そろそろタイトルと物語が乖離し始めたからこの大抗争が終わった後に編集しようと考えている所です。主人公を表すタイトルだけど、作中はキャラの要素の一つになってきましたからね。
七日目、つまり最終日で決戦の日。
――アーディさんがディース姉妹に攫われた。
油断した後悔と自己責任で押しつぶされそうで、それでも救う一歩を踏み出そうとして
敵の、しかも邪神の神託だった。でもそれを信じるしかなく、ただ何故かその言葉以上の信用がその男神様の言葉にあった。アーディさんを攫ったディース姉妹が
そして指定の時間が間近になり、指定された場所へ向かう。今日は『大抗争』の7日目。正義と悪の決戦の日。この日に僕はアーディさんを助けに行く。あとの事は、アリーゼさんやリオンさん、この時代の冒険者に任せるしかなかった。
(くっ……)
でも僕の状態は万全とも言えなかった。一日目にアルフィアさんと戦った影響で眠気が蝕む。寝てしまえばこの世界、この時代から弾かれてアーディさんを助け出せない。何より僕が来なかったせいであのディース姉妹が何を仕出かすか気が気じゃなかった。
気力と、手遅れと言う恐怖で抗う。そしてもうすぐ指定された場所へ向かうためにダンジョンへ――。
「お待ちを」
その声に、まさかのその声に足が止まった。この道はあの男神様の指定された道で、オラリオの冒険者も
「どうか一時、
その名前にこれからのこと全てが真っ白になって振り返る。この曇り空でなお深く暗い路地の角に、その小さな背丈の少女がいた。その足元に猫がいたが、そこに気づく余裕はなかった。
「リ、リ……?」
「お久しぶりです
「あっ、そ、それは……」
「いえ、そこを詰める程の時間はないでしょう。ここにいるリリは貴方様にこれをお渡しに来たのです」
急かすようで、動揺する自分を気遣うように彼女は用件を進める。
懐から一本の瓶。ポーションのようなの物だがコルクとは違う蓋がされているし酒瓶のような色付きでありながら
「眠気が酷いのでしょう。以前もですが今回もまた寝ずに活動されているようで。しかしこれから向かう先は万全だとしても苦戦は必須の戦いになるでしょう」
「なんで、知って」
「神の采配、とでもお答えしましょう」
神と聞いて、思い浮かべたのはあの男神様の姿。でもあの
「こう言ってしまえばリリの事は
そこから受け取ってください、とは言わずに小瓶を前に出された。リリが
「……うん、わかった」
彼女なら信じられると、小瓶を受け取った。
「……それは眠気覚ましの薬です。即効性がありますが反面、効果がなくなれば今より強く眠気が襲い掛かるでしょう。戦う直前に飲むのをお勧めします」
「わかった。……君は今日が終わった後、どうするの?」
小瓶を仕舞い立ち去ろうとした直前、ふとそんな事を聞いてしまった。会話の中に『地獄から抜け出せた』と言っていた。その地獄が何を言ったのは想像がついたが、だからこそその後をどうするのかが気になってしまった。
「……この街は、オラリオはリリにとって地獄です。誰も助けてくれず、誰も見向きもしない。手を差し出してくれたのは貴方様ともう一人。そのお方と共にしばらくオラリオを出ます。いずれここへ戻るまで、貴方様が再びオラリオに現れた時に鍛えてきます」
「オラリオを……」
「時期は決まってませんが、
ここまで伝えてリリは深々と頭を下げる。これ以上は本当にないと、言っている気がした。指定された時間は迫っている。それが頭に
ふと、このまま彼女から別れると何かを手放してしまうような気がした。今更、と思うかもしれないけど結局はこのオラリオの中で終わる事だと、そう思っていたのかもしれない。もしリリが戻ってくるのが――。
「――7年後」
思わずその言葉が出て、慌てて口を塞ぐ。振り返ってリリの方を見てみたけど、変わらず頭を下げたままだった。聞かれたかどうかはわからない。確認しようにも時間も押している。最短で思考し、結論。
アーディさんを救うための一歩を前に出し、そのまま駆けていった。
「7年後、ですか」
呟きはしっかりと彼女の耳が拾っていた。皮肉だがこれまでの酷使から、聞き逃しをして暴力を受けない為に培った感覚が逃さなかった。
「この7年は、
ただランクアップをすれば長い全盛期を保つ、若い肉体を維持するがあの外見を維持するならかなり速く上り詰めないといけない。であるならリリルカと同じくらいにやって来て、早くても十数年かけてあの域に達する、もしくは外でランクアップをしてその後オラリオに移住してか。
どちらにしてもその成長ぶりを顧みるなら未来の自分は恐らく彼より年上だと考える。今回のような形ではなく別の形で救われるか、あるいは裏を持って若い頃の彼に近づいたか。少なくとも
「にゃ~」
「心配してくれるのですか
ふと、足を止めて
しかしそれは出来ない。彼に時間がないのもそうだがリリルカにそれだけの力がない。未熟、若すぎる現実はあるだろう。かの【ロキ・ファミリア】に自分とそう変わらない歳の少女がLv.3に至っていると言う。ただし元々、古巣の影響もあってそれ以上の事は調べなかった。あとは精々【剣姫】か【戦姫】、もしくは【人形姫】と呼ばれている事。
(……そう呼ばれるほどでなければ、上へと昇れないのが現実なのでしょうか?)
