正直言います。
今回の内容、もう流れとかいろいろ考えず、ただただ巫女を追い詰めるがために書いたようなものです。
なので謝罪を、誠に申し訳ございません。許しを請うつもりは微塵もございません。
弦十郎との戦いに苦戦を強いたげられたフィーネは、辛うじて隙をつくことで勝利し、デュランダルの保管されしエリアへと踏み入る。
その施設に大きく関わるものである故、その操作権限にないもにはない。
既にプログラムしていた起動させるがため、慣れた手付きにて起動させる。
「目覚めよ――天を突く魔塔。彼方から此方へ現れ出でよ!」
すればデュランダルが起動し始めた。
「ッ!」
されど――
「なんだこの寒気は…私が怯えている? いや、これは……まさかネフシュタン?」
巫女と融合せし青銅の蛇は、既に来たる脅威に恐怖を抱いていた。
※ ※ ※
カ・ディンギル地下最深部。
その地に今、複雑で膨大で、悍ましい程に禍々しい程の赤い、紅い、赫い幾何学模様の魔法陣が蠢く。
して中央には一人の少女が蹲りながら、
その壁画の破片と魔法陣より溢れ出る異なる魔力が、少女へと侵入し、同時に稲妻が周囲へ伝播し感電させる。
すれば蘇生のルーンにて死より蘇りし肉体は。
半分が生命の理と異なる創造にて作られた肉体は。
願望の小さき器であるその肉体は。
半分が人であるその肉体は悲鳴を上げる。
聖杯を通し座に繋がる。
身に置換させ、経験を憑依させ、力を投影する。
「ゔ、ぁ”…ぁ”ぁ”あ”あ”……!!!」
憑依させるはギリシャ神話の怪物にして三人姉妹の末妹。
置換にて取り出しし触媒は髪と蛇が混じった壁画の破片。
この身全てに流し込むは『
――
――
――
触媒を糧に接続するは――英霊にあらず神霊。
故に純粋なる半人と成りし半人形にはない。
穢れなき魂であり、生まれながらに背負った原罪はない。
故に神と匹敵する霊を、神霊を。
堕ちし神を、純粋なる神と成れる。
召喚を拒否し、その身に繋げ宿し成す。
この身は今宵、魔獣へと変貌したゴルゴン三姉妹の三女となり。
魔獣の女王と呼ばれ、姉達を取り込み複合神性と化した
「
地に飛び散りし血が魔法陣成り。
黒き汚染の泥にして
歪に生まれ、死を経験しその肉体を神聖にして堕ちに堕ちた神と成す。
黄金の鱗と尾を生み出し、呪いの如く手足は獣となり黒く染め、黄金の爪を尖らす。
美しき白銀の髪は伸び、毛先纏まれ一匹の蛇成り。
その瞳に宿られし魔眼は封じるがため、両目ともに隠す。
すれば隠されし目を天へ向ける。
すれば赫く黒き魔力が溢れ、復讐者を戦場へと再び送り出すがため、飛び立つ。
※ ※ ※
「な、なんだ…!? 何が起きている!?」
荒れ狂うが如く揺れる塔。
先の青銅の蛇が抱いた恐怖に疑問を抱きながらも、地上へ向かっていた巫女は困惑を隠さない。
否、己が自身も先までは塔の起動によるものだと思っただろう。
しかしそれでは誤作動になる。
まだ塔そのものは動かしていないから。
故に今荒れ狂う揺れは別のもの。
脅威は既に排除済み。
残るシンフォギアのみ。
「どうしたネフシュタン!? 何を怯えている!?」
蛇であるそれは本能が恐怖か、それとも別の何かを抱き訴える。
巫女は理解できず吠える。
瞬間、彼女の足元に亀裂が入る。
気付いた巫女は身構えるが時すでに遅し。
崩壊と共に現れしは憎悪と呼べし魔力。
その魔力は巫女を叩き、そのまま天へと押し通す。
何度も、何度も、何度も、何度も。
天井を砕き押し続け、地上へと目指す。
巫女はその猛攻に空気を、やがて血を吐き散らす。
ついには太陽が沈み、紅く染まりし月が露す夜空と、荒れ地と成りし音楽院の地上へと出た。
巫女は地に叩き落とされ、血と鎧の破片を飛び散らす。
して魔力の塊は地に着き、魔力を解いて真に姿を露さん。
「ゴホッ…! ケホッ…!! きさ、まは……何、者だ…!?」
巫女は再生せし肉体を動かし立ち上がる。
