私の知ってる超かぐや姫!がなんかおかしいんだけど質問ある? 作:天空ラスク
朝から爆速で私の“もと光る竹”の修理に取り掛かったシゴデキかぐや姫。あとはササッと帰るだけ〜、……と上手く行けば良かった物の、一番解決しないといけない問題を忘れていた。
そう、私の次元どこやねん問題が。
チホも私もこんな異次元交流をするなんて予想する訳が無く、チホパワーで私の次元が見つかる可能性を上げてランダムチャンネル変更ボタンを推し続けた。
チラ見で判別が着くかどうかも分からないから、じっくりと見てから変える苦行。
何度全然違うイベントが起きた事か。
急に彩葉がホグワーツ魔法学校に入学したり、芦花が彼女作ったり、乃依が女の子だったり、ヤチヨがメスガキだったり、
彩葉、ソシャゲのガチャ配信は止めろって言ってたけど、こういう意味だったんだね。台バンしすぎてクッションに穴空いちゃったよ。
それでも大体の次元は変わらなかった。
卒業ライブしている時間はあんまり見つけられなかったけど、私の次元と違うところを見つける度にその変化点を除外して、ハプニングが起きる度に中断しながら……まぁ、三百回くらいチャンネル変えた。数日かけて数万以上有る次元から三百回で探せたならラッキーだったのかもしれない。
でも、見つけた時には私は、“窓”に写った私が落ちた次元の亀裂を見ても、もうあまり喜べなくなっていた。
『みんな……やっと、ヤチヨに会えるよ』
私の“もと光る竹”を中心に囲うように固定された四艇の“もと光る竹”。沈黙を保つその表面を頭を撫でるように優しく撫でた。
ガチャ配信に例えたのはこの四人の
……なんか引っ越した時みたいにスカスカになっちゃったな、この部屋。
『マスター・かぐや、……大丈夫ですか?』
『……うん! やっと彩葉に会えるからね! へへ、天才歌姫舐めんな、よ!』
ニカリと歯を出して笑ってブイサイン。
チホに心配かけないための愛想笑いだけ上達していく。
ここに来てたった数日なのに、本当の笑い方を忘れそうになる。
結局私が無事に彩葉に会える方法はまだ見つかっていない。ボロボロになった“もと光る竹”を直すたびに、自分ももしかしたらこうなるんじゃないかと不安だった。
……世界に一つだけの私の船、もう五艇もあるや。
早く彩葉に会いたい。ヤチヨにも会いたい。でも、会えないんじゃないかって思ったら心がヒビ割れそうになる。そろそろ立ち止まってしまいそうだ。
会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。会いたい。
『…………質問です。マスター・かぐや。貴女は“責任”を取れますか?』
『チホ……? どしたの改まって』
覚悟を感じさせる言葉に顔を上げると、静まり返った部屋の中でチホが私の視線と同じ高さに浮いていた。
『チホ、
…………。
『再質問します。マスター・かぐや。当機を決して悪事に使わないと、約束していただけますか?』
その言葉を聞いて私は、
『──ハハッ、アハハハハハ!』
つい、笑っちゃった。
『な!? 理解不能です! どうして笑うんですか!?』
『だって、チホが変な事バ〜ッカ言うんだもん! 何言われるかと思って焦っちゃった。私がチホを悪い事に使うとか、アハハハハハ!』
困惑したチホが不機嫌そうに問い詰めてきたから、そのまま掴んで固く、固く、離さないように握り締めた。
だって、私が何を願うかなんて、とっくに分かりきってる問題だから。それに気づかないで私に問いかけてくるんだから面白いに決まってる。
『ありがとう』
でも、私が無理してる事に気がついて言ってくれたに違いない。アナタに出会えて、私は果報者だ。
私の言いたい事を察したのかチホが静かになる。
『最終確認です。マスター・かぐや。貴女の願いをお聞かせください』
『チホ、お願い。
それだけが私の本当の願い。何年経とうと忘れない、私の光を取り戻す願いだ。
『了承しました。────当機が、マスターの宇宙船を地球へ連れていきます!』
それは、固く倉庫に仕舞われた技術が、他の次元の
ただ一度だけの掟破りを以て、私は彩葉に会いにいく。
ビシャモンが私の次元の亀裂の前で停止する。レーダーによると
『マスター・かぐや! 警告です! 絶対にチホから離れないでください!』
『言われなくても! 絶ッッ対! 離さないから!』
私の“もと光る竹”に乗り込むと、チホが紐を巻き付けて固定した。
『カウントダウンを開始します! ──3!』
ここが最後の正念場。失敗したら多分永遠に彩葉に会えない。
『──2!』
……そんなの知ったことか! 絶対、絶対、絶対! 私は帰るんだ!
