エロ同人RPG系勇者ちゃんVSヒロピン好きの俺VSダークライ   作:らっきー(16代目)

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感想の熱量に日和って内容変えるか……?ってなったのは内緒だよ


俺達の戦いはこれからだ!

「私は──」

 

 まあ、即答出来るような問題じゃないわな。勇者ちゃんお人好しだし。少なくとも世界を救う為に冒険に出かけるぐらいには。

 

「……横から口を出して悪いが、先にお前らの組織の情報を教えてくれないか? 殺すことになったら聞けなくなるだろう?」

 

「そのために出し惜しんでいるのですが……まあいいでしょう。纏めておいた資料がありますしね」

 

「準備のいいことで」

 

「命を助けてもらうためなら元仲間でもなんでも売りますよ」

 

 元、ってことは離反してるのかね。このカルトの発展形がてるてる坊主達の最終目標ではないのか。また面倒な話になってきたものだ。

 

 ま、そのあたりは資料を見てから考えればいいか。今はとりあえず、こいつの処遇を決めなければならないのだし。

 

「……カマエルさん、ここに自分の意思でなく連れてこられた人は居ますか?」

 

「いいえ。大半は奇跡に縋ってやってきた人々ですし……最初の数人も、実験の同意は得ていますよ。……金などで釣ったことは否定しませんが」

 

「だが夢だとは言ってないんだろう?」

 

「ええ。『奇跡』も『夢』も、認識が一緒ならどちらでも同じでしょう?」

 

 うーんギルティ。結果が一緒でも騙してるかどうかは結構大きな差だと思うよ。……まあ、救われる側からしたら騙されてても構わないのかもしれないが。罠でもいい! 罠でもいいんだ! ってやつ。

 

「夢から覚ますことは出来ますか?」

 

「勿論。というか、先程貴女にもやったでしょう? 手間はかかりますが、それだけですよ」

 

「……決めました」

 

 勇者ちゃんが剣を構えている。殺すつもりなら任せてくれていいのだが。わざわざ手を汚す必要も無いだろう。

 

「今すぐ……とは言いませんけど、一人一人夢から覚まして、真実を伝えてください」

 

「それでも夢の世界を望む者は?」

 

「……現実じゃ幸せになれない人が居るってことぐらい、私にも分かってますから」

 

 でも、と勇者ちゃんは言葉を続ける

 

「騙した人からの怒りはきちんと受けてください。それは貴方の罪ですから」

 

「……死なない程度の自衛は許してくださいよ? そうでなくては望む者を救えなくなる」

 

 消極的賛成か。まあ……勇者ちゃん、お母さんの事があるからな。というかこのカスが交渉の前にあんなもの見せて回るのが悪い。死者に囚われた人、余命幾許も無い人、生きる為に大切な何かを失った人。そんなものを見せられた直後に、『でも、夢を見せるだけって根本的な解決にはなりませんよね?』とか言い放てる奴は、余程の幸せ者か、世間知らずかだろう。少なくともお人好しには無理だ。

 

 本当に、少しやり方が違ってくれればな。他人に迷惑をかけず、本人の同意を得ていれば最高の箱庭を作れていただろうに。まあそれが出来なかったから魔石……というか魔王の力に頼ったんだろうが。もしかしてコイツも魔石に汚染されてたりするのかね。歪んだ欲望の下に行われた弱者救済がこれ……なんて、ありそうな話じゃないか? 

 

「ではどうぞ縛りを」

 

「ん……そうだな。『夢を見ている者達に一度目を覚まさせろ』『夢に堕とす時は同意を取れ』『他者へ直接的、間接的問わず危害を加えるな』『自分からの勧誘を禁止する』こんなところか?」

 

「正当防衛は除いてくださいね」

 

「図々しいな……勇者ちゃん、他に何かある?」

 

「いえ……私からは、もう……あ。魔石を渡してくださいというのは」

 

「……それなら今渡しましょう。もう無くてもどうとでもなりますから」

 

「これの為に散々な事したんじゃないのか?」

 

「『夢』は起動に膨大な魔力が必要なだけで維持はそうでもないんですよ」

 

 あれかな『王の軍勢』みたいな。起動さえすれば後はみんなで少しずつ出し合って維持できる、って理屈? 分からんし分かろうとも思わないが。

 

 魔石の回収、行動を縛る呪い、情報の入手。やれることは全部やったし、十分な収穫だったと言えるはず。だというのに残るこの気持ち悪さ……レブレサックぐらい後味悪いなここ。

