鉄血の一夏   作:ディーノpc35

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第3話

一夏が墜落してから数日が経過した。

その間彼は医務室で安静に過ごしながらも、定期的な健康診断や精神状態のチェックを受けていた。それ以外では千冬から入学前の参考書を渡され読んでいた。

今日も昼過ぎになりそろそろ検査開始時刻となったころ、

 

「おはようございます」

 

穏やかな声と共に山田真耶が訪れた。一夏はゆっくりとベットから起き上がり、「おはようございます」と返す。彼女は一夏の容態や日常生活について細かく質問していく。

 

その後、「では今からIS適性検査を行いますね」と告げると二人は移動を始めた。

目的地と思しき扉の前には千冬が立っていた。

 

「おはよう、一夏。準備はいいか?」

 

「ああ、大丈夫だよ」

 

「それではIS適性検査を始めよう」

 

扉が開かれると、そこには一機のISで第二世代型リヴァイヴが鎮座していた。

「このISはIS学園専用で非武装の訓練機だが、それでも十分だ」

千冬は淡々と言い放つ。

 

「まずはこの機体を触れてもらう。それから反応を見るだけでいい」

 

一夏は言われた通り右手で接触した。その瞬間、閃光が走り全身を包み込む。そして内部にはISの情報や基本操作が流れ込んできた。それは膨大な量だったが、頭の中で整理整頓されていくような感覚さえあった。数秒後光は消えた。

 

「どうやら、問題ないようだな」

 

千冬が満足気に言った。

山田真耶も驚きの表情を浮かべている。

 

「えぇ……すごいですよ織斑くん!」

 

一夏自身も呆然としていた。今まで触れただけでここまでスムーズに情報を得られるとは予想していなかった。

「それでは次に実際に操縦してもらおう。ただし、今回は簡単な動作確認だけだ」

 

千冬の指示に従い、一夏は展開された装甲を身に纏っていく。全身を覆うように金属フレームが組み上がり、そしてIS特有の浮遊感が彼を包み込んだ。

 

「ゆっくりと歩くところから始めてみろ」

 

コクンと頷き、一歩踏み出す。思ったよりスムーズな動きだ。次第に速度を上げながら、室内を歩き回る。そして跳躍して空中に浮かび上がると、自由自在に方向転換しながら降下した。

 

「素晴らしいです!織斑くん!」

山田先生の称賛の声が響く。

その様子を眺めていた千冬は無言で腕を組んだまま観察している。

 

「……特に問題は無いようだな。それでは次のステップだ」

 

彼女の口調には厳格さがありつつも確かな喜びが含まれていた。

 

「IS専用武器の取り扱いを試してもらおう」

 

壁際には様々な種類の武器が並んでいる。ナイフや銃火器など様々だ。一夏は慎重に一つずつ手に取り使い方を確認していく。そのうちの一つ、近接戦闘用ブレードを取り出したとき、特に反応が強かった。まるで自分の手足のように馴染む感覚がある。

 

「なるほど……やはりお前には剣の方が合うようだな」

 

千冬が呟く。

 

「そうみたいだな」

 

一夏自身もそう感じていた。それから数時間にわたって操縦方法や攻撃パターンなどを実践し続けた。最初こそぎこちなさがあったが、次第に慣れていき自由自在にISを操れるようになった。

 

「今日はここまでにしよう」

 

千冬が終了を告げる。

一夏がISから脱出すると同時に全身から疲労感が押し寄せてきた。

 

「お疲れ様でした。織斑君」

 

山田先生からタオルとスポーツドリンクを受け取り感謝する。

「ありがとうございます」

 

千冬も満足そうな表情をしている。

 

「正直言ってここまでとは思わなかった。さすがだな」

 

「ありがとう」

 

素直な褒め言葉に少し照れながら応じる。

 

「ただ、これからは本格的な訓練となる。覚悟しておくんだな」

 

千冬は微笑みながらも厳しい目つきになる。

 

「わかってるよ」

 

一夏は真剣な表情で返事する。それから二人は控室へと戻り報告書類をまとめ始めた。

検査後、三人は部屋に戻る途中で話していた。

「そういえば俺が墜落した時に纏っていたISは今どんな風になってる?

 

千冬が立ち止まり答えた。

「その時のISは所在不明の状態だ。墜落時にISを纏っていたのは確かだが解除された後、待機状態になるはずなんだが発見されなかった。」

 

山田真耶も補足する。

「確かに待機状態に戻るはずなのに見つからないというのは確かに奇妙ですね」

 

「まあ、いずれ見つかるさ。今は目の前にある課題に集中することだ、一週間後に入学式がある。それまで基礎知識や学科授業について勉強してもらう」

「……分かった。頑張るよ」

 

こうして一夏の新たな挑戦が始まろうとしていた。IS学園での日常。これまで経験したことのない新しい世界へ踏み出すことになる。

 

 

 




次回から原作一巻の冒頭シーンに入ります。
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