年内には『原作前』のストーリーを終わらせて本編時空に行きたいと意気込んで、溜めたポイントでオリキャラや「このシーン」をAIイラストで生成していました。ごめんなさい。
で、その一環で生成したタルタロスとエレシュキガルを挿絵で入れました。
―――カチャリ、と無機質で異質なその音は雑音に混じらず聞こえた。
「In the white light, we're praying for the lost For our grief, for our pain To the white light, we're praying for the lost So we try to find solace, empty hands together」
「今歌う所ですか?」
「いや、これから会いに行くタルタロスって奈落の神だと思ったらメ〇ドイ〇アビ〇が出てきたから」
「なんですかそれ?」
「もしかしたら
「ダンジョンを比較対象しただけでヤバそうですね」
ゴム弾で
「オーナー。やはり全員で向かうのは無茶だったのでは?」
そして銃ではなく警棒で制圧したラフィアも、彼女だけは武器を出したまま戦闘態勢を解かずにいる。そんな彼女の肩にはコルフが乗っている。
「
「大丈夫かだってよ」
「ええ、まぁ、うん……。襲撃、奇襲がもう十近くになればもう慣れました」
「悟りました?」
「諦観だな」
あ、今日も鉄道が走ってるなぁ~、と遠い目で空を見上げるリリルカだがこれでも最初は襲撃に驚いて銃を乱射したりと慌ただしかった。
さて、状況を説明するならカロンたちは今、タルタロスの
「どうやら俺の医術を取り込みたいようで、リリを人質にしたい奴らが大半だな。すまん、俺の失念だ」
「じゃあ戻って留守番をさせますか?」
「いえ、リリは大丈夫です。それに銃を見せると躊躇ってくれてましたので現状、近づかれたことは一度もありません」
「これまで銃を使って制圧してたのが効いていたようだな」
銃をしまいながらもまたすぐに抜けるように手を置いたまま周囲を見れば離れた建物の影から伺う者がチラホラといる。そこには警戒と怯えも混ざっており、間違いなくカロンの武力をよくわかっているようだった。ただし使用していたのは現代兵器だけであり未来兵器は使っていない。使えば圧倒的だが、同時になりふり構わず捕まえて来るだろう。
少なくとも銃が見せ札となって相手に警戒心を与え、結果として二の足を踏ませてる。とは言え向こうも慣れてしまえばその効果も薄れる。次の見せ札の用意か、目的地への到着を急がなくてはならない。
「ま、この後は襲撃はないだろう」
十もの襲撃を受けて、今後はないと言い切るカロンは歩き始め、リリとラフィアも離れない程度の距離で付いていく。するとあるラインを超えた瞬間、視線が背後からの物に集中する。
「……すごいですね。ヤマ様が呼び出す程の神様と言うのも間違いではないのですね」
「下手に動けば一発でブタ箱入りらしいからな」
「権限は【ヤマ・ファミリア】の次がありそうですね」
「収容が役割だからな」
華やかさも、しかし不潔さもない真四角の建物とそれを青銅の門と一体化した壁が威圧感を放つ、タルタロスの
タルタロスへの案内はスムーズに進んだ。元々、事前連絡をしておくと言っていたのでそれが効いているのだろう。規律も【ヤマ・ファミリア】と比べるなら乱れた所があるがこの収容所を運営する点では『良』ぐらいのものだった。
「ここが主神サマの部屋だ」
「ありがとうございます」
「あと部屋に引き篭もるのはいいが仕事との分別をしてくれと言っておいてくれ」
「わかりました」
【タルタロス・ファミリア】の団長兼所長らしいドワーフの男性は酒瓶片手に立ち去る。不真面目と言いたい所だかラベルからして酒精の低い酒であり、彼にとってソレは水同然なのかもしれない。
そんな彼を見送るとカロンは例の如く保護者のふりをして前に出ていたラフィアの横を通り過ぎ、扉をノックする。しかし返事がない。反応がなかったがそれはそれでと言わんばかりに扉を開けた。
『マフラーを巻いてくれて、ありがとう……!』
「ミカサ――――!!」
そして見たのは進〇の〇人のシーンを見て号泣するエレシュキガルと『うんうん』と頷く後方有識者気取りのタルタロスだった。