冒険者の二つ名は神々が与える物。それはこれまでの偉業を示すか、将来を見据えた物になるかだ。しかしかの少女は前者であろう。才能があっても『姫』の呼称があっても、繋げられた言葉が花や可憐さを殺している。救われてなければそれでもいいと思ったかもしれないが、今のリリルカにそこまでの名を背負う覚悟も絶望もなかった。
「……にー」
コルフの名を与えられた猫がリリルカの肩に乗って頬と頬を合わせてくる。どうやら表情が沈んでいたようだ。
「すみません。リリは
気を取り直し、正面に向かって再び歩き出す。
そしてリリルカ・アーデと言う名の
『――風に揺らいでいく 鈍色の光照らされ――』
暗い空間、僅かな光源、その中に響くのは電子に納められた記録の歌。
その中で
天秤は最初から拮抗していた。
断言するのは、その光景が空間を灯す光源、モニターから見ていたからだ。
『――――もしもし、ラフィアです』
すると音楽とモニターの音声以外に、その声が聞こえる。それに子供、カロンは音楽だけを止めた。
「ザルドからメモリを受け取れたか」
『はい。あの小僧と喰らい合う前に、いい前菜となったそうです。あと腕相撲しました』
「どっちが勝った?」
『五分内に設定して、
「楽しそうだな」
本気で対戦したのか、とは聞かなかった。この決戦前に余計な体力を消耗する理由はないし、ただのおふざけと受け止めた。
『本当なら本気で戦ってみたいとおっしゃいましたが、そこは諦めて貰いました』
「あいつもあいつで欲深い。時間がないくせに」
『剣も女も、人生すらも、思い立った時こそ至宝。だそうですよ』
「……
『そうですか。それと一つ、確認したいことがあります』
「なんだ?」
『
「
驚愕の事実を、2人はなんてこのない事務的な回答をした。
「ただ俺も数十年も間を空けてたからな。エレボスを見て、本編の7年前を舞台にした『
『それ、エレボス様に言わなかったのですか?』
「気づいた時にはもう状況的に言ってもしょうがないしな。ソシャゲも能力で購買することは出来ない事もなかったが、そのストーリーまで開放する時間もなかったしな。せいぜい、『アストレア・レコード』を読み直しただけだ」
『その本は?』
「最後に同行した時にエレボスへ渡した」
あの顔はそう忘れられない顔だったなぁと、思う。ついでに一巻の序盤ばかり見てる
「ついでに結末は変わらないだろうと言っておいた。だからせめて先輩には気取られないようにしてくれと、
『それは、なぜ?』
「
正史においてもIfにおいても唯一の眷属である、【顔無し】と呼ばれているヴィトー。彼は生き残るが、怨みを抱いて生き残る。それは世界であり、英雄であり、そして神である。そして、7年後には邂逅する事になるだろう。
「お前にも過酷な道を歩かせる、なんては思わない。転生し、異世界まで渡っても俺の傍で働けよ」
『――それは、今さら言う事でもないでしょう
その声に申し訳なさや気遣いの色はない。情はなく、ただラフィアを、機械人形として扱う冷たさだけだった。しかし一人と一体が結ぶ絆はそんな冷たい、手入れを続けて輝きを失わない鋼鉄の絆。
ピーーーッ! ピーーーッ!
