【第三次聖杯戦争】の開戦が宣言された後、アイズはセイバーを連れ本拠へ帰った。本拠に辿り着き待っていたのはリヴェリアからの説教とリヴェリア・フィン・ロキによる話し合いだった。
「アイズ、君は聖杯戦争がどんなものか分かってて参加したのかい?」
普段のフィンからは考えられない剣呑な雰囲気から放たれる言葉にアイズは自分の知る限りの聖杯戦争についてを答える。
「願いを叶えるために戦うと聞いた」
「それだけ?」
「それだけ…………」
アイズの返答にフィンとリヴェリアはため息を付き思わず天を仰ぐ。
「アイズ、ここだけの話だから白状するけど、僕とリヴェリアも第一次・第二次の聖杯戦争に参加していたんだ」
「ッ!!そうだったの?」
「お前は覚えているかは知らんが暗黒期の話だ、イスカンダル・そしてジークフリートを覚えているか?」
アイズは記憶を掘り起こしその2人を思い出す。最初に思い出したのは真っ赤な男性、豪快に笑いファミリア内の中心人物にあっさりとなった大男、次に思い出すのは一転して白い雪の様な印象を持つ物静かな男、いつの間にかフィンの傍らで仕事をしていた男はまるで最初からそこにいた様にフィンのサポートをしていた。
「思い出した、あの2人は…………」
「ああ、察しの通り僕とリヴェリアのサーヴァントだった。そしてリヴェリアはその苛烈な戦いにより1度命を落としている。悪い事は言わない、君の願いは大体察しが付く、その願いはもっとゆっくり時間をかけても何時か叶うものだ、悪い事は言わないから降りるんだ」
「…………………………でも、そんな未来来ないかも知れない」
「アイズ………………」
「私は戦う、だってそうすれば確実にアイツを殺せるんだから…………」
「………………………………」
その光景をセイバーは何も言わず黙って見ていた。
「さて、君がアイズの召喚したセイバーだね、歓迎するよ」
セイバーが気がつくと話は一段落付いた様でいつの間にかフィンがセイバーの目の前まで来ていた。周りを見回せばアイズの姿は無く扉の方から開閉の音が聞こえた。
「…………………………ああ、役不足だろうが全力を尽くそう」
「セイバーで役不足なら誰も相手は務まらないよ、ともかくアイズのことを頼んだよ。あの子は結構繊細で気難しいから」
「ああ、
セイバーはそう言うとアイズの後を追うように扉を開けアイズの部屋に向かった。
「移動するのは君の自由だがサーヴァントから離れない事をお勧めする。他のマスターやサーヴァントが何時襲って来るか分からないからな」
「うん、ごめん」
そう言いながらもアイズは着替える為に服を脱ぎかけるがセイバーが寸での所で止める。
「サーヴァントとは言え男が部屋に居る状況で着替えるのは頂けないな、こうされたらどうするつもりだ?」
セイバーはそう言いアイズをベットに押し倒す。2人は事故が起これば触れてしまいそうな程顔が近付き互いの瞳の色が反射する。
「分かったら少しは警戒心を持つんだな」
「うん、でも」
「ん?」
「貴方になら、何をされても良いと思う」
「ッ!!」
瞬間、セイバーの脳内に記憶の欠片が走る。
荒廃した世界に自分と怪物、自分の背後には無数の墓が並びその墓の最前列では血塗れの女がセイバーを見ている。女が何かを言おうとした所で記憶は途切れた。
「…………………………………………」
「セイバー?」
「何でも無い、休める内に休んでおけ、何時襲撃があるか分からないぞ」
セイバーは最後にそう言い霊体化し姿を消した。