〈完結〉超かぐや姫Z!~もうちょっとだけハッピーなエンドを~   作:すっごい性癖

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本日二話目です 怪文書気味かつ、次の話の前話的なものなのでなんなら読み飛ばしてもらっても大丈夫だと思います


日本の宝 ジャパニーズ・スシ 上

 

 お高いモノって……、美味しいんですよね。当たり前かもしれませんが。

 

 資本主義の中で良きる以上、味がいいモノには需要が生じ、供給が限られれば値上がりは当然のもの。チェーン店などは供給をぶち上げることで利益を確保し、安価のまま無理矢理、味のレベルを上げるなんていう裏技を使っちゃってもいますけども。

 

 基本的にその法則は絶対的で、高いモノって基本的においしいんですよ。

 

 ただその価格と美味しさの曲線って真っ直ぐじゃないのが曲者でして。金額が上がれば上がるほど美味しさの上昇値は鈍っていきますのは子供でも恐らく知っている。

 

 例えば十円のパンが百円のパンにグレードアップする時、金額は十倍ですが味は十倍以上になると思います。これはそもそも十円でパンを作ること自体に無理があることに対し、百円のパンは大手メーカーで出されていることに起因していますが、今はいいでしょう。

 

 じゃあ次に百円のパンから千円のパンにグレードアップしたとします。今回も値段の上り幅は十倍です。

 

 ならばこの時、味の上昇は十倍なのでしょうか。ここでは量は等量としておきます。

 

 恐らくここら辺の金額帯の場合、各々の価値観によって左右されるのではないでしょうか。いや、味なんて全部価値観だろうと言われたら終わりなのですが。

 

 百円のパンを大手メーカーのパンとするのならば、千円のパンはお高いパン屋さんのパンになるでしょう。お高い方のパンはきっと、バターや小麦の味が強いでしょう。口に含んだ瞬間にじゅわり、とバターが染み出し、ふわっと鼻を突き抜ける小麦の香りがあるのでしょう。……なんだか、考えているだけで食べたくなってきました。

 

 と、そんな私の食欲は置いておきまして。

 

 この上り幅もまた十倍としておくとしましょう。ですが先ほどの十円から百円へと上昇したときほど確実に十倍味が良くなった、と言えるほどの自身を私は抱けません。なんか、人に依るだろうけども私は十倍美味しくなったと思うよ? って感じです。

 

 さて話の流れとしまして当然ですが、次の仮定です。今度は千円のパンと一万円のパンを比較しましょう。一万円のパンとか、私みたいな庶民の価値観から言いますともはやぼったくりな気もしてきますが、まあ一万円のパンです。いや、千円のパンでも高かったけれども。

 

 大事なのは味です。千円のパンと一万円のパンの比較なのです。

 

 おそらく一万円のパンとなりますと、素材は最高峰のものを使っていると思われます。酵母菌は最新の研究で得られたものか、もしくは老舗で受け継がれた伝統のモノ。小麦は最高級品で、水や塩にも産地を拘る。そして作り手もその界隈では有名な人なのでしょう。パン作りの匠です、匠。

 

 それはきっとおいしいパンなのでしょう。いや一万円のパンが美味しくなかったら問題ですしね。といいますか、お金をかけて美味しくなくする方が難しいですし。資本主義って品物の品質は保ちつつ、いかに値段を下げるかの世界ですから。値段を下げないのは他の商品と比べてズルをしているようなものなのです。

 

 さて、比較の時間です。千円のパンと一万円のパンの味を比較してみましょう。

 

 そして申し訳ありませんが、私はこの二つとを比較した時、味は値段ほどの上昇をしないと思っています。そりゃあ一万円のパンの方が美味しいのでしょうが、十倍とまでは言わないでしょう。

 

 少なくとも十円から百円ほどの感動は無いと思う私です。パクッと食べて、わー美味しい! コレは確かに高いだけある! と思って少し、「でもこれが一万円かぁ?」と言っちゃうでしょう。

 

 ……と、前置きが長くなりましたがつまりはこういうコトです。

 

 値段の上り幅と味の上り幅の対応は一対一ではない。商品の金額が上がれば上がるほど味の上り幅は鈍っていき、値段が二倍になった時最初は味も二倍であったけれど、終いには値段は二倍だが味は一割増し、となっていく。

 

 そして私たちはそれを理解していくことが不可欠なのです。一般人は一般人として、足るを知った方が良いのです。高瀬舟でもそう言っていましたね。あれはこんな私の戯言と比べていいほど、軽い言葉では無かったですが。

 

 私たち一般人は値段の上り幅に対する味の上り幅が鈍り出す、曲線の丸みを帯びだすあたりがねらい目なのです。二倍を出して二倍が帰ってくるあたりの値段帯、そのちょっと上くらいがきっとちょうどいいのです。

 

 そしてお金持ちの方々。お金に困っていない人たちは、その先、二倍の金額で得られる満足度の一割をとられればいいのです。

 

 これが住み分けです。どちらが賢い、どちらが愚か、という話ではありません。それぞれが住んでいる世界での正解を選んでいるだけなのです。

 

 ただただ、自分が所属する世界ではその選択は二番手であるだけであり、相手の住む世界ではそれが大正解であることを忘れてはいけないのです。

 

 

 

 

 

 

 ……と、ここまで長々とバカみたいなことを考えていましたがさっさと本題に入るとしましょう。こんな文言、グチャグチャに丸めてごみ箱に捨てちゃえばいいのです。

 

 それよりも大事なのは……

 

 

 

 

 

 

「マグロ、うまぁ……」

 

 

 今、目の前のお寿司が美味しいってことなのですから。

 

 




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