〈完結〉超かぐや姫Z!~もうちょっとだけハッピーなエンドを~ 作:すっごい性癖
温泉旅行の続きを書こうと思ってましたが、ヤチヨとイロにフォーカスを当てたくなったので急遽この二人をメインにしました
短いです 練習なので
「あ、その……。えっと……、綺麗な景色、だね?」
「そ、そうだねぇイロ。頑張って〈ツクヨミ〉を作ってよかった……、な、なんてね」
……じれったい。
「なんか、夢みたいに幸せだな……」
「ヤッチョも同じ気分、だよ? イロとこうして一緒に居られるなんて、夢みたい……」
……超、じれったい。
「その……。寒……、くはないだろうけどさ。えっと、……手とか、その」
「あっ、うん。そうだねっ、VRだから寒暖とかはないけど、その……。繋いで、みちゃったり……、しちゃったり?」
……メチャクチャにじれったい。
「……こうして触れる直接触れる日が来るなんて、思ってなかったよ」
「一緒に八千年の度をしていた時は私、ウミウシの身体だったもんね。……あの時は怖くて聞けなかったけど、あんなマスコットみたいな見た目になっちゃって。嫌いになったりとか……、しなかったの?」
「するわけないじゃん。どんな見た目になってもヤチヨは――、かぐやはかぐやだから。どんな姿でも、大好きだよ」
「……もう、ズルいなぁ」
……そしてたまにさっきまでのじれったさが嘘のようにイチャつく。
なんなのこの寒暖差。アイスクリームの天ぷらとか、そういうやつでしかみないよ。
二人して拗らせ過ぎじゃない? お姉ちゃん、可愛い妹がどうやったらこうなるのか、すごく恐ろしいんですけども。
「彩葉の指、綺麗だよね……。長くて、細くて、白くて……。白魚って例えは彩葉の為にあるんだろうなぁ」
「まさか。そういうかぐやの指の方が綺麗だよ。一緒に住んでいた頃さ、アレをやる度に綺麗な指だなぁって思ってたんだから」
「え~、彩葉ってばずっとそんなこと思ってたの? いが~い、……なんて。実は私も思ってたり、思ってなかったり……思ってたり?」
「ふふっ、じゃあ私たちお互いがお互いの指に見惚れちゃってたんだ。変なの」
「そうだねぇ、変だね私たち……」
二人は更に自分たちの世界へと入り込んでいったのか、すっかりイロとヤチヨではなく、彩葉とかぐやちゃんへと回帰した。
重ねられた二人の手。互いの指と指とを絡め合う様に密着させ、もう二度と離さないと言った風に強く結ぶ。
次第にイロの手の下に置かれていたヤチヨの手が裏返る。重ねられていただけの二人の手は、ぎゅうと握り合いだした。
いや、二人は八千年を共にしてきたことも知ってるし、つい最近まで――主にイロのせいだが――離れ離れになっていたのも知っている。
そりゃあこれくらい互いに甘え合ってもおかしくない関係性なのだろうけどもさ……。
「……私の中でイチャイチャしないでよぅ」
貴女たち二人が居るの、私の中なんですよねぇ、実は。
度々外の感覚を私経由で獲得するために二人は私の中に入るのだけれどもさ。最近は生活しやすいように〈ツクヨミ〉と同期をしだして私のメモリーの中にも二人の部屋が出来たし……。
まぁ別に私自身、それが嫌だったわけじゃないけども。
でも自分の中に妹二人がイチャイチャするためのスペースが増設された姉の気持ちを考えてほしいモノだし、さらにそんな二人の会話が聞こえてきて、目を閉じたら二人の様子が見えてくるときの気持ちを汲んでほしい。
別に昨今の価値観とかを考えれば二人がそんな感じになるのに私としてもノーはないよ?
なんなら身体がある分、現実世界の彩葉とかぐやちゃんのほうがスキンシップは激しいし。別にあの子たちがそういう関係になった、ってわけじゃないけども二人とも妙に距離近いからさ。
一緒によく寝てるし、抱きしめあってるし、妙なハンドサインもしてるし。
普通に姉としてその時は祝福してあげたいんだけども……
「あっ、その……。手、つなぎすぎちゃったかな。ごめん」
「い、いやいやっ。そんなこと、ない……ケド」
あぁもう、今度はまたじれったいモードになってきたし。
この二人、ずっと直接触れ合えなかったことや、最近までのゴタゴタで距離感が変なんだよ。距離感がゼロと無限しかない位には極端なのよ。もっとちょうどよい関係値で居てほしい。それを見ることになる私としては、そう切に願う。
「じゃあさ、もうちょっとだけこのままで……いたい、とか。思うんだけど――」
「あっ、うん。私も……、やぶさかではないと言いますか……。まだ、このままがいいなっていいますか……」
……。
「コーヒー、買って帰ろうかな……」
私は適当に近くのコーヒーチェーン店に向かうことにした。
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