章を入れてみました。
諸々が終わった後、
ヤローの次鋒はワタシラガ。ふわふわの綿毛に包まれた小さな身体は、吹けば飛んでしまいそうなほど儚い。それなのに簡単には攻略できそうにない、なんとも言えない迫力があった。
『ヤロー選手、次鋒にワタシラガを選択!!変化技の使い手、クレッフィ相手にどのような立ち回りを見せてくれるのか期待が膨らみますね!!』
試合再開の合図が送られる。
「かましていくぞ、【エナジーボール】!!」
「【電磁波】から入りましょう。その後【光の壁】です」
緑色の無数の光弾がクレッフィ目掛けて撃ち出されるよりも早く、弱い電撃がワタシラガを苦しめる。痺れる身体に鞭打ち、なんとかエナジーボールを放つも、光り輝く透明な壁が威力を半減、クレッフィに大きなダメージを与えることができない。
「まだまだじゃ、【エナジーボール】連射ぁ!!」
「【身代わり】、そして【威張る】です」
再び沢山の光弾が放たれる。さっきの量とは比べ物にならない程の質量を持ってクレッフィに襲いかかるが、身代わり人形を盾にして冷静に対処。そのままナットレイの時のように、顔を歪めてワタシラガを嘲笑する。
「ワタシラガ、僕の声が聞こえるか!?」
「フ、フワアァァァ……!!」
「よし、ならば【ハイパーボイス】じゃ!!」
「【瞑想】、からの【這い寄る一撃】」
ワタシラガは混乱こそしているものの、ヤローと意思疎通できるくらいには落ち着いていた。指示通りに辺りに響き渡るような音波を放つ。その一撃をクレッフィは心を落ち着けることで受け止め、お返しに稲妻のような軌跡を描きながらワタシラガに接近、重い一撃を喰らわせる。
「まだじゃ【コットンガード】、そこからもう一度【エナジーボール】!!」
「何度やっても同じです、【這い寄る一撃】」
何度も何度もエナジーボールを放つワタシラガだが、その全てを受け止められ、返しの一撃をもろに喰らってしまう。それを嫌がってかワタシラガはモコモコの綿毛をさらに生やし、防御力の上昇を図った。
「(このままではジリ貧じゃ、これ以上クレッフィを野放しにしたら必殺級の【アシストパワー】が飛んでくる……!!どうにかしてココで勝負を決めねば、でもどうすれば……)」
「(本当はファイナルトーナメントまで取っておきたかったが……そうも言っていられんな、ここで使わずしてどこで使うというんじゃ!!)」
「これが僕たちの奥の手じゃ、受け止めて見せろアザミ君!!【日本晴れ】、そこから【ウェザーボール】じゃ、いけぇッ!!」
「なっ……!?【瞑想】……いや【守る】です!!」
この試合で初めて、アザミの表情が大きく変わる。ワタシラガが放った白色の弾は強い日の光を浴び、火球へと変化する。予想外の技選択に指示が遅れ、クレッフィが炎に包まれる。
「フィッ、フィイイイ!?」
「クレッフィ!?」
ギリギリでこそあったが、クレッフィは持ち堪えていた。しかし、【光の壁】による特殊火力軽減、クレッフィの【瞑想】による特防上昇、そして【這い寄る一撃】の追加効果の特攻下降があってこのダメージ。【守る】がもう少し遅れていたら、確実に戦闘不能に追い込まれていた。
「(防御が4段階、特攻、特防がそれぞれ1段階……不一致のアシストパワーでほぼ万全のワタシラガを堕とせるかどうかは怪しい。こうなったら……!!)」
「すみませんクレッフィ、全力の【徹底光線】!!」
「フィイイ、フィイイイイイッ!!」
「迎え撃てワタシラガ、【リーフストーム】じゃあ!!」
「フワッ、フワワワアアアアッ!!」
クレッフィの小さな身体から放たれた極太の鈍色の光線と、ワタシラガが繰り出した深緑の奔流がフィールド中央でぶつかり合い、爆発を起こした。
煙が晴れ、この勝負の結末はすぐに明らかになった。その答えは、フィールド中央で折り重なるように倒れた、二匹の姿。
『クレッフィ、ワタシラガ、両者戦闘不能!!アザミ選手、ヤロー選手は同時にポケモンを出してください!!』
『決まったぁぁぁ!!二匹のポケモンの全力の一撃がお互いを戦闘不能へと追い込みました!!ヤロー選手は残り一匹、対するアザミ選手は万全のポケモンを二匹残した状態で最終戦を迎えます!!』
「ごめんなさいクレッフィ、【ウェザーボール】の対策、うっかり忘れていました……。次はもっと活躍させてあげますからね」
「よく頑張ったなワタシラガ、クレッフィを倒せたのはすごく大きいぞ……。ゆっくり休んでくれ」
「鋼の翼で大空を舞え、いきますよアーマーガアッ!!」
「ガアアアアアアアッ!!」
「粘るぞタルップル!!最後の砦はお前じゃあ!!」
「プルルルアアァァッ!!」
To be continued ……。
なんか今日短い……。
なんででしょう?