ダンジョンから帰って来たベルは朝神父から貰った本の事を思い出し雑嚢から本を引っ張り出す。
【聖杯戦争の書】と書かれた本のページを捲り内容を見る。
「あれ?この場所って」
夜、ベルは本に書かれた場所に向かう。本拠にしている地下室を出て廃教会本堂に入るとそこには光る魔法陣の前に立つ朝の親父がいた。
「やぁ、ベル・クラネル、良く来たね、いや、最初からここは君達の場所か」
「あの、本、読みました。どんな願いも叶うって」
「その通り、君が求める願いの為に戦い勝利する。それが最短で君の願いが叶う方法だ」
「でも僕は、誰かと争うなんてことは………………」
「安心したまえ、過去、2度の聖杯戦争が行われ激しい戦闘となったが
「そうなんですか?良かった…………」
ベルは神父言峰の言葉に安堵の息を漏らし言峰は横に捌ける。
「さぁ、君のサーヴァントを呼び出したまえ」
「はい!!」
ベルは魔法陣の前まで進み本に書かれた詠唱を唱える。
魔法陣の光が強まりやがて収束する。そこに立っていたのは2本の短刀を持つ際どい格好をした幼女だった。
「サーヴァント アサシン。宜しく
「えっと、僕男なんだけど…………兎に角宜しくね!!」
「おめでとう、これで君は晴れて聖杯戦争の参加者となった」
言峰がパチパチと拍手しながらそう言い3日後の夜再び上がってくる様にと伝え自身はその場から離れた。
「あ、神様になんて言おう」
言峰が居なくなった後冷静になったベルはこの後の事を考えかなり頭を悩ませた。
「???おかあさん?」
隣に立つアサシンに目を向けベルは
「取り敢えず、朝神様が起きてから説明しようかな」
考える事を放棄した。
翌朝
「ベル君、世の中やって良いことと悪い事がある、この子を呼んだのは悪い事だ。それもとびっきりの」
結局包み隠さず全てを話したベルにヘスティアが最初に言い放ったのはその言葉だった。それは普段おちゃらけた性格のヘスティアからは考えられない様な重厚な雰囲気だった。
「でも、神様悪い人じゃ無さそうですし」
「…………君にはそう見えるのかい?」
「え?」
「アサシン君、と言ったね。君、今まで何人殺した?」
「ッ!!神様!?」
「ベル君、彼女は英霊だと言ったね。つまり魂の様な存在だ、だからかな?見えるんだよ、この子、いや、この子達の本質が」
「本質?」
「異様にドス黒くて歪で驚く程純粋、だからこそ悍ましい、外面を幾ら取り繕った所で本質だけは変わらない、この子は英雄なんかじゃない、稀代のそして生粋の殺戮者だ」
「……………………」
ベルはアサシンを見る。皿に置かれたじゃが丸くんを頬張る姿は年相応の幼子で、ベルはヘスティアの言う事が信じられなかった。
「………………神様」
「なんだい?」
「神様が僕の事を心配して言ってくれてるのは分かります。でも、この子は僕の呼び掛けに応えてくれた、だから僕はこの子と一緒に戦います。それがきっとこの子の為になると思うから」
ベルはアサシンの頭を優しく撫でヘスティアはため息を付きながらベルらしいと思い了承した。