〈完結〉超かぐや姫Z!~もうちょっとだけハッピーなエンドを~   作:すっごい性癖

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三話までで登場人物がオリ主と彩葉だけ(一応かぐやも)とゆっくり過ぎるので、少し投稿ペースをアップします(多分)

一日に二話以上投稿する場合は前書きでお知らせさせていただくので、よろしくお願いします


たけのこの如くⅱ

 

「あじゃぱ~……」

「あじゃ?」

 

 三連休も過ぎ去った平日の早朝。今日から学校が再開される彩葉に代わり、日中の赤ちゃんのお守りにやって来た私であったのだけど……。

 

 まさかの出来事に古臭い変なワードが口から漏れ出てしまったよ。

 

「あ、え……、えぇ?」

 

 マジか、マジか、マジですか。そりゃあ二度あることは三度あると言いますが、しかし実際三度起きられると非常に困惑すると言いますか。

 

(え、でも、まさかね? 流石に違うよね?)

 

 内心でどうしても否定したい私の心。

 

「あっはは、結葉ってば変な顔~」

 

 そんな私を嘲笑うようにケタケタと笑い声をあげ、心底愉快そうにお腹を抱える少女を視界に抑え、ぴくぴくと口角が震える。このままでは筋肉痛一直線になりそうなほどの痙攣だ。

 

 星のように美しい瞳。腰まで伸びた長い髪。整った顔立ち。見た感じ、凡そ十歳くらいのいで立ちの、愛らしい女の子だ。

 

 その笑い方も豪快で、切り取ってそれだけを見れば下品寄りなモノなのに、彼女がしている場面を見ればとても愛らしく映るような、そんな可愛らしい少女。

 

「こちら、昨日までの赤ちゃんです……」

「あぁ……」

 

 横から制服に着替えた彩葉が戸惑う私に解説を入れる。

 

 やっぱりなのですか。

 

 見覚えのない少女ではあったが、思い当たる可能性が確かにひとつ存在していたけれども。けれどもそれはズルじゃないでしょうかね。

 

「昨日の夜中目が覚めたら……、なんかおっきくなってた」

「なんか、おっきく……」

 

 おっきく成り過ぎではないですかね。昨晩別れたときにはまだちゃんと赤ちゃんだったけれども。一晩で一歳だけ成長したかと思ったら、今度は三日で九歳ですか。累乗的に成長してない?

 

「ちなみに宇宙人で、月出身で、かぐや姫らしいです。本人曰く……」

「エイリアン……、フロム・ムーン……、プリンセス・カグヤ……」

 

 脳内処理がバグったのか意味不明で理解不能な日英変換が行われて口からレコードのように吐き出される。流石に凡人の私には情報が過多すぎだ。

 

 宇宙人? 宇宙人って、あの宇宙人だよね? 地球外生命体、的なあれで、アブダクション的なあれで人をゲットしてはアレして、そんでもって指先を人間の男の子とくっつけてアレするアレみたいな。

 

 ダメだ、私の中の宇宙人観がポヤポヤしすぎて纏まらない。

 

 月ってのは流石にわかる。良くわかる。日中の今でもうっすら姿ながら天球に多分あるだろうくらいには身近なものだし。

 

 でも月出身ってのは唐突じゃない?

 

 そんでもってかぐや姫? 竹取の翁ありけりの? 野山に混じりて竹をとりつつ、よろずのことにつかいけり? で有名な?

 

(ダメだ、かみ砕こうにもかみ砕けない……)

 

 一気にインプットされたことでエラーを出してしまった私は、いくつかにワードを分けて理解をしようと試みたけども、結果は惨敗。

 

 どれもこれもが私の中の常識と大喧嘩し合って理解が追い付いてくれない。

 

 宇宙人の存在が、とか、月に人間が、とか、かぐや姫って本当だったのか、とか。そういう無限に湧き出てくる疑念たち。

 

 しかもただ理解できないだけならいいのだけれども、

 

(これがホントだってことは分かるんだよなぁ)

 

 それは、彩葉が言っているから、というのもあるのだが。

 

