〈完結〉超かぐや姫Z!~もうちょっとだけハッピーなエンドを~   作:すっごい性癖

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私も早く本編を書ききってハッピーエンド後を書きたい……

今話は短いですが、今日中にもう一話投稿予定なので許してください

※ご感想でご指摘をいただいたので、あらすじから具体的な作品とのクロスオーバーの記載を消去させていただきました


あなた、かぐやって言うのね!

 

「ほんっと、信じられない!」

「ごめんって彩葉~」

 

 それはパンケーキ事変からおよそ五分ほど。あの後、彩葉はエイリアンちゃんを掴んだかと思うとお友達に手短に謝罪して外へと出て行ってしまった。

 

 私も追いかけねば、と財布から適当にお札を二、三枚引き抜いてテーブルの上に置き、「邪魔しちゃってごめんね?」と、そう謝って追いかける。

 

 遅れて飛び出したから追いつくまで時間がかかるであろうか、とそう考えていた私であったのだが。予想に反して、外で二人は口喧嘩? 的なことをしていたため、普通に追いついたのであった。

 

 超直近の回想、終わり。

 

(車は今度取りに来ようかな……)

 

 駐車場代はバカにならないけども、今この二人を車内という狭い中に詰め込むのは大分危険な気がする。

 

 健康のためにも久しぶりに歩きましょうかな。夏に絞ってから最近、気が緩んでいた気もするし。

 

 そんなことを考えながら二人のやりとりを眺めている私。二人の間の空気が険悪なものになったら介入しようかな、とは思っているが、今私が入って言っても余計に拗れそうだしね。

 

 しばらくして彩葉も落ち着いてきたのか、それともあの何とも言えないエイリアンちゃん独特の雰囲気に毒気が抜かれたのか。二人の間の空気も緩みだし、話題は転換しだす。

 

「それより彩葉! コレの使い方、教えて!」

「それより、ってさぁ、ホント……。って、スマコンじゃん。私の持ってきたの?」

「ううん、彩葉のじゃないよっ! わたしの!」

「わたしのって……、って、はぁ!?」

 

 ぐりんっ。すぐさま首が思い切り回転したかと思うと、今度は私の方をソレはもう、すんごい目で見つめてくる彩葉。あじゃぱぁ。持ってきちゃいましたか。

 

「お姉ちゃん!?」

「おねえちゃん、知らナイヨー。おねえちゃん、お金使ってナイヨー。だからおねえちゃん約束、破ってナイヨー」

 

 ねー? と、エイリアンちゃんに一回ウインク。それを見て、ふんふん! と何回も頷くエイリアンちゃん。

 

 あら、可愛い。でもね、あなたが発端なのよ?

 

 しかし、口裏合わせはすでにばっちり。

 

 そもそも彼女が彩葉にスマコンの使い方を聞く、と言い出した時点で私がお金を出した、ということは内緒に、けれどもスマコンを手に入れたことは打ち明けることは確定路線であったわけですし。

 

 私に聞き続けてもしらを切られ続けると悟ったのか、彩葉は再度近くに立つエイリアンちゃんの方を向く。

 

 無駄だ。彩葉に味方など、この場には居ない。

 

(さぁ、エイリアンちゃん! 言ってごらんなさい! 私たちの、パーフェクトブラフを!)

 

 ……だなんて、きっと負けフラグを建てに建てまくったからでしょうか。慢心しきってしまっていたからでしょうか。

 

 わかりませんけど、わかります。私には全てがわかる気がします。

 

「これはね、結葉に買ってもらったんだ!」

 

 これは、私の負けですね~……。

 

 

 

 

 

 

 

 彩葉の部屋に戻り、夕飯時。

 

 それはそれはしっぽりと彩葉に怒られた私であったが、なんとか宥めることに成功。最初は絶対、スマコンの代金を全額払う! と言って、私の言葉を聞かない彩葉であったが、今回の件は私の独断だから、と押し切って彩葉の一割負担で退いてもらえた。

 

 流石に金額が金額だし、全額急に払え! なんて、ねぇ? あくまでスマコンの購入に踏み切ったのは私だから、むしろ一割も払わせてしまって本当に申し訳ない気分だ。

 

「じゃ~ん! 食べて食べて!」

 

 そんな妹に惨めな敗戦を喫した私は置いておいて。

 

 エイリアンちゃん、もとい、妹命名『かぐやちゃん』は昼に作っていた料理を温めなおし、器によそって配膳。酒寄家に夕飯タイムをお届けしている。

 

 かぐや、なる名前はどうやら私がパンケーキ事件にて追いつくまでの僅かな時間に、彩葉が友達についた適当な偽名であったらしいのだけれども、当の本人がそれを甚く気に入り今ではその名前で呼ぶように厳命されていた。

 

 ちなみに夕飯の食費なんかでも詰められそうになったが、冷蔵庫いっぱいに入れておいた数日分の食料を見せて見逃してもらってもいる。

 

 彩葉って、割と現金なところもあるからね。お姉ちゃん、知ってるんだから。

 

「……なによ、美味しいじゃないのよ」

 

 一口、ポタージュを救って口にした彩葉はしみじみと、その味を噛みしめるようにしながら心の底から声を漏らす。まるで砂漠を彷徨いに彷徨った旅人が、久方ぶりに口にした水への感謝を述べるように、厳かに。

 

 この子ってば、また変な食生活していたのか。私が度々差し入れしに来ているって言うのに、それでも変わらないあたり節約への強迫観念でも持ってしまったのか。

 

 ウマい、ウマい……。まるでそう呟くだけの機械になったかのように繰り返す彩葉。そんな彩葉の様子に気を良くしたのか、かぐやちゃんも上機嫌になり「へっへーん!」と鼻を伸ばしている。

 

 ……なんかホントに鼻、伸びてない? それも宇宙人パワー? 突っ込まないぞ、私は。

 

 そう言えばそもそもこの手料理作戦はかぐやちゃんが家から追い出されない為に彩葉の胃袋を掴むのが目的だったはずだけど。

 

 彩葉の様子を見るに……、

 

「食費は定額制!」

 

 それは、どうやら上手くいってしまったらしい。そこで定額制、と長い目で見たような約束するとか、もう完全に堕ちているようなものじゃん。

 

 ウチの妹、チョロいなぁ……。

 

 まぁ、やっぱり二人の相性はそんなに悪くない。かぐやちゃんは宇宙人故に金銭感覚や常識が足りないところがあるけれども、それでも明るくていい子なのは確かみたいだし。

 

 二人の会話は外から見ていて、すごく温かいと言うか、お似合いというか。二人とも、本心からどこか楽しそう。

 

 この分なら、もしかしたら……。だなんて。

 

(知り合って数日の子に、重い期待をしすぎかな。私――)

 

 私は自分の変な考えを押し流すように、彩葉の真似をしてポタージュに口を付けた。

 

 ……うまっ。

 

 




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