エロ同人RPG系勇者ちゃんVSヒロピン好きの俺VSダークライ   作:らっきー(16代目)

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RPGの偉い人(悪人)魔物になりがち

 魔石を回収する、というのが御神託(笑)で下された勇者ちゃんの使命な訳だが、今までは魔物相手だったから楽だった。殺せばいいだけというのはチート転生者の得意分野だからだ。勇者ちゃんもぶっちゃけ脳筋なところあるしね。

 

 これが人間相手だとそうはいかない。例えば商人が持っていたらどうにか買い取る算段を付ける必要が出てくるだろうし、冒険者ギルドに接収でもされたら多分手出しは出来なくなる。勇者ちゃんの世間からの評判次第か? 

 

 そういう意味で、領主が……しかもかなり大きな街を治めている領主が持っているというのは最悪に近い。まずその領主に会うというだけでどれだけの手間がかかるのかという話であるし、対価として何を要求されるのか分かったもんじゃない。不幸中の幸いなのは、ロクでもない奴隷を買おうとしているぐらい身の回りを綺麗にしていなさそうということくらいか。

 

 ということで、ともかく今後の方針……具体的には領主と会う方法を考えなくてはいけないのだが。

 

「勇者ちゃん正気か? 何人居るか分かってる?」

 

「でも、流石にほっとけないですし……このままにしたら……」

 

「まあ、どっかで奴隷狩りに捕まって別の売られ方するだけだろうさ」

 

 勇者ちゃんは『商品』のことの方が気になる様子。領主への納品をキャンセルさせたところで、別に奴隷の身分から解放されるわけじゃないからね。かといって『今から自由だよ~』なんて野放しにしたら……まあ、生きてられたら幸運なんじゃないだろうか。

 

「かといって、引き取る訳にもいかないだろ? 全員面倒見る甲斐性は流石に俺にも無いぞ?」

 

「アテは……無くもないんですけど。農作業ぐらいはしてもらえそうですし」

 

「そうかな……そうかも……?」

 

 片腕とかでもいけるのか? それは。算術や読み書きでも仕込んでそういう役目を振ればいいのだろうか。女の子なら最悪身体を売れば……なんて言ったら流石に勇者ちゃんがマジギレしそうだからやめとこう。

 

「でもさ勇者ちゃん。その子供達をなんとかしてる間に、また別の子供……かは分からんけど、別の人が被害にあうだろ? それより原因を処分しないとじゃないのか?」

 

「ぐぅ……」

 

 ぐうの音が出てる。

 

「……ウーティスさん、なんとかなりません? こう……数日ぐらいで領主に会って魔石を回収できるような」

 

「人のことなんだと思ってんだよ」

 

 最短は領主の家に押し入って警備とか皆殺しにして、領主の首も刎ねて魔石だけ持ち帰ってくる、闇バイト作戦かな……大罪人としてお天道様の下歩けなくなるだろうけど。ゲームなら目撃者を皆殺しにすれば無罪なんだけどな。

 

「むしろ勇者ちゃんこそ、なんかこう……権力者とコネとか持ってない? 王様に挨拶に行ったって言ってたし、大臣とのコネとか……」

 

「うー……無くはない……んですけど……」

 

「え、あるのか?」

 

 旅立つ勇者なんてはした金としょうもない装備だけ渡されて終わりだと思ってたのだが。口ぶりからして使いにくい物のようだが。口約束で頼っていいとか言われたとかか? 

 

「あるとも言いにくくて……人任せになるというか……私への情次第というか……」

 

「司法のお偉いさんを抱きでもしたのか?」

 

「違くて……え、私が抱く側だと思ってるんですか?」

 

 どっちかと言うとネコだと思う。その身体でタチは無理でしょ。

 

 それはともかくとして、情次第とはなんだろうか。お偉いさんの愛人……だとしたらこんな旅には出てないだろうし、賄賂は情じゃないし。実は良いところのお嬢様……だとしたらこんな言いづらそうにはしないか。

 

「まあ難しいことは考えなくていいか!」

 

「いいんですかそれで?」

 

「やりたい事をやりたいようにやろう。最悪お尋ね者になったら別の国でも行きゃあいいだろ」

 

「良くないですよ!?」

 

 割と本気なんだけどな。冒険者なんて言われるぐらいだし海や山の一つや二つ超えてみるのもいいだろう。この世界に国際指名手配なんて制度多分ないだろうし。というか最悪国を敵に回しても勝つ自信あるしな。

