はがね使いの青年は世界最強を夢に見る   作:しゅー。

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思ったより早く終わったヤロー戦。
いよいよクライマックスです。



エキシビション : vsヤロー 3rd

『ヤロー選手最後の切り札は彼のダブルエースの一角、タルップル!!対するアザミ選手の二匹目は鋼鉄の大翼を携えたアーマーガアです!!互いのエース格のポケモン同士がフィールドに並び立ちました!!』

 

「物理技での突破が困難と見て特殊技を得意とするタルップルを選択した……。そういう事ですか?」

「……隠しても無駄か、その通りじゃ」

「悪いですけど俺のアーマーガアはその程度の浅知恵で止まるようなタマじゃありませんから。そこだけ理解しておいて貰って」

「手厳しいのお……。嫌われとるんかな僕」

 

そして審判から合図が出され、試合が再開する。

 

「【宿木のタネ】、そこから【鉄壁】じゃ!!」

「プルルルルアッ、プルルアアアァッ!!」

「【守る】、そして【ビルドアップ】」

「ガアッ、ガアアアアア!!」

 

放たれた小さなタネを緑色の障壁で完璧に防いだアーマーガア、防御を上げさせてしまうものの、自らも筋肉を膨張させて物理方面にバフをかけていく。

 

「【林檎酸】、繋げて【龍の波動】!!」

「プルルルルッ……アアアアアァッ!!」

「ならば……【嫌な音】です」

「ガアッ、

 ガアアアアアアアアアアアアア!!

「プルアアアアアッ!?」

「ぐうぅぅぅっ!?タルップルぅ!!」

 

『こっ、これはあああ!?お、恐ろしいほどの嫌な音ですぅぅぅ!?音量、テレビの前の皆様は音量を下げての番組視聴をお勧めしますぅ!!ああああああ鳥肌ああああ!?!?』

 

耳を劈くような嫌な音がフィールドに響く。あまりの音量にテレビカメラに異常が発生し、映像が若干乱れる。そんな音を至近距離で浴びたタルップルはどうなるか、あまりの苦しさでのたうち回り、口元に溜めていたエネルギーが暴発してしまい、技が不発に終わってしまった。

 

「続けて【高速移動】、そしてもう一度【嫌な音】」

「ガアアッ、ガアアアアアアッ……

 ガアアアアアアアアアアアアア!!

「タルップル、耳を塞ぐんじゃあ!!」

「プ、プルルッ!!」

 

タルップルの隙をついて素早さを上げ、再び爆音が辺りを襲う。タルップルは蹲って耳を塞ぎ、被害を抑えにかかる。しかしそんな大きな隙をアザミとアーマーガアが見逃すはずもなく。

 

「【ビルドアップ】、そして【ボディプレス】!!」

「ガアアッ、ガアアアア!!ガアアアアアアア!!」

「まずい、【転がる】!!躱すんじゃあ!!」

「プッ、プルルルルルルルラァ!!」

 

飛び上がったアーマーガアが隕石の如く上空から落下する。それをあちらこちらに転がって回避するタルップル。しかしこれでは避けきれなくなるまでは時間の問題……。状況を変えるべく、ヤローはタルップルを()()()()()()()。最後のポケモンをボールに戻す、ガラル地方の人間がそれを行う理由はたった一つ。

 

「行くぞタルップル!!ガラルのトレーナーたちに粘り腰の恐ろしさを、見せつけてやるんじゃああ!!」

 

手首につけたバンドからモンスターボールへとエネルギーが流れ込み、ボールが巨大化する。そしてそのまま自らの後ろへとぶん投げた。

 

巨大モンスターボールが、爆ぜる。

中から現れたのは、壺のような形をした林檎から顔を覗かせた、蜜を頭から被った、巨龍。

 

()()()()()()

ガラルで発見された、ガラル特有の戦闘方式である。

中には()()()()()()()()と呼ばれる、限られたポケモンのみが発動させることができる能力もある。

このタルップルの姿は、キョダイマックスした姿であった。

 

「プルルルルアアアアッ!!」

 

