聖杯憑依者と戦姫絶唱   作:伽華 竜魅

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①Fateとのクロスオーバー書きたい。
②でも別世界よりかは一つの世界でって感じがいいしなぁ。
③あ、シンフォギア意外といけるんじゃね?

ってノリで書いたので『何でも許せる人向け』のような作品になってます。




プロローグ

 

 

 

 

私はかつて、一つの作品に心を奪われた。

平凡な学生生活を送っていた私は、ある友人の一人、世間でいうアニオタの人にある作品を進められた。

 

『Fate』

 

日本語に訳せば運命と読むその単語による作品があるようで、その友人は私に大きく進めて来た。

それだけに飽き足らず、多くの作品をその友人は私に勧めて来る……まぁ私以外の人にも勧めたりはするけど。

でもその時はちょうどよかったとも思った。

 

最近のテレビはつまらないし、私が見たアニメは全部見尽くしたし、You〇ubeとかも見るものがなくなって来て飽きていたところだったから。

だから見た。そしてそのドハマりという、世間でいう所の沼にハマった。

これらが多く派生し、更に多くの作品がある事にも驚いて、余計に沼にハマっていった。

 

中でも私は、一人のキャラクターに心を打たれた。

 

『衛宮士郎』

 

彼の在り方に心を打たれた。

ルートによっては、その在り方は異なるものの、私にとっては眩しいものだった。

空想上であろうと、彼のようになりたいと強く願い、より多くの派生作品も見たいと思った。

 

ゲームからアニメ、漫画に小説全部を読みつくした。とても楽しかくて、最近の日常はとても優雅だと実感していた。

 

だけど、そんな楽しい日常は唐突に終わりを迎えた。海外から発生した新種のウイルスによって、感染者はインフル以上に苦しい状況、まだ特効薬すらもない故に人によっては死に至る病気が世界中で流行った。

感染者の中には、私もいて、流行り始めた初期の頃に感染してしまった故、対処法すらもなく、その命が蝕まれていき、最終的に死んでしまった。

 

最後の願い…生物的本能では生きたいと願うのが普通だ。

結局私は願ったのは、一度でもいいから、『正義の味方』を目指し、『成れの果ての一つ』へと辿り着いた彼のようになりたいと。

そう強く思いながら、泣きわめく家族を最後に、私の瞼は固く閉ざされた。

 

 

それが――最初の人生の話。

 

 

気が付いた時には、中世辺りの貴族が住んでいる建物内に横たわっていた。

訳も分からず、最初は放心……というべきか分からないけど、思考が止まったのは確かだ。

そしてすぐに起き上がり周りを見渡し、鏡に映る存在を見て絶句した。

 

銀髪紅瞳に小柄な女の子。

 

胎児の段階で、第五次に備えて魔術的操作を受けており、生殖によって生まれたがその生体は人造生命(ホムンクルス)に近いものになって、その副作用として成長は第二次性徴前の段階で停止している存在。

その中に埋め込まれた物の教育と調整を受けつつ両親の帰りを待ち続けて、悪意を吹き込まれた存在。

 

「――『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』………」

 

鏡に触れて映る自分を、彼女を見ながらその名を呟いた。

もしかして、いや、そのまさかだと当時の私は悟り、再び口に漏れ出すように呟いた。

 

「転生の一つ…『憑依転生』……」

 

 

    ※ ※ ※

 

 

とりあえず周りの情報を集めていき、この身に小聖杯があるのも分かる。

つまり私は正真正銘、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン、人間とホムンクルスの半々存在。

私はイリヤとしての筋書き通りを歩み、演じ切らなければならないということだ。

 

だけどなぜ?なんでイリヤに憑依転生した?

 

この憑依転生に意味があってのなくても、私は理解ができない。

これだけがどれだけ情報を集めてもわからない。

 

それにUBWなら、イリヤの心臓が引き抜かれてるから生き返らないし、HFだったら第三魔法として肉体ごと消えているはず。

生き残れる可能性があるとしたら最後、最初のルートであるFateだけ…そこではちゃんとイリヤは生きてる。

前世の知識からすべてのルートの記憶があるから、私が憑依したイリヤがどの世界線、ルートなのかはわからない。

 

そもそもルートによっては行動も変わるから、自分の行動によっては大きく偏ってしまうし……でもとりあえずだ。

 