そこへ無粋な程の警告音が響く。発生元はカロン側にある一つのモニター。赤い文字で『通信途絶』と点滅していた。
「時間、いや
『ではお互い、予定通りに』
「ああ」
通信を切り、モニターの画面も閉じる。完全な暗闇に包まれた空間の中でさえカロンは両目を閉じる。
「フゥ……ッ、フゥゥゥゥゥ」
一度、深く深呼吸。感覚は思い出したが、同時に差異は必然と出ている。前世のような勘はないと思いながら、不足はないと言い聞かせる。そして、久々にこの言葉を口にする。
「――――
七日目を迎えたオラリオは
「
【フレイヤ・ファミリア】のヘディン・セルランドが魔法で黒焦げにした
「
「そうだね。借りを返したくて
「その名を言うなヘグニ。私はまだ、まんまと私を利用したあの愚図を思い出すと
(カッコいい、って言ったらあの時のように怒鳴るんだろうなぁ)
ヘグニ・ラグナールは彼とは反対に達観していた。
2人の前に広がるのは
「どうする? もしかしたらで探す?」
「無駄だ。間違いなく奴らはいない。そんな事に労力を割くよりも敵の先手を――」
ヘディンは知略を頭で回し、癪でもフィンの策を
2人が振り向けば倒れ伏す
「――イヤァ!!」
そしてその腕を、呻きに似た叫びで叩きつけた。
自爆。そう思った二人は構えたが、何も起きなかった。いや、違う。何かが壊れる音がした。
「ヘグニ、見てこい」
「う、うん」
不可解な行動にヘディンは命令し、ヘグニが動揺を残しながら確認しに近づいていく。そして腕を上げていた者がもうコト切れている事を確認し、手に持っていたものを確認する。
「……なんだこれ?」
それは見た事のない物だった。全体的に真っ黒な物だがガラスのような割れ方をして、しかし素材がガラスではない。破片を一つ掴んで持ってみれば軽く、鋭利さはない。そこまでならまだいい。その黒い物の中、亡骸の手のひらで散らばる個々とした物はヘグニにはすべて見た事もない物だった。
それが
「おい、どう―――」
若干の苛立ちを発しながらヘディンが口を開いたが、続かなかった。風の音と、上から広がる影を目撃した。それは彼に声を掛けられて振り返ったヘグニもまた目撃する。
「「っ!」」
咄嗟に跳んで距離を取る。
そして落下音。まるで大岩が落ちてきたような音と舞い上がる煙にヘグニはすぐにヘディンの下に合流する。
煙は高く舞い上がり、どんなに大きな物でも隠してしまいそうなほどだった。それこそ本当に大岩が落ちたのかと錯覚するほどに。
『しっかりこっちの要望は通したようだな。確かに美神の妖精共が相手か』
だが煙の名から魔石製品の拡声器を通した声が聞こえ、目線高くに光る物が二つ。それは眼のように見えた。そしてその煙の中から、具足に似た巨大な足が現れた。続けて肩、腰、腕、胴。最後に光る眼を持つ頭が現れる。
「「――――」」
絶句。2人は見上げたまま言葉を失っていた。
それは巨人だった。しかも鎧を纏ったかのような鉄の巨人。中層17階層に発生する
『
また拡声器越しの声が響き、巨人は背中から両手に武器を取る。片方は円盤状で二本の刃が伸び、もう片方は弩のような持ち方をするどちらも見た事もない武器。
正真正銘の『未知』が2人の前にあり、
「――――――カッ、カッコいい!!!」
呆気に取られすぎて思わず
そして、同じく東。
「……誰だテメェ」
槍を振り回し敵を殲滅していた
美しい女性、ではある。薄い青と白のメッシュの色合いの髪にその頭の天辺から足先まで造形が整っている。いる、が人にあるべき温かみが感じられない。アレンもそれが正しい例えかわからないが、そう言うしかない。何より動物特有の体臭の匂いが全くしなかった。しかしここまでは彼にとって興味はない。ないが、これ見ようがしに獲物が槍であることが彼の琴線に触れていた。
「
「つまり敵か」
「はい」
その応答だけでアレンは跳んだ。目に留まらぬ跳躍はすぐにその命を食いちぎる、筈だった。
伸びる矛先、しかしそれは
驚き、しかし体勢を整えようとしたアレンだったが彼の視界に女性の膝が迫り、いや彼の顔面に膝が撃ち込まれた。
「―――――ッ!?」
