カロンは隠密的な活動でありながら三度もアリーゼと遭遇していた彼女がヒロインは強引だったかと思う反面、昔やったRPGのキャラ加入イベントは遭遇してフラグを立ててたから問題ないかな、とも思ってる。
あと私事ですが、前話の投稿後にYouTube見てたらにじさんじ『Rei7』氏がやっていた初見プレイ動画で「うるせぇガキだな、チューするぞ」なんて言ってたのを見て、「ああウチの子はこの動画とは立場が逆だな」と思いました。
後編は17:30に投稿します。
エレボスが送還された事を区切りにオラリオは復興への足掛かりが始まった。戦いで疲弊した体を休めた後は民衆は建物の修繕と商売の再開、冒険者たちはダンジョンアタックへ。未だ
「その書類の山を見るとお前が冒険者だとは思えんなぁ、フィン」
「必要な事さ。必要だけど、思い描いていた冒険者のイメージとは少し遠いのはわかるよ
【ロキ・ファミリア】
「その空薬莢、わざわざ拾ったのかい?」
「早い者勝ちだったからな。特に鍛冶師連中が金を払ってでも回収していたからな」
「ロキからは真鍮製って聞いたけどそれほどかい?」
「ああ。柔らくて武器には使えんが加工がしやすく見た目の黄金であるから装飾品になるそうだ。ま、大きさが大きさだからな。溶かして大きな物を作る為に数がいるそうだ」
「数の心配はいらない、はキミの話から考えるに足りないだろうな」
「だろうな」
ノワールが思い出すのは冒険者すらドン引く程に鬼気迫る鍛冶師たちの集団だった。そんな中でノワールのように一つだけでも回収し、大事に持つ人々は多い。
「だがまぁ、
「恩人、か。それは僕らにも言える事だ。何せ、あの空を飛ぶ彼女のお陰でノアールやダイン、バーラを筆頭に熟練の冒険者たちが生き残った」
「買い被るな。今回の件で老兵の我らは前線を引くと言うのに」
「それでも若い冒険者たちを導ける。今でもラウルが涙と鼻水を流してキミを抱きしめる光景は笑えるよ」
「やめい。血と汗に混ざって着替えるまで臭ったんじゃぞ」
笑うフィンに対してノアールは苦い顔をする。
決戦の日、
それを良い意味で台無しにしたのが鋼鉄の翼で飛ぶ女性だった。
その腕の機関銃、と言う物から放たれる銃弾の雨はモンスターの大群をアリを潰すかのように蹂躙した。しかし冒険者だけではなく餌の様に追い立てられていた
「【
「
「いや、彼らはエレボスが招いた傭兵でほぼ確定している。逃亡したなら別々だろう。でも正体が明らかになっていない以上、行先もわからないから追いようがないだけど」
「傭兵、か。―――フィンよ。彼ら、もしくは彼らのファミリアの力が欲しいか?」
「
「オラリオの第1級武装に劣る所はあれど、多機能で応用が利く。でも構造上、再現が出来ないんだ。ならこれをまた手に入れるには?」
「作った本人か、組織か」
「正解。それにこんな物が霞むほどの物があった。彼らが完全な
「そうじゃな。そうなんじゃが……」
真面目に語るフィンだったが、それを聞いたノワールはその緊張感が抜けてしまう感覚を覚えた。彼が浮かんだのは興奮気味にガレスを連れ出したロキの顔。そして彼女たちが向かったであろう
「その『ろぼっと』ちゅうもんに、ロキを含めて神々が興奮しとるのはどうなんじゃ?」
「……そこはまぁ神々にしかわからないと思うよ? まぁカッコいいと思うよ」
「それは儂もそう思う」
中年と老齢の男でも冒険者をやっていればちっぽけでも少年心は健在であった。
フィンとノワールが話題にしていたロボットが今はと言うと。
『『『『ロボットに乗せろ――――!!』』』』
「ダメだ!!」
『『『『『じゃあロボットちょうだ――い!! 借金してでも言い値で買うから―――!!』』』』
「もっとダメだ!!!」
「なぁガレス。こっそり運ベんか?」
「無理じゃ。
神々が囲み、『ロボット独占反対!』『ワタシを乗せて連れてって☆』『アイ♡ロボット』『美しきフレイヤ様♡』『ロボット魂』なんてプラカードや横断幕を掲げて抗議の様に騒いでいた。対してロボットの方には護衛の様に【フレイヤ・ファミリア】の眷属たち(※若干ローテンション)が囲み、そしてロボットの肩には治療跡がまだ残るヘグニ(※魔法使用中)が一人で意見を却下していた。
