存在したばず君のために   作: バナナソフトクリーム

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訓練

「……いいか、冴月『罪須』と名乗っているのだったか」

 

 

目の前に座る人物の言葉に、俺は思考を止めた。

視線の先には、八意永琳。彼女だけが、

周りの中国風の装束から浮いた、あまりに「原作通り」なあの服を纏っている。

その不自然さに気を取られ、話が全く頭に入って来ないそれ以外の理由もあるが

 

「おい 話を聞いているのか」

 

「すいません……話についていけなくて」

 

月夜見様(と思われる人物)が苦笑した。

正直に白状すると、かわいい なんで 中性的な顔だがなんだよしかも、話ている本人は男の神でるはず

ツクヨミ様

 

「あぁ、すまない。だが、その名前は早急に変えたほうがいい。君には神の加護があるようだが、

月の民は穢れを嫌う。罪を連想させる『罪須』という名は、ここでは不吉すぎる」

 

俺は内心で(すねてない、すねてないぞ)と自分に言い聞かせた。目標のために名字は変えられないが、名前くらいなら……。

 

「よろしい。君は穢れがほとんどないようだ。……綿月。彼に新しい名と部屋を与えてやってくれ」

 

「御意」

(え、永琳先生じゃないのかよ!)

 

俺の期待は淡く散り、俺は綿月家へと預けられることになった。

……だが、それが正解だったと思い知るのに時間はかからなかった。

 

 

「かわいいいいいいい!!」

 

「……ふふ、そうだろおう」

 

目の前で目を輝かせているのは、まだ小学生くらいの綿月豊姫。

そしてその横には、幼稚園児ほどの小さな依姫。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

なぜか異様に高い母性本能(?)を刺激された俺は、前世からの家事スキルとすっかり彼女たちの世話係に収まっていた。

 

「大國(ダイコク)お兄ちゃん、お腹すいた!」

 

「はいはい、今作るから待っててね」

 

大和隊長の奥方が亡くなっていると聞き、俺は家事全般を引き受けた。

 

昼は姉妹の世話、そして夜は——大和隊長による、死ぬほどキツい稽古が待っている。

が今の俺には問題ない

 

 

 

 

「……面白い加護だ。美しく、そして猛烈に汚らわしい」

 

ある日、永琳先生に言われた言葉が脳裏をよぎる。

俺に宿った加護は『若返ってしまう程度の能力』。

トリガーは「死」。死ぬたびに若返り、蘇る。死を最大の穢れとする月の民にとって、俺は文字通りの「化け物」だ。

 

 

 

 

「若返りたきゃ、私が気づかないうちに楽に殺してあげるよ」

先生の冗談とも本気ともつかない笑みが怖かった。

 

しかしもう一つのほうは、いまだに自身ですらあまり分らないが

自覚し始めたもう一つの力、『すべてをねじ伏せる程度の能力』ヒミツにしといた

 

でこのデバフを消せないか。

 

……、考えるのは明日にしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

——それから、10年の月日が流れた。

 

キンッ、と鋭い金属音が夜の静寂を切り裂く。

俺の日本刀が大和隊長の薙刀と激突した。

まだもう一つの能力を隠している俺に対し、隊長は純粋な武力だけで圧倒してくる。

 

「「大國お兄ちゃん、頑張って……!」」

 

端で見守る豊姫と依姫の声が聞こえる。

 

(カッコ悪いところは見せられない……!)

無理やり魔力を練り、身体を強化する。

 

「封印残影!」

 

無数の鎖が隊長の巨体を捉えようと走る。だが、その巨体からは想像もつかない速度で、隊長はすべての鎖を回避した。

 

「ははは! いい筋だ、大國!」

 

ドォォン! と薙刀が一振りされ、竜巻が巻き起こる。地面にヒビが入るほどの衝撃。

結局、俺はなす術なく地面に転がされた。

 

「……最後本気でしたよね。」

絶対に娘が俺だけを応援していたことに対して切れている

 

「ソンナワケナカロウ、。。。。」

嘘だろ 娘に聞こえないように小声でしゃべりやがって

 

 

 

 

【数年後】

 

 

 

【君を軍事学校の教官に推薦してもいいか?」

 

「なぜですか」

 

ほんとにわからない 、まだ俺の専業主婦として働いているのに

 

「ふたりともいい年だからそろそろ、軍事学校に入るだろう、そしたら君も暇になってしまうからな」

 

 

わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

綿月家の広大な道場。銀色の月光が差し込む中、

十代半ばとなった豊姫と、まだあどけなさが残るが鋭い眼差しを持つ依姫が、俺と対峙していた。

 

「手加減なしだよ?」

豊姫が扇をひらつかせ、余裕の笑みを浮かべる。

 

「……胸を、お借りします」

依姫は対照的に、神霊を降ろす準備か、静かに木刀を構えた。

 

「いいよ。じゃあ……少しだけ、僕の『本気』を混ぜるね」

俺はあえて、大和隊長から教わった正統派の月の剣術ではなく、前世の記憶と「すべてをねじ伏せる能力」を組み合わせた独自の技を見せることにした。

 

構えをとった瞬間 二人は攻撃を仕掛けに来る

 

「――『落花の情』」

 

 

ほぼ同時に放たれる攻撃に対して。本来なら物理的に不可能な速度を自身の能力で 刀に対しての「空気抵抗」をねじ伏せ、一振りの時間をゼロに圧縮する。

 

「っ……!?」

 

豊姫の顔が驚愕に染まる。依姫の攻撃をはじくならわかるが

自身能力込みの攻撃すらも防がれたことに対して落花の情とはどれほも速度なのか

 

 

 

、、、、、

 

二人に対して

影残でしばりあげ戦闘が終わった

 

「…今、、、何したの?」

 

豊姫が目を丸くしている。彼女の能力で空間を繋ぐ暇さえ与えない、圧倒的な「圧」だった。

 

「……見えませんでした。……今のは」

 

依姫は悔しそうに、けれどその瞳には強い憧れを宿して俺を見つめている。

 

「これはね、気合だよ。……なんてね。ちょっとしたコツさ」

 

俺は笑ってはぐらかすが、内心では冷や汗をかいていた。

(……今のは、少しやりすぎたか。)

 

「もう一回! 、もう一回やって!」

無邪気にせがむ豊姫と、俺の足運びを必死に盗もうとする依姫。

 

「はいはい。でも、次は避ける練習だよ。僕の技、受けたら痛いじゃ済まないからね」

その夜の稽古は、結局夜更けまで続いた。

 

二人が眠りについた後、俺の右腕は能力の反動で腫れ上がっていた。

 

(……死ななきゃ治らないか、これ。……まあ、あの子たちの笑顔が見られたなら、安いもんか)

 

俺は石鹸の匂いが残る二人の寝顔を確認してから、そっと道場を後にした。

 

月の都の賢者の診療所。そこは常に、微かに薬草の苦味と、消毒液に似た清涼な空気が混じり合っている。

 

「輸血バックありがたいけど。あまり多少のけがでここに来ないで頂戴」

 

永琳は、

さっき死ぬために抜いてできた血液パックを持ちながら、淡々と言い放つ。

彼女から教わるのは、包帯の巻き方といった基礎ではない。「生命がなぜ生命として形を保っているか」という、蓬莱の薬に近しいに近い知識だ。

 

「先生、魂が摩耗すると、どうなるんですか?」

 

「『自分』という輪郭がぼやけるわ。最終的には、自分が誰だったか、何を愛していたかさえ忘れた、ただの動く肉の塊になる

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