『──1!』
──行っけえええええええ!!
全ての推進器を全力稼働させ、勢いよく次元の亀裂へ向かって飛び込んだ。
────瞬間、凄まじい振動が“もと光る竹”を襲う。
侵入角度が
だけど、
──卒業ライブが終わった日に帰れますように!
“もと光る竹”に巻きついた
運命が私を帰らせまいとするならば、運命をぶつけてやればいい。外国の何とかって宗教の人も目には目を、と言ってたしこれでいい。
──ヤチヨに、芦花に、真実に、帝に、犬DOGE! みんなに会えますように!
チホがぼんやりと白く輝く。レーダーで感知したその光は何故かいつもより薄く感じる。
『マスター、姿勢制御を!』
横滑りしそうになった舳先を正面に修正する。五艇も連結しているから抵抗も大きくなるのだろう。
それがどうした。誰にも私の邪魔はさせない!
──彩葉にまた会えますように!
『労苦です。
チホの光が薄ぼんやりと弱まっていく。願いを叶える打出の小槌ですら、私の運命を変えられないらしい。
本当に? まだ彩葉にただいまも言ってないのに諦められる? ……いいや、そんな事無い。
──2030年に! 帰りたい!!
『炉心出力を最大化。実行します──失敗。炉心を
チホの小さな機体から甲高い異音が鳴り響く。宇宙船のセンサーがチホが接触している所だけ高音になっていると確認した。
──チホ!?
『マスター・かぐや。……間もなく到着、です』
様子がおかしいチホが心配だ。だけどここで止まったらチホの頑張りが無駄になる。
──着いたァ────────!!!!
満天の星空が広がる都会がそこにはあった。計器を見ると間違い無く私が卒業した日の翌日だ。
──チホありがとう〜〜ッ!! ……チホ?
『だい、丈夫です。マスター。チホはマスターの願いを叶えました。』
──うん、うん! チホのおかげだよぉ〜〜っ!!
何かを隠している。そんな予感が脳裏をよぎる。けどチホが居なかったら私はここにたどり着けなかっただろう。だからあえて話題に挙げず流した。
本当は抱き締めてグルグル回りたいところだったけど、まだ人間に擬態していないからそれはできない。
逆噴射で勢いを弱めながら飛んでいるとタワマンを見つけた。
──彩葉、もう寝ちゃってるかな。かぐやが居なくても眠れてるかな。
人目を避けて地面に着陸して擬態を作り、チホを抱きしめようとして、チホが隠そうとしていた事に気づいた。
「チホ!? 凄いボロボロだよ!? なんで嘘ついたの、全然大丈夫じゃないじゃん!」
豪華絢爛な装飾が施されていた打出の小槌は、全体的にヤスリにかけられたように大きく損傷していた。もう浮いている力も無いのか地面に転がっている。その姿は酷く痛ましかった。
『不覚です。宇宙航行にも耐えられる素材で、できていれば、
少女の声を模した電子音声が何度か途切れながら言葉を紡ぐ。
『マスター。チホが、マスターの為に勝手にやったんです。だから、泣かないでください。マスターの責任ではありませんから、ね?』
私を安心させようとしているのか優しい声色で呟くチホ。
冷たい雫が頬を伝って、誰にも気づかれないまま地面を僅かに濡らした。
「分かった。……でも! みんなと一緒にヤチヨに診てもらうから! 良い!?」
『ハイ。マスター。さぁ、イロハに会いに行きましょう』
「うん! さ、行こ行こッ!」
“もと光る竹”×5とチホを持ってタワマン目掛けて駆け出した。
見慣れた都会の街並みは夜にも関わらず文明の光が灯り続けている。人々は眠る時間を忘れたかのように夜の街を闊歩していた。
「んー、……なんか、立川ってこんなだったっけ?」
見慣れた街並み、そのはずだ。だから違和感を抱くわけが無い。けれども頭の片隅に何かが引っかかるような気がした。
──どこか、自分が知るものに比べて技術が遅れているような、そんな予感が。
いや、気のせいだよ。街頭モニターにBlack onyXが一度も映らないのも、ツクヨミ関係のグッズが見当たらないのも、売れたりタイミングが悪かったりしたんだ、きっとそうだ。
「──っと、その前に身だしなみ整えなきゃ。八十年ぶりだし、恥ずかしいとこ見せらんないからね〜♪」
途中、近くの大きな窓に姿を移して八十年ぶりの地球での私の姿を見た。
彩葉が褒めてくれたお尻を隠すくらい長い金髪はいつものサイドテールに。
ルビーのように赤い瞳は彩葉に会える喜びで爛々と輝いている。
メリハリのある体型を隠すための大きめのダボダボパーカーの袖から指先が微かに覗いている。
彩葉の所まで走って行けるように動きやすさを重視したキュロットスカートとスニーカー。
