デッッッッカ……グラマトンのTS少女によるブルーアーカイブ   作:冴月冴月

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第1話

 

 

 

 

 目が覚めたら培養ポットのようなものの中でした。

 

 オレンジ色の液体に浮かんでいるみたいですが、何故か息は苦しくありませんでした。…というか息してないかもしれません、僕。さっきから肺が動いてる感覚がしないんです。

 

 周りを見回してみると、水越しなせいでぼんやりとしか見えませんが、僕が入ってるのと同じようなポッドがたくさん立ち並んでて、その中にはそれぞれに、真っ白な姿の少女が浮かんでいるのが分かりました。

 

 自分の身体を見下ろしてみたら、結構危ない布面積の服を着た、長身の女性の身体っぽいものが映りました。一瞥しただけですが間違いありません。腰が凄く細くて足が長かったです*1

 

 ここまでが現状把握ですね。僕はこの時点で察しが付きました。こんなにあっさり状況を呑み込めたのは、普段からそういう小説ばかり読んでたからに他ならないのが少し複雑です。

 

 

 …僕、どうやら転生したようです。

 

 それも、TS転生、ってやつなようです。

 

 僕は前世、男だった自覚があります。周りの活発な男子に比べると気弱で、教室の隅で本を読んでるような奴だった記憶もあります。

 

 しかし先程見下ろして、視界に入ったのは女性の身体でした。不思議と自分の身体と認識できた理由は分かりません。それでも僕は、ストンと納得できたんです。

 

 多分ここ、混乱する所ですよね。普通は。

 

 けど僕はそんなことにはなりません。何度もこういう展開は見慣れてますので。……創作で。

 

 まさか僕がそれを体感することになるとは思ってなかったんですが………まあそれは取り敢えず置いときまして。

 

「━━━━━っ!? ━━━、━━!」

 

「━━…━━━━━、━━━」

 

「………━━━━…━━━━━」

 

 

 先程目の前に3人の幼い女の子? たちが走ってきて、僕のポッドの前で立ち止まったのがぼんやりと見えました。

 

 僕を見て何やらびっくりしたような挙動をしていて、何か喋ってるみたいですがくぐもってこっちからは聞き取れません。

 

 あ、3人の中の1人が目の前のタッチパネル? みたいなのを操作してます。

 浮遊感が薄れたと思ったら、足元に排水溝のようなものがいつの間にか現れてて、水が吸われて無くなってました。

 

 目覚めてから初めて地に足付けた僕の前で、ポッドのガラス部分が横に開きます。

 

 水が無くなって冴えた視界に映った3人の少女は、よく見覚えのある姿をしていました。

 

 

 

 ━━━━━エンジニアとして生み出され、無限光を表す名前を名乗った、一心に姉を慕う少女たち。

 

 

「━━━━━アイン、ソフ、オウル?」

 

 僕が思わず口にしたことに、3人はまた驚いたようでした。今度は表情がはっきりと分かります。目元や口元が隠れていても、明確に動揺が分かりました。

 

「━━━━━まさか、欠陥品として放置していた試作ボディの1つが目覚めて、その上私たちを認識しているとは」

 

 目元を黒い布で覆い隠した長い髪の少女、オウル。

 

「こ、こんなこと今まで一度も無かったのに…」

 

 口元を機械的なマスクのようなもので隠し、同じく機械的な形状の尻尾をもつ少女、アイン。

 

「ここの子たちに、自我は持たせてないはずなんだけど…」

 

 包帯が巻かれた片手と、髪で隠れた片目、片耳を覆うイヤーマフが特徴的な少女、ソフ。

 

 各々が不思議そうに口を開きました。

 

 僕はこの子たちを知っています。

 つい最近見たばかりだったんです。

 

 僕がプレイしていたゲームのひとつ、

 

 『ブルーアーカイブ』の中で、神に反逆して最愛の姉を救った代償に、その命を落とした少女たち。

 

 僕は画面越しにその姿を見て、無力感に苛まれていました。

 

 例え決まったストーリーでも。

 悔やまずに居られなかったんです。

 

「……あぁ…」

 

「え、えっ…!?」

 

「ちょ、何すんの急に…!」

 

「思考回路が動作不良でも起こしたんですか!? ただでさえ理解不能な状態なのに…!」

 

 やいやいと騒ぐ彼女たちを、気がつけば僕は抱きしめてしまっていました。

 

 そうせずには、言わずには居られなかったんです。

 

「……助けてあげられなくて、ごめん…!」

 

 きっと彼女たちにはなんの事だか分からない。それでも。

 

「次はあんな事させないから…絶対に」

 

 宣言せずにはいられませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……あの後しばらくして、僕が我に返ってその子たちを離してあげたときには、僕は完全に『ヤバい動作不良品』扱いになってました。

 

 まあ当然と言いますか、はい。突然変な挙動した僕が全面的に悪いです。

 

 あの後僕は3人に連れられて、ゲーム内でよく見た覚えのある部屋に通されました。

 

 部屋の真ん中にポッドがあって、まだその中にはなんの人影も無いけれど、そこに未来で誰が入るのかは、予想がつきました。

 

 僕は謎の機械に座らされて、手足と頭にコードのようなものを繋がれました。

 

 その瞬間意識が遠くなって、気づいたら凄く複雑そうな表情を浮かべたオウルの顔が目の前にありました*2

 

 何があったか全く分かりませんが、とりあえず解放してくれたので部屋の中を歩き回りました。

 

 やっぱり一番気になるのは真ん中のポッドでした。まだ中身のないガラスには僕の姿がよく映っていて、僕はそこで初めて、僕の全身を見ることが出来ました。

 

 見て思ったのは、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 デッッッッカ!(身長が)

 

 

 

 

 

 しっっっっろ!!(全身の色が)

 

 

 

 

 うっっっっす!!!!(身体のラインが)

 

 

 

 

 

 ………いや俺の身体儚げ過ぎない?

 

 ということだった。

 

 

 

 

 

 

 

*1
小並感

*2
ドアップ





 デカグラマトン編に脳を焼かれて思わず書いてしまったんですよ(言い訳)

 気づいたら20分くらいで出来上がってたのでとりあえず掲載。反響が大きければ続くかもしれません。

 主人公君ちゃんのボディはケイちゃんのNEWボディと同じくデカグラボディの欠陥品です。



 ……なぜ私は課題の小論文ではなく二次小説を書いてるんでしょうかね(遠い目)

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