 実際問題として私自身、あの赤ん坊の大成長を見届けてしまっている訳で、それが与太話や冗談なんかではないことを理解させられてしまっているのだ。

 

 普通の赤ちゃんは、数日たったら美少女にならない。子育てしたことの無い私でも、それくらいは分かる。

 

 ……よし。

 

(理解は、止めよう)

 

 いくら考えたって、これ以上は私の理解の範疇を超えている。この先の思考は一切が無駄にしかならない。

 

(あの赤ちゃんは気が付いたら美少女になってて、その実態は月から来たかぐや姫。それ以上はもういい、考えちゃダメ)

 

 どうやって、とか、なんで、とかは置いておく。そうしなければ話が進まない。

 

「あぁっ!?」

「ひゃっ、どした!?」

 

 そんな風に自分の中で、自分なりに折り合いをつけた頃。隣に立つ彩葉が何かを思い出したかのように大きな声を出し、つられて私も驚いて変な声を出してしまう。

 

 そんな私たちを見てケタケタ笑うエイリアンちゃんは置いておこう。

 

「学校行かなきゃ!」

「あ~、もうそんな時間か~」

 

 そう言われてスマホの時間を確かめれば、確かにヤバい。この部屋から学校までの距離を考えれば、余裕なんてないと言って差し支えない程度に。

 

「送ろうか?」

 

 慣れたように今朝も自宅から車でやって来た私。彩葉が望むのなら学校まで送っていくのだけれども。

 

 しかし返ってくる答えは決まっているかのように、

 

「いや、大丈夫。走れば間に合うから」

 

 と、施しは受けないと言わんばかりの完全な断絶。

 

 彼女がこうして遅れるかも、となってしまったのは私が朝から来て、あたふたとしていたというのも原因だと言うのに。

 

 しかしここで食い下がっても、『いや、いいから!』と意固地になった彩葉との口論にしかならないだろう。そうなってしまえば余計時間を食って、間に合うものも間に合わなくなる。

 

「そっか、ごめんね」

 

 だからまるで言い訳のように小さく呟く程度に、返事をとどめておくことにした。

 

 

 

 

『お腹空いてるようだったらご飯食べさせてあげて! その時は、絶対! 後でお金返すからレシートを貰っておいてね!』

 

 最後に言う言葉がそれでいいのか。

 

 そう尋ねることも許されないまま彩葉は、彩葉らしい言葉を残して部屋から飛び出していってしまった。

 

「彩葉ってばせわしないね~」

「……だねぇ」

 

 宇宙人にさえ言われていますよ、マイシスター。もっと肩の力、抜いた方が良いとお姉ちゃんも思うのですけれども。

 

 さて……、

 

(どうしようかな)

 

 今日一日、赤ちゃんのお世話をするつもりでやって来たのだけれども、ふたを開けてみれば赤ちゃんなんてどこにもおらず、居るのは十歳くらいの女の子。

 

 さすがにこの年齢の子に子守唄を歌ったり、オムツ交換したり、ミルク飲ませたり、とかは無いし。何をすればいいのだろうか、わからない。

 

(う~ん……)

 

 自分がこの位の年代だったころは何を喜んだんだったか。それがわかれば、いろいろと手もあるのだけれども。

 

 自分が十歳くらいの頃。その頃楽しかったのは、確か……。

 

(なんだっけ……)

 

 確かにその頃、熱中したものは、あったはずなんだけれども。

 

 それがどうしても思い出せない。

 

 なんだかそれが、喉に引っかかった小骨のように気になって、いくら唸っても思い出せないのに、うんうん、と頭を悩ませ続ける。自分が熱中した何かに。

 

「ねーねー、結葉?」

「うん? どうしたの?」

 

 どれくらいの時間そうしていたのか。すっかり周りが見えなくなっていた私であったが、横から揺さぶられたことで現実に戻される。

 

「コレ、なぁに?」

「これって……、あぁ。彩葉のスマコンか」

 

 スマコン、正式にはスマートコンタクト、であったか。超ざっくりいえば目に付けるコンタクトレンズ型ディスプレイで、今では準生活必需品と言って差し支えないそれ。

 