他の
「ぃよしっ、完璧☆ 待ってろよ彩葉〜。いつもやられてる分までかぐやちゃんが抱きしめちゃるからなー!」
ボロボロの小槌と五本のタケノコを持ってると夜でも流石に目立つもので、少しずつ集まってきた人の視線を感じながらタワマンに向かって駆け出した。
──言いようの無い不安感と、何かが迫ってくるような寒気を感じながら。
彩葉と一緒に選んだタワマンは、煌びやかな都会の街並みに負けること無く威圧感すら感じる豪華さを纏っていた。
並大抵の者が近けば、あまりの格の違いに膝を折るだろう。
『マスター、本当にあそこで間違いないんですか?』
「………………うん」
夏もそろそろ舞台を下りる九月の夜。私は家に帰れず、彩葉の声も聞けず、とぼとぼと肩を落として歩いていた。
管理人さんに何度も確認をした。酒寄という苗字の女の子が住んでいるはずだ、と。
それなのに帰ってきた返事は、ここにそんな苗字の方は居ない、という内容を丁寧にパッケージングしたものだった。
たった一日。そんな短い時間で引越しってできるのか? ……ああ、そんな訳が無い。確かめようにもスマコンは持ってないしスマホもあの日のタワマンに置いてきた。
彩葉、何処にいるの?
これからどうしようか。唯一行ったことのある真実の家に行くか、その辺の人に電話を借りてヤチヨに連絡を取るか。いつもならパッとやっちゃうのに、何故か地球に着いてからずっと不安に背を掴まれて動けなかった。
──今ならまだ間に合う、と言われているような。私がここに居る事自体が間違いだと思わせるように。
「うぅ〜、彩葉ぁ、何処言っちゃったの……? ──────ウベッ!? ぁイダっ!」
前方不注意。前をよく見ていなかったせいで歩いていた男性の背中にぶつかってしまった。持っていたタケノコ×5とチホを落とさないよう、しっかりと抱いてたせいで受身を取れず硬い歩道にお尻を打ち付けた。
「すまない。 大丈夫ですか?」
「っつ〜〜、あ、うん。私は大丈夫でっ!? ──」
伸ばされた手を握って立ち上がると男性の顔が良く見えた。そして、その声もはっきりと聞こえた。
ツクヨミで聞き覚えがある。KASSENのラスト、私の一番の大見せ場を盛大に吹き飛ばしてくれた男の声。
「──雷!?」
何処かで知り合っただろうか、と不思議そうに零した男はBlack onyXのメンバー、雷その人だった。
「お願い雷、電話貸して! かぐや、どうしても帝に聞かなきゃいけない事があるの!」
帝なら、彩葉の実兄の帝なら彩葉がどこに行ったか分かるはずだ。引越しの保証人になってくれたんだ、もう一回彩葉がお願いしている可能性がある。
「ふむ、事情は分からないが何やら緊急事態のようだ。分かった、少し待ってくれ」
雷はスマホを取り出すと電話をかけた。数コールの後、手渡されたスマホを耳に当てると帝の声がした。
『はい。Black onyXの帝アキラです』
「かぐやです! 良かった、帝は居たんだね!」
『……すみません、何処かでお会いした事がありますか?』
妙に他人行儀だなコイツ。私のファンだったと記憶しているのに、変なの。
『え〜〜? もう、ツクヨミでバトったろ〜? かぐやと、彩葉と、ヤチヨの三人で世紀の竹取合戦したじゃん。忘れちゃった〜?』
『……お前、誰だ?』
底冷えするような、聞いた事の無い声の帝が電話の向こう側にいた。
『ツクヨミとかヤチヨとか、聞いた事無い話題は一旦置いておく』
え。そんな訳無い。Black onyXはツクヨミのトップライバーだ。知らないわけが無い。
不安がどんどん大きくなっていく。
──早く電話を切れ。全てが手遅れになる前に。
普段なら考え無い。なのにどうしてか、このまま通話を聞き続けてはいけないと魂で理解した。
でもここで電話を切ったら彩葉に会えないような、そんな気がして画面に触れなかった。
『どうしてお前が彩葉を知っている? お前が俺の妹の何を知ってる? ……答えろよ』
「それは、……私が彩葉と一緒に住んでて、一緒にライバーやってて──」
怖い。
このまま喋らせてはダメだ。そう理解はしていたけど、普段の様子とあまりに掛け離れた帝の声が恐ろしくて、ボソボソと声が小さくなっていく。
だから、これは私への罰なのだろう
『──彩葉は三年前に天国に行った。もう、死んでんだよ。つまらない嘘も大概にしろ』
「──は、……ぁ?」
パリン、と魂の奥底で何かが砕け散ったような、そんな感覚がした。
──彩葉が死んでいる。彩葉が死んでいる。彩葉が……死んでいる?
