ミュウと別れてから、数日が経過した。
ハジメたち――赤き竜の使徒、5D'sは、次なる目的地である樹海の大迷宮を目指していた。
先頭を走るハジメのD・ホイール、遊星号。その後ろには、ユエのブラッディー・キッス、シアのバウンサーラビット、ティオのホイール・オブ・フォーチュン、そして香織のホワイト・エンジェルが続いている。
ミュウがいなくなったことで、道中は以前より少し静かになった。
「……寂しい?」
隣を走るユエが、通信機越しに尋ねた。
「そりゃな。あいつ、妙に懐いてきたからな」
「パパ、って呼ばれておったからのう」
ティオがからかうように笑う。
「その話はもういい。お前、まだ言う気か?」
「妾は微笑ましいと思っておるだけじゃ。ハジメさんも、随分と父親らしい顔をしておったぞ?」
「うるせぇ」
ハジメは素っ気なく返したが、口元にはわずかな笑みが浮かんでいた。
ミュウと交わした約束は、決して忘れない。
元の世界へ帰る方法を見つけ、旅を終えたら、必ずあの子に会いに行く。
そのためにも、神の企みを打ち砕かなければならない。
「ハジメくん!」
後方から香織の声が飛んできた。
「前方に人影が見えるよ!」
「……何?」
ハジメはアクセルを緩めた。
街道の先、樹木がまばらになった小さな開け地。その中央で、数人の男たちが一人の女性を取り囲んでいた。
女性は華美なドレスの上から外套を羽織り、護身用と思われる短剣を構えている。しかし、周囲には倒れた護衛たちが転がり、彼女自身も追い詰められていた。
「抵抗するな、王女殿下。おとなしくこちらへ来てもらおう」
「無礼者! 私はハイリヒ王国の王女、リリアーナ・S・B・ハイリヒです! このような狼藉が許されると思っているのですか!」
「王女だろうと関係ない。今のお前に、助けを呼ぶ手段はないだろう?」
男が剣を振り上げる。
その瞬間、乾いた銃声が森に響いた。
男の手元で剣が弾かれ、地面を転がる。
「そこまでだ」
黒いD・ホイールを止めたハジメが、銃口を男たちへ向けていた。
ユエたちもすぐに停止し、王女と襲撃者の間へ割って入る。
「な、何者だ!」
「通りすがりの冒険者だ。で、そっちは王女様を囲んで何をしている?」
ハジメの問いに、男たちは顔を見合わせた。
彼らは一瞬で相手の力量を測ったのか、舌打ちをして後退する。
「覚えていろ!」
「それ、悪党の決まり文句か何かか?」
ハジメが呆れたように返すと、男たちは森の中へ逃げ去った。
ハジメは追撃せず、まず倒れている護衛たちの様子を確認した。幸い、命に別状はなさそうだった。
「大丈夫か?」
「え、ええ……。助けていただき、ありがとうございます」
女性は乱れた髪を整え、深々と頭を下げた。
「私はリリアーナ・S・B・ハイリヒ。ハイリヒ王国の王女です」
「……やっぱり王族か」
ハジメは面倒事の気配を感じ、眉間を押さえた。
「私は南雲ハジメ。こっちはユエ、シア、ティオ、香織だ。とりあえず、ここは危ない。安全な場所へ移動しよう」
「はい。ぜひ、お願いしたいことがあります」
リリアーナの表情は、安堵よりも深い焦燥に満ちていた。
それが、単なる襲撃の恐怖によるものではないことを、ハジメはすぐに察した。
街道から離れた岩陰で休息を取り、護衛たちの手当てを済ませた後、リリアーナは事情を説明した。
「王都では、現在、非常に不穏な事態が続いています」
リリアーナは両手を握り締めた。
「まず、愛子先生が行方不明になりました」
「……愛子先生が?」
香織の顔色が変わる。
かつてウルで再会した担任教師。生徒たちを何よりも大切にし、異世界でも人々のために力を尽くしてきた女性だ。
「はい。王都の教会関係者と接触した後、消息が途絶えたのです。王城でも捜索を行っていますが、明確な手掛かりがありません」
「教会……」
ハジメの目が細くなる。
この世界で神を信仰する教会。その総本山は、王都の近くにある神山と呼ばれる場所に存在していた。
神山には大迷宮の一つがあり、神を信仰する人々にとっては聖地とされている。
しかし、ハジメはすでに知っていた。
この世界で神と呼ばれている存在が、必ずしも人々の救い手ではないことを。
「さらに、王都の周辺では不審な動きが増えています。国境付近からの報告も途絶えがちになり、軍の一部も不自然な命令を受けているようなのです」
「それで、王女様自ら調査に出たと?」
「はい。王城の中にも、誰を信じればよいのか分からない状況があります。私は自分の目で確かめたかったのです。ですが……」
リリアーナは悔しそうに唇を噛んだ。
「王都から離れたところで、王族の命令を受けたと名乗る者たちに襲撃されました。私を口封じするつもりだったのでしょう」
