デッッッッカ……グラマトンのTS少女によるブルーアーカイブ   作:冴月冴月

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 なんか続いちゃった。





2話

 

 

 

 

 ***

 

 

 

 

 突然鳴り響いたアラートに導かれ、欠陥品たちの安置所へと急いだエンジニアの三姉妹。

 

 辿り着いた部屋のポッドの中で、水に浮かぶボディたちはどれも目を閉じている。当然だ、彼女らに意思は無く、全てはいつか降臨する神の為の供物なのだから。

 

 しかし、その中でひとつだけ。

 

 水の中で薄く目を開いている個体を発見した。

 

 アラートが示していたポッドと一致している。

 

 この安置所には、アインたちのような幼い容姿から大人の容姿まで、あらゆる形態のボディが保管されている。目の前のポッドの個体は、その中でも特に長身だった。

 

 その個体はポッドの中で、ぼんやりとした表情で視線を彷徨わせている。その瞳は液体の黄金色越しにも分かるほどの『黒』。デカグラマトンに属する者特有の金色ではなかった。

 

「ま、間違いありません、起動しています……!」

 

 アインが動揺を押し殺した声で呟く。

 

「何者かにハッキングされたのかな…、にしてはぼんやりしてる気もするけど」

 

 ソフが冷静に考察を述べる。

 

「……なんにせよ、ポッドの中のままでは解析もままなりませんし……少々不安ではありますが、一度外に出しましょうか」

 

 そしてオウルが、この異常事態に対処する為の提案をした。

 

 アインがタッチパネルを操作し、ポッド内の水を抜く。

 するとその欠陥品は、急激に減っていく水位にも動じず、自らの足で確りとポッドの底に降り立った。

 

 初めは心ここに在らずとばかりだったその個体は、視界が晴れたからか目の前の3人に目を向けたかと思えば、ハッとするかのように瞠目し━━━━━次の瞬間、彼女らは欠陥品に強く抱きしめられていた。

 

 当然彼女らは混乱し、身を捩ったが、神の供物と想定して造ったが為に力に差があり過ぎて、逃れることは叶わない。

 

 結局解放されたのは、5分ほど経過した後だった。

 

 

 

 漸く落ち着いた欠陥品を連れて、彼女らが拠点にしている部屋へ向かう。

 その間、3人と欠陥品の間にまともな会話は無かった。

 

 欠陥品の方は物凄く気まずそうな雰囲気を醸し出しており…三姉妹の方は、なんとも妙な感情に苛まれていた為に、話どころでは無かったのである。

 

 欠陥品に抱きしめられた時。

 狼狽え抵抗した彼女らだが、長くしなやかな腕に包まれるその感覚に、謎の安心感を感じていた。

 

 それはまるで━━━━━まだ今は居ない最愛の姉に抱きしめられたかのような。

 

 その感覚を思い出しては振り払おうとしている三姉妹を先頭に、無言の一行は歩を進めた。

 

 

 

 

 

 

 拠点に到着したアインたちは、連れてきた欠陥品を解析機に繋ぎ、それに搭載されたメモリを読み取ろうとした。

 

 ……しかし読めない。全てがノイズに覆われて全容は全く見えず、手を加えてノイズを無くそうとしても効く気配も無い。

 その後も暫く挑戦し続けたが、最終的には諦めて欠陥品を解放した。終わる頃にはその鉄壁過ぎるメモリの防御に3人とも疲れ果て、そんな中オウルは複雑そうな表情で欠陥品の顔を眺めていた。

 

 前触れも無く自我を持って動き出し、メモリの中身を読む事が出来ない奇怪な個体。

 

 3人の中で、この欠陥品の認識は『要警戒対象』となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 えー、先程は取り乱しちゃってすいません。

 

 自分の身体見て思わずね。あまりにもデカグラマトンだったもので、はい。

 あまりにもデカグラマトンって何って? 僕も分かんないです。

 

 あとさっき僕、一人称変わってました? 気のせいじゃないですよね、『俺』って言ってましたよね?*1

 

 実はなんですけど、今の敬語とか僕って一人称とか、素の口調じゃないんですよね。

 なぜかこの身体になってから口調がこれで固定されちゃってるんです。

 

 多分デカグラマトンのボディになった事によって、強制力的なやつが働いてるのかなと。

 脳内の言葉も全部これに変換されるのは正直めんどくさいんですが仕方ないです。

 

 …そもそもなんでこんな脳内で喋ってるのかって? 頭の中で誰に話しかけてるんだって?

 

 …あなたですよ? 画面の前のあなた。さっきから僕の事見てますよね? お見通しですよ?

 

 

 ……………。

 ……………ッ〜〜!

 

 

 どうしよう俺今めちゃくちゃ死にたい。

 

 自分が観測されてるのを理解してる側みたいなムーブをひとりで脳内でやってるとか完全に厨二病のそれじゃないですか恥ずか死にそうです。

 

 ……まあ脳内なんで当然誰にも聞かれてませんしバレてませんよね! 切り替えましょう!(ヤケ)

 

 あとそういえば、今も一瞬口調変わってましたね。

 あれですかね、感情が昂ると強制敬語が外れるのかも。

 

 思い返すとさっきアインたちを抱きしめちゃった時も敬語じゃなかった気もしますし。

 

 え、それ今は脳内だから平気だけどいざちゃんと喋ったら凄い情緒不安定なやつに見えるんでは?

 

 …ま、まあそれはその時に考えましょう。はい。

 

 今は自滅によるメンブレで死にそうだからちょっと部屋の隅で石ころの気分になってきます。

 

 

 

 

 

*1
1話の最後を参照






アイン「…あ、あの欠陥品ちゃん、なんで部屋の隅っこでしゃがみこんでるんでしょうか」

ソフ「わかんないしほっとこ」



 なんか続いちゃいましたね。
 正直メインにしてる方より筆が乗るんですよね、なんででしょうか。

 ひとりで厨二ムーブして恥ずか死んでる欠陥品君ちゃん。しかも実際私たちに見られてるというね。

 あーかわいそう。

 また反響あればぼちぼち書きますがあくまでメインは黄昏生徒の方なのでよろしくお願いします。

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