 

「よし、行くぞ勇者ちゃん。……それとカマエル。お前、勇者ちゃんに免じて殺されなかっただけだって、忘れるなよ?」

 

「肝に銘じておきましょう」

 

 

 

 それ以上関わりたくは無かったから、この話はここで終わり。殺しておいた方がいいと思わないわけじゃなかったが、他人に選択を委ねた以上もう俺は口を挟むべきでは無いだろう。今更何かを言うならさっさと殺してしまえば良かったのだから。

 

 だからこれは、ずっと後になっての話なのだけれど。

 

 街でよくある酒飲み話に、一つ新しい話題が加わった。どんな怪我も病も治してくれる神殿がある。そこに行けば死んだ人間と対話することも出来ると。

 

 その話の結末は話し手によって変わっていて、そこに辿り着ければ永遠に幸せに暮らせるという夢のようなものもあれば、奇跡を奪い合って殺し合ったというオチのものもあって、変わりどころでは女神の元へ皆で行けるなんてものもあった。

 

 どれが真実なのか、そもそもその噂話の中に真実が混じっているのかも分からない。確かめようと思えばいつでもそう出来たが……それはしなかったし、この噂があることについて勇者ちゃんに教えることもしなかった。

 

 ただまあ、こうなったからには精々上手くやっていてくれとは少しだけ思って……すぐに忘れることにした。

 

 

 

 

 

「これで良かったんですかね……」

 

 カマエルの所を後にして、俺達はまた勇者ちゃんの故郷に来ている。一度母親を……現実をしっかりと見ておきたいという勇者ちゃんの希望に従った形だ。

 

 当然と言うか、言うまでもなくというか。勇者ちゃんの母親は当然以前見たままで、温かい家庭なんてものは存在していなかった。勇者ちゃんはちょっとだけ泣きそうな顔をして──頑張って取り繕って親をやってくれない母と向き合っていた。

 

 そして今、かつて拾った……いや、勇者ちゃんが助けた元奴隷達が教会で働いているのを眺めている。

 

「後悔してるのか?」

 

「……どうなんでしょう。ただ、あの夢の中のお母さんにはもう会えないんだなって」

 

「それは……まぁ、そうだろうな」

 

 心を病んだ人間が急に正気に戻るだとか、そんな都合のいい奇跡は現実で起こりはしない。一度その奇跡を見てしまった故に、現実の辛さは一層際立つかもしれない。

 

「だがまあ、もし勇者ちゃんが夢の中で過ごすような人間ならあの子らは救われてなかっただろうさ」

 

「そう……なんですかね」

 

「そりゃそうだろ。現実を変えられるのは、きちんと現実を生きている人間だけの特権だ」

 

 人生は行動の積み重ねだし、他人との交流はほんの些細な偶然の結果。俺と勇者ちゃんだってほんの少し何かがズレてりゃ出会ってなかったろうしな。

 

「別に現実を生きるのが偉いなんて言うつもりは無いが、俺は勇者ちゃんと今をちゃんと過ごせて良かったと思ってるよ」

 

「それって……」

 

「取り敢えず勇者ちゃんが今やるべきことは、あそこで『金髪のお姉ちゃん』に会いたがってる子達と遊んでくることだな」

 

「……『アホな黒いお兄ちゃん』も呼ばれてますよ?」

 

「……泣かす!」

 

 ちょっとだけ笑ってくれた。というか元奴隷のガキ共はたくましすぎるだろ。なんだよアホなお兄ちゃんって。そんな変なこと……まあ、してたな。

 

『金髪のお姉ちゃん』はちゃんと懐かれていた。ガキの立場を利用して勇者ちゃんの胸を堪能してた奴、面覚えたからな。そりゃ子供から人気にもなるわ勇者ちゃん。優しいし反応が大きいし隙が多いし。アホなお兄ちゃんは年上組の人生相談に乗ってたよ。まあ一生教会で全員面倒見てもらうわけにもいかないからな。

 

 

 

「勇者ちゃん。ちょっとだけ夜更かししない?」

 

「珍しいですね。なんかやることありましたっけ?」

 

「ちょっと見せたいものがな。手貸して」

 

 転移魔法。行き先は……勇者ちゃんを連れて行くのは初めてだな。俺の故郷だ。……正確に言うならそこから少しだけ離れた丘だが。

 