「それに、禍々しい気配は…何なのだ貴様はァ!?」
立ちふさがりし者が放つは魔獣の覇気。
巫女はネフシュタンの鎧と一つに成りて不滅となった。されどその覇気は偽りなき真そのもの。
まさに蛇を纏いし巫女の前に立ち塞がるは――己を大蛇を使役し扱う複合神性の
幻覚だろうか、そう思う程に巫女の視界に映る怪物の周囲は憎悪が溢れている。
侵食とばかりに地の中を蠢き、彼女の四肢を付けるその地にのみ。
赤い泥のような液体が水だまりの如く溜まる。
それは少女でも、魔術師でも、英霊でもない――
「ハァ~……!」
吐かれし、詰まりこまれた吐息。
尖れし白牙と口より漏れし液体。
目の前の獲物を狙わんとする捕食者。
そして内に秘める、この世全ての悪による――成り果てた哀れな復讐者。
「今宵、
神を食い殺し、複合神性を得て神にも等しい、神霊とも言えよう怪物に成り果てた少女――
「まさか貴様…アインツベルンか!? ありえない…心臓は確かに穿いた!! 死をこの目で見たはずだ!!」
「……」
「何故生きている!? そしてその姿はなんだ!?」
巫女は吠え、怪物へ問う。
それを怪物は見下すが如く、冷たき眼を向ける。
最も、その眼は両ともに隠されている故巫女は気づくよしもないだろう。
「先史文明たる巫女が、この身に成り代わり憑依させし存在に気づかぬとは……やはり恋焦がれ何も見えない愚か者のようだな」
吐き捨てるは格下。
下級にして雑種である愚かな種族に興味がない言葉。
「まぁいい。今より行う残虐に耐えた時、答えは得よう」
「………――ッ!?」
凶器の足を踏み、地を砕き蹴る。
すれば瞬きする間もなくして、怪物は足を構えながら巫女との距離をゼロにする。
気付き時には既に金鱗に覆われ、黒く変色した凶器の足爪がその首筋を叩き砕く。
息する間もなくして巫女は地に叩かれ、土と瓦礫、煙と共に己が血を撒き散らした。
自身が攻撃され、叩き蹴られたことにようやく気付いた巫女は
だが
「カハッ…! まさ、か…貴様……その力、その姿…は…!!」
その正体に気づいたのか、血と空気を同時に吐きだしながら眼睨む。
「蛇の髪…石化…人と似た肉体でありながら蛇でもある存在……」
再生せし肉体により、言葉を発する巫女はその正体を告げる。
「女神メドゥーサ……いや、それは――蛇の怪物ゴルゴーンか!?」
それは神から怪物と成り果てた神話の存在。
青銅の蛇が怯える真実もまた理解した。
今や相手は神話にのみ存在せし者。
されど何故?何故??
特異な力を持つ末裔がその怪物と成った?
巫女は脳を最大限に動かす。
だが正体を言われし本人は、眼帯をしている故目元は見えずとも相手を認識している。
して問答無用――
「――ガッ!!!!!!!!!!!!」
怪物は凶器の足先を天へ掲げ、その再生し続ける肉体、腸へと振り落とした。
激しく飛び散る血は天を舞い地上へ、そして蹴り貫いた本人にもこびり付く。
口元にも付いたその血を、舌を出し舐め取れば味の感想を呟いた。
「――人じゃないからか、美味しくないな」
「ゴホッ…! なぜ、どうやって…ゴルゴーンに!?」
「神を殺す者は神殺しと異名を授かる。それが人やその武具だけと思ったのか
蛇にまつわる神殺しの一つは『主神トール』。
北欧神話の雷と農耕の神であり最強の戦神かつ主神トールが愛用する武器。
「打ち砕くもの」を意味する名を持っている。
そんなトールはかつて、「ミズガルズの大蛇」とも呼ばれし大蛇『ヨルムンガンド』を戦いの末、殺害している。
しかしヨルムンガンドは最期の足掻きにて、トールに毒を吹きかけた。
トールは九歩の交代後、毒によって死亡し相討ちであると語られた。
それを知らぬ巫女は絶句を露とする。
「とはいえ、この身が成ってる怪物は貴様が言う通り――
「巫山戯るな……神話の、呪詛を持ってなお、
「それは確か、かつては共鳴と調和を持ち、統一言語として世界は汚穢なく美しかった…だったか?
