私の知ってる超かぐや姫!がなんかおかしいんだけど質問ある? 作:天空ラスク
久しぶりにギャグが書きたくなりまして、初期の頃を思い出しながら書きました。
Focus:月輪神楽
八月一日の朝、今日の一日は素晴らしいものとなるだろう。
そんな予感を全身で感じながら、
今日の晩酌のツマミは刺身にしようと思い立ち酒を呑みながら調味料を作り、水垢が凄すぎてマジで何も映らない鏡を見ながら朝風呂を堪能。なんかお肌トゥルットゥルしよる。
さあ、俺たちの青春はここからだ! と髪の毛からほこほこと湯気を立ち上らせ、るんるん気分でキンキンの缶ビールを取って料理しながら呑もうとして、途中でかぐやと会った。
ここからが変な一日の始まりだった。
まずは、何故かかぐや姫が酒カスを見るなり宇宙猫になった。
「『かぐやー? どし単科大学話聞こ科ー?」
目の前で手をフリフリしても反応が無く。やっと起きたかと思えば何かヤバい電波を受信したのか、
「かぐらは元から姉妹だったんだ!?」
まぁるいタレ目を
「昨日の話まだ言うか〜、頭にアルミホイル巻く?」
──の一言が出るのも山梨、もとい、やむ無しだろう。
だよね、ハム太郎!
うるせ〜〜!!!!! 知らね〜〜〜〜!!!!
「というかねー、全然似てないでしょって。この儚さ溢れるヤッチョフェイスカッコメイクカッコトジと透き通るようなヴォイス……。かぐやと全然違うよね」
カシュッ……グビグビ、けふ。あ゙あ゙風呂上がりのビール溜まりませんな。
朝から立派にカスをやっております。雪みたいに白い肌が血行良くなってほんのりと紅く色づくの、お前ら好きだろ?(癖の押し売り)
「いんや〜……。酒癖、声量、喋るスピードが全く儚く無い」
「そんな事無いでしょ! どう見たって儚いでしょ! 明日にはもう会えなそうでしょ! ツクヨミに行ってもネット掲示板に行ってももぬけの殻だよ! 見つかっちゃっ──────た!…………って消えちゃいそうでしょ!*1 別れを確信した少年の僕は泣かないのですって我慢した言葉にふふって笑って手を振って消えてそうでしょ!*2 五歳児の少年の前で矢に倒れて、残してしまった想い人におーーい、青空侍。って空を見上げながら言われてそうでしょ!*3 人間辞めちゃったと知った日に親友が同じ人を好きだったと知って失意に落ちて私って……ほんとバカって怪物に成り果ててそうでしょ!*4 もうお前は! 会えないんだよ!」
「どこも儚くないんだが!?」
酒カスが知る限り月見ヤチヨ以上に儚い女は居ないのである。
それにスッピンならともかく、配信で身バレしないようにヤチヨ風メイクを打出の小槌でガチガチに固めている。解除されない限り、そう、解除されない限りスッピンにはならないのだ!
じゃあ安心だね! グビグビ! あ、無いなった。
「でもさでもさ」
「儚いよってだから」
「や、だからね?」
「儚いんだってだから」
「あの、話を」
「儚いよって、儚いの! ちょごめん見て、ねぇ!? どこが儚くない逆に!? 見てこれ! えどこが!? どこが儚くないかな!? 儚さの煮凝りだろ!?」
「いっっっ回落ち着けー!」
「プギュ!?」
何と言うことでしょう。怒涛のラッシュがカウンターされました。ほっぺたに左右から指が食い込んでおります。しかも爪で行ってる上に左右に揺さぶりもセットです。お湯でふやけた餅肌によ〜く食い込む事でしょう。気分は味が染み込むように穴を空けられた鶏肉と言ったところでしょうか。
元から酒浸しなのにこれ以上何を染み込ませるのか。私、気になります!
