聖杯憑依者と戦姫絶唱   作:伽華 竜魅

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とりま、憑依者が介入しない部分は大体カット+ダイジェストに路線を変更。
その分結構話は飛んじゃってる部分はあるけど、許してくれ…泰山麻婆豆腐奢りますのでどうか…!!




贋作者擬きと弓使い戦姫

 

 

 

 

ノイズの襲撃によって人は既に一人残っていないものの、電気、ガス、水道が取ったままの半廃墟と言えよう街の一つ。

 

「――あ~! また負けた~!! もうこのゲームおかしいでしょ!? 絶対クリアさせないように作られてるわ!!」

 

イリヤはそのアパートの一つを借りの拠点とし、その部屋の家主の私物であろうテレビとコントローラーを起動させ、中に入っているゲームをしていた。

 

「これを最速で終わらせてるって……ここの元家主は絶対RTA走者だわ…! てか何よ! こんな難しすぎるのを最速で終わらせてるって!? 人なのそれ!? 本当に人なの!?」

 

両手に持つコントローラーを上下に振りながらゲームに対して愚痴る姿は子供。

だが今はギャク作品ルートのようなものだ。

※憑依者はゲームが上手いか下手かで言えば下手なほうです。

 

「ぐぬぬっ…次は絶っ対に勝ってやるんだから!!」

 

コンテニューを行い再度チャレンジを行う。

だがこんな少女がついこの間トッキブツたち相手にデュランダルを強奪したとは、到底信じられない。

しかし彼女の横には戦闘のさなか、覚醒(きどう)したデュランダルが収納されているケースが置かれている故事実………まさに見た目で判断しずらいとはこのことを言うのだろうか。

 

「えっ!? 噓!? ここで電池切れ!?」

 

「充電してください」と、画面が静止して容赦なくコントローラーの電池切れを表示させイリヤは驚愕する。

今回は行けそうかもしれない所まで巻き返したんだ!絶対に勝つ!とばかりに急ぎコントローラーの中の電池を取り出す。

先に中身を見てから探したほうが効率がいいと分かっている。

 

「……へぁ?」

 

しかしコントローラーに使われていた電池を見た途端、イリヤは間抜けな声を漏らし、震えながら電池を取り出し見つめ、その気刻まれている名前を見る。その電池に書かれているのは――「Eneloop(エネループ)」。

 

「――エネループゥゥウウ!?!?!?!?」

 

イリヤが愛用している電池。

その電池に逆に愛されているのかもしれない。

そんな電池のの名を絶叫と共に呟く。

 

 

――エネループと!!

 

 

    ※ ※ ※

 

 

ダンッ!!と、激しく机が叩かれ、無残にも散らばっている書類などが浮き、机から離れ足元へと落ちていく。

 

「巫山戯るなよ末裔風情が……! なぜ貴様がかの伝説、アーサー王の聖剣を…ケルト神話の英雄の魔槍を持っている…!?」

 

巫女が怒り…憤怒を漏らしていた。

それはつい最近、デュランダル輸送作戦にて予想通り乱入してきた、自身の協力者でもない第三戦力。

脳裏に映るは歪に加工し矢となった歪な聖遺物の数々、ケルト神話の魔槍に、その身を理屈不明の姿変貌と共にアーサー伝説の聖剣を扱うイリヤの姿。

 

そしてデュランダルを凌駕し、終わったとき既に、デュランダルはその異分子(イレギュラー)の手に渡った。

渡ってしまった。

 

本来であれば秘密裏に造り上げていた荷電粒子砲(カ・ディンギル)の、放出に必要はエネルギーをデュランダルの無限のエネルギーにて行うはずだった。

だが肝心のデュランダルは異分子(イレギュラー)の手に渡ってしまう事態に陥っている。

未だその居場所は、トッキブツの情報収集力をもってしても叶えていない。

 

「何故ソロモンの杖を狙う? 何故デュランダルを奪った? 貴様は私ですら手にするに至らなかった聖遺物を所持しているであろうが!!」

 

自身をもまだ見ぬ、知らぬ聖遺物を異分子(イレギュラー)はより多く所持しているはずだ。

にもかかわらず、傲慢にもさらに聖遺物を手にしようとしている。

その在り方にフィーネは憤怒を、憎悪を隠せずにいられない。

 