脳の処理が追いつかなくて何度もリフレインした。した結果理解できなかった。
だって、あの超人彩葉だ。死んでるわけない。死んでるわけない。死んでるわけない。
そうなれば可能性はただ一つ。帝が嘘をついているとしか思えない。
本当に? 帝はこんな人を泣かせる嘘を付く男か?
「……違う。違う、違う、違う、違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う」
彩葉。私は彩葉に会うために頑張ってきた。なんで? どうして会えない?
……私は、彩葉と会えない運命なの? 私が無理やり帰ってきたから、彩葉が運命に殺されたの?
私のせいだ。私が運命に逆らったせいで彩葉もヤチヨも消えたんだ。彩葉はヤチヨに助けられて生きてきたから、ヤチヨが消えたら彩葉を誰も助けられないんだ。
私が殺した。
「私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が」
「だ、大丈夫か? うちのリーダーが何か失礼な事を言ったのか?」
いつの間にか電話は切れていた。
彩葉が死んだ。
視界が回って崩れ落ちそうになり、しゃがみ込んでチホと“もと光る竹”を抱きしめた。
ヤチヨが消えた。
雷が心配そうに私を見ている。
ツクヨミはもう無い。
寒くも無いのに魂から震えが伝播して止まらない。
あの部屋も、電子の海も、何処にも無い。
目線を合わせてくれようとしたのか、屈んだ雷の目が優しく私の顔を覗き込んだ。
全部私が壊した。
「あ、あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
行く宛ても無く駆け出した。雷の制止の声を背後に都会の街並みを駆け抜ける、
一体どうしたことか、いつの間にか霧が出てきていた。朝方ならまだしも今の時間帯は夜。不自然な霧の向こう側にいる人達の気配がだんだん薄くなって、消えていく。
『マスター、決断です。ビシャモンへ退避しましょう。何故か分かりませんが剪定が始まろうとしています。……ごめんなさい、チホは力不足でした』
「違う! チホは何にも悪くない! かぐやが、私が、私があああああああああ!! ぅあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!」
どんどん霧が濃くなっていく。文明の灯火が見えなくなっていく。
何故か世界が終わろうとしている? そんなの、分かりきっている。
ヤチヨが消えたから、私の知っている文明より技術が遅れたんだ。
ああ、姫様が言ってた月人のルールってやつ。かぐや、やっとわかったよ。馬鹿だなぁ、どうして気づかなかったんだろう。私が帰れないってなった理由。
私が帰ったせいで
かぐや姫の物語はかぐや姫が帰ってこないから。それがかぐや姫の運命だから。運命を変えようとしたのが間違いだった。
『……………………申し訳ありません。マスター・かぐや。強制帰還、実行します』
私は、霧に飲まれていく立川を走り続けた。足の裏から地面の感覚が消えるその瞬間まで。
地面がある。冷たくも暖かくも無い、そもそも温度も触覚も感じない。
『……ぅ、あ?』
手をついて起き上がると家具の一切が無い殺風景なボロアパートの一室に居た。
気がつけば私はビシャモンに戻っていた。肉体も情報体もソレに戻り、また卒業ライブの時に来ていた十二単を着込んでいた。
見渡すと五艇の“もと光る竹”とボロボロになったチホが床の上に転がっていた。
『チホ、ねぇチホ。起きて、起きてよ。今の全部夢だよね。まだかぐやは帰ろうとしてないよね……?』
ゆさゆさ、ゆさゆさ。
覚醒を促すように優しく揺らす。私の願いを叶えようと頑張った小槌を揺らし続ける。
『マ、スタ、ァ』
『チホ! 待ってて、今私が何とかするから……』
『マス、ター。謝罪です。炉心の運命力が尽きそう、なので、回復のため、スリープモードに、入ります』
