あんなの双子の妹は孫悟天の生まれ変わりの様です   作:のぞむ

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キュアット探偵事務所

2027年から1999年にタイムスリップ。この事実にあんなは勿論、前世で奇想天外な経験をしてきたそらなでさえ驚愕してしまった。

 

確認の為に二人が住んでいるタワーマンションがあるであろう場所に行ってみたのだが、なんと町ごと存在しておらず、『マコトミライタウン建設予定地』という看板だけが立っていた。困り果てていたそらなとあんなだったが、みくるの提案で二人はある場所へとやって来た。

 

「キュアット探偵事務所?」

 

「ここって、僕達とみくるちゃんが会った場所だよね?」

 

「はい!ここに名探偵プリキュアがいます!」

 

「えぇっ!?他にも名探偵プリキュアが」

 

「シーッ!」

 

自分達以外に名探偵プリキュアが居た事に驚いていたあんなの口をみくるが慌てながら抑えた。

 

「ど、どうしたの?」

 

「プリキュアが居るという事は秘密なんです!」

 

「フーン…じゃあなんでみくるちゃんは知ってんの?」

 

「そ、それはまぁ…」

 

「ムーッ!」

 

「…とりあえず、姉ちゃんを離してあげて」

 

「あっ…」

 

それから三人は事務所の中に入ったが中は薄暗く、人っ子一人いない感じだった。

 

「…なんだか、イメージと違う…」

 

「…」

 

「そらな?」

 

するとそらなが近くの机に近づいていった。

 

「ねぇ、そこに誰かいるんでしょ?」

 

「…依頼は断ってる」

 

すると机の方から声が聞こえてきた。聞いた感じ子供の様な声だった。

 

「ホントだ!」

 

「そらな!よくわかったね!」

 

「この部屋に入ったら誰かの気を感じてさ、それでわかったんだよ」

 

「キ?」

 

「キって何ですか?」

 

「そっか、まだ話してなかったね。気っていうのは…」

 

「…話の内容が意味不明だが、遊びに来たんなら帰ってくれ」

 

「ち、違います!力を貸してほしくて…私と妹がタイムスリップしちゃって」

 

「冗談に付き合ってる暇はない」

 

「冗談なんかじゃなくて…!」

 

「私達…というか、私とあんなさんは名探偵プリキュアなんです!」

 

みくるが名探偵プリキュアの名を口にすると、机の下から一人の少年が飛び出してきた。

 

「君は…?」

 

「…お前達がプリキュア?」

 

「あ、僕は違うからね!」

 

目の前の少年はあんなとみくるをジッと見ていた。

 

「…ないな」

 

「本当だよ!私、嘘つかないから!」

 

「そうそう!姉ちゃんすぐ正直に言うもんね!」

 

「そらなさん、それ褒めてますか?」

 

「…そ、そいつわぁっ!?」

 

少年はあんなが首からぶら下げていた例のペンダントを見て驚いた拍子で机から落ちてしまった。

 

「だ、大丈夫!?…って」

 

そらなはすぐに少年の元に駆け寄るが、少年の姿を見たそらなが少し驚いていた。その少年はポチタンのような小さな小動物の姿になっていたからだ。

 

「よ、妖精!?」

 

「…フン」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから少年にペンダントを見てもらっていた。少年の名はジェットと言うらしく、探偵道具を発明している自称天才発明家らしい。

 

「へぇ~!まだ小さいのに凄いね!」

 

「うん!凄いよジェット君!」

 

「…お前達、何歳だ?」

 

「え?私とそらなは14歳だよ?」

 

「僕達双子だから、誕生日一緒なんだ!」

 

「えっ!?私ももうすぐ14歳なんです!」

 

どうやらみくるもじきに14歳になるらしい。つまり今の二人と同い年になるのだ。

 

「そうなの!?はなまるビックリ!」

 

「みくるちゃん、僕達に敬語使ってたから年下かと思っちゃった」

 