カロンは静かに扉を閉めた。そして扉の横で腕を組んで壁に背中を預ける。この一連の動作に混乱したリリルカだったがラフィアがカロンの横に並んだのでまたその横に並ぶ。
そして暫くして、中の方から扉が開いた。
「ごめん、気付かなかった。入って」
「ああ」
何事もなかった、とはいかないようだがタルタロスが改めて入室を促される。
中は完全なタルタロスの私室の様で生活家具や嗜好品、ついでに来客用のソファーとテーブルがある。そこにカロンたちは座り、向かい側にはタルタロスとエレシュキガルが座る。
「まず、なんでエレシュキガルがいるんだ?」
「……収容されている子たちの食料やここの備品について話にきたのよ」
「で、終わってアニメを見ていたと」
「終わってないよ。その仕事、こいつの眷属がやってるから」
さっきまでの号泣がなかったように振る舞うエレシュキガルだったがツッコミと暴露で顔を背ける。と言うか泣いた後は残ってるし湿ったハンカチがポケットからはみ出てる。最初に会った真面目さが相殺されしまっていた。
「でもま、都合がいいかもしれない。タルタロス、このポンカワ女神とも話がしたい」
「ポンカワ女神!?」
「まぁ俺とポンカワ女神はヤマに推薦されたしな。ここで
「乗るの!?」
不名誉なあだ名とつけられた事にエレシュキガルがツッコミを入れているが向かい合うカロンとタルタロスは気にしていない。どこかであったような、そんなやり取りを。
「ところで、一応聞きたいんだがアンタとエレボスの関係は?」
「
予想通りに返答にカロンの内心は決まる。
「なるほど。だったらアンタを主神にするのはやめた方がいいな」
「えっ、カロン様。エレボス様のご兄弟ならこの方にお願いした方が――」
「オラリオに『大抗争』を起こした邪神の兄だぞ。しかも弟は『原初の幽冥』でこの兄は『奈落そのもの』。第一印象としてはどう受け止められると思う?」
「第二のエレボス、第二次の『大抗争』と思われるでしょうね」
「そう。だからエレボスが俺に頼んだのはこのベルゲンからお前の目的、救世の為の邪神を主神にする事」
タルタロスが懐から、初日に渡した開封済みの紹介状を取り出す。
「ここにはオラリオの出来事、と言うよりお前との日々が描かれていた」
「エレボスめ……」
「お陰で俺はお前へは十全の信頼と協力する気になった。弟が、信頼と親愛を向けた眷属だ。兄貴としてアイツの代わりに手を貸してあげる」
「……タルタロス、貴方そんな神だった?」
エレシュキガルがそんな事を言う。彼女にとってのタルタロスはめんどくさがり屋でいつも気だるげにする男神であった。しかしその反面、役割はちゃんとするので、一応ではあるが生産系ファミリアの主神としては信用していた。
「実はな、オラリオの件については事が起きる前に
そんなエレシュキガルの信用が揺らぐような、当の街で生まれたリリルカとコルフが息を飲むような告白をした。
「世界の為に絶対悪になる。そうまとめられた手紙に俺は何もしなかった」
「
「ああ、そうだな。当時の俺もああそうか、だけで終わった話だった。だがお前の事を知ったら、助けなり止めるなり、
タルタロスの告白に、言葉に淡々と返すのはエレボスの元・眷属であり彼ともオラリオとも縁が薄いカロン。それはどこかカウンセリングを行う医者の様にも見えた。しかし不変の神が相手である。本質的には変わらないだろうし、ここでタルタロスの指標を変えるなど、カロンにも出来ない事だ。
「で、そんなお前は誰を推薦するんだ?」
「
「……………………ハイ?」
だからカロンは話を本題へと持っていくと、タルタロスは一言だけそう呟くと真横に親指を向ける。そんなタルタロスを除いてカロンたちの視線がその先、エレシュキガルへと集中した。
「……いやままままま待って! なんで私!?」
「神格、責任、良識をまとめるならお前だろ。冥界の女神とは思えないくらい」
「いやだって、
((あっ、いい女神だ。きっと……))
彼女の言葉にオラリオで自由振る舞う神々を見てきたリリルカと、神と言う色眼鏡がないがカロンの前世で見てきた人物鑑定眼を持つラフィアの内心が一致した。
「それに私には従属神だって――」
「お前んとこの従属神って
「まぁ、そうだけど……」
追記。神格面は思った以上に良いようで主神にするならかなりオススメの様だった。
