エロ同人RPG系勇者ちゃんVSヒロピン好きの俺VSダークライ 作:らっきー(16代目)
ル〇ラしかり、テ〇ポストーンしかり、ファストトラベルしかり。一度行ったことのある街へ高速移動する手段はゲームではありがちだ。まあお使いイベントとかが定番の中で、わざわざ徒歩やら騎馬やらで移動させられてたらたまったもんじゃないもんな。ラ〇ミアは行ける場所が増えるからいいのであって、純粋な移動手段としてならル〇ラの方が便利なのである。
今俺が地面にガリガリと魔法陣を描いているのはその類の魔法の準備だ。人一人が転移するだけならキメラ〇つばさ的な道具を使うだけで済む話なのだが、如何せん人数が多すぎた。勇者ちゃんが奴隷……元奴隷か。助けた彼ら彼女らは連れ出すと言っていたからである。アテというのは勇者ちゃんの故郷のことだったようで、普通の移動手段なんて使ってられないからこうしている。
……あの時は幼い子供しか居ないと思っていたが、何人かは勇者ちゃんよりちょっと歳が低いぐらいか? その辺ならすぐにでも労働力にできるのかもしれない。手足が揃っていればの話だが。回復魔法も無いものを生やすことは出来ないのである。そういうのは錬金術の領分だ。
「よし、完成。勇者ちゃん魔法陣の真ん中来て。……もうちょい右。行き過ぎ。もうちょい左。あー、ちょっと上。いや、奥じゃなくて上。やっぱ下かも」
「さては適当なこと言ってるだけですねこれ。……上下ってもしかして飛べとか埋まれって意味ですか?」
「何言ってんだ上だの下だの。魔法陣の中ならどこでも問題ないに決まってるだろ? ……もしかして、転移魔法は初めてか?」
「ふんっ!」
「爪先は凄く痛い!」
せめて脛の部分で蹴ってくれ。それか拳。踵よりはマシだったかも。
「……はいはい勇者ちゃん全員集めて。さっさと飛ぼう」
「お願いします。……みんな、ちょっとだけ我慢してね」
元奴隷達は反応が鈍いね。好感度0の某サキュバス奴隷みたいな感じ。反応を愉しまれてれば何も返さないようにもなるか。やだねぇ辛気臭くて。
「掛け巻くも畏、神殿に坐す神魂に願い給う──」
「なんですそれ。おまじない?」
「ん? 勇者ちゃんもデカい魔法使うとき唱えない? 詠唱ってやつ」
「唱えたことないですけど……え、そんなの必要になってくるんですか? 覚えるの大変じゃありません?」
「魔法に詠唱なんているわけないだろ。子供のごっこ遊びじゃないんだぞ?」
「オラァ!」
「みぞおち!?」
場を和ませようとしただけなのに。少年少女たちも絶望に染まった目から馬鹿を見る目に変わってきている気がする。ほなええか……
ちなみに魔法に詠唱は必要ないが唱える奴はいる。なんでも自己暗示で魔法の出力を上げるためだとか。他にも素人がイメージを固めるための補助として唱えたりするらしい。魔法学校とか行ったらみんなで詠唱を考える授業とかあるのかね。大人になってから後悔しそう。
「……よし、いい加減行くぞ。勇者ちゃん、行き先の指定は任せる」
「やっとですか……はい、何時でもいいですよ」
転移魔法は強くイメージした行き先に飛ぶ。戦闘中に使うと”いしのなかにいる”になりかねないちょっと危ない魔法。今回は行き先を勇者ちゃん任せにしているから、彼女に触れておく必要がある。勇者ちゃんのイメージにアクセスする必要があるから……とか、まあ理屈はどうでもいいか。
「『トランスポート』」
魔法陣が輝いて──あっという間に目的地。勇者ちゃんの故郷の村に到着だ。
「ウーティスさん?」
「どうした? ……まさか、行先違ったか?」
俺は勇者ちゃんの故郷に行ったことがあるわけでも無し、もし違う村に来ていたとしても気づけない。小さい村の区別なんてつかないしな。
「いえ、それは合ってるんですけど……触れるところ、もうちょっとどうにかならなかったんですか?」
「ん?」
さっきも言った通り、行き先のイメージを魔法に流すために使用者である俺と勇者ちゃんが接触しておく必要があった。とはいえ別に部位に指定があるわけではない。極論耳たぶとか触っているだけでもいいのだ。
「こう、手をつなぐとか……肩に手を置くとか……」
「でも勇者ちゃんの手もう子供で埋まってるじゃん」
「それはそうなんですけど……!」
「胸とか尻の方が良かったか?」
「それされてたら流石に出るとこ出ますけど……」
「じゃあいいだろ。別に変なところは触ってないぞ」
今回は首筋とか耳とかくすぐったがりそうな所にも触れていない。清廉潔白無実系転生者である。
「……か」
「なんて?」
「なんで! それで選ぶのが膝なんですか!?」
「なんでって言われてもな……覆われてるから素肌に触れずに済むし、ちょっとかがむだけで手が届いたし」
あと勇者ちゃんの脚綺麗だし。どうやったら肉付きの良さと綺麗なラインが同居するんだろうな。付けたいとこにだけ肉付けてるのか?
