最強の現人神は病んだ転生聖女に付きまとわれているようです   作:2F29くん

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第17話 魔法を行使するには

「魔法とはマナを媒体として事象を改変させる技術なんです。行使するには自身の保有するマナを核とし、大気中のマナで覆うことで安定して高い威力見込めます。例外的に保有しているマナだけでも魔法を使えますが、威力が低くなったり制御する難易度が上がったりします」

 

 そんな風に魔法を使うんだ。説明されるまではピンときていなかったが、もう一度見てみれば要領が分かりそうだ。

 

「そして魔法はイメージと自身のマナの性質によって種類が変わります。ですから、同じ魔法でも使い手によってだいぶ変わるんです。あそこで自己研鑽に励んでいる彼らも、その目的が大きいんですよ」

 

 ただ好きに魔法をぶっ放しているというわけではないのか。この前は魔法の跡が大量にあったから、適当にしているだけだと思っていた。自分の中で認識を修正しなければ。

 

 自分の中でかなり魔法に対しての理解度の上昇を実感できた。それに僕のマナはどんな魔法が得意なんだろう?ミリアは絶対氷関係だろうな。セシルは……よく分かんないや。

 なんて考えていると、こちらにマナが飛んでくるのを感じた。それを神眼で消そうと思ったが振り向くのに時間が足りない。しかも、ただのマナではなく魔法みたいだ。

 

 グダグダ動いている間に、魔法がすぐそこまでやってきている。終わった…と思ったら、いきなり氷の壁が現れた。その壁が防いでくれたおかげで何とか助かった。

 

 その壁を見てみたら、すごい傷がついている。怖すぎでしょ。

 

「ありがとうミリア、助かったよ。さすが姉を自称するだけあるね」

 

 ミリアに向けて最高のお礼を言うと、ミリアはぱっと表情が明るくなった。彼女は任せてといった風に胸を叩く。しかし、セシルの表情は怖くなっている。だいぶ怒っている様子だ。ミリアのことを褒めたことか、魔法が飛んできたこと、どっちだろう。

 

 それにしても、こんな反応速度で壁を展開できるんだ。

 

「すみませ〜ん。制御をミスってしまいました〜!」

 

 遠くからそんな声が聞こえる。こういうことはよくあることなんだろうな…謝罪がすごい軽いから。これに慣れないと。

 

 サヤカ先生は切り替えるために手を叩く。

 

「じゃあ、気を取り直して早速やってみましょう。まずは基礎魔法から使ってみましょうか」

 

「いや、基礎なんて飛ばして初級からやるべき。その方がゼノンには合ってる」

 

 先生の言葉にミリアが被せる。しかも、謎の自信に溢れているから先生も困ってしまっている。僕的には先達の意見に従っておきたい気持ちがあるのだが、どうしましょうか。

 

「セシルはどう思う?僕の魔法デビューについて」

 

「私もミリアさんの意見に賛成です。ゼノン様は神ですから基礎など感覚で出来ます。なので、初級から魔法に慣らすのが良いかと」

 

 先生は悩むようにして言う。

 

「確かに基礎魔法は魔法自体を扱うための感覚を養う意味もありますけど………お二人がそう言うのなら分かりました。初級からしましょうか」

 

 先生は完全に折れてしまった。

 

 結局僕の意見など通さず、勝手に話が進んでいく。どうしても自分の分からない領域になるとこうなってしまう。魔法についての勉強ってどこで出来るのだろう?

 

「ゼノン君はまず氷の初級魔法から行使してみましょう。ミリアさん、お手本をお願いします。私よりもミリアさんの方が精度が高いので」

 

 先生に頼まれたミリアはやれやれといった様子で前に出た。そして、手を前にかざす。

 

「よく見て真似して」

 

【氷石《アイスブロック》】

 

 ミリアの手の平にちょうど収まるぐらいの氷が現れた。

 

 僕はよく見ていてと言われたので神眼を使って魔法の発動を見ていた。 すると、マナが手に集まって核が出来る。それに大気のマナが吸いこまれていった。

 核で魔法の根本を作り、大気のマナで大枠を作る、というイメージで良さそうだ。

 これぐらいなら自分でも出来るかもしれない。

 

「じゃあ、僕もやってみるね」

 

【氷石《アイスブロック》】

 

 自身のマナを目に送ることは神眼を使う時にやっているから、そのマナの移動先を手に変更する。このマナを核として冷たいなどの情報を加えて大気のマナも取り込む。これでどうだ!

