HG ガンダムビルド⋯ビビッドアーミー・悠久の地大戦編・ 作:星龜
11月11日―。
ついに
悠久の地大戦
の日が来た―。
午後9時30分―。
真冬ほどではないが、11月ともなれば、夜は冷えこむ…。
厚着をして外に出たクレアは、自転車を取りに駐輪場に向かう。
自転車に跨ったところで、ケイから電話がかかってきた。
クレアは、スマートフォンの通話ボタンを押し
「もしもし。」
と、電話に出る。
《こんばんは、クレア。
準備できてる?〉
と訊いてくるケイに
「もう下に下りてきとるけん。」
と答えるクレア。
《そうなんだ。
私達も、もうすぐしたら、そっちに着くわ。〉
と言うケイ。
実際、2台の自転車が走ってくるのが見えた。
クレアはスマートフォンを切ると、走ってくる自転車に向かって自転車を走らせた。
走ってきた自転車は、ケイとシンだった。
「こんばんは。」
と、あいさつをするクレア。
「おぅ、クレアか。
んじゃ、学校行こうぜ。」
と、シンを先頭に、ケイ、クレアの並びで学校に向かう―。
「クレア。
質問していいかな?」
と言うケイ。
「何じょ?」
と答えるクレア。
「どうして
と訊くケイ。
「それは、わからんけん。」
と言うクレア。
悠久の地大戦が、なぜ、午後11時から始まるのか…?
それは、誰にもわからない…。
「それは、オレも気になってる。
何で、こんな時間から始めるんだろうな?」
と言うシン。
「まったく…迷惑な話ね…★」
と、ため息をつくケイ…。
◇
大洋高校に到着すると、駐輪場に自転車を停めに行く。
そして、裏口から校舎内に入り、部室に向かうが、当然のことながら、校舎内は真っ暗なので、持ってきた懐中電灯を点けて部室に向かう。
「けっこう…
こわいね…。」
と言うケイ。
「お…おぅ…★」
と、こわごわ答えるシン。
「お化けが出そうじゃけん…★」
と言うクレア。
「やめてよ、クレア★」
と怒るケイ。
「心配すんな、ケイ…★
オレがついてる…★」
と言うシンの声は、やや震えていた…。
その時―
「おい☆」
という声が、後ろから聞こえて
「うぅわぁあぁあぁ…ッ!!」
と、全速力で逃げるシン、ケイ、クレア…。
「ちょっ…待てって★
オレだよ★
ミッツだよ★」
と、全速力で逃げるシン達を追うミッツ…。
全速力で廊下を走るシン達の前方に、明るい光が見えた。
部室だ。
全速力で部室に飛び込むシン、ケイ、クレア…。
「何だよ、お前ら?
静かに入れよ★」
と、息を切らせているシン達に言うチュージ。
少し遅れてから…
「こんばんは☆」
と、ミッツが入ってきた。
「ミッツゥッ!!
てめぇッ!!」
と、ミッツにつかみかかるシン。
「い…いきなり声かけたりして、悪かったって★」
と謝るミッツ。
「何があったかは知らんが…
とにかく離せ★」
とチュージに言われたシンは、ミッツを離す…。
クレアが部室内を見回すと
カツ
ヒロ
タツヤ
がいた。
つまり、あと、来ていないのは、ショウだけだ。
それから、しばらくしてショウが来たのだが…
「み…みんなに、紹介したい人がいるケン…☆」
と、モジモジしながら言うショウ。
「誰だよ?」
と訊くチュージ。
ショウに手招きされて、一人の青年が入ってきた。
「
じゃケン…☆」
と、顔を赤くして紹介するショウ…。
「ショウの彼氏のザマじゃケン☆
よろしくたのむケン☆」
と名乗るザマ。
(・・・・・・。)
沈黙する部室内…。
その沈黙を破り
「何を考えとるけんッ!!」
と怒鳴るクレア。
「お…おぅ!!