でもただただ筋書き通りに役目を終えたくはない。

この憑依転生に意味があるのなら、その意味をちゃんと形にしたい。

故に、愚かにも私は個人で行動を起こした。起こしてしまった。

 

小聖杯でありホムンクルスでもあるイリヤの魔力回路は、他の魔術師とは比較にならないほど膨大だ。

加えて小聖杯自体の機能として『理論を飛ばして結果を出す』という小規模な奇跡を行使することができる。

イリヤの魔力で可能な範囲ならば、理屈を知らずとも実現することができるということ。

 

つまり出来るはずだ……士郎の、英霊エミヤの投影魔術を、小規模な奇跡を行使するこの身体なら。

 

早速とばかりに衛宮邸に認識阻害などの魔術を行い潜入した。

まぁ本人たちは学校とかで留守だろうけど、念のためだ。

そして倉庫に置かれている、彼が投影した剣に当たる物を片っ端から集めていく。

 

これらを読み取って、私の前世の記憶、知識と共に小聖杯による小規模な奇跡を行使せば、彼の異様な魔術を、この身に、イリヤの身体に刻んで手にすることだって可能かもしれない。

だけどメイドであるセラとリズにも、身内から敵の全員に悟らせてはいけない……そうなれば筋書きが乱れてしまうから。

 

それでも、私は裏で秘かに前世の知識とイリヤの『理論を飛ばして結果を出す』という、イリヤの魔術回路をも用いて投影魔術の習得を行った。

あの二人に及ばなくてもいい……ただ、憧れの力と同じものを手にしたいという傲慢な思い。

私に本当の意味で、空想であろうと今では現実である憧れの力を、憑依し奪ってしまったこの身であろうと手にしたい。

 

そして小聖杯自体の機能『理論を飛ばして結果を出す』という小規模な奇跡を行使することで――『無限の剣製』の擬き的魔術を手に入れた。

 

でも、彼らが用いる『無限の剣製』には及ばないし、その固有結界そのものの贋作というもの。

更に付け加えれば、贋作の贋作の贋作と言えるものだろう。

それでも傲慢故に私は欲し、己だけの剣として、その内に築き上げた。

 

だけど一度たりとも私は、それを表に出すことはなかった。

 

彼ら、彼女たちの前で使わない、見せない、悟らせない。

表での私は最後まで、イリヤとして在り続けた。

そう……死に際までは。

 

 

    ※ ※ ※

 

 

前回、第四次聖杯戦争時に聖杯の泥を浴び受肉した黄金の英霊……王の中の王、英雄王『ギルガメッシュ』

十二の試練(ゴットハンド)を持つイリヤ(わたし)のバーサーカー……言わずと知れた、ギリシャ神話における最も有名と言っていい大英雄『ヘラクレス』は、この世すべての財を持つ英霊の前に敗れ、止めとばかりに大槍がバーサーカーの胸を貫いている。

 

「あっ…!? …やだ、いやだよ…バーサーカー……」

 

私の…いや、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()にバーサーカーは応えることなく、その目から光が消え、巨体から力が完全に失われる。

 

「せめてもの情けだ。一瞬で逝かせてやる」

 

英雄王が歩み寄りながら告げてきた。

コイツの言う通り、原作通りならこの後殺されて、心臓を、聖杯を抉り取られるだろう……イリヤは英雄王に気付いていないけど、私は気付いてる。

だからこそ筋書き通りじゃない、()()()()()()()()()()()()()……だからこそごめんね、イリヤ。

 

「ではな人形――」

 

すぐに私が所有権を取って動かし、二本一対の陰陽の夫婦剣『干将』を投影してその首に振るう。

でも天の鎖(エルキドゥ)によって私は拘束されてしまった。

それでもと『莫耶』を投影するも、そっちすら天の鎖(エルキドゥ)に阻まれてしまった。

 

だけど英雄王の顔は驚愕に染まっていた。

 

「貴様、それは贋作だな? よもやホムンクルスはホムンクルスに飽き足らず、宝具すらも贋作として真似るときたか」

 

「よくも……よくも()()()()()()()()()()()!!」

 

イリヤにとってだけではない、今となっては私にとってもバーサーカーはとても暖かい、本当にイリヤが言った通りの、一番強い英霊…お父さんのような人だ。

これは単なる足掻きじゃない……少しでもバーサーカーの仇を討るための…私のエゴだ!!