「わ……!」

 

「凄いだろ? 色々行ったが、俺はここ以上に星が綺麗に見える場所を知らん」

 

「はい、綺麗ですね……」

 

 二人で仰向けに寝転ぶ。背中が多少汚れるだろうが、後で掃えば済むだけのことだ。

 

「……気にすんな、なんて言っても無理だよな。選択の責任感とか、後悔とか」

 

「……はい」

 

 それともしかしたら、夢の世界を惜しく思う気持ちとか。すくなくともあの『奇跡』で作られた世界には不幸は無かったろうから。

 

「昼も言ったが、現実を変えられるのは今をしっかり生きてる人間だけの特権だ。それに、こうして未知を楽しむことが出来るのも」

 

 都合のいい夢の世界は結構だが、それは要は自分の想定を超えることは何も起こらないんだろう? それは随分と……退屈なことだ。

 

「だからまあ、俺は勇者ちゃんが『奇跡』を選ばなくて良かったと思う……違うな。だから、夢を選ぶ奴が居ようとそれは勇者ちゃんの責任じゃなく……」

 

「──ぷ、くく……ウーさん、人を励ますの下手ですね」

 

「うるせえ。慣れてないんだよ」

 

 他人の人生を左右する決断をした人を慰めたことなんて無いよ。チートもこういうことには無力だし。今回チート転生何の役にも立ってないな? 

 

「はぁ……性別が逆なら勇者ちゃんを胸に埋めて慰めてやるんだがな」

 

「ウーさんはそれで慰められるんですか……?」

 

「男は単純だからな」

 

 ハチミツがあればプ〇は幸せ。でっかいおっぱいがあれば男は幸せ。〇ーさんのバストハントでも言ってた気がする。

 

「じゃあ私の事胸に埋めてくださいよ。ウーさんにも筋肉があるじゃないですか」

 

「そこまであるわけじゃないが……いいのかそれで」

 

「女の子だって単純な時もあるんですよ?」

 

「はあ……分かったよ。──おいで、シルヴィア」

 

「遠慮なく」

 

 こうしてるとやっぱ猫っぽいかもな。ふわふわだし。色んなところが。

 

「……これからも、よろしくお願いしますね?」

 

「ああ。夢で満足してるやつらが悔しがるぐらい、楽しい旅をしような」

 

「ふふ。女神様の為の旅なんですからね?」

 

 そんな嬉しそうな顔してたら説得力無いよ、なんて言うのは野暮だよな。

 

 今日より楽しい明日を。それよりも更に幸せな未来を。

 

 安易な奇跡を跳ね除けた以上、俺達は自分でそれを掴み取らなきゃな。

 

 夢に逃げるのも、現実で幸せを掴むのも、選ぶのはその人自身なのだから。

 




第1章完!

第2章は多分カマエルから貰った情報を元にてるてる坊主達を探ってくシナリオかな…?


感想の熱量にビビったけどまあ元々決めてたシナリオなので…無限月読系統の大半の問題点はそれを行う人が信用出来るのか?だと思うので、まあゴリゴリに縛ってやりたい人だけやるならいいんじゃないの?が本作での結論です。異論は全然あると思います。そもそも弱者しか救われないっていう時点でこういう夢の世界系は欠陥だと思いますし。強者は現実の方が幸せだからね…

カマエルが罰を受けてないじゃねぇかこのダボが!はごもっともだとは思います。まあそのうち報いを受けるかもしれないし、しれっと小さな楽園を経営してくのかもしれない。普通に賊に襲われてカルト宗教ごと皆殺しにされる可能性もあるような世界ですし…


じゃあ後は恒例のいつもので…

勇者ちゃん
ふふ…やっと名前で呼んでくれましたね…!
ウーさんへの好感度は土下座しておっぱい揉ませてくれ!って頼まれたら今回だけですからね!って顔真っ赤にして揉ませてくれるぐらい。なお何回でも許してくれる模様

ウーさん
勇者ちゃんが落ち込んでると本当にどうしたらいいのか分からない。昔一緒に居たアイツは酒飲んでパーッと金使えば良かったんだけどなぁ…
勇者ちゃんへの好感度は結婚しません?って言われたら即答でOKしてそのまま家族になるくらい。でも墓前に結婚報告だけさせてくれ

カマエルを──

  • 夢の中だけでも幸せならいいと思います
  • 眼を背けても本当に傷が癒える日は来ません
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