「ここでなるならないは置いておいて、世界の救済にはどう思う?」
「ええっ!? ……そりゃあ見捨てたくはないわ。ここでも
「おい」
「あっ、ごめんなさい。ベルゲンの内情に関わる事だから、忘れて頂戴」
「そうか、わかった」
カロンが会話に割り込み、救済についてどう思うかを尋ねた。エレシュキガルは素直に答え、肯定的な返事が返ってきた。ただしそれに関わる何かが五年前にあったようだがタルタロスがそれを止め、エレシュキガルも忘れてくれとそれ以上は言わなかった。
カロンはとりあえずタルタロスが推す通り、エレシュキガルは主神にするには十分だと思う。彼が調べた情報だと彼女は生産系ファミリア。農産や畜産に加え、建築から小道具まで生活に必要な物を任されている。産業の第一・第二を握ってる彼女は事実上、【ヤマ・ファミリア】の次に権威があると言える。
「一応聞くが、彼女がベルゲンから抜けて混乱は起きないのか?」
「ないとは言えないが、あそこはエレシュキガルを頂点とした連盟みたいなところだ。エレシュキガル
「まぁ、私に万が一があればと備えているけど」
((なんでこの
リリルカは思った。貴女みたいな女神さまがオラリオにいてくれればと。
ラフィアは思った。なんでこの女神に世界救済の為に協力を頼まないのかと。
「
「あら、どうしたの猫ちゃん?」
コルフがエレシュキガルの足元に頬ずりをすると彼女はそっと抱き上げる。コルフが嫌がらないよう気を遣った抱き方だ。もう彼女でいいんじゃない、と思い始めた。
「……ちなみにコルフにも恩恵を刻んでもらおうと考えて貰います」
「えっ? この子まだ恩恵なしなの!? どう見ても器が昇華してるからてっきり……」
リリルカの発言にエレシュキガルが二股に分かれた尻尾を見て驚く。タルタロスも「えっ、マジ?」な顔をしていた。そしてエレシュキガルが「この子の初めてを……」と、女神が言うにはちょっとアレな発言をしていた。
なんかやってくれそうだなとカロン達が思っていた所、部屋の扉をノックする音が響いた。
「ん? 誰だ」
「失礼、タルタロス様。梓ですわ」
「お前か? 珍しいな。いつもならイディアちゃんが来るのに」
「はい。入室しても」
「いいぞ」
入室の許可が下りると扉が開いて梓が現れる。そしてタルタロス以外のエレキシュガルとカロンたちを認識して、その細目が若干開いたように見えた。
「あら、お取込みの途中でしたなら教えてくれてよかったのですよ」
「いや、都合がいいのさ。俺は辞退して、
「いや、だからやるとは……(チラッ、チラッ)」
「にゃ~?」
「くっ、こっちの様子を見て首を傾げる仕草……!」
コルフ一匹でこっちに傾きそうだが、それはそれとして置いておく。
「お前、【ヤマ・ファミリア】の眷属が来たって事はここに収容する罪人が来たのか?」
「ええ、そうです。それも大物ですよ。ヤマ様の裁定を待たずにここへ護送されて直接ですから。同じく他も例外なく都市に放出してますわ」
「全員が裁定なし? それガチヤバ系だろ。どこが護送されたんだ?」
「ウーン……」
タルタロスから誰が送られてきたのかと尋ねられ、梓の視線がカロンたちへ向けられる。しかし一考して質問に答えた。
「【ディース姉妹】を筆頭として、【アレクト・ファミリア】の眷属たちが護送されてきたのです」
その名にリリルカが小さく悲鳴を漏らし、カロンは眉を顰めた。
「で、用件は何じゃ?」
「あれ、歓迎されてない俺?」
「お前はゼウスの紐付きじゃろうが。それに用件も見てわかる。
「バレてるよヘルメス様」
そして同じ頃、ヤマの目の前には裁定する犯罪者の代わりに一柱の神とその眷属がいた。ヘルメスとリディスのコンビである。【アレクト・ファミリア】と違って彼らは滞りなくここへ案内されたがどう見ても歓迎どころか謁見の雰囲気ではなかった。
「まぁ逆に話が早いと受け取ろう。その通り、俺たちは
「じゃろうな。お前らは同郷じゃから面識があってもおかしくないじゃろう。ならこちらも隠さず言うが、今あ奴らはこのベルゲンで主神を探しとる。言っておくが自分がその枠に収まろうとは思わん事じゃ」
「あれ、俺ってそんな風に見える?」
「違う。ワシが見た限りじゃが
「なるほど。ヤマがそこまで言うならエレボスと同じで親交だけ深めておくよ」
「喰えない神め」