 

「……ま、勇者ちゃんが決めていい。そこの『商品』の為に無茶をするか、安全な方法を考えるか。どっちにしろ俺は勇者ちゃんの味方をしよう」

 

「……本当にいいんですか?」

 

「ああ。最悪二人で逃げるだけならどうとでもなる」

 

「頼りにしちゃいますからね?」

 

「任せろ。……でも、勇者ちゃんも伝手は頼ってみてくれ。楽できるなら楽したい」

 

「そこはビシッと締めてくださいよ」

 

 とりあえず領主の住処に偽造した犯罪の証拠でもたんまり仕込んどくか。贋金とか違法薬物とか、国を揺るがすような者が出てきたとなれば最悪領主を殺しても情状酌量の余地があることになるだろう。

 

 

 

 

 

「どうも~『商品』のお届けに参りました~」

 

 領主の住処を探すのは簡単だ。大きい街……要はこの街で一番高いところにある一番デカい建物を目指せばいい。バカと煙はなんとやらだ。

 

「……おい、あまり大声で──がっ!?」

 

 出てきたのがどういう役割の人間なのかは分からない。まあ『商品』の受け取りを任されるぐらいには重用されていたのだろう。

 

「おらおら! 勇者様のカチコミじゃあ! 神妙にお縄に付きやがれ!」

 

「勇者ってバレないようにって言ってたのウーさんですよね!?」

 

 ウーさん言うな。そういえばそんなこと言ったかもしれない。例の外套被ってもらってたし。

 

「まあまあ。そんなことより警備の兵蹴散らすぞ勇者ちゃん。なるべく殺さないようにな」

 

「最初からそんなつもりはありません!」

 

 でも勇者ちゃん怒ると見境ないじゃん。流石に口に出さない分別はあるから言わないけど。

 

 それなりに優秀な警備だったのだろうが、こちとらチート転生者と女神に選ばれた勇者である。勝ちたいならもっとインキュバスとか触手モンスターとか乳首ねぶりスライムとか連れてきた方が良い。少なくとも時間を稼ぐことはできる。俺も勇者ちゃんがその手のモンスターと戦ってくれた方が嬉しいし。ヌメヌメエッチになって欲しい。

 

 警備を脅して領主の居場所を聞き出す。教えてくれた親切な警備員にはささやかなお礼として贋金を渡しておく。警備員はお金を貰えてヨシ、俺は領主が贋金を作っていた根拠を作れてヨシ、勇者ちゃんは領主の居場所が知れてヨシの3人みんな得で素敵だね。

 

 ただ、教えて貰った先が執務室とかじゃなくて地下室なのが嫌な予感。というかそこは働けよとも思う。どうせロクでもないことしてるんだろうけど。『楽器』を買おうとしてたぐらいだし。

 

「うわ、一丁前に鍵かかってやがる。探すのもめんど──」

 

「『セイクリッドハンマー』!!」

 

「うーん躊躇無いな」

 

 ドアは哀れにもドアだったものになってしまった。さて、地下室で何が行われていたのかと言えば……

 

「な、なんだお前ら! 警備は何をして──」

 

「いや、こんだけの騒ぎ、少しは気付けよ。……あのドア、防音の魔法でもかかってたのか?」

 

「そこまでです! 貴方が買おうとして……た……」

 

 買おうとしてた奴隷はもう来ませんよ、とかかな? 勇者ちゃんが言おうとしてたのは。言葉が途切れたのは、部屋の内情を見てしまったから。

 

 人を楽器として買おうとしてる奴、しかも権力者が持つ地下室なんて、ロクな物が無いなんて想像に安いよな。なんで金とか権力を持つとみんなこういうことしだすのかね。魔石の影響なら魔王の趣味なのか? 