部外者を連れて来るなんて、何考えてんだ!?」
と続くカツ。
「どういうことか…
説明しろ、ショウ。」
と言うチュージに
「簡単なことじゃケン☆
ショウは
それ以外の理由があるケン?」
と答えるザマ。
「お前にゃ訊いてねぇよッ!!」
と怒るチュージ。
「ま、冗談はさておき…
いきなり、押しかけてきた非礼は謝るケン。
しかし、助っ人という戦力増強という現実は、みなさんにとってデメリットは無いと思うケン?」
と言うザマ。
「たしかにな…★
ここにいるメンバーだけで戦い抜けるとは思えん★」
と、ザマの言っていることに納得するチュージ。
「ちょっと待つけん!!
こんな、どこの馬の骨とも知れない人を受け入れるつもりじゃけん!?」
と訊くクレア。
「たしかに、筋は通っちゃいねぇが…
人数が多い方が有利だからな…。」
と言うチュージ。
「先生、ありがとうケン☆」
と喜ぶショウ。
「ま…
みんな、納得いかんかもしれんが…
とりあえず、悠久の地大戦が終わるまでの辛抱だ。」
と言うチュージ。
(・・・・・・。)
部員全員、納得したわけではないが、ザマの加入を受け入れることにした…。
やがて、午後10時50分になった。
「よし、行くぞ。」
と、チュージを先頭に、部室を出る部員達―。
部室を出たら、廊下に…
「えぇっ!?」
と、眼の前にひろがる光景を見て、驚くケイ。
部室を出たら廊下ではなく、数百人はいるであろう、大勢の人が集まっている広大な部屋の中だった。
下は小学生と思われる者から、上は白髪頭の老人まで、性別、年齢はまちまちだ。
「え…?
何が、どうなっているの…!?」
と、混乱するケイ。
「どうなっているも、こうなっているも、6月のガンプラバトル大会の時と同じ、ここは『悠久の地』じゃけん。」
と言うクレア。
「そ…そうなんだ…。」
と、少し落ち着いたケイ。
その時…
突如、ファンファーレの音が鳴り響いた。
同時に、この場にいる人々が、正面奥の方にあるステージの方に向く。
すると、青い迷彩服を着た、薄紫色のロングヘアーの、背の高い女性がステージに登壇した。
彼女が悠久の地八戦神の一人・ヴェリィだ。
「こんばんは〜☆
今回、私の陣営に参加してくれたみなさん、ありがとう☆」
と挨拶するヴェリィ。
「さて、今回の1回戦の相手はリリィだ。
いつものように
明日の午後10時59分までにリリィの城を落とす
か
リリィを討ち取ればいい☆」
とヴェリィが言うと、参加者達が
「オォーッ!!」
と拳を突き上げる。
「じゃ、みんな、がんばってねぇ〜☆」
と、降壇するヴェリィ…。
「ようし!!
これより、発電所の建設に向かう!!
担当者ならびに志願者は、ただちに発電所建設に向かえ!!」
と叫ぶ、発電所建設の責任者気取りの男性。
「発電所って何?」
と訊くケイに
「プラフスキー粒子の製造施設
じゃけん。
この世界に元からあるプラフスキー粒子と、発電所で製造されたプラフスキー粒子を合わせることで、ガンプラが強化されるけん。」
と教えるクレア。
「そうなんだ…。」
と、納得するケイ。
「敵も同じように、発電所を建設しとるけん。
だから、この後
私達は、敵の発電所を破壊しに行く
んじゃけん。」
と言うクレア。
「いつ行くの?」
と訊くケイに
「発電所が完成するのは30分後。
でも、敵の発電所の完成を少しでも遅らせるためにも、私達は15分後に出撃じゃけん☆」
と言うクレア。
すると
「おい。
2人とも、控室に行くぞ。」
とシンに呼ばれたため、クレアとケイは控室へと向かうのだった―。