「なるほど。内側から腐ってる可能性があるわけか」
ハジメは腕を組んだ。
愛子の失踪。王都内部の不穏な動き。王族を狙う襲撃者。
どれも別々の事件とは思えない。
「それに、俺たちもいずれ神山へ行くつもりだった」
ハジメはユエたちを見回した。
「神山の大迷宮を攻略する必要がある。教会が絡んでいるなら、放っておく理由もない」
「愛子先生を助けに行くんですね?」
香織が強い眼差しで尋ねた。
「ああ。あの人には、ウルで世話になった借りもある」
「私も行きます!」
香織は即座に答えた。
「愛子先生が危険な目に遭っているなら、絶対に助けたい」
「妾も異論はないぞ。神の使徒が絡んでいる可能性があるのなら、なおさらじゃ」
ティオも頷いた。
「ユエ、シア。異存は?」
「ない。ハジメと一緒に行く」
「もちろんです! 愛子先生を助けて、王都の問題も解決しちゃいましょう!」
ユエとシアも迷わなかった。
ハジメはリリアーナへ視線を戻す。
「王都まで案内してくれ。状況を確認して、愛子先生を救出する。あんたには、王族として知っている情報を全部出してもらう」
「分かりました。どうか、力を貸してください」
リリアーナは深く頭を下げた。
こうして、5D'sは樹海へ向かう予定を一時変更し、ハイリヒ王国の王都へ向かうことになった。
だが、彼らはまだ知らなかった。
王都に迫っているのが、単なる内乱や陰謀などではないということを。
魔人族の軍勢が、すでに王都を包囲するために動き出していたのだ。
王都へ向かう道中、空の彼方に黒い煙が立ち上った。
同時に、遠くから地響きが伝わってくる。
「……あれは」
リリアーナの顔が青ざめた。
「王都の方角です!」
ハジメは双眼鏡を取り出し、遠方を確認する。
城壁の向こうに、無数の人影が蠢いていた。
旗を掲げた騎兵。巨大な魔物を従えた兵士。空を飛ぶ魔物に乗った戦士たち。
その数は、目視できる範囲だけでも相当なものだった。
「魔人族の軍勢か……」
ハジメは舌打ちした。
リリアーナの予想は正しかった。
王都で起きていた不穏な動きは、外からの侵攻と連動していたのだ。
「王都を落とすつもりか……!」
リリアーナが声を震わせる。
「急がなければ! 父上や国民が!」
「落ち着け。今、あんたが無茶に突っ込んでも、何もできねぇ」
ハジメは冷静に告げた。
「まずは状況を把握する。俺たちが分かれて動くぞ」
ハジメは即座に作戦を組み立てた。
「俺は愛子先生の救出に向かう。王都の中に連れ込まれている可能性が高い」
「なら、妾とシアは魔人族の軍勢を足止めするのじゃな?」
ティオが確認する。
「そうだ。ユエとシアで敵の進軍を止めろ。無理に全滅させる必要はない。時間を稼げばいい」
「分かった」
ユエはデュエルディスクを確かめた。
「ハジメが愛子先生を助けるまで、敵を近づけさせない」
「私もやります! これまでの修行の成果、見せてやりますから!」
シアも力強く頷いた。
「ティオと香織はリリアーナの護衛だ。王女を王都の安全な場所へ連れていけ。敵が接近したら、無理に戦わず退け」
「承知したぞ、ハジメさん」
「分かったよ、ハジメくん。リリアーナさんは私たちが守る!」
リリアーナは不安そうに一同を見つめた。
「皆さん……どうか、ご無事で」
「それはこっちの台詞だ。王女様も、自分の命を軽く扱うなよ」
ハジメはそう言い残し、D・ホイールを走らせた。
ユエとシアも、それぞれ別の進路へと走り出す。
王都を守るための戦いが、今、始まった。
王都の外縁。
魔人族の軍勢が進軍する中、空を飛ぶ魔物に乗った男が、眼下の戦場を見下ろしていた。
フリード・バグアー。
魔人族の幹部であり、神の力を利用して戦局を動かそうとする男だ。
その背後には、巨大な石像のような神の姿が浮かんでいた。
青い巨体。圧倒的な威圧感。
神のカード――《オベリスクの巨神兵》。
「王都を踏み潰すのも時間の問題か。さて、どこまで抵抗できるか見ものだな」
フリードが嘲笑した、そのときだった。
「……その前に、あなたの相手は私」
静かな声が、彼の背後から響いた。
振り返ると、黒と赤のD・ホイールが空中に浮かぶ魔物の背後へ回り込んでいた。
ユエだ。
彼女は黒い髪をなびかせながら、フリードを冷たい眼差しで見据えている。
「ほう。南雲ハジメの仲間か」
「そう。ハジメの邪魔はさせない」
「たかが女一人で、この俺を止めるつもりか?」
「あなたが相手なら、十分」
ユエはデュエルディスクを展開した。
フリードは口元を歪め、手元のカードを掲げる。
「いいだろう。神の力の前にひれ伏すがいい!」
両者のデュエルディスクが起動する。
「「デュエル!」」
通常の決闘が始まった。
ユエのターン
「私のターン。カードをドロー」
