HG ガンダムビルド⋯ビビッドアーミー・悠久の地大戦編・ 作:星龜
控室からロビーに出ると、殺伐とした空気に満ちており、方々から怒鳴り声が響き渡っていた。
「第97戦区、応答せよ!!」
「第103発電所に戦力を回せ!!」
「第68戦区、突破しました!!」
「何なんですか、あの人達?」
と、戦況を報せる怒号に顔をしかめるケイ。
「ま…
限りなく戦争に近い戦争ゴッコ
だからな…。
悠久の地大戦は…。」
と、青い迷彩服を着た男達が走りまわる廊下を歩くチュージ。
ケイははぐれないよう、しっかりとチュージの左腕の袖をつかむ。
前から走ってきた青い迷彩服を着た30代と思われる男性が、チュージの前で止まった。
「おい、お前っ!!
手が空いているのなら、第73戦区に向かえっ!!」
と怒鳴る青い迷彩服を着た男性に
「今、休憩中だよ!!」
と答えるチュージ。
「なら、終わってからだっ!!」
と怒鳴って走り去る、青い迷彩服を着た男性。
「アイツに命令される筋合いは無いんだがな…★」
と、青い迷彩服を着た男が走っていった方を見るチュージ。
そして、ケイとともにヴェリィの部屋に向かう―。
ヴェリィの部屋の扉の前に来たチュージとケイ。
「ここがヴェリィ様の部屋?」
と訊くケイに
「そうだ。」
と答えるチュージ。
チュージは、扉の右端にあるインターホンを鳴らす―。
◆
ヴェリィの部屋の中央にある円形のベッドの上で、全裸になったヴェリィが、同じく全裸のヒューマノイドエンジェルのマミエルと抱き合っていた…。
「マミエル…
戦況報告、頼める?」
と、背中からマミエルを抱くヴェリィが、マミエルの胸を揉みながら訊く。
ヒューマノイドエンジェルといっても、その体表の感触は、人間と全く同じである。
唯一にして最大の違いは、快感が無いこと
だ。
だから、ヴェリィに胸を揉まれても
「はい…。
現在までに我が陣営は、138基あったリリィ陣営の発電所を38基破壊し…
我が陣営は147基中45基破壊されています…。」
と、淡々と言うマミエル。
「領土の進攻状況は?」
と、マミエルの右耳の耳朶を甘噛みするヴェリィ。
「リリィ陣営が、我が陣営の領土の2パーセントを奪取しています…。」
と言うマミエル。
「それは、よくないね…。」
と、ヴェリィはマミエルの前にまわり、マミエルの乳房に顔をうずめる。
「こちらのハイモックのアップデートが急務かと…。」
と言うマミエル。
「頼めるかい?」
と訊くヴェリィに
「必要最低限の実戦データはそろっているので…。」
と言うマミエル。
「なら、頼むよ。
で、それができるのは?」
と訊くヴェリィに
「2分ほどあれば…。」
と答えるマミエル。
「なら、さっそく作業に取り掛かってくれ。」
と、ヴェリィはマミエルにキスをした。
マミエルはベッドの上に立ち、目の前にマジックキーボードを出現させ、ハイモックのアップデートのプログラミングを始めた。
その時、インターホンの音が鳴り響いた。
「まったく…
誰だよ…★」
と文句を言いながら、ベッドの脇にあるコンソールを操作してインターホンに出るヴェリィ。
「誰だい?」
と訊くヴェリィ。
《【ブルーノア】の顧問のチュージという者です。〉
と答えるチュージ。
「用件は何だい?」
と訊くヴェリィ。
《ウチの女子部員が生活用品を持ってくるのを忘れて…。
お手数ですが、4日分の生活用品を用意していただけませんか?〉
と言うチュージ。
「4日分?