金鱗に覆われている尾にて、再生し続けようとも蓄積された痛みはあるのか、動けぬ巫女の首を締めあげ持ち上げる。
「この…ッ!」
巫女は杖よりノイズを召喚させ襲わせる。
しかし蛇と成りし髪がノイズを一匹、一匹と食い殺す。
――時は来た、巫女を深淵へ堕とすときが。
「いい機会だから教えてやろう。
「――は?」
「
「どういうことだ…!? なぜ貴様があの方の名を…!?!?!?」
「そんなもの疾うの昔に得たものだからだ」
今目の前にいるはもはや怪物と成った末裔ではない。
本能が逃げろと叫ぶが巫女は吠える。
何故と何故と何故と。
「何故…貴様が……」
「ついこの間のことだ。私はとある計画のためにこの身に刻まれし原罪……
「ッ!? な、に……そんなことが、出来るわけがない!!! バラルの呪詛は神より受けた罰だ…現に! この私も持っている!!」
「確か
やめろ、やめろ、やめろ。
何故かそう本能が叫ぶ。
これ以上叫ぶなと、巫女の内なる本能が荒れぎ叫ぶ。
すれば怪物は巫女を投げ捨てる。
巫女は立ち上がり荒れ叫びながらにノイズと
「見るに堪えんな。蛇はともかく、杖は使い方がもっとあろうに」
凶器の四肢を地に着かせ、蛇の髪と尾を蠢きさせる。
瞬間、その全てを一瞬の動きにてかき消し防いだ。
「お前は……お前は一体誰なのだ!? いったい何者なのだ!?」
「……
すれば怪物は巫女との距離を詰め、その首を砕くが如く掴み上げる。
「あっけないものだな、巫女よ。興が冷めるがまぁいい。先の続きを語ろう」
して怪物はさと当たり前のように告げた。
「――バラルの呪詛は、
「――ッ…!?」
告げられし、自身すら知らない事実。
だが所詮作り話と言い聞かせよう。
されど愛するかのお方のことを知ることは不可能故、このような騙し事は出来るはずもない。
「もう一つ、真実を教えよう」
怪物はそれでも告げ続ける。
「『アガートラーム』…その名を付けられたあの白銀の腕は、
「 」
「
「――怒りと殺意と言った憎悪だろうな」
絶望…ただそれだけ。
嘘だ嘘だ嘘だとその言葉だけが駆け巡る。
しかし酷く響くように、先の怪物の言葉が何度も何度も何度も流れ込んでくる。
その表情を見た怪物は、眼帯故に目元は見えないもののその口だけは大きく両の口角が上がっている。
うまくいき嬉しそうに、自身の予想以上の結果であることに歓喜するように。
それはまさに愉悦そのものの感情。
「(いい顔…あぁいい顔!! いいわその顔! 公式でも、ありとあらゆるファン作品でも、こいつをここまで追い込める展開はない、もしくは少ない! アハッ♪ アハハハハッ!♪)」
戦闘の意思が、戦意が喪失した
その杖を蛇が噛み取り、持ち上げる。
「死んで遭いたいと思っても、
その言葉が止めとなったのか、フィーネはついに声すら漏らすことなく、重力に従い身体を自由にするのみ。
「だけど感謝している。
杖を蛇より受け取った怪物は、自身の魔術回路と杖を繋げる。
聖杯より通させしは皮肉にして憎き太古の王。
すれば杖はその機能を拡大・拡張させる。
「真なる名を解放せよ――
怪物と巫女を囲うように、
それはまさに太古の王、英雄の王、憎き王が扱う力。確認を終え一度宝物を閉じ、巫女へ告げる。
「なに、安心するがいい。
その顔はただ無表情に涙を、とても不潔な液体を漏らすばかり。
だが彼女にとっては愉悦。
そんな彼女に寄り近づく足音が三つ。
「――ようやく来たか」
凶器の足にて九十度曲がり、眼帯で隠れているがそれでも見据える。
振り返え、見据える先に立つは今も、先の生末でも英雄譚と語れる戦姫たち。
されど戦姫たちの表情はまさに怪物にとって愉悦。
戦姫たちは絶句・絶望・恐怖の三つが混ぜ込まれていた。
「イ、イリヤ…ちゃん…?」
「
戦姫たちは絶句する。
怪物がもはや動く気力すら失った巫女を見て。
すれば魔弓がその巫女の名を呟く。
「あぁコイツか? 何、先に殺し合った末、精神が先に死んだだけだ」
「あれがフィーネ……だと?」
「あぁ…アイツがそうだ。だけど…こんな……」
凶器の爪が首に刺され血を流す巫女。
