『C.E.70。血のバレンタインの悲劇によって、『地球』『プラント』間の緊張は一気に本格的武力衝突へと発展した。誰もが疑わなかった、数で勝る地球軍の勝利。が、当初の予測は大きく裏切られ、戦局は疲弊したまま、既に11ヶ月が過ぎようとしていた』
そんなオープニングナレーションが頭をよぎる。時間的に原作が始まるからだろうか?始まらせる気はサラサラ無いが。
眼下にいる2隻のザフト艦。場合によっては沈める必要がある。寧ろ幼馴染が乗っていなければ速攻で沈めていた。知識では知っていたが、アイツが俺達の住むコロニーに攻撃するとは、正直複雑な気持ちになる。そんな雑念を振り払い、ポケットから手のひらサイズの宇宙空間用ドローンを2基取り出した。
『頼むぞ』
『全くAI使いが荒いってもんじゃないぜ。ま、吉報を待ってな』
念話での返事に俺が頷くとドローンはナスカ級の方へと向かう。それを見送ってから、顔を上げた。そこには前世ではまず見れなかった、瞬かずくっきりと点状に輝く星々の姿があった。俺はそれをモニターや宇宙服のバイザー越しでは無く肉眼で直接眺める。
なぜ、人々はこんな綺麗な世界で何の益にもならない争いを続けるのだろうか?まあ、前世で死ぬ前の国際情勢を見る限り、『それが人間だ』と言うのが答えなのだろう。
(すまん、アスラン。だがあのコロニーには俺の家族も友人もいるんだ)
心中で幼馴染に詫びる。原作知識から優しいアイツがザフトにいる理由は知っている。その悲劇も、もしかしたら俺ならば止められたかもしれない。
だが、俺の最優先事項は家族の平穏と安全だ。特に家族の一人はブルーコスモスの最大の標的とされている。例え幼馴染の母親で昔世話になった事があったとはいえ、家族と比べるも無かった。
この世界は厄ネタが多すぎる。血のバレンタインだったり、エイプリルフールクライシスだったり、ブルーコスモスだったり、ロゴスだったり、ジェネシスだったり、レクイエムだったり、デスティニープランだったり、アコードだったりと酷い。特に酷いのがエイプリルフールクライシスとロゴスだ。原作で地球の復興が済んでなかったのって、絶対エイプリルフールクライシスによるインフラや社会システムの崩壊が凄まじかったからだろうし、ロゴスなんてイコール世界経済だから原作の様に消えたら史上最悪の大恐慌だ。絶対FREEDOMで世界レベルで治安が悪化していたのは上2つが原因だろ。
ホント未来に希望が無い。家族を守りつつ、例の