「うっ……気遣いだったんですね……」
「そうだぞ。転移で怖くないように膝もさすってやったって言うのに。酷い言われようだ」
「それは素直にキモかったです……なんでそんな愕然とした顔出来るんですか?」
「そうか……すまなかった……次があったら乳に手を当てることにする……」
「選択肢それしかないんですか……? いや、それなら膝の方がマシ……? うーん……」
「膝触られるのそんな嫌か? ブーツに触れられるだけだぞ?」
「そうなんですけど……なんか、こう……ぞわぞわと……」
くすぐったいのか? VR感覚とかあるタイプなのかな勇者ちゃん。とりあえずいつか素の膝は触らせてもらうとして。
「……とりあえず、この子らをアテとやらに連れて行ってやってくれ。俺は何も分からん」
「それはそうですね。なんか誤魔化されたような気もしますけど……」
「気のせいだろ」
それじゃあ、とぞろぞろ引き連れて歩いていく。面倒ごとに巻き込まれなくて済むのはとても助かる。子供を受け入れてくれと頼むなんてガラじゃ無さすぎるし、下手したら義手やら義足やらの手配まで考えさせられかねない。頭を使うのは苦手なのである。
だから「一緒に来ます?」という提案を断り勇者ちゃんが孤児院の役目もしている教会に行くのを見送って──
「……暇だ!」
酒場も無い。冷やかしに行く店も無い。流石に見知らぬ相手の畑仕事やら鍛冶仕事やらを手伝うわけにもいかない。話し相手も居ない。有り体に言って、時間をとても持て余している。
「そこの道行くおっさーん。なんか面白い話無い?」
「こんな村に面白い話が入ってくると思うか?」
「思わないなぁ……」
「ああでもあの話は聞いたぞ? カノープスで領主が惨殺されたってヤツ」
「げ」
数日も経ってないはずなんだけどな。もしかしてここあの街から意外と近い……なんてことはないだろうし、それだけデカい騒ぎになっているということだろうか。
「魔物が街を滅ぼしただとか、領主が飼ってた魔物に食われたとか、恨みを買って暗殺されたとか、都会は恐ろしいな。兄ちゃんも気を付けなよ?」
殺してはない。捕まえただけ……のつもりだったのだけど。魔物は死ぬと死体も残さず消滅する。それは人が魔物になった場合も変わらないらしく、領主(だったもの)は連行する前に消滅してしまった。魔石で変身した反動とかでしょ多分。怪人も負けたら爆発するし。
「大丈夫大丈夫。俺最強だから」
「なんか油断して封印されそうだな兄ちゃん」
「どんな印象?」
通行人Aとの会話も終わってしまった。もういっそ周囲の散策にでも出かけようか? ……でもそんなことしたら勇者ちゃんとはぐれかねないな。というか俺が迷子になりかねん。せめて待ち合わせ場所を決めておくべきだったな。
それから新たな通行人が現れることも無く待つこと……時計が無いから分からないが、適当に数時間と思っておく。勇者ちゃんが戻ってきた。
「すいません、思ったよりかかっちゃって」
「ううん、今来たとこ♪」
「なんですそのキッツい声」
「……傷つくぞ? 大人の男のマジ泣きの見苦しさを見くびるなよ?」
「どういう脅しなんですか……?」
大人が拗ねたり泣いたりすると本当に面倒なんだぞ? 少なくとも子供を孤児院に預けるよりは面倒くさい。訳アリの子供達を預けるのと比べたらいい勝負かも。
「それよりウーティスさん、もう一か所だけ寄りたいところあるんですけど、大丈夫です?」
「これ以上暇させないでくれるなら構わんが」
「うっ……じゃあ一緒に行きます……? あんまり楽しいとこじゃないですけど」
「そうしてくれるとありがたい。で、どこに?」
「……私の実家です」
勇者ちゃんの実家。そりゃ故郷なんだからあるわな。あっちへこっちへ旅してるイメージが強くて考えたことも無かった。
見た目は……うん、ごく普通の一軒家だ。ファンタジー世界の長閑な農村の小さな家と聞いて思い浮かんだものが多分正解だ。少なくとも豪農の出とかそういうことは無さそうだ。
「……ただいま、お母さん」
奥から足音が聞こえてくる。勇者ちゃんの母親……あんまり想像つかないな。胸を大きくして背を高くしたようなのでも出てくるのだろうか? でも勇者ちゃんが既に巨乳だもんな。逆にスラっとした人がでてくるのか?