キョダイマックスしたタルップルが、咆哮を上げる。

その声に反応して、頭上で赤黒い嵐が渦巻き出した。

ビリビリと震える空気。アザミもアーマーガアをモンスターボールへと引っ込めた。

 

「その大いなる翼で、更なる活路を切り拓け!!いざ、キョダイマアアックスッ!!!」

 

アザミの手元で巨大化したモンスターボールが、空中で爆ぜる。中から現れたのは、無数の鋼鳥を従えた、巨大な鋼の翼を広げた鴉。

 

「ガアアアアアアアッ!!!」

 

キョダイマックスアーマーガア。

アザミのポケモンもまた、特別なポケモンであった。

 

 

『ここで両者キョダイマックスを選択ゥ!!ガラル名物、大怪獣バトルをどうぞお楽しみくださぁい!!』

 

「【ダイドラグーン】じゃ!!」

 

「プルルルアアアアアッ!!」

 

「【ダイスチル】です!!」

 

「ガアアアアアアアアッ!!」

 

禍々しい色の竜巻と大地を突き破って襲いかかる鋼の山々がフィールド中央で激突、爆風が吹き荒れ、観客が悲鳴を上げる。

 

「【キョダイフウゲキ】!!」

「【ダイウォール】!!」

 

アーマーガアが力強く羽ばたく、たったそれだけで大地を抉るほどの強風が吹き荒れる。タルップルはその一撃を巨大な障壁で完璧に防いで見せた。

 

「【キョダイサンゲキ】、いけええええッ!!」

「【ダイスチル】ゥゥッ!!」

 

「プルアアアアアアアッ!!」

 

「ガアアッ、アアアアッ!!」

 

互いの最高火力が三度フィールド中央で激突し、大爆発が巻き起こる。煙が晴れた先、キョダイマックスが切れた両者が再度睨み合う。

 

「【鈍い】、そこから【馬鹿力】じゃあっ!!」

「プルルッ、プルルルルアアッ!!」

「【高速移動】、そして【ボディプレス】!!」

「ガアアッアアアアアアアアッ!!」

 

タルップルの渾身の突撃とアーマーガアの速度を伴ったプレスが互いに直撃する。押し負けたのはーーー

 

「プルアアアアアッ!?」

「た、タルップル!?」

 

「かませアーマーガア!!この一撃に全てを賭けろ、【ブレイブバード】ォォッ!!」

 

「ガアアアアアアアッッッ!!」

 

「【守る】じゃタルップル、頑張れぇぇッ!!」

 

青白い光に包まれたアーマーガアが、ひっくり返ったタルップル目掛け突撃する。慌てて防御の指示を送るヤローだが……。もう、間に合わない。

 

「プッ、プルルルルルル……」

 

『タルップル、戦闘不能!!アーマーガアの勝利!!よってこの試合、アザミ選手の勝利!!』

 

『決着ぅぅぅ!!アーマーガア必殺の一撃が遂にタルップルを沈めて見せましたぁぁぁ!!エキシビションマッチ第二戦、勝者はメタリック・ブレイン、鋼使いのアザミ選手だぁぁぁッ!!』

 

「お疲れさんタルップル、いやあ完敗じゃ、リーグ戦の時よりずぅっと強くなっとるな、アザミ君」

「貴方の対策だけをここ最近はしてましたからね……。ドータクンだけは違うけど」

「ははは、でも負けっぱなしで終わるほど僕は弱くないからなぁ?」

「十分分かっているつもりですよ」

 

エキシビションマッチ第二戦。

勝者、メタリック・ブレイン、アザミ。





以上、ヤロー戦でした。
次回は試合後のあれこれと配信の予定です。

あと誤字報告してくれた方。
『徹底光線』と『クレベースの一角』だったかな、
徹底光線はビームだから光線でいいや、という解釈、
クレベースの一角は現実の『氷山の一角』という
ことわざ?的なものをもじった感じで見てくれると。
初心者な物でメッセージとかの送り方が分からなくて
ここで報告となりました。ありがとうございました。
これからも誤字報告、宜しくお願いします。
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