バトル回です。
めっちゃ下手くそだわ、すいません。
ガラル地方一大イベントのジムチャレンジ開幕まで、残り一ヶ月を切った。そんな時期に余興的な物で、ジムリーダー同士でポケモンバトルをするのが最近の恒例になっている。
「俺今年がメジャー初挑戦っすよ?いきなりヤローさんって大丈夫なんですか?絶対不相応ですって」
『はは、まあこれは君の実力を見込んでの組み合わせだよ、あまりそう怒らないでくれ』
電話の相手はガラル地方のリーグ委員長であるローズ。彼の立ち上げた会社であるマクロコスモスは、ガラルの経済を支えていると言っても過言ではない程大きな会社だ。そんな彼からの電話の内容は今季のエキシビションマッチの対戦相手の発表。アザミの対戦相手は原作で一番最初のジムであるターフスタジアムでジムリーダーを勤める、ファイティング・ファーマーこと、草タイプ使いのヤローだった。
『だって君、紙一重だったとはいえヤロー君に勝ち越しているだろう?心配する必要はないよ』
「ギリギリにも程があるでしょうよ、あの時ボスゴドラがストーンエッジ当ててなけりゃ負けてたんですから」
『まったく、本当に自己評価の低い……まあ頑張ってくれたまえ、私はこの後まだやらなければならないことがあるからね』
「あっちょっ委員長……切りやがった」
ヤローは裏設定として、未熟な相手に本気を出すことができないと言うものがあった。これは本当のことで、ジムチャレンジでチャレンジャーと戦うときは、ダブルエースであるアップリューとタルップルをそもそも使わない。その上、炎タイプや飛行タイプのポケモン相手に平気で草技を撃つなど指示に所々不自然なところが垣間見えるのだ。
「確か一昨年はファイナルトーナメントでヤローさんがチャレンジャーボコしてたんだよな……怖い怖い」
そう、一昨年のジムチャレンジを圧倒的な強さで勝ち進んだチャレンジャーは、初戦でヤローと激突、6vs6のフルバトルであったにも関わらず、ヤローのポケモンを一体倒すことしかできなかったのだ。
「エキシビションは3vs3のシングルバトル……。誰を選出するか決めとかないとな」
そして、エキシビションマッチ当日。
行われるのは全部で四試合だ。
第一試合、エンジンスタジアムジムリーダーのカブvsアラベスクスタジアムジムリーダーのポプラ。
第二試合、キルクススタジアムジムリーダーのアザミvsターフスタジアムジムリーダーのヤロー。
第三試合、ラテラルスタジアムジムリーダーのオニオンvsバウスタジアムジムリーダーのルリナ。
そして第四試合、ナックルスタジアムジムリーダーのキバナvsガラルリーグチャンピオンのダンデ。
「ネズさんが呼ばれてねえのは……いやあの人ならボイコットしてそうだな」
既に第一試合はクライマックスを迎えており、カブのエンニュートがキョダイマックスしたポプラのマホイップによって撃ち倒されたところだった。
「これで両者一匹……。マホイップのキョダイマックスはもうじき切れるだろうし、カブさんの勝ちは揺らがなさそうだな」
正直ポプラさんが勝つと思っていたが……。あの人も歳だろうか、咄嗟の指示に対応が遅れたりするところがチラホラ見えた。
『【キョダイヒャッカ】!!』
『【マジカルシャイン】だよ』
迫り来る地獄の業火を真正面から受けたマホイップは、ギリギリまで持ち堪えようとしていたが……。やがて耐えられずに崩れ落ちた。
『決着ぅぅぅ!!炎のベテランファイター、いつまでも燃え続ける男、カブが!!ファンタジック・シアター、ポプラの老獪な戦術を真正面から打ち破って見せましたぁぁぁ!!』
「いや老獪ってなんだよ、瞑想溶けるからのアシストパワーしないだけマシだったろ、それ見たらこの実況なんて言うんだろうな」
ポプラさんとカブさんがフィールドを後にする。それを確認した後、スマホロトムの電源を切り、選出した三つのモンスターボールを腰に装着する。視界の端からリーグスタッフが駆け寄ってくるのが見えた。
「アザミ選手、そろそろお時間です。準備をお願いします」
「あいよー……。ったく、まあ軽く頑張りますかっ」
ロッカールームを出て、バトルフィールドへと足を踏み入れる。スタジアムが歓声で揺れ、辺りをドローンロトムが飛び回る。……いつになっても慣れねえな、この感覚。反対側からやってきたのは今回の対戦相手。筋骨隆々な完成された身体の上に乗っかった愛嬌のある顔が、なんともアンバランスである。