叫ぶ間もなく激痛、そしてその勢いで後ろへ打ち上げられた。
「アレン様!?」
「チィッ!!」
同じ眷属の一人が叫ぶとアレンは空中で姿勢を正し、それこそ猫のように軽々と着地する。しかしその顔は鼻血で、怒りと屈辱があった。
「しかし、ディース姉妹が彼を襲撃した不義理がありまして。この決戦の日、
「
「ええ、敵対勢力で貴方だけが特に因縁がないので。猫でも
「…………」
女性の言葉にアレンは徐々に静かになる。しかし彼女の言う通りオッタルはザルド、ヘディンとヘグニはディース姉妹、ガリバー兄弟は【アパテー・ファミリア】の精霊兵と解放されたバスラムと決着つける相手がいた。アレンだけがそんな相手がいない。
その事実を突きつけられ、そして女性の言葉が彼の思考を一点に集中させる。
「なので私が貴方の相手をします。折角ですから
そしてその言葉がメイン武器や必勝で槍を持っているのではない、アレンが槍を扱うから槍で相手すると、言った。
「―――――ブチ轢きコロォオオオオオオオオオオスゥ!!!!」
オッタルの不甲斐なさに憤怒した時以上の怒りが、爆発した。
カロン・グリマルキン
7日目、エレボスに頼まれた通りヘディンとヘグニを、ロボットに乗って相手する。全長5mでグ〇ン〇ガンと同じくらい。最初のイメージはパ〇トレイバーや『〇ルメタル・パ〇ック!』のアー〇レストぐらいとしてましたがゴライアスが7mに対し、この二体は8mだったので小さくしました。でも胴体にコクピットがある大きさである。
前々世でこの世界が『ダンまち』の世界であることに気づきながら、本編の過去でありIfストーリーである事から原作通りにならないと考えて最後まで言わなかった。『時を渡る
前世の癖で戦意高揚のために音楽を聴く。アーティスト寄りではなく作品の主題歌寄りなのでアニソン。ゲーソンが多め。ちなみに『Justitia』と言う、オラリオ側の歌を聞いていたことについては『だって、この場面で聞きたいし。あと早見さん好きだし』と供述。
この決戦の日、アレンと戦う事になったアンドロイド少女。一応、金属や化学薬品の匂いがあるがそこは消臭した。AIなので煽りは挑発の為のワザと。使う槍はSF武器でありギミックはある。
カロンの代理でザルドから装置を受け取り、そこで蓄積したデータは彼女へダウンロードされている。ザルドにその用途を聞かれて答えたら腕相撲で勝負した。結果、Lv.7の前衛と引き分け。それだけのスペックの証明となった。
これまでの言動から知った風な装いが会ったために聞いてみればあっさり教えて貰った。ただしこれはラフィアだったからこそ即答して貰った事であり、もう会えないだろうエレボスを例外とするなら他の誰が聞いても誤魔化される話題であった。それだけの信頼が2人にある。
オラリオ側の歌を戦意高揚に使ってたカロンには『推し活』と思った。
リリ&コルフ
決戦直前、
コルフの名はラテン語でカラス科を表す「Corvus」から。元はフィン・マックールの二頭の猟犬「
【フレイヤ・ファミリア】
勢力的にカロンとラフィアと戦う事となる。本編でもIfストーリーでも抜けてた所を補完する形になるが、多分難易度は上がってる。
書かれていなかったがガリバー兄弟の相手であるバスラムと精霊兵は本編よりは弱い、と言うより拙い。制御に慣れていない分、精霊兵のパターンがなく『お前が行け!』と予想外の指揮でガリバー兄弟を惑わす事となる。でも結末は変わらないから場面は割愛。
リリの育成方針は……
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原作と同じく後衛の指揮官系
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ガンアクションの中衛の傭兵系
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前世の縁で前衛の槍士系
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ハッハァ! 全部だァ!!(CV:大〇芳忠)