 仮称、エイリアンちゃんは見慣れぬケースに入ったそれがどうやら気になったらしく、どこからから持ってきてしまったらしい。

 

「それはね……」

「はえ~~」

 

 私も詳しい、という訳でもないし、一般知識程度で解説をしてみる。私自身、持っていると言えば、持っているのだが、そう頻繁に使わないからあまり偉そうには出来ないのだけれども。

 

「すっげ~! おもしろそ~!」

 

 しかしそんな拙い私の解説でもお気に召されたのか、星のような瞳をさらにキラキラと輝かせて手に持つそれを食い入るように見つめだす。まるでお宝を見付けた子供のように。

 

 ……いや、実際にそうなのか。子供というものは得てしてこういったデバイス、ゲーム機なんかは宝物であるかのように扱って、宝石かのように尊ぶもの。

 

 一気に大きくなった彼女だけれども、昨日まで赤ん坊であったことを踏まえるとスマコンがとても魅力的なものに見えてしまうのだろう。

 

 ……あ。

 

「じゃあそうだ、エイリアンちゃん」

「えいりあんちゃん?」

 

 やっば。これ、私の中での仮称だった。本人に言っても通じないし、そりゃあ変な反応もされる。

 

 おほん、と空咳をして誤魔化して本題に逃げることにして。

 

「ずっと家にいてもヒマだろうし、一緒にお買い物行かない?」

「お買い物!?」

 

 キラキラっ、とこれ以上は輝かないだろうと思えた彼女の瞳がさらに輝く。若干まぶしいくらいに。眼がつぶれそうだ。

 

「自分専用のスマコン、買っちゃおう、ぜ?」

「~~~ッ!?」

 

 そっからのエイリアンちゃんの反応は、とっても可愛らしいモノで、とってもキラキラしたもので、私如きの語彙力じゃあ形容できないのであったが。

 

 しいて形容するのならば、そう。

 

 目が、つぶされました。

 

 

 

 

 

 

 

「あっ、ヤチヨだ!」

「ヤチヨのこと、知ってるの?」

 

 と、いうことで二人して街中に繰り出すことになったのだけれども、急に立ち止まったかと思うとエイリアンちゃんは高所にある広告看板を指さしてそう言った。

 

 ヤチヨ、月見ヤチヨ。言わずと知れた超人気の八千歳AIライバー。歌って踊れて分身出来る、とまるで忍者がアイドルをやっているかのような解説が付随するそんな彼女なのだけれども。

 

 なんでだかエイリアンちゃんはそんな彼女のことを知っているらしいのだが……、って、あぁ。

 

「彩葉か」

 

 ウチの妹、彩葉はそう言えば月見ヤチヨの大ファンであったことを思い出す。少し前、私がヤチヨのコスプレをする、と言ったときはそれはそれは『ご意見』をたくさんいただいたほどに。

 

 曰く、『ヤチヨはそんなに胸大きくない』。

 

 曰く、『ヤチヨはもっと元気で、可愛らしくって、そんでもって神秘的で……』。

 

 曰く、『なんか、根本的にヤチヨじゃない』。

 

 最後の方なんてもはやコスプレの全否定の領域にまで行っていた気がする。

 

 もともとは知り合いの作家さんの売り子役としてのコスプレであったのだけれどもね。

 

 トンデモナイ熱量の指導の下、最終的にそのコスプレの出来上がりは自分史上最高のモノとなり、結果として同人誌の売買そっちのけで私の方にヤチヨファンが来てしまうだなんて珍事件も起きてしまったは今となっては笑い話か。

 

「部屋にもヤチヨの透明な板みたいなの、だいじそーに飾ってたし! 朝ごはん食べてる時も動画見てたし!」

「なるほどね~」

 

 基本なにごともクールというか、さっぱり系なあの子だけれども、ヤチヨに関することだけは言葉をはばからずに言えば狂ってしまう一人のオタクになってしまうからなぁ。

 

 きっと気になったエイリアンちゃんに『これ何~?』と聞かれて、上機嫌で答えたのだろう。オタクには新規への布教が一番の栄養になるし。

 

 

 

 

「ただいま~」

「いま~」

 

