。

 

 ──逆に考えよう、ヤチヨパワーに牛が耐えられないからクセが出たんだと。

 

「のんのん! 鶏も豚も骨から出汁が取れるでしょ? これは出汁が染み出してくる一番旨みが“濃い”所だよ」

 

 スプーンでボーンマローをくり抜いて鉄板の上に落とす。プルプルしたそれをヘラで細かく刻むと麺と混ぜながら焼いていく。途中でとうもろこしを入れて更に炒める。

 

「具材はシンプル! 入れすぎない方が牛さんの美味しさがよ〜く分かるからねっ」

 

「じゅるり……」

 

 真実の目が鉄板に釘付けになっている。ボーンマローが焼きそばと混ざり、ツヤツヤとした油の層を纏っていく。

 

 ヘラを器用に使って焼きそばがプラ容器に盛り付けられていく。最後に割り箸を輪ゴムで止めると、

 

「はい、これはいろはのだよ♡」

 

 ヤチヨがにっこりと笑って手渡しして、耳元で私の名前を囁いた。

 

 …………ん????

 

 い、今、私の名前をお呼びになられた!?

 

「彩葉彩葉彩葉! これめっっっちゃ美味い!!」

 

 待って、かぐや本当に待って! ヤチヨが、ヤチヨが私の名前を……!! これ現実か!? 違うVRだ! ダメだダメだダメだ、喜びとか興奮とかが抑えきれずに目からこぼれ落ちそう! 頑張れ私の目、今泣いたらスマコン取れる!

 

「出来れば冷める前に食べてほしいな〜?」

 

 胸の前でモジモジと指を合わせ、こてん、とあざとく感じさせない角度で首を傾げた。

 

 ああ、マイゴッデスヤチヨ。そんな、そんな可愛すぎる動きをされたら……、

 

「食べます〜〜!!!!」

 

「チョッッロ……」

 

「チョロ寄チョロ葉〜、っああっ!? 冗談! 冗談だって取らないでああああああああ……」

 

 真実の焼きそばを強奪して一気にすする。私をからかった罰じゃい。

 

「っ、美味っ!」

 

 口の中に牛特有の深くて甘みのある油が染み渡る。油っこいとクドくなりそうなものだけど、とうもろこしの水気と甘みが適度に飾り付けてくれている。

 

「そうそう、かぐやはツクヨミ以外での配信って考えてたりする?」

 

「むぐ? ……とーぜん! ツクヨミでしょ、ライブ2Dでしょ、顔も出ちゃったし実写もやる!」

 

 あー、そんな事も言ってたねあなた。でもどうしてバグヤチヨがそんな事聞くんだろう。

 

「じゃあ、ライブ2D用の立ち絵は用意してあるの?」

 

「う゛っ、……まだ。かぐやの事描いてくれる人探してるとこー」

 

 探すのはいいけど、立ち絵を依頼するお金はうちにないよ。流れ星に祈るくらい貧困ですから。

 

 ヤチヨは悪戯な笑みを浮かべると、そのままスマホを操作しだした。

 

 ポンっ! と突如かぐやの前に巻物が現れた。え、これってダイレクトメッセージ(DM)だよね。でも、誰から?

 

「ほうほう、おんおん、………………ま、マジか〜〜!!」

 

 頷きながら読み込んでいたかぐやが瞳をギンギラギンに光らせた。何、誰からのメールなのそれ。

 

「ミコありがと〜〜っ!」

 

「どいたま〜♪」

 

 衝動に身を任せるようにバグヤチヨに抱きついたかぐやをバグヤチヨが抱き返した。

 

 二人とも美少女だからめちゃくちゃ目の保養になる。でも、それよりも、本当に誰からのメールなのそれ!

 

 浮かんだままになっていた巻物を覗き込む。……絵師さんからの依頼快諾の知らせ? 一体誰から……。

 

 内容を読み進めて行き、最後に送信者の名前が書かれていた。

 

しぐれういと。

 

「あっ、はっ、へっ、え? しぐれうい?」

 

「うおー、すごい大物が飛び出してきたね〜」

 

 真実、どうしてそんな呑気でいられるの。ただの絵師と言うには豪華すぎるが。本当にそんな方に払うお金ないんだが!?

 

「……くっ、仕方ない。本当に仕方ないけど、断りの返事を」

 

「ちゃんと読み込まなきゃダメでしょ〜。ほれ、ここここ」

 

「そんなDMに指差した所でうちは貧乏なのよ? 毎日必死で学費稼いでんのよ? 内容が変わるわけじゃないのよ?」

 

「重症だ……」

 

 そうよ。財布に大打撃なのよ。もはや致命傷なのよ。だから見返した所で……、

 

「え゜。三万ふじゅ〜?」

 

「今のどうやって発音したし」

 

 安い、安すぎる。ライブ2Dの仕組みはよく分かってないけど、関節を仕込んでカメラで認識した人間と動きを同期できるようにしないといけないのは知ってる。細かい調整をいくつもこなさないといけないからとても手間がかかる作業らしい。たった三万ふじゅ〜で作ってくれるわけが無い。

 

 三万ふじゅ〜なら数日KASSENのPvEモードを頑張れば私でも稼げる。一体何故こんな低額で受けてくれたのか。

 