この時の私は…いや、私だけじゃない、イリヤもまた無意識に、バーサーカーを殺されたことによる怒りと悲しみ故に可能にさせていた。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

私が英雄王に抗ったことで、イリヤもまた最後の足掻きとばかりに髪の毛を媒介に使い魔を、天使の詩(エンゲルリート)を生み出す。

私が投影し振るった二振りは抑えられているけどけど、イリヤは髪の毛を媒介に使い魔を造り、天使の詩(エンゲルリート)として攻撃を続けた。

 

「バーサーカー…バーサーカァー!!」

 

「お前を討つ!! 英雄王!!」

 

涙を流し、顔を歪ませながら、天使の詩(エンゲルリート)と夫婦剣を持って、英雄王を殺す(討つ)ために天の鎖(エルキドゥ)から抜け出そうとする。

冷静であれば逃げればいいだろう……だけど、イリヤ(わたし)はできないと悟っている。

だからこそ、抗い、足掻き、バーサーカーの無念を――

 

「――間抜けめ」

 

次の瞬間、天使の詩(エンゲルリート)と白銀を持つ手が、投擲された宝具に砕かれ、貫かれてしまった。

 

「うぁ…痛い…痛いよ……」

 

歯を食いしばっても、イリヤがその痛みに声を漏らしている。

 

「貴様、その人形(うつわ)人格(じが)を二つも宿しているな? 言動に矛盾があるのはそれであろう。ホムンクルスと人間の混ざり物故に、心に歪が生じたのだろうな」

 

そうだよ……普通ならイリヤのセリフに合わせて剣も落とすのが基本。

でも、この時の私たちは同時に身体を動かしているから、情緒が不安定的なものになっているとも言えるかもしれない。

にしてもさすがは最古の王…それすら気付くなんて……。

 

「一瞬で逝けば苦しまずに済んだものを、自身の愚かな行動を恨むがいい」

 

英雄王が吐き捨てた瞬間私の、イリヤの身体は多くの宝具に貫かれてしまった。

あぁ…ごめん、ごめんなさいイリヤ……筋書き通りとは言ったけど、本当はこのまま生きていけるようにもしようと思ったのに、私の愚かな夢追いの行動、私の勝手な行い、私が混ざったせいで、あなたをより苦しい形で殺してしまうことになった。

 

「バー…サーカー…」

 

投影されていた夫婦剣が消え、イリヤは拘束されながらもバーサーカーを見て、手を伸ばしたいとばかりに泣きながら動かしている。

お願い…バーサーカー……まだ、神話を乗り超えられるのなら――

 

「おね、が…い…イリ、ヤを……守っ…てェ…!」

 

令呪を使い、バーサーカーに力と命令を与える。

瞬間――バーサーカーが12回殺されたにもかかわらず消滅せず、神話を打ち破り、再び動き出して天の鎖(エルキドゥ)から抜け出した

 

「何ッ!?」

 

英雄王が驚愕する中、バーサーカーは英雄王の宝具に貫かれても止まることなく、英雄王を殴り飛ばした。そして私の、イリヤの身体を抑える天の鎖(エルキドゥ)を破り、その巨体で守るように抱きしめてきた。

英雄王は声を荒げながら宝具が投擲し、バーサーカーは身体を貫かれるも、私には()()()()()()()()()、バーサーカーは咆哮を上げながら自身の身体を貫く宝具を引き抜く。

 

「――やめろテメェッ!!!」

 

上から声が聞こえた。

あぁ……そうだ。

この時士郎と凛も侵入してきたんだっけ。

 

それに本来だったらもうやられた後に言う台詞だから、それがずれて、ここで来たってことになるのね。英雄王は士郎の方へ宝具を放った。

私はその隙に掠れた声でバーサーカーに命令して、バーサーカーはすぐに英雄王へと迫り、引き抜いた宝具を振るう。

 

英雄王もバーサーカーの首元に宝具を二つ放つ。

 

「■■■■■■――――ッ!!」

 

けどバーサーカーも引き抜いた宝具を振るった。

 

「ガッ――」

 

その宝具の刃は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

合間からは血飛沫が漏れ、英雄王は崩れ落ちる。

英雄王が入ってくるのが分かる……本当に、大きすぎるんだね……。

 

「バー…サー…カー…」

 

英雄王が入ってきたせいか、負傷したこの身体はもう動かすのもままならない。

それでもイリヤはバーサーカーを求め、倒れながらに手を伸ばす。

バーサーカーの身体はもう消滅するように、光を漏らしている。

 

だけどバーサーカーは振り向き、膝を付いて、答えるようにイリヤの手に伸ばし、触れさせてくれた。

 

「…よかっ、た……ずっと…そこにいて…ね…バー……サー、カー………」

 

それを最後に瞼を閉じていき、その閉ざされていくことで見えなくなっていく視界の中、バーサーカーが消滅したのが見えた。

 

あぁ……ごめんなさい…イリヤ(マスター)が生きて行けるようにしたかったのに……少なくとも、死なずにすむようにしたかったのに……ごめんなさい、ごめんなさい…!