「お帰りなさい、お嬢様」
スラっとした人ではあった。勇者ちゃんとは似ても似つかない見た目だったが。というか呼び方からして……使用人か何かか? 思ったよりお金持ち。
「お久しぶりです。その、母は今日は……」
「今は落ち着かれていますよ。……そちらの方は?」
「あっ、ええと……一緒に旅してる仲間……ですかね?」
「俺に振る? ……まあ、紹介通りです。ここに来るのは初めてですが」
なんかきな臭く……は違うか。不穏な様子、と言うのか? 勇者ちゃん、複雑な家庭なのか?
「ウーさん、とりあえず一緒に来てください。多分、その方が説明しやすいので」
「……あいよ」
勇者ちゃんに案内された部屋は実に殺風景な部屋で、日用品をしまっているであろうタンスが一つに、窓に面したベッドが一つ。そこにやせ細った女性が一人寝ているだけの部屋だった。
「アーサー……!?」
その女性が俺の顔を見るなり一言。誰と間違えているのだろうか。泣きそうな勇者ちゃんの顔を見る限り、俺がそのアーサー何某と似ているわけでは無いのだろう。
「違うよお母さん。この人はウーティスさん。私の仲間で……恩人で、頼れる人、かな」
「そう……ねえ、あの人はいつ帰ってくるかしら。娘もどこかに行ってしまったし……貴女、私の娘を知らない?」
嚙み合わない会話。それでもまあ、なんとなく察するものはある。
「お父さんは忙しいみたい。王様なんてやってたら気軽に村には来れないんだって。おかあ……貴女の娘は……元気に、してるよ。ちょっと大変なこともあるけど、守ってくれる人もいるし。……ちょっと意地悪だけど」
あまり刺激しない方が良いので、と部屋からはすぐに出ることになった。
「ウーさんは勇者の条件って知ってます?」
「聞いたことが無いな。女神に選ばれた奴とかじゃないのか?」
「それはそうなんですけど……簡単に言うと血筋ですかね。今の王族って、昔話の勇者の末裔らしくて」
「あー……さっき言ってたお父さんって、そういう?」
「はい。実は今の国王の落とし胤なんですよ私。びっくりしました?」
「割と。……前言ってた情とかコネとかって、そういうことか」
「娘への愛情がどのくらいあるか分かりませんけど……まあ、働けない女性一人を村で養ったり、孤児を集めて教育する施設を建てたり、そういうことをしてくれるぐらいには気にかけてもらえてるみたいで」
「まあ王族の身内に勝てる権力なんかそうそう無いわな」
「身内って訳でもないんですけどね」
「うん? あー……落とし胤って言ったもんな。メイドにお手付きとか、そういう……本人の前で言うことじゃねぇな」
「いえ、事実ですし。ただまあ、そのせいで色々面倒ごとにも巻き込まれまして」
王位継承権とかそういうやつだろうか。側室の子を可愛がって長子に跡を継がせなかったせいで滅んだ王朝とかいくらでもあるもんな。
「お母さんはそんなドロドロした世界無縁でしたから。まあ上手く立ち回るなんて無理ですよね。それで──」
会話の途中で、さっきの部屋の方から大きな物音がした。
……ため息をつく勇者ちゃんの様子を見るに、よくあることなのだろう。タンスをひっくり返すように漁ったり、部屋の隅々まで何かを探しているこの女性の姿は。
「お母さん、何探してるの?」
「アーサーがくれた指輪が無いのよ! 愛してるって言ってくれた証が! あれが無いと娘も──」
「うん。探しとくからさ。一回横になって落ち着いて。もしかしたらお父さんが間違えて持ち帰っちゃったのかもしれないし」
「そう? ……そうね。ねえお嬢ちゃん、アーサーに会ったら聞いといてくださる? それと、いつ会いに来てくれるのかも」
「うん。ほら、お手伝いさんも困っちゃうから。一回ベッドに戻ろ?」
……そりゃまあ、勇者ちゃんも家族の話しないわな。現国王の落とし胤で、多分王族の責務を押し付けられて勇者になったんだろうな。最悪死んでも王朝は途絶えないわけだし。魔石回収……というかぶっちゃけ復活するであろう魔王を倒してくれれば、その時は王族として大発表かね。やだやだ。
「すいません、ウーさん。ちょっと話の続きは……王都に向かいながらにしましょうか。この村、実は結構近いんですよ?」
「通りで噂話も早いわけだ。まあ、聞いていいなら聞かせてくれ。別に話したい部分だけでもいい」
この分だと王都行の馬車とかもありそうだな。この村、王族の別荘地みたいなものだろう多分。
カノープスでの領主殺しの騒ぎを収める為にも王都には行かねばならない。
……勇者ちゃん的に、王様……というか、父親に会うのはどういう気分なのかね。流石に直接聞くのは憚られるが。
もうちょっとでバーが右端…
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