 返事は当然ないのだけれども、帰宅したからと誰もいない部屋に挨拶すると、微妙に真似をしたような、していないような、そんな挨拶をするエイリアンちゃん。

 

 電気屋さんに行ってスマコンを買ってきた――ついでに気になったらしく、ポケットサイズの育成ゲーム? みたいなのも――訳なのだが、そろそろいい時間ではないだろうか、と

 

『お昼ご飯、何か食べる?』

 

 と、尋ねてみたところ、

 

『わたし、りょーりしてみたい!』

 

 だなんて、それはそれは元気な返事が返ってきたのがちょうど一時間ほど前。

 

 私としても、外食してすぐに済ませるよりも、一緒に料理して、の方が時間も潰せて丁度良かったのでその案に乗らせてもらった。

 

 個人的な感想といたしましては、買い物中の『彩葉って好きな食べ物あるの?』がとても可愛らしくてグッドでした。

 

 はっきり言って常識や遠慮は無い子だけれども、それでも確かな優しさがある。そのことを知れただけで、今日の半日は有意義であったと言える。

 

 これから彼女とどれだけの付き合いになるのはわからないけれども、ウチの可愛い妹ともそれなりの付き合いになりそうな以上、そう言うところが確認できた。それだけで十分おつりがくる、だなんて見方は上から目線過ぎるだろうか。

 

「よーしっ、彩葉をびっくりさせてやるぞ~!」

「ふふっ」

 

 もしかしたら、こういう元気で自由な子こそ、彩葉の肩の力を抜いてくれるのかも、だなんて。

 

 そんなのは、考えすぎなのだろうか。

 

 わからないけれども、なんだか心が温かくなった気がした。

 

 

 

 

「そんでもって、胃袋掴んで追い出されないようにするっ!!」

 

「ちょっと!?」

 

 考えすぎ、だったかもしれない。

 

 

 

 ――ちなみにエイリアンちゃんは動画を見ながらとは言え、初心者と思えない位には上手に料理を成し遂げてくれましたが、洗い物なんかの雑用は面白くないのかしようとせず、私は一人、流し台に立って次から次へと送られてくる調理器具たちを洗う羽目になるのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 料理もなんだかんだ問題なく終わって午後四時ちょっと前。彩葉は友達と帰りにどこか寄ってくるらしく、帰ってくるまでにはまだまだ時間がある。

 

「む~~」

 

 エイリアンちゃんも料理が終わって手持ち部沙汰なのか難しい顔してゴロゴロしている。

 

 せっかくだから買ってきたスマコンを使ってみたら? とも聞いてみたのだけれども

 

『彩葉に教えてもらう!』

 

 と、そう言って電化製品店のビニール袋から出そうとしない。

 

 個人的には彩葉は忙しいだろうからそっとしておいてほしいのだけれども、昼間思ったように彼女との交流が彩葉にいい影響をもたらしてくれるかもしれないとなると、ノーとも言えない。

 

 実際のところ、ここ数日の彩葉は忙しそうではあったがいい顔をしていた。ここ数年の中でも、一番と言ってもいいくらいに。

 

 そんなことを考えながら、なかば自動的にスマホの画面を人差指でスクロールしていく。流れていくのは様々な情報で、どこどこの芸能人が結婚した、どこどこの水族館がイベントをやるらしい、今日ヤチヨが夜にライブをする、と情報の色に規則性は無い。

 

 SNSというのは無限に情報が溢れているが、欲しい情報が欲しいときに流れてこないから度し難い。たまに、百分の一くらいの確率で有用な情報が流れてくるから、このスクロールは気分的にはソシャゲのガチャみたいだ。1パーセントを引いていみろ、的な。

 

「……お」

 

 ぴたり、と指先が止まる。

 

 それはつまり、面白い情報を見付けたからで、つまりはガチャ勝負に勝ったわけなのだが……。

 

「エイリアンちゃん?」

「ぅう゛?」

 

 わぁ、きったない声。仰向けになりながら首をぐりん、と無理ある体制でこちらに向けているから仕方ないのだろうけれども、もうちょっと慎みを持ってほしい。

 

 まぁ、よし。

 