「フン、僕が年上だな!僕は222歳だ!」

 

「同い年なら敬語は無し!あんなで良いよ!」

 

「僕の事もそらなって呼んでよ!」

 

「じゃあ私もみくるで良いよ!あんな!そらな!」

 

「…これだから子供は」

 

「あ、ごめんごめん!えっと…22歳なんだよね?」

 

「一桁足りないぞ…それでお前達、どこでこれを?」

 

それからジェットはあんなとにみくるにペンダントを持っていた理由を訊いてきた。何でもみくるは小さい頃に祖母から貰っていたらしい。

 

「私の机の上にペンダントが置いてあって…そしたらポチタンが現れたの」

 

「ポチタン?」

 

「あれ?そういえばポチタンは…?」

 

すると突然事務所に警報が鳴り響いた。なんでもジェットの研究室に侵入者が現れたそうだ。研究室に入ってみると、そこにはお菓子の山があった。天井のドアが開いていたので、おそらくそこに詰めていた物が落ちてきたのだろう。

 

「ぼ、僕のおやつが~!!」

 

「「凄い量!?」」

 

「へぇ~、君も良く食べるんだね」

 

「発明で頭を使うから、エネルギーが必要なんだよ!」

 

「ポチ~!」

 

するとお菓子の山からポチタンが出てきた。

 

「ポチタン!」

 

「そこに居たんだね!」

 

「お前…時空の妖精か!?」

 

「時空の妖精?」

 

ジェットが言うには、ポチタンは時空の妖精というとても珍しい妖精らしく、時間と空間の移動が出来る様なのだ。ポチタンの力を使えばそらなとあんなは元の時代に帰れるかもしれないらしい。

 

ただ現在のポチタンは力を使い切って赤子になっている為、今のままでは元の時代に帰れないだろうとジェットは判断していた。

 

「マコトジュエルがあればな…」

 

「マコトジュエル…姉ちゃん、それって…」

 

「うん…もしかして、これの事?」

 

あんなは先程ハンニンダーを倒した際に手に入れたマコトジュエルを取り出し、それをジェットに見せた。

 

「持ってるのかよ!?」

 

「さっき怪物を倒した時に姉ちゃんが拾ったんだよ」

 

「ポチ~!」

 

あんなが持っていたマコトジュエルはポチタンのリボンに吸い寄せられ、この場から消えてしまった。力が戻るかと思われたが、どうやら一個だけでは力を取り戻せなかったようだ。

 

「もっとマコトジュエルが必要みたいだな…」

 

「…じゃあ探そう!」

 

「きっと見つかる!プリキュアの先輩の力を借りれば!」

 

「?…この世界には、もう名探偵プリキュアはいないぞ?」

 

「え?」

 

「いないって…一人も?」

 

「ああ。数ヶ月前までここにいたらしいけど、突然姿を消したんだ。だからこの事務所を閉める為に、僕はロンドンのキュアット探偵事務所から来たんだ」

 

「へぇ、そんな遠くから来たんだ…」

 

「…ここでプリキュアの先輩と調査するのが夢だったのに…」

 

「え?名探偵プリキュアならここにいるでしょ?」

 

「えっ?」

 

「だって、今の名探偵プリキュアは姉ちゃんとみくるでしょ?」

 

「そうだよ!私達がいる!ここでやろうよ、名探偵!」

 

「でも、二人は元の時代に…」

 

「勝手に決めるなよ」

 

そこへ横槍を入れるようにジェットがそう言ってきた。

 

「僕はお前達がプリキュアだって認めてない。僕はこの目で見たものしか信じないからな!お前の事だってそうだ」

 

そう口にするジェットの目線の先にはそらながいた。

 

「僕?」

 

「ああ。手からビームを出したとか、目に見えないスピードで怪物を圧倒したとか、空を飛んだとか、そんな事が普通の人間に出来る訳がないだろ」

 