 

私のせいだ…英雄王を殺せても、イリヤ(マスター)が生きていかなきゃ意味がないのに…私の、私のせいでイリヤ(マスター)は本来以上に苦しんでしまった…苦しませてしまった…死なせてしまった!!

 

ごめんなさい…ごめんなさい…!

私が傲慢にもあなたの身体を好きに使って、覚える必要もない魔術を覚えさせたせいで…!!

満足したらもう干渉せず、ただただあなたの最後を共にするために、静かに見続けるつもりだったと甘い考えをしたせいで…!!!

 

ただ私は、この未来(さき)……――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

イリヤ(マスター)の意識が消えていく中、私もそれに共鳴するように消えていくのが分かる。

そんな薄れていく意識の中、魔術回路が動き出したのを感じた。

士郎と凛らしき声がボソボソとした感じで聞こえるけど、何を言ってるのかわからない。

 

それに身体が熱い……暗いはずのどんどん視界が白くなっていく。

僅からながらに瞼を開ければ、私の、イリヤの身体を包み込むように純白の光が出ていた。

 

 

――あなたも、私のためにありがとう……。

 

――だから『マスター』として、あなたの『願い』…叶えてあげる。

 

 

――微かに聞こえた声と共にイリヤ(わたし)は、溢れ出て膨張した純白の光に包み込まれた。

 

 

    ※ ※ ※

 

 

第五次聖杯戦争(2004年)から長い年月が過ぎ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

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戦争は終わった。だが無関係の人々への被害は終わらない。

それは単なる事件でも、戦争でもない。

今では災害と言える現象、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

さらにその悲劇に遭い、生き残ったとしても、待っているのは地獄のみ。

他の者たちから怒りを、憎悪を、恨みを、全てをぶつけられ、最悪死へと追いやる。

そんな生きるだけでも厳しい世界のとある場所で、それは行われていた。

 

星々が輝く真夜中に大地は人工物による光が照らされている。

その一か所、緑と森が生い茂げり、草原が広がる場所。そこに聖遺物を兵器とし身に纏う少女が二人、そして一つの完全聖遺物を纏い、一つの完全聖遺物を手に持つ少女が一人、彼女たちは互いに対立している。

 

ガングニール(グングニル)』を纏う『立花響』

『天羽々斬』を纏う『風鳴翼』

『ネフシュタンの鎧』を纏い『ソロモンの杖』を持つ『雪音クリス』

 

響は人と人とが分かり合えると信じており、分かり合えず争う光景を拒み抑止を試みるも、他二人は馬鹿げていると否定し、争い続けていた。

 

 

「――ねぇ、お話は終わり?」

 

 

その言葉を耳にした三人は、全員が声の方へと振り向く。

雲に隠れた月が再び姿を露にし、暗く見えないその場所を照らし現す。

 

――一人の小学生ぐらいの少女が立っているのを。

 

気品のあり、一般的には見ることはあまりないだろう、貴族の衣服を身に纏い、周囲には小鳥サイズの使い魔が二匹寄り添うように飛んでいる。

 

「こんばんは、お姉ちゃんたち」

 

その少女に対し、彼女らは何故ここに、いつの間に、そもそも何故そのような恰好をしていると、疑問が多く生じる。

そしてネフシュタンの鎧を纏うクリスが「なんでここにいる、ガキは帰れ」とまるで巻き込みたくないように告げた。

しかし少女は聞く耳持たず、スカートを摘み、頭を軽く下げて挨拶を行う。

 

「私はイリヤ――()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

少女は()()を細め微笑みながら、無邪気に歌うように――己の名を告げ暴露した。

 

 

 

 





過去に諸事情により削除した作品を元に作成した新作のような感じでもあります。

もしよければお気に入り登録と評価、感想の方よろしくお願いします。
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