それを離れた場所で、パラソルの影で優雅に紅茶を楽しむ女神フレイヤだった。
「本当にアレを管理するのですか?」
「ええ。しどろもどろにもヘグニが珍しく我が儘を言ったのが可愛くてね。オッタルを筆頭に力自慢の
「女神が決めた事なら私は意見を出しませんが、あまりあの馬鹿を甘やかす事はしないで下さい」
「そこはヘグニ自身に土地の確保や手続き、その上で必要な資金はあの子持ちにするわ。その間はダンジョンに潜るでしょうから、もしかしたら貴方より強くなるかもね」
「ご冗談を」
彼女の傍に控えるのはヘディンと、アレンである。この2人も戦いの後の治療後の姿だ。ヘグニを含め、【
「ただ戦利品と言えばアレン、貴方も一つ変わった物を手に入れたのでしょう?」
「……ハッ」
そして気紛れの様に話題と相手を変えると、アレンは少し間をおいて返事をした。
彼もまた先日の戦いで戦利品を手に入れた。件のモンスターを殲滅した鋼鉄の翼の女性、ラフィアが使っていた機械仕掛けの槍だ。専用の弾丸がない為、石突の衝撃波は使えないが矛先の突きと振りの機能は健在だ。
しかし、アレンはその槍を鎖で縛って自室に封印した。
「あの槍で、あの女の技で俺は勝ちを拾いました。ですがあの女、全力であっても万全ではなかったと思われます」
「そういえば彼女もこっそりいなくなってたそうね。あのロボットを動かしていた
「………ここと、アレンが決着をつけた場所は距離があります。もしフレイヤ様の言う通りであればその距離で誤差がなかったとも言えます」
「ええ、ヘディンの言う通りよ。でもそんな技術、いえ
彼女の視線はティーカップの横に置いてある、
と、ここで意識をアレンに戻したフレイヤは彼に問う。
「これから貴方はどうするの?」
「強くなります。ですがこれまでの様に馬鹿の一つ覚えの様に駆けて轢き殺すだけではありません。――空を飛ぶ敵すら落とす力を身に着けようと思います」
「そう」
子供のような目標だが、アレンの眼は本気だった。真っ直ぐ走るだけじゃ打ち合いすらならない。飛ぶ相手に届かなければ同じ土俵すら上がれない。そしてこれは口にはしなかったが、一遍頼りの戦い方では何も出来ない。たった一戦でそれだけの未熟さを味わった。言うなれば、
「ならその子たちとまた会える日まで、存分に鍛えなさい」
「もちろんです。次に会った時は完全なる勝利を、我が女神に」
フレイヤにとって眷属からの『勝利を捧げる』はすでに挨拶とも言える日常的な物だが、それでもこうして時折、殻を破った覚悟の声で聞くのは飽きない物だ。
と、なれば気になるのは
「
「
「? 珍しいわね、ヘディン。貴方が行動に移さないなんて」
こう見えてヘディンは行動派の面がある。フレイヤの為とあらば独自に動く事もあり、間違いなく
「……私より先に、リヴェリア様が【アストレア・ファミリア】の
フレイヤはなるほど、それなら後回しにするわね、と納得した。
「ごめんなさい。あの子が何者なのか、私も知らないの」
「……そうか」
『星屑の庭』の応接室で対面するのはアリーゼと【ロキ・ファミリア】のリヴェリアである。
「リヴェリアさん、何か気になる事があるの? 確か――
「ああ、オラリオでは私たちが最初に
「えっ、ホントですか?」
「ああ。その時は【ロキ・ファミリア】の首領の一人、もしくは最強の魔導士の肩書きから私が狙われたと思っていたが、フィンに否定されたよ」
「フィンさんはなんて?」
「【ロキ・ファミリア】である事は関係なく、あの武器から考察するに魔導士の線はほぼない。そもそも
リヴェリアを個人的に狙う理由は同じ派閥であるアリーゼには思い付かない、訳ではなかったがそこは喉元で押し留める。そして誤魔化すようにリヴェリアの言葉に追従する意見を口にする。
「うーん、最後に会ったのは私だけど最後に戦ったのは【
「そうか?」
「だって戦ってるときって口が軽くなるじゃない? それにあの子はあの七日間だと必ずエルフと戦ってるじゃないですか。案外、リヴェリアさんがハイエルフって事に関係してるかもよ?」
「王族、に対しての個人的感情か……。ダメだ、思いつかない」
家出王女でもあるリヴェリアに王族関係で、と言われてもピンとこない。故郷の『アルヴの王森』を飛び出してから約20年も帰郷もしてないし定期的な手紙のやり取りもしていない。ただ閉鎖的である同胞が他種族に、その