肘で顎を支え、反対の腕はトントンと指で机を叩くヤマに対し、ヘルメスは笑顔で応対する。神々の会話だとリディスは黙っているがその様子を見てメンドイ会話だなとは思っていた。
「滞在は認める。
「りょーかい。あっ、滞在はこの
「
「………はい」
誰がどう見ても話を終わらせたくて即決したヤマだったが、リディスは『まぁそうだな』と内心、自分の主神をディスった。
ヤマが『しっ、しっ』な仕草で見送られながらヘルメスとリディスはイディアの案内に続く。
「ねぇキミ、
「なんで私に聞くの?」
「あら、嫌われてる?」
「ヤマ様から『ヘルメスはオギャラせてくれる女性が好みじゃ。変態じゃから畏まらなくていいぞ』と言われたので」
「いや違うぞ! 風評被害だ!」
「でもアストレア様を『アストレアママ~』って呼んでたよね、ヘルメス兄さん」
「えっ、眷属に『兄さん』呼びを……」
「誤解だぁ!!」
「アハハハ!」
まさかの不名誉なレッテルを貼られ、しかも自身の眷属からの追い打ち。案内していたイディアが距離を取り始めリディスの笑い声を上げる。
しかしイディアはそこで案内役を放り出さず、『ヘルメス様は少し離れて』と付け加えて続けている。
「ねぇイディアちゃん」
「なに?」
「俺たちに聞きたい事があるんじゃない? 離れてくれって言った割には後ろ、俺たちを気にしてるじゃないか」
そんな彼女から、不自然な挙動を見逃すヘルメスであった。それは図星だったようでイディアは足を止めて沈黙。若干の震えも見られたがヘルメスは追求せずに彼女からの反応を待ち、それを読み取ったリディスも動かない。
そしてイディアは決心したように振り返った。
「今回の護送、【アレクト・ファミリア】をまとめて送られたって聞いたわ。主神は?」
「
「…………古巣よ」
「なんだって?」
「私は【アレクト・ファミリア】の眷属。そして脱走した裏切り者よ」
カロン・グリマルキン
ベルゲンにも存在感を示してきた11歳。道中、この世界の
元々、エレボスとは兄弟神と前世のギリシャ神話から知っていたので候補は最下位だったがタルタロスの心中を知り、彼は主神にするべきではないと最終判断を下す。しかし彼の助言はエレボスに近い物を感じた為にまずエレシュキガルを最有力候補に上げた。
タルタロスに次の作品を要求されており、なので『魔〇少女〇どか☆マ〇カ』『〇職転〇』『呪〇〇戦』を渡した。
タルタロス
エレボスの兄にあたる神。ギリシャ神話に倣って彼が第一子で長男、エレボスは第四子で三男に当たる。ダンまち世界で実際に兄弟関係、親子関係は不明だが本作のオリキャラはそう表現します。
『大抗争』より以前、遡れば最強と最凶を勧誘する前からエレボスの目的を知っていた。当時は『そうか』程度の者だったが紹介状に書かれていた内容がカロンとの日々の楽しさと、あまり長く一緒に居られない寂しさが綴られており、先に天界へ戻った弟にお節介が出来ればと思うようになった。カロンの事は甥の様に思っており、出来る限りの助力をするつもりである。
『進〇の巨〇』はコミックから読んでアニメを見た原作勢。コミックになかった描写に感動した。
【挿絵表示】
エレシュキガル
実は姉である女神様。真面目であるが天界では仕事一筋だった面があり、他者への感情移入は強いし仕事以外では隙が多い。美人だが抜けてる所がある『ポンカワ女神』はベルゲンの誰もが思っている。今まで面と向かって言われなかっただけである。
冥府の女主人であるが神格面でベルゲンには似合わない為、一部から『ここにいるべきではない神』の筆頭である。事実、彼女の従属神はその機会があれば外に出したいと思っている。しかし責任感の強さから説得は難しく、大きなきっかけがなければベルゲンに居続ける事だろう。
『〇撃の〇人』はコミックを読まずアニメをネタバレなしで視聴するアニメ勢。なので悲鳴・困惑・感動・笑いの反応が右往左往してYoutubeの【海外の反応】に投稿してもいいくらいにリアクションが印象的。
【挿絵表示】
【ヤマ・ファミリア】
【アレクト・ファミリア】の
特にアレクトの恩恵を持つイディアは嫌な予感を持ち始めている。彼女が怯えているのは主神や【ディース姉妹】の存在ではない。彼女の大事なものが奪われるのではないかと言う恐怖であり、眠ったモノが目覚めそうな気配がある。