エロ同人RPG系勇者ちゃんVSヒロピン好きの俺VSダークライ   作:らっきー(16代目)

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エロRPGの酒って度数エグそう

 酒場が情報収集の場として優れているのは古今東西どころか現代と異世界でも変わりはないようだ。というか、インターネットのような情報網が無い分、異世界の方がそういう場としては重宝されているといっていいだろう。

 

 わざわざ何故かだなんて語るまでもないかもしれないが、単純に人が集まる事、アルコールが口を軽くすることあたりが理由となるだろうか。ついでに酒という嗜好品に金を出せるぐらいの余裕のある人間が多いからというのもあるかもしれない。目の前のクエストに必死になっているような駆け出しからは大した情報も得られないからな。

 

 まあもちろん、専門的なこと……例えば、鍛造関連なら鍛冶ギルド、魔法関連なら学院、といったような深く狭く知りたい場合は別の話になってくるが、今回のように街の情報を広く集めたい時なんかにはとりあえず繁華街……というか酒場に行っておけば間違いはない。

 

 だから目を覚ました後「と、とりあえず情報収集に行きましょう! 少なくともベッドからは降りましょう! ──二度寝しないで! せめてトイレに──!」と抱き枕にしていた勇者ちゃんが早い時間帯から酒場に行きたがったことはなんの不思議でも無いのだが──

 

「勇者ちゃん、その格好で酒場行く気?」

 

「え、なんか変ですか?」

 

 本当に分からない、と頭の上に疑問符が浮かんでいるような顔をしている。変では、ないと言っていいのかもしれない。鎧部分は物々しいかもしれないが、冒険者なら珍しくもないことではあるし。

 

「一回鏡見てこい」

 

「なんですか……あ、もしかして寝癖とかついてます?」

 

 しかし。勇者ちゃんの装備は鎧というには少々……いや、かなり足りないハイレグアーマーだ。もっと具体的に言えば腿の内側やら脇やらは露出されているし、乳や尻の形は丸わかり。これで本人としては恥ずかしさは感じないというのだから恐れ入る。人並みの羞恥心はあるっぽいんだけどな。なんで服装はこれなんだ? 

 

「……勇者ちゃん、体型が隠れるような私服とか持ってる?」

 

「一応は。普段の格好より動きにくいんであんまり好きじゃないんですけど……」

 

「とりあえず着替えてきてくれ。話は……私服のセンスを見てからにする」

 

 分かりましたと、なんとか説得に成功した勇者ちゃんを待つことしばし。

 

「うん、まあ。だいぶ隠れてる。隠れてるんだが……!」

 

「?」

 

 勇者ちゃんのいつもの格好はこう……競泳水着を着てガントレットとブーツ、申し訳程度の胸当てを付けましたといった感じである。それで何が守れるんだって言いたくもなるが、魔法がある世界でそんなことを考えても仕方がないだろう。ビキニアーマーとかいう存在に比べたら多分まだマシな方だ。どうかな。同じかも。

 

 そして着替えてきてもらった私服……今の格好はと言えば──ゴシック系のドレスが一番例えとしては近いだろうか。白を基調とした装飾の付いた上半身にロングスカート。ふんわりとしたシルエットではなく、動きやすさのためなのか多少身体に張り付くような形になっているから、もしかしたらゴシック調のタイトなワンピースとか表現した方が近いのかもしれない。ファッションには疎いんだ。許してほしい。

 

 なんというか、もっとラフな格好で来ると思っていたから、少々驚かされた。勇者ちゃん曰くこの私服は改まった場用なのだとか。王様との謁見でも着たんですよ! と胸を揺らしながら教えてくれた。

 

 まあとにかく。その辺の居酒屋……もとい、酒場に行くには少々気合が入りすぎている服な気はするが、普段と違って脇も隠れているし、乳も……まあ大きいから目立つのは仕方ないとして、形が丸わかりなんてことはない。ロングスカートだから後ろからの視線も防げる。だというのに。

 

「なんで前が隠れてないんだ……?」

 

「この方が動きやすいですし……」

 

 ロングスカートは両腰骨のあたりから後ろまで覆っている。前面はどうなっているのかと言えば、ベルト状に繋がっているだけで……要は腿から股にかけてが全く隠されていない。おかげであのハイレグ部分は着っぱなしなんだと分かってしまう。お前そんな格好王様に見せたの? 