ボンヤリとした白い光が徐々に弱まっていく。
『嫌だ! 私を置いてかないで! チホだけでもずっと一緒にいてぇ!』
『マスター・かぐや。貴女は、何も悪くない、です。チホが何もできず、申し訳、ありま────』
シン、と電子のボロアパートが静まり返る。薄暗い部屋の中からは打出の小槌の光が完全に消えていた。
ボロアパートの中から響く号哭はしばらく止まること無く、ほぼ無人の月の倉の中で騒々しく響き続けた。
目の前に私の“もと光る竹”がある。外殻が剥かれていて一番大事な
一箇所。あと一箇所に衝撃を与えたら壊れる。そうなるように加工した。
帝は彩葉が、天国に行ったと言っていた。だったら話は簡単だ。
私も天国に行けばいい。
そうだ、そうに決まってるよ。きっとみんな天国にいるんだ。
天国って言うのが何処にあるのか分からないけど、死んだら行けるんだろう。
彩葉もヤチヨも芦花も真実も犬DOGEも帝も雷も乃依も、みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな待ってる。
だから、死ぬのなんて怖くない。死ぬだけで彩葉に会えるんなら何回でも死んでやる。
『──あはっ☆ いろはぁ、いま、そっちにいくねっ♪』
工具を大きく振りかぶり、振り下ろす瞬間に“もと光る竹”に乗り込む。情報体だからできる事だ。
そして、慣性が乗った工具が
──これが、私の最後の記憶になった。
オマケ かぐや×5のここがダメだったよ。
かなりバッドエンドまみれなので耐えられない人は見ない事を推奨します。
⬇
楽曲コード
N00441525 惑星ループ
N00448566 太陽系デスコ
N00093927 ワールズエンド・ダンスホール
N00060456 エイリアンエイリアン
N00581480 彗星ハネムーン
かぐや1 輪廻崩壊理由・原作設定無視の学園物時空。
かぐや1が電柱では無く当時彩葉を身篭っていた酒寄紅葉の胎内に転送され、彩葉の双子の妹として生を受ける。
年齢的にOBになるはずの朝日と雷が上級生として在席し、更には肉体が存在しないはずのヤチヨが肉体を持って彩葉と同じ学校にクラスメイトとして在席している。終いには担任が紅葉と朝久、忠犬オタ公に乙事照琴。クラスメイトはテテテ等人気ライバー達とあらゆる設定がかぐや姫!シナリオを崩壊させる程の矛盾。
酒寄彩葉の妹という配役のせいか、
【DeadEnd・No01・
家族の元に早く帰る為に“もと光る竹”を軽量化した事により耐久力低下。隕石に破壊され地球の周回軌道上を次元剪定の瞬間までスペースデブリとして回り続ける……所を寸前でかぐや5に発見・回収された。かぐらが見る悪夢の一つ。
かぐや2 輪廻崩壊理由・後先考えない性格反転時空。
キュートな悪童・酒寄彩葉と凛とした芯を持つ超人・かぐや2。
超人とヒロインの性格が反転したが配役はそのままだった。【超人・酒寄彩葉】だからこそ上手くいった原作ルートも、キャラクターが根本から変わってしまえば同じ道を歩ける訳も無く、超かぐや姫!のシナリオ崩壊。
隙あらばエナドリ飲んで無理をするほぼ彩葉そのものだった。
【DeadEnd・No02・
泣いているだろう彩葉の為に仕事を爆速で終わらせ、姫が手助けするよりも早く一人で“もと光る竹”を制作完了。技術不足により隕石衝突の衝撃を大きく受け地球から逸れた。ブースターも故障し、遠く離れた宇宙でミラーボールのように七色の炎を撒き散らしながら終わりの見えない幾星霜の旅路で廃人になる。……かぐや5に発見・回収されたのは廃人になった三日後の事だった。かぐらが見る悪夢の一つ。
かぐや3 輪廻崩壊理由・黒鬼彩葉が見たいがためだけに酒寄朝日が不在になった配役変化時空。
主な登場人物はBlack onyXリーダーの帝アキラ(酒寄彩葉)・高校二年生、グループ最年長の駒沢雷、彩葉の後輩の駒沢乃依・高校一年生、新メンバーのかぐや3・人間零年生。あと月見ヤチヨと帝アキラ(彩葉)オタの綾紬芦花と諌山真実、他原作キャラ。
