鉄血の一夏   作:ディーノpc35

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第14話

学園の地下、権限を持つ関係者にしか知られていない空間に機能停止したISが運び込まれ、解析が行われていた。解析の間千冬は何度もアリーナでの戦闘映像を繰り返し見ていた。

「織斑先生、あのISの解析結果が出ました。」

「どうだった?」

「はい。あれは織斑君の報告通り無人機です。」

世界中でISの開発が進んでいるが、完成していない技術が使用された謎のISに使用されていた。それは学園関係者に箝口令が敷かれるほどの事実だった。

「戦闘での損傷により機能中枢が破壊され修復は不可能でした。」

「コアはどうだった」

「……登録がされていないコアでした」

「やはりそうか」

確信じみた発言をする千冬に真耶は疑問を呈す

「何か心当たりでも?」

「いや、今はまだない」

そう言った千冬の顔は教師ではなく戦士の顔になっていた。かつて世界最強の操縦者。その現役時代を思わせる鋭い瞳は戦闘映像を見つめ続けていた。

 

 

夜、食堂に箒は一夏に頬を殴られたせいか腫れ上がり頬は赤くなっていて痛々しかった。夕食を食べている時、箒は思い出したかのように口を開く

「あ、あの一夏……」

 

「なに?」

「さっきはその……すまなかった」

「……別に怒ってないから」

「えっ?でもさっき殴っただろ」

「あれはムカついたから殴っただけだよ」

 

一夏は素直に殴った理由を話す。

「ム、ムカついた?」

「そう、理由は簡単だよ。わざわざ喧嘩を売るような発言をして俺の邪魔をした」

「なっ⁉あれはわざとではない‼」

「そっちの事情はどうでもいい。あの状況で敵の狙いが俺に集中してくれたら楽に戦えたのに」

「うっ……」

一夏は淡々と事実だけを述べる

「結果的には敵がアリーナに侵入したときに鈴が近くにいたら俺が守れるように配置することができた。だが、あいつに狙われ続けてたら死んでいたかもしれない」

「それは……」

 

「だから、あそこで標的を俺以外に向ける行為は俺の邪魔をしてるんだよ。分かったか?」

 

「……はい」

 

一夏の正論に箒は何も言えなくなる

「理解したなら飯食うぞ、冷める前に早く食べて寝ろ」

「わ、分かった」

一夏は食べ始め箒も慌てて箸を進めるとすぐに食べ終えて皿を下げた。その後部屋に戻る際に鈴に呼び止められる。

鈴の顔色は優れないようでどこか悲しげな表情を浮かべていた。

「ちょっといい?」

「何の用だ」

「話がしたいの、できれば二人だけで」

 

「分かった」

 

「じゃあ、ついてきて」

 

鈴に案内され、人気のない空き教室に入った二人

「それで、何の話だ?」

 

「あの……あたしと戦ったときのことなんだけど……」

「ああ」

「どうしてあたしを庇ったの?あのとき、あたしは邪魔だからって言われたのに……」

「邪魔だからと言って見捨てるわけないだろ。鈴に何かあったら親御さんに顔向けできないからな」

「……そっか。ありがとね一夏」

「気にするな、大切な友人を見捨てることはできない」

「一夏、約束のことは覚えてる?」

「約束?」

 

一夏の返答に鈴は俯いてしまい声が震えていた

 

「一夏は本当に分かってないみたいだからはっきり言うわ」

 

「私、一夏のことが好き!」

 

「ずっと前から、一夏のことが好きだった。だから、試合が終わったらちゃんと告白しようと思っていたの。でも、一夏が私の気持ちに気づいてくれなかった。だから怒っちゃった。ごめんなさい」

鈴の想いを聞き一夏は鈴に対して本心を語る

「俺は鈴に対して特別な感情はない。だから鈴の想いには答えられない」

「……そっか」

一夏の告白を聞いた鈴は少し落ち込んだ様子だったが、すぐにいつもの調子に戻る

「一夏があたしのことをそういう風に思ってくれてなくても、あたしの気持ちは変わらない。あたしは一夏が好きだから」

「ありがとう、鈴」

「どういたしまして。それと……これからも友達でいてね」

「当たり前だろ」

「それじゃあ、また明日ね」

「ああ、また明日」

 

そう言って二人は解散し寮に戻っていった。部屋に戻ると千冬が待っていた。

「一夏、部屋の調整が付いたから明日から引っ越しを行え」

 

「分かった。荷物をまとめておく」

翌日、一夏は部屋にある私物を段ボールに詰め込み引っ越しを行った。千冬との生活に寂しさを覚えつつ、新しい部屋に足を運ぶ

「……ここだな」

 

新しく用意された部屋に入ってから、一通り荷物の整理をしてからベッドに腰掛ける

 

「これで一人暮らしか。千冬姉、部屋の片づけちゃんとやれるのか?」

部屋を見渡しながら独り言を呟く。

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