「ジェット君って、意外とメンドクサイ性格してるんだね」

 

「メンっ!?」

 

「ちょ、そらな!?」

 

「そ、そこまで言うんだったら見せ…て…!?」

 

ジェットは目を見開きながら驚いていた。何故ならそらなが宙を浮かんでいたからだ。

そこからそらなは部屋中を軽く飛び回ってみせた。

 

「ほ、本当に飛んでるーー!?」

 

「どう?信じてくれた?」

 

「…け、けどお前が見せたのはあくまでその力だけだ!ビームはこの目で見るまで信じないからな!」

 

「よーし!それじゃあ、今度は私達がプリキュアだっていう証拠を…」

 

みくるがそう言いかけた時、時報が聞こえてきたどうやら夕方の5時になったようだ。

 

「…と思ったけど、学校の寮が門限だから帰る!証拠は明日見せてあげるから!」

 

そう言ってみくるはこの場から去ろうとしていた。

 

「あっ、あんなとそらな達を泊めてあげてね!」

 

そう言ってみくるは探偵事務所から帰っていった。

 

するとどこからか空腹音が聞こえてきた。

 

「…ねぇジェット君、何か食べさせてくれない?僕ちょっとお腹空いちゃった…」

 

どうやらそらなから聞こえたもののようだ。

 

「…ハァ、しょうがないな。おやつを少しだけ分けてや」

 

ジェットが自分のおやつをそらなに分け与えようとしたが、突然あんなが彼の肩を掴んできた。

 

「ジェットさん、やめた方がいいよ…絶対にお菓子がなくなるから…!」

 

「はぁ?ちょっとお腹空いてるくらいなら大丈夫だろ?」

 

あんなの渓谷に耳を傾けず、ジェットはそらなに好きなだけお菓子を食べさせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~!美味しかった~!ありがとうジェット君!」

 

「ぼ、僕のおやつがぁ…!」

 

「だから言ったのに~…」

 

案の定ジェットが持っていたお菓子は全てそらなのお腹の中へと入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ま、間に合った~…」

 

一方みくるは自分が住んでいる学校の寮に帰ってきていた。

 

「あれ、みくる?やけに遅かったじゃん」

 

そんなみくるの前に長い銀髪をポニーテールにしている少女が現れた。

 

「ゲッ、ラン先輩…」

 

「ゲッってなんだよ、ゲッって…せっかくお前が帰ってくんのを待ってたのによ」

 

「べ、別に待っててほしいなんて頼んでません!」

 

「そう言うなって。今日も何かに首突っ込んでたのか?」

 

「まぁ、そうですけど…」

 

「…なんか嬉しそうだな、お前」

 

「フフッ、聞いて驚いてください…私、ついに名探偵プリキュアになれたんです!」

 

みくるはドヤ顔をしながらそう言っていた。名探偵プリキュアの事は秘密だと言っていたが、このランと言う少女に話したという事は、おそらく彼女は名探偵プリキュアの事を知っているのだろう。

 

「名探偵プリキュアって…みくるがなりたいって言ってたあの?」

 

「そうです!凄いでしょう!?」

 

「フーン…じゃあ今なってみてくれよ」

 

「えっ?でもここ寮の中ですし…それにあんながいないと…」

 

「別に良いだろ?見られて困るもんじゃないんだしさ」

 

「見られて困るものなんです!私もう部屋に戻りますから!」

 

そう言ってみくるはこの場から去っていった。

 

「…チェ、これからゲームに誘おうと思ったのによ…にしても、あいつ揶揄うのホントに楽しいな!」

 

ランはいたずらっ子のように笑みを浮かべていたが、どこか寂しそうな表情にも見えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悟天の奴もいたら、もっと楽しめるんだけどな…」




神津ラン
イメージCV:富田美憂

備考:苗字は日本三大名探偵の一人、神津恭介から取っている。
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