鉄血の一夏   作:ディーノpc35

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第11話

放課後、アリーナ地下整備室に一夏と千冬の二人の姿があった

 

「アガレスの機体性能は、現行のISを凌駕しすぎている。動力源が半永久機関の上それを二機も搭載さらに、装甲が熱や衝撃に対し強い耐性を持つ機体、特にこの超硬質の大太刀の切れ味が異常だ、ISの装甲を簡単に両断できる上にエネルギーシールドも切断可能とはな。」

 

「……前にアガレスに乗っていた時よりもリアクターの出力が上がってる。……データを見る限りこれが本来のリアクター出力なのかも。」

 

「公式戦ではこの大太刀は使用禁止にしといたほうがいいな。最悪操縦者を殺しかねん」

二人はアガレスの機体データを調べておりその性能の高さに千冬は驚愕しっぱなしだった。

 

一夏も以前に比べてスペックの向上している部分に違和感を感じていた。

 

「……」

アリーナの利用時間の終了を知らせるアナウンスが鳴り響く

「アリーナの閉館時間か、織斑帰るぞ」

「……千冬姉、一つ頼みがある」

 

「なんだ?」

「このデータは俺たち二人以外に知られないようにできないか?」

「……不可能ではないが何故だ?」

「IS委員会にこのデータを渡すと、アガレスを手に入れようとしてくる連中が出てくるから最低でもデータを改ざんしておきたい。」

「学園にいる以上ISのデータは開示しなくてはならない。改ざんしたとしてそれが発覚すればそれを理由に、アガレスを接収されかねん。」

 

「なら俺がやるよ。データを書き換えて、それに基づいた性能を再現する」

「それもやめておけ、もしバレたらお前はどうなるか分かるだろう」

「でも、このままじゃ」

「大丈夫だ。お前は自分のやりたいことをやればいい、それを全力でサポートする。それが私たちの役目だ」

「千冬姉」

「だから今はゆっくり休め」

「ありがとう。千冬姉」

「先に部屋に戻ってろ、片づけは私がやっておく」

「分かった」

千冬の言葉に従い一夏は一足先に寮に向かった。

 

「あ、一夏っ!」

寮の廊下で鈴に呼び止められ、一夏は立ち止まる

「どうしたんだ?急に」

「ちょっと聞きたいことがあってね」

 

「なんだ?」

「あんた、女と同室だって聞いたんだけどホント?」

鈴は不機嫌な表情で質問する。

 

「ああ、事情がかなり特殊だから個室を用意できなかったんだと。」

「ふぅん。同室の人誰なのよ」

 

「千冬姉」

 

「え?」

 

「だから千冬姉」

「ええええええっ!?」

 

鈴は叫びながら驚愕していた。

「ち、ちょっと!それホント!?」

「嘘ついても意味ないだろ、事実だし」

 

「ま、まあ確かにそうよね……で、でもさ。やっぱり同室なんて恥ずかしくない?だって姉弟じゃない」

「別に、小さい頃から一緒に過ごしてたんだから今更だと思うけどな」

 

一夏は首を傾げながら答える。

「うーん……そういうものかしら……」

鈴は腕を組んで考え込む。

「他に聞きたいことってあるか?」

「あ!そうだ!!あたしとの約束覚えてる?」

「約束?」

「う、うん。覚えてる……よね」

顔を赤くしながら上目遣いで一夏の顔を見る鈴

「えーと、鈴の料理の腕が上がったら酢豚をおごってくれるってやつか?」

「…………え?」

「料理の腕が上がったらごちそうしてくれる約束だろ?」

鈴は約束を覚えていない一夏に怒り顔面を殴ろうとし、一夏に腕をつかまれ止められる

 

「最っっっ低!女の子との約束を覚えてないなんて、犬にかまれて死ね!」

鈴は一夏の手を振り払い走り去る。その姿を一夏は呆然と見ていた。

 

 

 

数週間がたち、鈴は一夏に対し怒ったままで日増しに機嫌が悪くなっていた。クラス対抗戦の一回戦目の相手は鈴であり一夏は何の冗談だと感じていた。

放課後、一夏と箒、セシリアの三人はIS訓練のため第3アリーナに向かっていた

「一夏、明日以降はアリーナが試合用の設定に調整されるから、実質訓練は今日で最後だな」

「一夏さん今日は無反動旋回のおさらいから始めましょう」

第三アリーナのAピットのドアセンサーに触れドアが開いた

 

「待ってたわよ、一夏!」

ピットに鈴が腕組みをし不敵な笑みを浮かべながら待ち構えていた。鈴の姿を見た箒とセシリアは顔をしかめていた

「貴様、どうやってここに——」

「ここは関係者以外立ち入り禁止ですわよ!」

鈴は挑発的な笑いに、自信満々に言い切る

「あたしは、一夏の関係者だから問題なしね……で、一夏。反省した?」

「は?何が?」

「だ、か、らっ!あたしを怒らせて申し訳なかったなーとか、謝んないとなーとか、あるでしょうが!」

「そんなこと言っても、鈴が放っておいてって言って自分から避けていただろうが」

「女の子が放っておいていてって言ったら察しなさいよ、バカっ!この朴念仁!」

鈴は声を荒げて、怒りをぶつける

「謝りなさいよ!」

「なんでだよ、約束は覚えていただろが」

「あったまきた。どうあっても謝らないっていう訳ね⁉」

「そもそも謝る必要がない、お前が自分勝手に怒ってるだけだろ」

「来週のクラス対抗戦で勝ったほうがなんでも一つ言うこと聞かせられるってことでいいわね⁉」

「勝手に決めんな馬鹿。」

「馬鹿とは何よ馬鹿とは!……ああ、分かったアタシに負けるのが怖いんでしょこの腰抜け!」

「……はぁ?」

鈴の言葉に一夏は怒り殺気を鈴に向ける

「お前さっきから、ごちゃごちゃうるさいんだよ。一丁前の口たたいてんじゃねぇぞクソアマァ」

一夏の殺気に鈴は固まり冷や汗が流れ息が荒くなる。箒とセシリアは一夏を止めることもできずその場に固まっていた。

「勝負は受けてやる、その代わりただで済むと思うなよ」

一夏は殺気を解きアリーナに向かった。

 

 

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