「……デュランダルは必ず奪い返す。愛しきあのお方に会うがためにも」

 

計画は必ず実行させると、その表情を露にしながら、今ここにはいない異分子(イレギュラー)を睨む。

 

 

    ※ ※ ※

 

 

時は流れ夕方。

半廃墟を借りの拠点としていたけど、そこいらの電気や食料は後々から押し入ったであろう、難民の人達に回収されたせいで何もない。

故に結局人のいる街まで来て、エネループを買う羽目になった。

 

ただでさえ貧乏なのに…アインツベルン城にわずかに残った財産とマキリから半端強引だけど貰ったお金がもうじき尽きかけちゃう…!!

投影した武具を売りさばくと、そこからトッキブツが嗅ぎつけてくるからな~……。

 

「エネループも投影できるのかな……いや、士郎(シロウ)と比べて聖杯を使って真似てるだけだもん…贋作の贋作の贋作なんだから出来っこないか」

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)もアレも、聖杯があったからこそできること。

言い換えれば結局私は最終的に奇跡を行使しているからこそ、オリジナルに近しく成すことができる。

いやだったらエネループぐらい簡単だし、なんだったら電池切れを満タンにできるだろって思うけど……そんなことで一々魔力使いたくないしな……あぁでもお金も…!!

 

「うぉぉぉぉ…!! 魔力とお金で天秤がかけられるゥ……!!!」

 

するとギュルルとお腹が鳴り出した。

そういえば、朝もおにぎり一個しか食べてないっけ……あぁ、またラーメンでもいいからお腹が膨れるのを食べたい…セラの料理が恋しくなる……うぅ…。

 

「…?」

 

トボトボと帰ろうとしたら、私と同じように一人で歩いている女子生徒に目が行った。

普通ならそんなことないけど、黒い髪に白いリボンをしているから……あぁ、彼女は。

 

「――アハッ…♪」

 

普通のイリヤなら……いやまぁ公式の全40箇所用意されているBAD ENDは堂々の二位だし、「イリヤ無双」「悪魔っ子」「鬼畜ロリ」「士郎キラー」って言われるぐらいだから、ちょっと行き過ぎても(やりすぎても)いいよね。

 

後ろから回って、チョンチョンと背中を触れる。

すると彼女は驚きながらこっちに振り向いた。

 

「こんにちは! お姉ちゃん!!」

 

「あ、あなたは…えっと…だ、誰?」

 

主人公の最も隣にいながら、その出番はどっちかというと少ないとも言える陽だまり――『小日向未来』

 

「私? 私はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。長いからイリヤでいいよ」

 

未来の周りを動きながら、無邪気に笑ってなのる。

そんな私に未来は困惑していた。

 

「それでお姉ちゃんの名前は? 人に聞いておいて名乗らないのは失礼だよ?」

 

「あっ、えっと…こ、小日向未来……」

 

知ってる、うん知ってる。

無印からXVまで、主人公の傍にいては何かと主人公を曇らせる原因にもなる。

そしてXVではラスボスの器になる、彼女にとっては最も暖かい陽だまりであると同時に、追い詰める一番の玩具(おもちゃ)

 

「未来お姉ちゃんって言うんだ! ねぇねぇ、そんな暗い顔してどうしたの? 私でもわかるぐらい落ち込んでるようだったけど?」

 

「え? あ、えっと……」

 

「ん~? あっ、もしかして子供だから話しても分かってくれないとか思ってる? ひっど~い! こう見えても私、頭は良いんだよ!」

 

「えっ? いや、そういう意味じゃなくてね…その……」

 

イラッ…いいから話しなさいよ。

実際こっちはあなたよりも大人なんだから前世含めて実年齢も知識も。

仕方ない…ちょっとだけ、本能を話すように、微量な暗示をっと……。

 

「『今思っていることを私に話しなさい』」

 

「…? その、響…私の大切な人のことで……」

 

おぉ効いた効いた。

しかも大切な人って…やっぱ無印の時点でもう重傷じゃん。

とりあえず近くにあったベンチに座ってっと。

 