「つーかお風呂入ったんなら分か……はっ!? そゆことな!」
「い、一体何の話だポッター」
頬からかぐやが手を離したと同時に、痛みを和らげるように頬を優しく揉んだ。
かぐやはスマホを尻ポッケから取り出すと肩を抱き寄せ、
「はい、チィーッス!」
パシャリ、とツーショットを一枚。見た目だけならかぐヤチの写真ができあがっただろう。実際は知らん。
あまりにも早業だったからどんな写りになったのやら。よく見えなかったけど、そんなものをネットに上げてもヤチヨそっくりのやつがいるとしかならないと思う。
などと酒カスは思っているが、普通は二次元配信者そっくりの奴がいたら界隈が沸く。風呂上がり且つアルコールでふにゃふにゃになってる、感の鈍い酒カスであった。
「うしうし、へへ、めちゃ完璧〜☆ これをこうして、ああして、こう!」
「うぶ、ぅ……ギボチバルイ」
月のプログラマーの指が爆速で画面の上を走る。かぐヤチ?物のツーショットが電子の海にぶん投げられてる時、酒カスは床に沈んでいた。ゲロっちゃダメだゲロっちゃダメだゲロっちゃダメだ……あ、やっぱゲロるわオロロロロロロロ。
「ん? うええ!? かぐら口から滝が出てるよ!?」
ゲロを知らない
今日も平和である。
さて、いざ次のイベントと参ろうか。
なんかかんやありつつも朝ごはんを作ったかぐかぐコンビは、愛しの酒寄さんを起こしにかかった。
せっかくなので、どちらが彩葉から良いツッコミが貰えるかボケ合戦をするようだ。何がせっかくなんだ?
先行はかぐや。布団の上から隣の
「
「起きるか!? 囁くな起こす時に!」
脇腹を掴まれたかぐや姫が、キャー☆ と楽しそうな笑みを浮かべて布団の上に転がされた。もっとイチャイチャしろ。だが百合エッチはNGだ。そういうのは求めていない。
「ったくもう。よい、しょっと──────────うぉあっ!?」
起き上がろうとした彩葉。その背後から迫るアルコール臭。グッ、と鎖骨の当たりに腕が引っ掛けられ、再び布団の上に倒されてしまった。
不意の一撃に戸惑う彩葉に後攻の配信者がかぐやをなぞるように馬乗りになる。どうやら同じネタで攻めるようだ。酒が無いとヤチヨにファンサされた彩葉みたいになるくせによくやるなコイツ。ハブ酒みたいにアルコールに心臓漬け込んでんのか。
「え、貴女、もしかして……」
はて、一体どうしたことだろうか。彩葉が顔を見た瞬間、眠気が完全に飛んだように目を見開いた。
酒カスはというと、まぁ、ヤッチョに馬乗りされるなんて彩葉なら耐えられないだろうからね! と内心得意げに勝利を確信していた。むふー、と口元が
メイクがバッチリ決まっ
「シヌカイキルカノタタカーイー」
「クッ、元ネタ知らんからツっこめない……」
よよよ、再現度激高なのになぁ。と泣き真似しながら自主的にかぐやと反対方向にころりんと転がり落ちた。
かぐかぐオセロに挟まれた彩葉は二人のクソガキを押さえつけるためにひっくり返った。ノスタル爺さんがアップを始めました。お前じゃねえ、座ってろ。
「かぐらかぐら。も、もしかして彩葉怒ってるよね?」
「かぐやかぐや。なかなかに激おこプンプン丸だね〜。もしかして、オラオラですかな〜?」
やけに表情が硬い彩葉に怯えたのか、かぐやがプルプルと震え出す。
左右を腕に挟まれ、すぐ真上に彩葉本体が見つめている。足元も彩葉の足が引っかかって完全にロックされている。美少女の絡みが見たい人は某世界の果てまでイッテ来る番組のナレーションのようにイエーーーイと盛り上がる事この上無しな光景だ。
「ねぇ、かぐら。かぐらは、さ──」
怒られるかと思っていた酒カスは疑問の表情を浮かべた。推しからなら怒られる事すらご褒美なカスロリは、何故彩葉が複雑そうな顔で自分を見つめているのか分からない。彩葉の視線はかぐやを向くべきだ。彩葉の運命の女は自分の隣に寝ているかぐや姫なのだから。
でも、その凛々しい顔が自分を見つめている。それだけで乙女心がトクン、と高鳴った。
だから、
「──かぐらは、かぐや姫なの?」
そんな寝惚けているとしか思えない見当違いな発言が推しの口から飛び出てきたら、それはもう大笑いするしかない。アルコール呑んどきゃ箸が転がっても面白いのである。
「アッハハハハハハ! そwんwなw訳w無wいwじwゃwんw!」
笑いのツボに正拳突きを決められたような笑いが高らかに響く。
酒カスは
当たり前だが月見ヤチヨとかぐやの顔は造形が違う。三次元の激ヤバメイク術をマスターしている酒カスのヤチヨ風メイクは誰にも、彩葉にも元の顔が見破れないのだ。