 

「……まあ、いいか。勇者ちゃんに全身隠れるような服着せたら呼吸できなくなるもんな……」

 

「人の事なんだと思ってます?」

 

 パンツじゃないから恥ずかしくないのだろうか? 男という生き物は見せパンだろうと見えたら嬉しくなる生き物なのだが……目の保養だと思っておこう。可愛い子の内腿バンザイ。鼠径部よ永遠なれ。

 

 ……俺の服装? 一つだけ言える真理がある。男は黒に染まれ──

 

 

 

 

 

 明るい時間帯から酒を飲んでいる人間にも種類がある。例えば夜に仕事をしている人々。これは単純に俺達とは昼夜が逆転しているだけだ。だから俺達が夕方から夜に酒を飲んでいるのと変わらない。

 

 次に落伍者。日々の稼ぎがどうとかロクに考えず、暇さえあれば酒に飲まれているタイプ。これは関わり合いになっても全く得が無い。勇者ちゃんを突撃させたら面白いことにはなりそうだが。ゴブリンみたいなもんだし。

 

 そして今回のお目当てが高等遊民。要は毎日あくせく働く必要が無いくらいに金を持っていて、人との関りが欲しくなるくらいには暇を持て余しているやつら。知識や経験を持て余している彼ら彼女らは大体がそれを披露する相手を求めている。凄いとか流石ですとか言って欲しいんだろうな。

 

「ということで勇者ちゃん、行ってらっしゃい」

 

「なにが『ということで』なのかわかりませんけど……一緒に来ないんですか?」

 

「兄妹で酒場来てると思われたら誰も話しかけてこないだろ」

 

「まあ確かに、カップルにわざわざ話しかけたくはなりませんね」

 

 ──違和感。

 

「……まあ、どっか目立たない所で飲んでるから。何かあったら呼んでくれ」

 

「後方彼氏面ってやつですね!」

 

「どこで覚えたんだそんな言葉」

 

 違和感。いや──

 

「──いいか別に。それよりほれ、これ付けてけ」

 

「なんですこれ。指輪?」

 

「毒耐性のお守り。その指輪……ってか宝石だな。それを身に付けてれば……まあ、麻痺毒を一気飲みしても何ともなくなる」

 

「え、私達毒盛られるようなとこに行くんですか?」

 

「よし情報収集行くぞ勇者ちゃん! 女神様の為に!」

 

「勢いで流そうとしてません!?」

 

 現代日本ですら酒に薬を混ぜる奴が居るのだ。況や異世界をや、という話。頑張れ勇者ちゃん。そのお守りは睡眠薬には効かないぞ! あれはお守りの宝石君的には毒じゃなく薬判定らしいからな! 

 

 

 

 ナンパされて情報を集めよう作戦は、ひとまず取っ掛かりは成功した……と、思う。少なくとも勇者ちゃんは今、数人の男に囲まれて酒を飲んでいる。あとはあの男共が有益な情報を持っていることを祈るばかりだ。

 

 俺はと言えば、相席しようとした相手が「ひっ! まさか、素手で魔獣を引き裂いて頭から血を浴びて嗤ったとかいう頭のおかしいあの剣闘士!?」と怯えて食事も残して逃げてしまったので一人で勇者ちゃんの方を眺めている。寂しくねえし。泣いてないし。あと噂に尾ひれがつきすぎている。ちゃんと剣で殺したぞ俺は。

 

 ……さて。それはともかくとして、こうも露骨に避けられてしまうと俺の方は情報収集の役に立ちそうもない。なので。

 