すると未来は転々と語っていった。

幼馴染であり太陽である立花響のことで思い悩んでることを。

 

「ふ~ん…つまり未来はその響って子の隠していることを話して欲しい。隠さずにいて欲しい。離れないで、ずっと傍にいて欲しいってことだね? 要約すると」

 

「うん……響、最近修行とかボランティアとか言って、早朝や深夜にまで出かける時があるから……今まではなかったし、ましてや修行なんて言葉、無縁と言えるほど言わなかったのに……」

 

まぁ確かに、普通音楽系の学校に通う子ならレッスンとか練習としか言わない。

修行なんてそんな武術系に当たる練習言葉を使うことはないものね。

 

「でも今どきの子…高校生ぐらいの子って夜遊びとかもするって聞いたけど?」

 

「よッ…!? そ、そんなことしないよ響は!! ただ、人助けが好きな、度が過ぎるほどのお人好しなだけだから……」

 

そりゃそうだ…士郎と同じような子だ。

夜遊びなんて、そんなの18禁同人誌ぐらいで犯される側でしかないもんね。

んじゃあそろそろ言葉で曇らせてあげ――……ッチ。

 

「ッ? イリヤちゃん?」

 

ベンチから立ち上がって、髪の毛を媒介に天使の詩(エンゲルリート)を造る。

まぁでも、一般人を精神的に一気に追い込ませるならこっちのほうが手っ取り早いか……。

 

「一つだけ教えてあげる。その響って子がやってるボランティアね、ボランティアじゃないの」

 

「えっ?」

 

「あの子が積極的にやってるのはね――血が染まった戦い…そう、小さな戦争よ

 

振り返り、微笑みながらそう言えば未来は訳が分からないとばかりと、困惑する。

すると森の奥からネフシュタン……クリスが出て来た。

 

「見つけたぞ」

 

「あら、随分大胆ね。てっきり不意打ちでも仕掛けてくると思ったけど? もしくはこっちの子を巻き込みたくないってところかしら? 笑えるわね」

 

「あぁ!? テメェ何言って――」

 

「――ソロモンの杖を起動させて、今に至る全てのきっかけを作った本人が、偉そうにって思っただけよ」

 

ハッキリと言えば、クリスはバイザーで顔の半分が隠れてるとはいえ、歪ませてるのが分かった。

 

「イ、イリヤちゃん…? あの子は……」

 

「言ったはずよ。今私がやったことを、響お姉ちゃんも介入してるってこと。あの子はね、人助けをするために他の人達を傷つけてる……そして今目の前にいる子もそうよ」

 

未来へ振り返り、そう告げた。

すると未来の顔は若干恐怖に染まって、そこから立てずにいる。

ふふっ、いい顔…まぁ、やろうと思ったことは出来なかったけど。

 

「でも今回は見逃してあげる。さっさと逃げることね」

 

陽剣を投影し、歩み出す。

 

「デュランダルはどこだ。渡しやがれ」

 

「ならソロモンの杖を寄こしなさい。アレはあなた達のような、ただ聖遺物の力に頼るだけの落ちこぼれに使える代物じゃないわ」

 

「ハッ! それはお前もだろうが!!」

 

クリスは後方にいる未来を巻きこまないようにネフシュタンの鞭を振るってきた。

それを防いで弾き返す。

 

「……?」

 

ノイズを出してこない……あっ、そっか。

本来だったらここで主人公が鉢合わせになって、未来にバレちゃうのと、その時のクリスは杖を持っていないんだ。

てことは……どっかに潜んでる可能性が高いわね、あの巫女が。

 

もう片方の剣も投影して、一気に詰めて振るう。

クリスはそれを防いだ。

 

「チッ…!」

 

「自分から仕掛けた癖に、随分と余裕がなさそうね!」

 

「うるっ…せぇ!!」

 

弾き返された勢いでそのまま跳躍し、黒弓と矢を投影、そのまま連続で引き放つ。

クリスはそれを避けていく。

 

「クッソ…!! (ドンくせぇのと人気者と違って、やっぱこいつが手ごわい…!!)」

 