「だがその意見は正しいかもしれない。魔導士ではなくエルフとして視点を変えてみる」
「じゃあこれから【フレイヤ・ファミリア】の所に?」
「いや、神々が噂している『ろぼっと』の所に行く。あそこにヘグニは確実にいるだろうし。あとロキの様子も見てくる」
「あそこですかぁ。ライラの報告だと【フレイヤ・ファミリア】が警護に当たってるから見回りの必要はないって言ってたわね」
「【
「ええ、わかったわ」
立って用事を終えた事を告げたリヴェリアにアリーゼは応え、そのまま正面玄関まで連れ添って見送った。そして扉が閉まり、気配が遠ざかるのを確認したところで、
「―――――――ああああああああああああああああぁぁぁぁぁ………」
両手で顔を覆って蹲ってしまった。よく見れば覆えていない耳が真っ赤であり、恐らく顔もまた同じ色で染まっている事だろう。
「話は終わった?」
「あっ、アストレア様……」
そんなアリーゼに背後から声をかけたのは一緒に留守番をしていた主神たるアストレアだった。アリーゼはその声に反応して振り返るが蹲ったままであり、顔もまた両手で覆って指の隙間から真っ赤になった顔でより際立つ緑の瞳が覗かせていた。
「……私、ここまで自分の感情を抑え込んだのって初めてかもしれません」
「まぁ、そうね。他人には言えない話よね」
「そうですよ。私だって、11歳の男の子にファーストキスを奪われたなんて、絶対に言いたくありませんっ!」
更に羞恥に悶えながら、リヴェリアの前で我慢し続けた胸の内を吐き出した。
実の所、アストレアにはすべてを話した。いや抱えきれなかったから打ち明けたに近い。
「それはそれとして、貴方も彼女が来た時に
アストレアが話題を逸らすように言うとアリーゼは顔を正面に戻し、そして徐々に赤みが抜けていって元の色に戻ったところで覆った手を離す。確かにアリーゼは彼女、リヴェリアが来た事で手掛かりを得た。
「
「可能性はゼロじゃない、と言えるけどほぼあり得ないに近いわ。だから
「そうですか。やっぱり、捕まえないとダメですよね」
「ええ、それこそ痛めつけて引き摺ってでも」
「え?」
まさかの言葉に再び振り返るアリーゼ。そして見たのは尊敬する主神の笑顔であるが、凄みがあった。それこそアリーゼすら声を掛ける事を躊躇ってしまいそうなほどに。
「えっと、怒ってます?」
「……
アストレアの笑顔は慈愛に溢れるような物だったが、その背後は輝夜だったら『鬼神が見える』と称するほどの存在感があった。
アリーゼはこの日、初めてアストレアが怖いと思った日だった。
【ロキ・ファミリア】
地上もダンジョンも団員を派遣したので団長フィンはそれら全てをまとめて報告書を用意しなければならなかったが、決死を覚悟したノワールたちが生存したことは嬉しく思う。それはそれとして
その中でも積極的に調査をする事になるのはリヴェリアでとなる。フィンやアリーゼの指摘で魔導士としてではなくエルフであったからと真実に近づき、ヘディンとヘグニから始まって多くのエルフから手掛かりを探すようになる。ただしそのほとんどが傲慢さや崇拝の念を隠さない為、リヴェリアは変わらない同胞の声に辟易しつつもそれが
【フレイヤ・ファミリア】
ロボット、槍、録音機と少ないが大きな物を手に入れた。とりあえずロボットは空き地の移動が予定だが珍しくヘグニが「壊すなよ特に猪ぃ!」と積極的に監督する事となり、槍はアレンがしっかり封印するがしばらくは椿に言い寄られる日々が続く予定。
フレイヤも
【アストレア・ファミリア】
少数精鋭で頑張ってきたけどまだ頑張ってる乙女たち。そしてアリーゼはアストレアにはカロンと最後の遭遇についてはすべて告白した。アストレアもまさかか大事な眷属がファーストキスを奪われた話は動揺していた。
その上でカロンがエレボスの眷属、
それはそれとしてアストレアからすればエレボスの
貴方はどの主神が好み?(※本当に好みだけです。選んだ神が主神に選ばれることはありません)
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