『──とか、心当たりないですか?』

 

『さあなあ。そんなことより──』

 

 感度良好。何かと問われれば……盗聴? 勇者ちゃんに渡した指輪のリング部分。アレが集めた音を対となる指輪へと送ってくれる。簡単に言うと糸の無い糸電話だ。……スマフォが普及しきっている現代でも糸電話の存在は知られているのだろうか? もはやこの例えも伝わらないものかもしれない。

 

 急に人が変わったようになった人、急拡大している店舗、治安の悪くなった場所、羽振りの良くなった人。闇のオーブ……じゃなかった、魔石に魅入られていそうなその辺りの情報を求めているがことごとく空振り……というか、ナンパ目的の頭空っぽそうなやつらしか来ていない。

 

 これは失敗に終わるかな、と思ったところで救いの手は現れた。

 

『最近羽振りが良くなった奴? 何人か心当たりあるぜ』

 

『ほ……ほんとですか!?』

 

 ヤがつく自由業を営んでいそうな見た目の男達。法螺吹きでなければ俺達……というか勇者ちゃんが求めている情報を持っているらしい。まあ、単に運よく儲けただけの一般人の情報というオチがあるかもしれないが。

 

『教えてやってもいいが……代わりに酒にでも付き合ってくれや。野郎だけで飲んでも華がねぇからな』

 

 うーん性欲。勇者ちゃん可愛いからなぁ……とはいえまあ、止めに入るような事でもないだろう。少なくとも普通に飲み交わしている間は。

 

 運ばれて来た酒を勧められて一口飲み、顔を顰めている勇者ちゃん。これは……ドギツイ酒でお持ち帰り作戦か? 

 

『どうした? 飲めないならもう止めておくか?』

 

『……いえ、いただきます』

 

 勇者ちゃんが一杯分飲み干した代わりに渡される一枚のメモ。勇者ちゃんが酔い潰れるか、情報を全部引き出せるか。どっちが早いかの勝負といったところだろうか。結果は──

 

『んえぇ……?』

 

『ったく、ようやく潰れたか』

 

 お酒のちゃんぽんは良くないね。身体を起こしているのも辛いのか、ぐでんとイスに身体を預けている勇者ちゃんと、それを下卑た目で見る男達。

 

『──おい。さっさと連れてくぞ』

 

『いやいや、その前にちょっとぐらいいいじゃないっすか。アレを触らないのは嘘ですって……すっっげ!』

 

『んぅ……らにして……?』

 

『へへ……ちょーっと服を緩めるだけだよ』

 

 乳。それはいつだって男を惹きつけてやまない。そしてその力はデカければデカいほどより強く発揮される。万乳引力の法則ですよね、ニュートン先生。

 

 まあそんなわけで。勇者ちゃんの無防備な姿にそそられる気持ちはわかる。触りたくなる欲求を抑えられないのも理解はできる。不慮の事故で俺も何度か触ったことがあるが、正しく天にも昇る心地になれる。

 

 しかし。それはそれとして。

 

「随分と楽しそうだな。俺も混ぜてくれよ」

 

「あ? なんだおま──まさか、闘技場の」

 

 型も何もないケンカキックで人が吹き飛ぶのは、最低だがとても楽しい。チート転生者にはこういうのが向いているのである。というか闘技場で有名人になりすぎだろ。もしかしてこいつら観客として居たのか? 