ヤチヨカップで芦花や真実とコラボすること無くBlack onyX独走状態のまま優勝。原作のイベントがいくつも消え、なろう系のような黒鬼無双シナリオになってしまった。
プロのキーボード捌きに指が追いつかず、
【DeadEnd・No03・
家族のように頼りにしてた黒鬼から離され、ヒンヒン泣きながら“もと光る竹”を制作。宇宙で機体を展開して安定させ、その場で時間遡行アルゴリズムを起動した瞬間に隕石が衝突。不安になって付け足し続けたシステム群が故障し、6600万年前の白亜紀後期、巨大隕石による恐竜大絶滅の瞬間に飛んでしまう。小さな動物は既に遠くに逃げ失せ、逃げ惑う恐竜達は大き過ぎて擬態できず、恐竜達諸共にほぼ押し潰された。完全に潰される直前でかぐや5に発見・回収された。かぐらが見る悪夢の一つ。
かぐや4 輪廻崩壊理由・絶望系曇らせ厨による超バッドエンド〜時空。
彩葉のキーボードを誤って壊してしまい、彩葉がかぐや4と仲良くならなかった。かぐや4の正体は彩葉以外誰も知らず、ヤチヨカップも優勝できず、卒業ライブに誰も戦ってくれなかった。
超かぐや姫!シナリオの完全崩壊。
何とか気を引こうと
【DeadEnd・No04・
出会いからやり直す為、月の禁忌を無視して彩葉と出会う前の時間に時間遡行を図った。しかしそれを知った月人によって時間遡行アルゴリズムがデタラメに書き換えられた。その結果アメリカはネバダ州、エリア51に墜落。U-オルガマリー*1されたものの、魔術的な現象が起こるわけもなくU-オルガマリー*2にならず崩壊した。
かぐや5が発見したのバラバラタケノコ(と謎の木の枝)。技術者に分解された“もと光る竹”はかぐや5によって回収、組み立てられたものの、かぐや4が目覚める事は無かった。かぐらが見る悪夢の一つであり、お医者さん嫌いの元凶。
カグヤ5 輪廻崩壊理由・ちょっとピンクないろかぐ時空。
彩葉が赤ん坊かぐや5に胸を吸われたり、いつも一緒にお風呂に入ってたり、彩葉がヤチヨにバブみを感じてオギャりたがったりと全年齢で映せないちょっと叡智な時空だった。|ネトフリでもハーメルンでも配信できる訳が無い《超かぐや姫!は全年齢対象です》。
自分が居なくなって寂しがる彩葉のためを思って犬DOGEを置いていく決断をして、後のFUSHI消滅。事故によりビシャモンへ辿り着かなかった場合は砂浜で何千年も一人きり。人々と掛け替えの無い思い出を築く事も無く、文明発展後は正蔵院に仕舞われていた。ジョン・カーターによって“もと光る竹”が盗み出されず、ツクヨミと月見ヤチヨが消滅する。超かぐや姫!シナリオ崩壊。
……だったのだが、強引に2030年に帰還したせいで上記のイベントが全部消えた。消滅したヤチヨと、ヤチヨと出会わず儚く消えた酒寄彩葉とは終ぞ出会えなかった。
ピンクな知識は無い無知無知かぐや姫。
逃げた時に握りやすくする為か、彩葉にサイドテールにされた。当人は理由を分かってないが彩葉に髪をいじってもらって喜んでいる。
真実の家でゲーム中に彩葉に胸を揉まれるセクハラを受けたり、ヤチヨの耳掻きASMR配信でデロデロになる彩葉を見てヤチヨに嫉妬したりで胸が豊かに育った。
【DeadEnd・No05・
タイムパラドックスにより本来ヤチヨと出会う予定の人々の行動がヤチヨと会わずに終わった事で歴史が微妙に変化し、更に彩葉とヤチヨが消えた事実を自分が認識してしまったため、シュレディンガーの猫の生死が確定してしまった。なお、全てを知る前に打出の小槌を犬DOGE代わりに連れて八千年前に飛べば歴史の修正は間に合っていた。
大規模コラボってあり?
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アリ
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ナシ