 

 魔法を行使した途端"ドスン"という大きな音が響いた。

 

 ごれにはゼノンも含め皆驚いた。 彼の中では絶対に成功したと思っていた。実際、氷の魔法は正常に行使された。しかし、そのサイズが問題だった。ミリアがお手本として出したサイズは手の平サイズだったが、ゼノンの氷石《アイスブロック》はサヤカ先生の身長よりも大きい。もしかすると2m程あるかもしれない大きさだ。

 

 これにはミリアも少し引いている。

 

「ゼノン、マナ使いすぎ。それじゃあゼノンのマナが尽きちゃう。もしそうなったら、一定の時間が経つまで動けなくなるから危険」

 

 その意見にセシルもサヤカ先生も強く頷いている。

 

 優しくミリアが諭してくれているけれど、僕はそんな心配されるほど使ってないんだけど。まだ神眼を使う時の方が多くマナを使っているもん。

 

 

「心配してくれて嬉しいんだけど、僕は全然マナを使ってないよ。 さっき見たミリアと同じぐらいのマナで魔法を行使したんだけど……まさかこんな結果になるとはね。自分でもビックリだよ」

 

 そう言うと3人はさらに驚いたような反応をする。僕も現状をよく分っていないのに、魔法を使える側の人にそんな反応をされても困ってしまう。

 

 そんな中でもセシルはいち早く冷静になった。

 

「説明してませんでしたが、これが神のマナの特異性なんですよ。普通の人とは濃度が違いすぎるんです。だから、まずは制御を出来るようになりましょう」

 

 なるほど、だからゼノンのマナを取り込んでいた魔物はあんなに強かったわけだ。ただの魔物に負けそうになったのではなく、ゼノンのマナのせいだと思うともはや気にならない。

 それぐらい彼からはポテンシャルを感じる。そもそも、一度見ただけで初級といえども魔法を行使出来ることだけ切り取っても偉業だ。

 さすが私の弟。

 

 

 途中までは良かったが、結論は変なことになってしまっている。もう姉がきっちりと板についている。周りからすればミリアは姉というよりは妹にしか見えないだろうけど。

 

「制御はそうだね。これから使う魔法が全部トンデモ威力とかになられると困るから」

 

 これから本当なら自分だけで練習するものなのだろうが、頼れる魔法の先輩がいるのだから制御のコツを教えてもらおう。僕にはそこら辺のプライドはないからね、実力を上げることが最優先だ。

 

 

 

 セシルとミリアの両方から魔法を制御するためのコツを教えてもらった。どっちも言っていることが上手くかみ合わなかったが、結局使うマナの量を調節するしかないようだ。

 どれぐらい減らしたらいいのか分からないので、徐々に減らしていった。そのおかげでマナのコントロールが上達した。もう手足よりかも自由に動かせれるかもしれない。

 

 

 

 ゼノン君が自分で魔法の調整している様子をセシルさんとミリアさんが食い入るように見守っている。彼の魔法はすごい繊細できれいだった。私でさえ見入ってそうになるほどには。

 それにしても成長速度が凄まじい。もう氷の形状で遊び始めている。

 初めはこのクラスで3歳の子供が馴染めるか不安だったが、大丈夫そうで安心した。実力は未だ初級だけど、これからメキメキ上がっていくだろう。生徒の成長を見守れるのは教員の醍醐味と言える。他のクラスの生徒も成長しているが彼はそのスピードが明らかにおかしいから尚更ね。

 

 私がSクラスに在籍していた頃はこんなに生徒のレベルは高くなかったのに。OBとしてはこんな世代に生まれなくて良かったと思ってしまう。

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