「所でヤチヨさー」

 

「なんだいなんだい?」

 

「なんでこんなところでご飯とグッズ売ったりしてる訳?」

 

「ギクッ」

 

 かぐやがバグヤチヨを抱いたまま、すっかり影が薄くなった店を指指す。

 

 そこには所狭しと並べられたお菓子とかぐやのグッズが綺麗に陳列されていた。かぐやアクスタかぐやうちわかぐや法被かぐや饅頭……すごい、全部プロデューサーの私に連絡来てない非公式品(ヤツ)ばっかだ。

 

 バグヤチヨはかぐやの何気ない質問に何故か冷や汗を垂らし始めた。……まさか。うん、これはちゃんと聞かないとダメなやつだ。

 

「ヤチヨ、もしかしてこれはういさんへの依頼料を──」

 

 立て替えるために働いているの、そう言い切る前に遮られた。

 

「ちちちちちちちがうよ彩葉! うんぜ〜ったい違う! これはただの先行投資であって別に身銭切ろうとしたけど銀行口座ないから現金をふじゅ〜に両替出来なかったとかじゃないよ! それに本来なら企業の依頼しか受けてくれない所を背徳メシと良いお酒(あれやこれや)でなんとか受けて貰ったからちょっと悪い事しちゃった罪悪感から善行を忙しくないうちに積んでおこうとかは別に思ってなくて!」

 

「──わかった! わかりましたから落ち着きましょう!」

 

 かなり無理して依頼してくれたやつだった! ほんっとーにうちのかぐやの為にすみません! なにか、なにかお返しできるものは……かぐやの料理くらいしかない!

 

 ダメだ……。ツクヨミで限定的に五感を再現できるバグヤチヨに渡せるものなんてなにも……。

 

 ────待てよ? そもそもなんでツクヨミで五感が再現できるんだ?

 

 月見ヤチヨはあくまでAIで動いている架空のキャラクターであって、開発元がデータを入力しないとツクヨミにも反映できないと思う。

 

 視覚と聴覚以外の五感は本来なら再現できるわけがない。本人に聞いたら小槌だよー、としか答えてくれないだろうけど。

 

 ていうか、部屋に出てくるあの生き霊モードはどうやっているのか。まさかAIが肉体を得て現実で喋ったり動いたり食べたり飲んだりできるわけが無い。

 

 ……ああ、私どんだけ頭回ってなかったんだか。

 

 美味しいご飯とポカポカ子供体温の抱き(ガキ)マクラのおかげで毎日よく眠れてるから、今更脳みそが動いている。

 

 ねぇ、バグヤチヨ。

 

 あなたって、本当はなんなの?

 

 とても簡単なその質問。だけど、楽しそうに笑っている当人に聞くのは気が引けた。




斥候さん誤字報告ありがとうございます!

酒寄彩葉 かぐや飯によりエネルギー充填フル、睡眠時かぐやちうむ補給によるかぐやセラピーで超エンジン始動。ボロボロだったヤチヨ(?)の皮は秒で剥がされた。頑張れ彩葉!そいつ皮剥ぎすぎると闇が出てくるぞ!

「ミコ、巫女か……。ヤチヨがそんなあだ名を自分で着けるかな」

かぐや シンプルながらかなりの技術が反映された料理を食べて学習中。本当に奢る予定だったが何故か三人分無料で渡されてほくほく気分。後にかぐやグッズの売上の六割を貰ってふじゅ〜が潤った。奥に隠してあった彩葉のグッズを二割ほど持ってった。

「かぐやのグッズを公式として認めて欲しい? ん〜〜、よく分からんけど許可っ!」

諌山真実(まみまみ) 美味しい料理が食べれて、かつツクヨミだからカロリーを気にしなくていいという天国を味わった。

「江ノ島の件伝えるの忘れちった〜。……かぐやちゃんの番号わかんないや」

月見ヤチヨ 普通に行列に並んで買った。青ざめた店主に笑顔で幸せもふもふパンケーキを要求してたとかなんとか。帰ってからしばらくしてツクヨミに優しい雨が降ったのはこの件となにか関係しているのだろうか。奥に隠してあった彩葉のグッズを五割貰った。

「なんで、彩葉のパンケーキを持ってたの。……調べなきゃ、あれはただのバグった(ヤチヨ)じゃない」

バグヤチヨ(少雛海琴) 行列にニコニコ笑顔で見つめてくる本物が並んでるの見つけちゃった偽物。終始怯えたハムスターみたいにぷるぷるしながら仕事を(まっと)うした。パンケーキを注文されたので良かれと思って冷凍庫に眠ってた彩葉特製の粉と水のパンケーキを渡した。ついでに店の奥に隠してた彩葉のグッズを賄賂(プレゼント)してデスリュウグウノツカイから追われないようにしてもらった。なお、ヤチヨ本人が追いかけないとは言われてない。

「彩葉のパンケーキ、食べたかったなぁ……」

 


アンケートで大規模コラボと書いてますが、レースゲームか大KASSENのどっちかを予定しています。でもなんか既にだいぶ結果割れそう……

大規模コラボってあり?

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