 

 部屋の様子をあえて描写したいとも思わないが……狩りゲーでモンスターの素材を使って武器を作るのって定番だよね。アレを人間を素材にして家具を作るに置き換えた感じ。絶対勇者ちゃん連れてくるべきじゃないよこれ。でも魔石処理は勇者ちゃん居ないと出来ないのよね。

 

「あー……名前も知らん領主。別に司法の裁きがどうとか言う気は無いんだが、報いを受けてくれ。それか今すぐ全ての罪を認めて魔石だけ置いて裁かれて……領主って何処に自首するんだ?」

 

「ふん、くだらん正義感の馬鹿か。……いや、そっちの女は上玉だな。敷物に……いや、剥製か? 花瓶もありかもしれんな」

 

「うーん会話が成り立たない」

 

 人をどうやって花瓶にするのだろう。あ、想像したら気持ち悪くなってきた。

 

「勇者ちゃんいける? キツかったら目閉じて下がってても──」

 

「……いえ、これを放置する方が耐えられそうにないです。魔石とかもう関係無く」

 

「魔石? アレを奪いに来たのか? 絶対に渡さんぞ! アレが私にインスピレーションを齎してくれる! アレのおかげで私は私はワタシワタワタワ」

 

「うおバグった!? 魔石ってこんなんなるの!?」

 

「魔石の影響を受けすぎると魔物に……いえ、魔人になるらしいです」

 

「女神様のお告げ?」

 

「はい……強いから気をつけて、とも一緒に」

 

 チュートリアルメッセージかな? 絶対これそのうち魔人の軍隊とか出てくるやつじゃんね。そんで所詮人が魔物になった出来損ないとか見下すタイプの魔王軍幹部が出てくるやつ。

 

「うし、気合い入れてくぞ勇者ちゃん。哀れな犠牲者の仇討ちと、これからの被害者を増やさないために」

 

「はい!」

 

 

 

 結論から言ってしまえば、面倒なだけの雑魚ではあった。闇のオーラ(笑)に護られていたらしいが、勇者ちゃんの女神パワーの前には無力。まあそもそも力の源の魔石を浄化出来るわけだもんね。俺の攻撃が弾かれたのはビビったけど。もっと重い武器持ってきたら良かったかな? 

 

 しかし闇のオーラ(笑)さえ無くなってしまえばただの魔物と大差ない。手脚を切り落として動けなくして、後は勇者ちゃんが首を刎ねれば終わり──

 

「待て! 殺さないでくれ! 頼む! 命だけは!」

 

「……急に理性を取り戻すなよ」

 

 或いは本能か? 人語を解す魔物は厄介だ。特に勇者ちゃんみたいな優しい子には。

 

「勇者ちゃん、どうしたい?」

 

「わ、私は……」

 

 ピタリと腕が止まってしまっている。これで、『……と見せかけて、馬鹿め! 死ねい!』とかやってくれば遠慮せずトドメをさせるんだけどな。

 

「生かしたまま突き出すのも手ではあるぞ。勇者ちゃんのコネに役立つ……かは分からんが、犯人が居た方が全部押し付けるには好都合だろ」

 

「……でも、聞こえるんです」

 

「お告げ?」

 

「いえ……恨みを晴らしてくれ、報いを受けさせろって……」

 

 え、幽霊? ……魔法がある世界ならまあ、そういうのが居てもおかしくは無いのか? ただまあ。

 

「そんなん気にするな。何をするかは自分で決めていい。まあその言葉を聞いて、その通りにしてやりたいってなら止めはしないが……やりたくない事はやらなくていい。そういうのはもっと歳食ってからでいいのよ」

 

「……ごめんなさい、私」

 

「謝るなって。捕縛だけしてどっかに突き出そう」

 

 勇者ちゃんの頭を撫でておく。責任感が強い子って損だよなぁ。闇堕ちは流石にノーサンキュー。後で気晴らしでも考えておいてあげるか。俺なら一晩寝れば全部どうでも良くなるんだけどな。

 

 ……とりあえず今回の顛末は、領主に化けた魔物が警備の兵も襲ったことにするか。地下室も全部魔物に罪を押し付けて……奴隷の子供達は、勇者ちゃんがアテがあるって言ってたな。魔石も回収出来たし、まあやるべき事は全部達成出来たと言っていいんじゃなかろうか。

 

「ウーさん、あの……」

 

「あ、すまん。セクハラだったか?」

 

 ナデポは現実には存在しません。でも丁度いい位置にあるからつい撫でたくなるんだよな。綺麗な物に触りたいという下心も8割くらいはある。

 

「いえ、あの……色々片付いたら、ちょっと甘えさせてください……」

 

「そんなん聞かなくても良いに決まってるって。とりあえずさっさとここを出ようか。精神衛生に悪すぎる」

 

 勇者ちゃんがしおしおしてる。元気いっぱいな子のこういう姿は心に来るものがあるな。

 

 ……とりあえず酒でも買っておこうか。苦い現実は、苦い酒で飲み込むと相場が決まっているものだから。

 

 




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