「甘いモノ、食べたくない?」

「~~~ッ!?」

 

 本日二度目。端的に纏めます。

 

 私の、目が、つぶされました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 SNSを適当に見ていて、偶然目に入った投稿。

 

 どうやらこの部屋からそう遠くないトコロに、美味しいパンケーキのお店があるらしい。

 

 邪心があったとはいえ、それでもウチの妹のことを思って料理してくれていたのは事実で、しかもそれが上手く行ったわけだから、それのご褒美というのも兼ねて行ってみないか? と聞いてみたのだけれども。

 

 返事は、

 

「あっまいもの~、あっまいもの~~♪」

 

 こうして隣で幸せそうに助手席に座っている彼女の姿が何よりも確かにな答えだろう。

 

 朝に彩葉からレシート提出を厳命させられた私ですが、ちゃんと『これは私とエイリアンちゃん。二人だけの内緒、ね?』と口裏も合わせたので大丈夫。

 

 私としてもついこの間の夏の祭典のために身体を絞っていたので、甘いものは久しぶりで楽しみだ。

 

 暫く運転して、付近の駐車場に車を止める。三十分の駐車で八百円って、ぼったくりじゃないかとも思うのだけれども、都内というものはそれを平然だとさせるだけのパワーがあるらしい。

 

「んふふ~~!」

 

 てくてくと歩いてお店に近づいていくにつれ、テンションがどんどん上がっていくエイリアンちゃん。よっぽど楽しみらしい。そんなに嬉しそうにされると、私まで嬉しくなってくる。

 

「……アレ?」

 

 しかし、そんな気分も一瞬で冷めてしまう。まるで冷や水をかけられたかのように、ポカポカからヒエヒエへ。

 

 今の、見間違いじゃなければ……。

 

「彩葉じゃ……」

 

 ちょうど、店の中に入っていく彩葉とその友達の姿が見えたような、気がしたんだけども。

 

 いや、まさか。大分ここからお店まで距離があるし、姿もぼんやりと、豆粒くらいにしか見えなかった。私の、きっと見間違い……。

 

 でも、それでも万が一がある。今からでも、別のお店に、

 

「あれっ、居ない!?」

 

 そう思い、隣のエイリアンちゃんに声を掛けようと横を見るも、しかしそこに彼女の姿は無い。先ほどまで居たというのに、いったいどこに……。

 

 まさか、まさか、まさか……ッ!?

 

 急いで目指していた店へと向かい、扉を開ける。カランコロン、と入店を知らせる鈴の音が若干乱雑に鳴る。粗野で申し訳ないが、許して欲しい。勘違いであるのなら、恥をかくのは私だけだから。

 

「――ッ!」

 

 ぐるり、と店内を素早く見回す。

 

 願わくば、この悪い予感を否定してほしい。私の勘違いで、全てはたたの早とちりであったと。そう――、

 

「あぁっ!?」

 

 しかし、その私の願いはすぐさま砕かれる。

 

 入り口からそう遠くない、制服を身にまとった少女が三人座る一つの座席。彼女たちの前には各々が注文したであろう、私がさっきSNSで見つけたような、美味しそうなパンケーキが配置されている。

 

「だっ、ダメ――!!」

 

 そんな座席の前に立つ、もう一人の少女に声を飛ばす。店内であっても気にしない。流石にそれは、まずい。

 

 しかし当然、私の声は届かない。

 

 見失った、幼い少女に届かない。

 

 

 

 ――私が声を出した直後、少女は手にしたフォークで一人の女子高生……。彩葉の前に置かれたパンケーキを食べてしまった。

 

 

 南無三。

 

 




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可能な限り彩葉の出費を抑えていくスタイル

ちなみにヒロインは彩葉です(しかし彩葉のヒロインは彼女たちなので自ずと負けヒロインになることは確定です)

かぐやの名付け前一人称が『わたし』なのはオリジナル 原作小説を見ても記載がなかったので……

※ここら辺はただの与太話ですが、超かぐや姫!である以上、ラストのパンケーキシーンを抜くわけにはいかず、結果としてかぐやと結葉がとんでもなくアクティブになりました
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