事の現況である主犯が追い詰められている。
その予想外の事態に戦姫たちは困惑していた。
そんな中、撃槍は怪物へ問いかける。
「い、イリヤちゃん…なんだよね? ……ね、ねぇ、他の皆は? ここ、学校なの。未来は? 師匠は? みんなは?」
「知らんよ。シェルターにでも避難してるのではないか? 最も、死んでいようといまいと私には関係ないがな。最も、櫻井了子はコイツでもあるがな」
「え?」
怪物はもはや言葉すら発する気力もない巫女に変わり、本来なら語る過去より巫女の事実を語る。
「今ではこいつはフィーネであるが、元は櫻井了子……だがそれも先だって食い尽くされた。否……意識は12年前に死んだと言っていいだろうな」
その者は遺伝子に己の意識を刻印し、自身の血を引くものがアウフヴァッヘン波形に接触をする時、その身にフィーネとしての記憶能力が再起動する仕組みを施している。
これは
して櫻井了子は、12年前にて絶刀が、風鳴翼が起動させた天羽々斬の発するアウフヴァッヘン波形を浴び、櫻井了子のうちに秘める意識を呼び覚ました。
結果櫻井了子の精神は死に至り、巫女たるフィーネに乗っ取られた。
「そ、そんなことが……」
「まるで過去から蘇りし亡霊……だが、櫻井女史がフィーネと成った姿を私たちは見ていない! 戯言の可能性もあるだろう!?」
「そうだな。なら聞けばいい…なぁ
怪物はかつては敵である魔弓へと問いを投げる。
それに釣られ撃槍と絶刀が魔弓へと向き、魔弓は己の口を静かに開け、真実を告げた。
「アイツが櫻井了子の姿をしていたのは本当だ……だけどそんな力、それこそ意識を乗っ取るようなことは知らなかった!!」
「そうか知らなかったか。まぁ所詮、この巫女にとっては駒に過ぎないということだ」
「ッ…!」
瞬間、撃槍は口を開く。
「イリヤちゃん……イリヤちゃんは何でこんなことをしてるの?」
「貴様らに答える気などない……そして時は満ちた」
その言葉は合図。
怪物の背後にて二課の施設が崩壊していき、巨象の塔にして砲身が姿を現す。
「こ、これは……!?」
「これこそが地より屹立し天にも届く一撃を放つ――
「これが、フィーネの言ってたバラバラになった世界が一つになるやつだと……!?」
「然り。今宵の月を穿つことによって巫女の悲願は成される」
怪物は巫女が本来語るものを語り続ける。
そして月を穿つ目的もまた語った。
フィーネの真なる目的を、神の罰より受けた呪詛を。
その全てが月であり、月こそがバラルの呪詛を発生させていることを。
「語りもここまで。そろそろ始めようか」
すれば怪物は
して巫女へと躊躇なく突き刺し、巫女は吐血する。
躊躇なき行いに戦姫たちは驚愕する中、それは起こった。
巫女と融合せし青銅の蛇は、黄金色が消え白色へとなり、融合しているその肉体と分離を始める。
あらゆる魔術を初期化するその力は、異端技術でもある青銅の蛇と先史文明の巫女の融合をも解くことができる。
そう怪物、イリヤは考えていた。
そしてそれは可能であることが今、定められた。
イリヤは爪を後頭部へ、眼帯へと伸ばしその留め具を取り外す。
すれば眼帯は錘の如く地に落ち、その瞳を戦姫たちへ向ける。
「ッ! あ、赤い…目……!?」
露にされた瞳は色を失った灰ではない。
血に染まり、憎悪を抱き、殺戮せんとばかりの赫。
赫、赫、赫、赫赫赫赫赫…赫き魔眼。
赫き魔眼を露にし、純粋にして最高な笑顔を露にしたイリヤは告げた。
「――この身を
瞬間――
融合から解かれ、先までの振るえは恐怖ではなく歓喜出会った
「――今宵のみの許しとし、その名を告げる」
「名をフィーネ――終焉を誘いし代行者なり」
そして――
Q.口調が変な風になってますが…
A.ゴルゴーンをインストールした影響がにじみ出ちゃってる感じなのが半分で、フィーネを虐めるために自分から変えてるのが半分な理由。
つまり愉悦を行うための必要条件ということ。
Q.これ今後の展開大丈夫なの?
A.歪になろうとも無理くりにでも繋げます。
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