オラリオでの聖杯戦争   作:寝心地

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第三次聖杯戦争 それは信念を貫く物語
黄昏の夢


一面に広がる麦畑、そこに立つ1人の女と子供

 

子供は意を決した様に女に声を掛ける。

 

「……ねぇ、おばさん」

 

次に子供を襲ったのは返事でもましてや言葉でもなく頭から突き抜ける様に感じる痛みだった。

 

「ドゴッッ!?」

 

「殴るぞ?」

 

「もう殴っています!?」

 

「私を呼ぶ時は何と教えた?ん?」

 

「……………………アルフィアお義母さん」

 

「宜しい、それで?何を言いかけていた?」

 

「…………殴らない?」

 

「話を聞く前から分かるものか。だが不快だったら殴る」

 

「怖い!」

 

「ならば叩く」

 

「それもきっと痛い!!」

 

いつまで経っても用件を言わない子供に女はため息を吐く。

 

「…………手は出さないから話してみろ」

 

「…………僕の、本当のお母さんって、どんな人だったの?」

 

「………………」

 

その言葉に女は一瞬躊躇いを見せそよ風と共に答えを教える。

 

「優しいやつだった」

 

「……………………優しい」

 

「私はな本当はお前と会うつもりは無かったんだ」

 

「え?」

 

「私はやりたいようにやった、やるべき事も、だからこの残りの人生を、後は粛々と終わらせるつもりだった、だがある女に言われたのだ。私にはまだやるべき事がある、と」

 

「…………………………」

 

「あそこまでやってこのままで良かったのかと、もしかしたら私はあの時、【英雄】を求めるべきだったのかも知れない」

 

「えいゆう…………」

 

「あの胡散臭い神父の甘事に乗り、【最後の英雄】の誕生を望むべきだったのかも知れない」

 

子供にはその言葉が酷く寂しいものに感じた、やるべき事をやり終えそれでも後悔が残った。彼女は悲しみに囚われ、後悔を抱き死んでいく、子供にはそれが酷く辛いものに映った。だから

 

「じゃあ、僕が【英雄】になる」

 

「ッ…………」

 

「僕が、【最後の英雄】になる!!」

 

「………………お前が」

 

「うん!!任せて!!お義母さんの願いは絶対僕が叶えるから!!」

 

「…………………………ああそうだな、安心した」

 

その言葉を最後に、家族だった2人は永遠に会話をする事が出来なくなってしまった。

 


 

「………………………………」

 

目が覚めると少年は自分の本拠のベットで寝ていた。

 

体を起こし布団を除け主神に一声かけダンジョンに向かう。

 

まだ少し見慣れない街並み、朝早いというのに既に通りは人で溢れかえっておりその人々を避け道を進む。

 

しかし人通りが多く人とぶつかってしまう。

 

「あ!!すいません!!」

 

「いや、此方こそ…ッ!!君は」

 

「え?」

 

そこに立っていたのはこの神時代では見かけない神父だった。

 

神父は少年の姿を見ると目を見開くがすぐに平静を装い少年に1冊の本を差し出す。

 

「あの、これは?」

 

「君の願いを叶える方法が書かれている。お節介な神父からのお節介と思ってくれれば良い、君の行く道に幸が多からん事を」

 

「あ、ありがとう御座います」

 

神父に半ば強引に渡された本を受け取ると少年は再びダンジョンに向かった。

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