やっぱり遠距離特化の『イチイバル』を持ってるだけあって、それらの対策は意外とできるみたいね……ふふっ。

 

「本気で来ないのかしら? 貴女、見た感じ接近戦はあまり得意じゃないでしょ?」

 

「…ッ!」

 

「そういうこって大抵遠距離を得意とする。接近戦をしようとするにしても、それはあくまで接近された時のカバーとか。いうなれば、距離を取るためのある程度の接近戦ぐらい。つまり貴女の得意分野は遠距離。それがあの時も今も所持してる、未だ使用していあに聖遺物の正体ってところね」

 

図星でも着かれたのか、顔を歪ませてきた。

アハッ、お似合いよ♪

 

「完全聖遺物…と言っても、それを扱う主が素人じゃあそれはただの宝の持ち腐れ。貴女はその蛇より、本来相性のいい方を纏ったほうがいいんじゃないかし――ら!!」

 

夫婦剣を投擲する。

クリスはそれを避けて接近して、飛び上がって鞭からエネルギーの塊を振ろうとしてくる。

 

「ハッ! 武器を棄てるなんてテメェこそ間抜け――」

 

「――戦場で冷静さを欠けるほうが愚作よ」

 

瞬間、互いに引き寄せられて、そのまま軌道上にいたクリスの背中を夫婦剣は切り裂いた。

クリスは血を背中と口から噴き出して、私の横を通り過ぎる形で落ちて倒れる。

そういえば……あぁまだいたんだ。

 

未来が恐怖一色に染まって倒れているクリスを凝視してる。

 

「て、メェ……!!」

 

「干将・莫耶。それは夫婦剣である事からお互いに引き合う性質を持つと言われていて、投擲武器としても結構活躍するのよ?」

 

戻って来た夫婦剣をキャッチしながら自慢し嘲笑う。ネフシュタンの再生で傷は治ってるだろうけど、侵食もされてるから時間の問題。

なら使うしかないはず。

 

にしても、主人公たちはまだ来ないの?

いい加減来てくれないと物語的にもあれなんだけどな……。

 

「クソ……クソクソクソクソ!!」

 

クリスは怒号を漏らしながら立ち上がり私を睨んだ。主人公たちが来ることなく、やるつもりのようだね。

 

「ぶっ飛べよ──アーマーパージだ!

 

その叫びと共にネフシュタンが、蛇がその完全なる姿を、宿主を棄てるようにバラバラになってあちこちに飛んで行った。

 

――Killter Ichaival tron(銃爪にかけた指で夢をなぞる)

 

そして彼女の胸の歌が、世界に轟いた。

眩い光と土煙の中から現れたのは深紅と黒を基調とする装甲…彼女の真の姿。

 

「――歌わせたな…あたしに歌を!!」

 

魔弓――イチイバル。

ネフシュタンもだけど、なぁんであの子の姿ってこう……本当の男を殺すレベルの露出度マックスなんだろ。

無印以降だとそれが余計際立ってるし、ゲームでのコラボもクロの姿でなんか…負けてる感があったし。

 

「まぁいいか……そっちが答えてくれたんだもの! 私も答えてあげないとよね!!」

 

デュランダルでもう回復はしたから、出来る!!

片手を地に叩きつけて大きく告げる。

 

追走開始(トレース・オン)――夢幻召喚(インストール)!」

 

瞬間、赤い魔法陣が足元に出現し、私を包み込む。

すれば姿が、二本の串で止めたシニヨンの髪型となり、全体的に露出度が高い黒プロテクターに赤い外套を纏った、へそ出しルックとも言える衣服へと成った。

 

互いにカラーリングは赤に、髪色は白髪。

そして今ではクラスがアーチャー。

いろいろと方針は曲がりまくって狂ったけど、あの子たちが来るまでのミニイベントってことで――

 

「同じ状態同士! 派手に殺し合いましょう!! お姉ちゃん!!」

 

 

 

 





ちなみに、憑依者は士郎に憧れてイリヤをマスターと認識していますが、実は結構曇らせ好きで、言峰とかも結構推してる人でもあります。
愉悦、愉悦…フフフッ……泰山麻婆が食えるかどうかは知らん。


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