例え帝だろうが真実だろうがヤチヨ顔にできる自信があるからこそ、彩葉の寝惚け発言が尚更笑えてしまうのだ。
まぁ、それはそれとして傷付くが。生まれが違う時点で芦花ポジに落ち着くしかないのだ。そうだよね、ハム太郎。もっとずんだを食べるのだ。すみません間違えました。
彩葉寝ぼけすぎだよ〜! と涙を浮かべながらお腹を抑えて笑う酒カスに彩葉は不満げだ。
「ちょっと、私は真剣なんですけど?」
「ふっ、ぶふっ、だってよく見てみてよ〜。どう見てもヤッチョでしょ? 寝惚けさんは顔洗ってお目目シャンとしないと!」
「彩葉のかぐや!? ハイハイ! かぐやが彩葉のかぐやだよー!」
──と、テンション
その言葉を聞いて彩葉が再び口を開きかけた直後。シュウシュウ、と水が勢いよく蒸発するような音がキッチンから鳴った。
「あっ、味噌汁焦げちゃう! やばばばば」
かぐやが彩葉の手を握ると、そのまま起き上がってキッチンまで誘拐していった。
やっぱかぐいろしか勝たん。
今日のメニューを楽しそうに話す料理人と微笑を浮かべて相槌を打つ家主の会話を遠目に眺めながら、二本目の缶ビールを啜るのだった。台無しだよ。
「まだ気づいてなさそうだから、もうちょっと内緒にしといて!」
「そんな事ある? あの顔でヤチヨの声するの違和感がすごいんだけど」
「あるの! かぐらお酒呑むとボンヤリしてるから、今のうち鏡とか隠しといて。彩葉なら大丈夫!」
「はいはい、分かりましたよーっと」
「『それともー、ヤッチョと一緒に楽しいこと、しちゃう?』なんつってー」
なんか楽しそうに耳打ちしている。会話の中身は分からないが、きっとオタクが萌え死ぬような事言ってんだろう。グビグビ。酒を飲みすすめながら布団に寝っ転がって配膳が終わるのを待つカスだった。
「…………ごふっ」
「彩葉? ちょ!? うおああああまた
「ぬん? アラビックヤ〇トならあるけど」
メンダコからノリを取り出して、彩葉の頭上の何も無い空間を見つめて焦るかぐやに向かって液体のりを放り投げる。
受け取ったのりを聖剣の勇者のように虚空に向けるかぐやが気になるが、お風呂で温まった身体とお酒、それと彩葉の匂いがする布団に包まれたせいか、非常に眠い。
アルコールに身を任せて後ろの布団に完全に倒れ込むのだった。
「知ってる天井だ……」
瞳を閉じてしみじみと呟く。シンジ君、アナタせめて食べてから寝なさいシンジ君。シンジくーん? 食べないなら死になさいシンジ君。
今日のスープのたまごふわふわ*5を食べ終わったら、汁に溶き卵入れて茶碗蒸しにしよう。きっと出汁が聞いててお酒にも会うよね。と幸せな妄想を浮かべながら後頭部を枕に沈めていく。
完全に寝落ちする気だこいつ。
「ぐやぁ……」
寝た。
食休みを終えた配信者が多幸感から床に転がっていると、かぐやも寝転がって隣にくっついてきた。頬がくっつくくらい距離感が近い。
「かぐらかぐら! ダンス動画撮りたいから手伝って!」
「ほへ? カメラならやるけど何撮んのー?」
天井の照明を遮るように出したスマホを見上げると、かぐやの白魚のような指が画面をタップする。バーチャルアバターの少女二人組が歌って踊っている動画が流れ出した。
『
「これ! 一緒に踊ろっ☆」
ペチコーンッ! とウインクと共に流れ星が飛んでいく。
キラキラとした目で殺酒カス光線をブッパするかぐやに対して、HIMEHINAじゃないですかやだ〜〜!? と白目を向いている酒カスだった。ほら、かぐやをハッピーエンドに連れてくんだろ、踊れ。
「ヤッ! イヤッ! かぐやいろPチャンネルはかぐやと彩葉だから成立するの! 百合畑に雑草を挟むなー!」
「へぇ? いつまでそんな事言えるかな〜」
不敵な笑みを浮かべたかぐやが冷蔵庫に向かって歩いていく。なんやなんやと背中を見つめる酒カスを他所に、冷蔵庫の中からトレーを取り出した。
「んジャ〜ン! カナッペとブルスケッタ〜!」
「な、なななな、なんだコイツ〜〜!? 」
トレーの上に用意された料理は、クラッカーに薄切りフランスパン、小さなパイの上に様々な具材が乗せられた、実に酒の進みそうな品々だった。
「どぉーよ! 食べたいでしょ? うんうんー、美味しそうだもんね〜。お酒もいっぱい呑めちゃうかもなー」
「う、う、うううううう……」
瞳がトレーの上から離れてくれない。ふわりと漂ってくる美味しそうな匂いは思わず勉強中の彩葉が振り返るほどだ。ゴウランガ! 彩葉の集中力を切らすとは何たるワザマエ!