なるほどね…
いい心がけだ☆」
と、笑みを浮かべるヴェリィ。
「そっちの部屋のクローゼットに必要だと思う物を転送しておく。」
と言うヴェリィ。
《ありがとうございます☆〉
と、礼を述べるチュージ。
「用が済んだら帰ってくれ★
私は忙しいんだ★」
と、インターホンを切るヴェリィ…。
その直後―
「ハイモックのアップデートが終わりました。
これより、反撃を開始します。」
と言うマミエル。
「よくやった☆
ご褒美をあげよう☆」
と、マミエルを押し倒し…
キスをして…
マミエルの体を愛撫する…。
◇
「どうやら、部屋のクローゼットに転送してくれるみたいだ。」
と言うチュージ。
「ありがとうございます、先生!!」
と、礼を述べるケイ。
そして、控室に戻っていく―。
控室に戻る途中―
「あの…先生…。
部屋に戻ったら、何をすれば…?」
と訊くケイ。
「悠久の地大戦は、30分戦って、1時間休憩する。
だから、次の出撃は8時からだ。
それまで、みんなと駄弁ってろよ。」
と言うチュージ。
「そこがわからないんです…。
ここって、時が止まっているんですよね?
それなのに、時間があるっているのが…?」
と訊くケイ。
「たとえ、時は止まっていても、時間の概念は存在するんだ。」
と言うチュージ。
控室に戻ってくると、男子メンバーが駄弁っていた。
どうやら、クレアとスオミは寝室にいるようだ。
寝室に入ると
「ケイ、どうなんじょ?」
とクレアが訊いてきた。
「ヴェリィ様がクローゼットの中に用意してくれているみたい。」
と答えるケイ。
「どれ…」
と、クローゼットを開けるクレア。
しかし…
「何も無いけん…★」
と言うクレア。
「え?
うそ!?」
と、クローゼットの中を見るケイ。
「そんな…!?」
たしかにクレアの言う通り、クローゼットの中には何も無かった。
「先生は4日分を用意してくれって頼んでいたから、時間がかかるのかも…?」
と言うケイ。
「なら、しばらく待ちましょう。
次の出撃から帰ってきたら、あるかもしれませんし…。」
と言うスオミ。
「今、何時?」
と訊くケイ。
「7時26分。
8時まで30分ほどじゃけんど、駄弁っていたら、30分なんてあっという間じゃけん。」
と、時計を見るクレア。
そして、クレアの言う通り、駄弁っていたら、あっという間に8時前になった―。
7時50分―。
控室に集まる【ブルーノア】のメンバー達。
「出撃部隊のメンバーに変更は無い。」
と言うチュージに
「先生。
タツヤ先輩に変えてスオミを入れてほしいけん。」
と言うクレア。
「おい、クレア。
それはどういう意味だ!?」
と、クレアに問いただすタツヤ。
「ヒロ先輩があれほど絶賛したスオミの力を、この目で見てみたいけん!!」
と言うクレア。
「タツヤだけでは、スオミの抜けた穴は埋まらないな。
シンも欲しいね。」
と言うヒロ。
「え?
オレも?」
と、困惑するシン。
「おいおい?
スオミって、そんなにスゴいヤツなのか?」
と驚くチュージ。
「もはや、ショウなんて必要無いくらいですよ☆」
とまで言うヒロ。
こうして、進攻部隊のメンバーは
チュージ
クレア
ケイ
スオミ
の4人となった―。
◇
午前8時―。
寝室からコクピットルームに入る
クレア
ケイ
スオミ
『GUN-PLA Battel, Stand up.』
システムが起動し始めた。
『Please set your GP base.』
GPベースを、スロットにセットする。
『Please set your GUN-PLA.』
ガンプラを、カタパルトデッキにセットする。
コクピットルーム内に、ホログラフィーで再現された球体操縦桿と正面と左右のカメラモニターや、残弾数や各部のダメージ表示を示すメモリなどが映るモニターが現れる。
球体操縦桿を握り、そして―
『Battel start!!』
バトルスタートの合図が鳴り響く―!!
「クレアッ!!
ガンダムアルフェルグ、出るけんッ!!」
「ケイ!!
ブレイズシグー、出ます!!」
「スオミ…
ガンイージダッシュ、出ます。」
クレア、ケイ、スオミの