 

「人の女に手出したんだ。落とし前、付けさせてもらうぞ」

 

「あんた──悪魔殺しか!?」

 

「えっ」

 

 悪魔殺し──それは、俺がかつて調子に乗っていた頃に付けられた二つ名である。ゴブリンもデーモンも同じ労力で殺せるなら報酬が美味しい方を選ぶよね。

 

「待ってくれ! あんたの女だなんて知らなかったんだ! 命だけは助けてくれ! この通り!」

 

「……ちなみに、あんたの知る悪魔殺しって?」

 

「……助けを求めるとやってくる、最強の冒険者。ドラゴンもデーモンも剣の一振りで死体に変える本物の悪魔。その道中に居る奴は魔物も動物も人間も皆殺しだって──」

 

「なにそれこわい」

 

「全身を死を意味する黒で染め上げた男……遠くから一度だけ顔を見たことがあったが……あんただろう?」

 

「人違いです」

 

「誤魔化さなくていい。その人の命をゴミとしか思っていなさそうな目。かつて見たのと同じだ……」

 

 古代の戦争では敵味方の判別を付けるために装備の色を統一したという。日本だと井伊の赤備えなどが有名な例だろうか。古代中国では死を意味する黒で染めた軍が現れるだけで相手を威圧したという。それにあやかって当時の俺は某お空の黒騎士みたいな格好をしていたのだが……まさか個人の活躍のせいでこの世界でも黒という色にそんな意味が産まれるなんて思わないじゃんね。

 

「まさか悪魔殺しの女を誘っちまったとは……これも天罰かね……」

 

「あー……」

 

 なんだろう。ここまで怯えられると勇者ちゃんの胸を揉まれたことぐらいどうでもよくなってくるな。あんだけおっきいんだし誘惑もされるよね。勇者ちゃんあまりにも無防備だし。というか見せパンを見せつけてる方が悪くない? あとでスカート捲らせてもらおう。どうせ見せパンだしいいでしょ。

 

「……よし。命が惜しいなら情報で手を打ってやろう。この女の子に聞かれてたことについて、今すぐまとめろ」

 

「え……? 殺されないんで……?」

 

「五分で纏めなければ殺す」

 

「ハイヨロコンデー!」

 

 勇者ちゃんが尋ねていた、『最近羽振りが良くなった人達』のリストを手に入れた! 

 

 代わりに、なにか凄く恥ずかしい黒歴史をほじくり返された……

 

 チート転生者がチート任せに暴れまわっていた頃の話なんて、黒歴史以外の何物でもないのである。勇者ちゃんが酔い潰れてくれてて助かった。

 

 今後格好を黒で統一するのは止めようと内心で誓いを立てて、勇者ちゃんを連れて宿に帰ることにした。

 

 土下座で並んで俺達を見送る男達を見て、心がガリガリと削られていったような錯覚があった。

 

 

 

 

 

「……あれ? ウーさん、ここ……」

 

「お、起きたか。人の背中によだれ垂らしやがって」

 

「知らなーい」

 

「さてはまだ酔ってるな?」

 

 目的は達成。同行者は酔い潰れている。となれば一度帰ろうというのは自然な思考で、善意2割下心8割で勇者ちゃんをおぶっていた道中……と言うか宿のドアを開けたところで、ようやく目を覚ましたらしい。

 

「少し横になっとけ。水でも貰ってくる」

 

「その前にやることあるんじゃないですか~?」

 

「……なんかあったか?」

 

 ベッドに降ろしてやった勇者ちゃんがよく分からんことを言っている。

 

「ぎゅーが無いですよぎゅーが」

 

「ガキか?」

 

 ここまで子供っぽかった覚えは無いのだが。酔うと幼児退行するタイプだったのか? 

 

「ちゅーでもいいですよ~。今までしてくれたこと無いですけど」

 

「当たり前だろ」

 

 酔った勢いじゃなくこれを言われていたなら大歓迎だったのだが。今なら付け込めば最後まで出来てしまいそうだし、こっちとしても歯止めが効かなくなりそうである。

 

「抱き締めるまでだからな?」

 

「んっ! 早く!」

 

 これぐらいなら時々寝ぼけてやっているしいいだろう。勇者ちゃんの方からは初めてな気もするが。

 

 

 

 翌朝。とりあえず分かったのは、勇者ちゃんは酔っている間の記憶が無くなるタイプであるらしかった。

 

 

 




とりあえず書き溜めはここまで

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