酒カスVS煽りカス、今世紀最大の
「じゃあ、あげるー」
「……ぅえっ!? 良いの!?」
今世紀最大の
訝しみながらトレーの上から目を離さない酒カスの隙をついて、かぐやが冷蔵庫から上物そうな酒を何本も取ってきた。もちろん酒カスの私物だ。
「はい、
キンキンに冷やされたグラスに美しい色合いの赤ワインが満たされていく。
「お、お、お゙お゙お゙お゙お゙」
「ほーら、我慢しなくていいんだよー? かぐら欲望の解放の仕方がなってないなー。 楽になっちゃえー?」
無駄な忍耐を揶揄うような笑みを浮かべるかぐやが、今だけはサキュバスの類に見えた。
ゆらゆら。目の前でグラスが揺らされてルビー色の水平線が視線を吸い寄せる。
葛藤がある。これを呑み、ツマミを食べたら確実に優勝できる。だが、
『よし、食ったな。じゃあかぐやと踊って! な!』
と実にいい笑顔で言われてしまうだろう。そうなれば詰みだ。
「うんまいにゃあああああああああ!!!!」
最も、既に酒が入った酒カスにそこまで考える思考力がある訳もなく。アッサリと陥落したのであった。
「うま、うま、うま、うま」
「はいどんどん〜」
「んぐ、んぐ、んぐ、んぐ」
「はいじゃんじゃん〜」
「うま、んぐ、うま、んぐ」
「はいがんばって〜」
わんこ蕎麦みたいなペースでツマミと酒が進んでいく。かぐやの作るツマミの魔力はこれほどまでに恐ろしいものか。いつの間にか来た彩葉も一つ食べて、うまっ、と零すレベルだ。
「うへ、うへへへ。おいしいなぁ〜〜」
何本も酒を空ければ流石の酒カスもほろ酔いを超える。トロリとした目をかぐやが覗き込んだ。
「ねぇかぐら、一緒に踊ろ!」
「いいとも〜!」
両手を振り上げて
「あ、地声でよろしくぅ〜」
「うん〜?』 ……うん! わかったぁ!」
ペッカァァァァ! とスポットライトばりに輝く笑顔の酒カスがおったそうな。某アル中カラカラも振り向きそうなとってもいい返事、もう思考回路死んでるだろこいつ。 ガキか。ガキだった。
この後めっちゃ愛包ダンスホールした。
「ふぃ〜、めっちゃ楽しかったね〜」
頬に汗を垂らしたかぐやが指で汗を弾く。高まりきった高揚感を落ち着かせた整った輪郭は、育ての親に似たクールなメロさを醸し出していた。黙るな、イケメンになるだろ。もっと楽しめ。
チラ、と隣で踊っていた酒カスを見やると床で倒れふす酒カスの姿があった。
「ふへ、ふへあはふふへふ」
顔を蕩けさせ、視線があっちこっちにトんでいる。だらしない笑みを浮かべた唇の端から透明な雫がツゥ──と垂れた。
「かぐらぁ──────!?」
「えへへへへ、……あふん」
「ねぇ何騒いで、ちょ、かぐら!?」
こいつら愛包ダンスホールしたんだ! オワラナイ・ラブコール・ノ・ダンス・デしたんだ!
ぐでんぐでんになった九歳児を介抱する零歳児と十七歳児の姿がそこにはあった。
これが現代日本の闇、ヤングケアラーが次元を超えて超かぐや姫! の世界に顕現した瞬間である。悲しいね。
太陽のガリ茶さん、誤字報告ありがとうございます!
楽曲コード
726-1926-1 白日
最近音MADにされてる例のアニメの例の曲(楽曲コードがまだ配信されて無くて、ハッキリ書いちゃうとハーメルンの規約通り楽曲コード書かないといけなくなるので、なんの曲か読者の皆様の頭の中だけで完結させといてください本当に)
N01372504 愛包ダンスホール
全期間UA見てたら過去回想始めた辺りから露骨に人減ってて萎え……
過去回想編で去った人達帰ってきてくれー!
酒カスを抱っこできる券あげるからー!
大規模コラボってあり?
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アリ
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ナシ