「久しぶりじゃなぁ、アザミ君。今日はお手柔らかに頼みますよ」
「よく言いますね。あの時本来なら俺負けてたんですから」
「そんなことは無いと思うんだがなぁ……」
「さっ、始めましょうよ。
「は、話を逸らされた気がするんじゃが……」
「気のせいです」
『さあ続いては第二試合!!大注目のカードが今切られようとしています!!今季ガラルリーグを最終4位で終え、ジムリーダー就任から初のメジャー昇格を果たしました期待のルーキーが遂に登場です!!メタリック・ブレイン!!鋼タイプのエキスパート、アザミ選手!!』
『迎え撃つは我らが世界最強の農家さん!!今季ガラルリーグを最終5位で終えた草タイプの使い手が新人の快進撃を阻みます!!ファイティング・ファーマー!!草タイプの使い手、ヤロー選手!!』
『アザミ選手、ヤロー選手、両者同時にポケモンを出してください』
「まずは任せたぞ、ナットレイ!!」
「暴れ回ってやりましょう、クレッフィ!!」
ヤローの初手はナットレイ、草と鋼の複合タイプを持つ優秀なポケモンだ。対するアザミはクレッフィ。つい最近あの配信でコメント欄を阿鼻叫喚に陥れたクレッフィである。
『互いのポケモンが出揃い、ました。互いに鋼タイプを持ち合わせるポケモン同士の対面となりましたね。エキスパートであるという点から優位に立っているのはアザミ選手でしょうか』
「手堅くいくぞ、【鈍い】じゃ!!」
「こちらは【電磁波】。いつも通り進めてください」
特性悪戯心によって普通よりも素早く放たれた電磁波がナットレイを蝕んでいく。身体の痺れでうまく動けず、【鈍い】は不発に終わった。
「ならば……【パワーウィップ】!!」
「【リフレクター】、繋げて【鉄壁】です」
ナットレイが触手をしならせ、クレッフィ目掛け叩きつけようとする。しかしその一撃を五層の透明な障壁で防ぎにかかる。リフレクターで減速した触手を身体に力を込めて身を固め、完全に受け止めて見せた。
「もう一度【鉄壁】」
「くっ、相変わらずじゃのう……」
『アザミ選手、クレッフィの特性悪戯心を駆使して、ヤロー選手を翻弄していきます!!既に防御は4段階上昇、物理攻撃でダメージを与えるのはなかなか厳しそうであります』
「【宿木のタネ】じゃ!!」
「【守る】、【身代わり】も貼っておきましょうか」
「フィッフィ〜」
変化技を加えて状況打開を試みるが、クレッフィは放たれる種を守るで完璧に防ぎ、自らの分身を作り出すと、そのまま裏に隠れてしまった。
『本当にガッチガチに固めてますね……ここまで守りに徹している状態は中々珍しいですよね、解説のムコウダさんはどう思われますか?』
『そうですね、アザミ選手がそれだけヤロー選手を警戒しているということの現れでしょう。序盤のうちに場を整えておきたいという心理も働いているかもしれませんね』
「テンポを変えましょう、【威張る】」
「なっ……!?」
クレッフィが身代わり人形の裏からひょこりと顔を出すやいなや、ナットレイに向けてケッ、と嘲るような笑みを見せる。そのまま再び身代わり人形の後ろに隠れてしまった。ナットレイの額に青筋のようなものが浮かぶ。
「レェェェェェイィァァァァァア!!」
「な、ナットレイ落ち着くんじゃ!!」
ヤローの静止も聞かず、ナットレイは身代わり人形目掛け【ヘビーボンバー】を放った。それによって身代わり人形は消えてしまうが、代わりにナットレイの眼前に突如としてクレッフィが出現する。
「【イカサマ】」
「フィィィ、フィッフィイ!!」
クレッフィはナットレイの触手にチェーンを引っ掛け、その勢いを利用して思い切り投げ飛ばした。ナットレイは地面をバウンドして、ヤローの足元でひっくり返って動かなくなってしまった。やってきたドローンロトムがナットレイの状態を確認し、判定を下す。
『ナットレイ、戦闘不能!!クレッフィの勝利!!』
『決まりましたぁぁぁ!!【威張る】により上がった攻撃力を逆手に取った【イカサマ】でアザミ選手が先制!!クレッフィも大きなダメージは負っておりません!!アザミ選手が勝利に向けて一歩大きく前進しました!!』
「よく頑張ったぞナットレイ……一本取られたわ、やっぱ強いなぁアザミ君」
「お世辞でも嬉しいですよ、まあ勝つのは俺なんで」
「よく言うわ、僕だってやられてばっかりじゃ無いからな!!行くぞワタシラガッ!!」
To be continued ……。
多分あと4話くらい使います。
お付き合いいただければ幸いです。