ユエは手札を確認し、迷わず一枚を掲げた。
「私は《ローンファイア・ブロッサム》を召喚!」
炎を宿した植物の戦士が、フィールドに姿を現す。
「このカードをリリースして、デッキから植物族モンスターを特殊召喚する。私は《夜薔薇の騎士》を呼ぶ」
黒い薔薇の装飾をまとった騎士が現れた。
「さらに、手札から《薔薇の妖精》を特殊召喚!」
小さな妖精が、騎士の周囲を舞う。
「私はレベル4の《薔薇の妖精》と、レベル3のチューナー《夜薔薇の騎士》をチューニング!」
赤と黒の光が重なり、巨大な薔薇の花弁が舞い散った。
「深紅の薔薇よ、すべてを焼き尽くす美しき破壊となれ! シンクロ召喚!」
「《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」
黒薔薇の竜が咆哮し、フリードを睨みつける。
ユエの切り札。その姿を見ても、フリードは余裕を崩さなかった。
「なるほど、竜を使うか。だが、神の前では無力だ」
「まだ私のターンは終わっていない」
ユエは続けてカードを発動する。
「魔法カード《薔薇の刻印》を発動。墓地の植物族モンスターを除外し、相手モンスター一体のコントロールを得る。対象はなし。今は温存する」
彼女はカードを一枚伏せた。
「ターンエンド」
フリードのターン
「俺のターン!」
フリードはカードを引くと、すぐに二枚を掲げた。
「魔法カード《ドラゴンを呼ぶ笛》を発動! 手札からドラゴン族モンスター二体を特殊召喚する!」
空に巨大な笛の音が響いた。
その音に呼応するように、白き竜が二体、雲を突き破って現れる。
「《青眼の白龍》二体!」
それぞれ攻撃力三千を誇る伝説の竜が、ブラック・ローズ・ドラゴンを挟み込む。
「さらに、俺は二体の青眼の白龍をリリース!」
フリードの足元に、巨大な魔法陣が浮かび上がった。
「神の力よ、我が敵を蹂躙せよ! 降臨しろ、《オベリスクの巨神兵》!」
青い巨神が姿を現す。
その圧倒的な威圧感に、空気が震えた。
「これが神のカードだ! その薔薇の竜ごと、お前を消し去ってやる!」
オベリスクの巨神兵が拳を握る。
「バトル! オベリスクの巨神兵で、ブラック・ローズ・ドラゴンを攻撃!」
巨神の拳が振り下ろされた。
「罠カード、《薔薇の防壁》!」
ユエは伏せカードを開く。
「植物族モンスターが攻撃対象になったとき、墓地の植物族モンスター一体を除外して、その攻撃を無効にする!」
黒い蔓がブラック・ローズ・ドラゴンを包み込む。
巨神の拳が蔓に阻まれ、攻撃が止まった。
「ちっ……小賢しい!」
「神の力が強いことと、あなたが勝てることは別」
ユエは淡々と言った。
「カードを二枚伏せて、ターンエンドだ!」
ユエの反撃
「私のターン」
ユエはカードを引き、フリードのフィールドを見据えた。
オベリスクの巨神兵は圧倒的な戦闘力を持つ。通常のモンスターでは、正面からぶつかっても勝ち目はない。
ならば、真正面から戦わなければいい。
「魔法カード《ブラック・ガーデン》を発動」
フィールドに黒い薔薇が咲き誇る。
「モンスターが召喚・特殊召喚されるたび、その攻撃力を半分にし、相手フィールドに薔薇トークンを生み出す」
黒い花弁がフリードの周囲を舞う。
「そんなもの、神には通用せん!」
「どうかしら」
ユエは一枚のカードを手に取った。
「私は《ローズ・ウィッチ》を召喚。さらに、墓地の植物族モンスターを特殊召喚する」
小さな魔女と植物の戦士が並ぶ。
「そして、魔法カード《薔薇の再生》を発動。墓地のチューナーを特殊召喚!」
再び、ユエのフィールドにシンクロ召喚の準備が整った。
「私はレベル4の《ローズ・ウィッチ》に、レベル3のチューナーをチューニング!」
赤黒い光が空へと昇る。
「咲き誇れ、深紅の花。絶望の大地を覆い尽くせ!」
「シンクロ召喚! 《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」
二体目の黒薔薇の竜が姿を現した。
フリードの目が見開かれる。
「二体目だと!?」
「シンクロ召喚に成功したブラック・ローズ・ドラゴンの効果を発動。フィールドのカードをすべて破壊する!」
黒薔薇の竜が咆哮し、全身から破壊の光を放った。
黒い花弁が爆発的に広がり、フリードの伏せカードや薔薇トークン、周囲の魔法の障壁を次々と飲み込んでいく。
しかし――
「神の力を甘く見るな!」
フリードが叫んだ瞬間、オベリスクの巨神兵が両腕を広げた。
青い光が巨神を包み、破壊の奔流を押し返す。
フィールドの他のカードは破壊されたが、神の巨体はその場に残った。
「……やっぱり、簡単にはいかない」
ユエは目を細めた。
「だが、お前のカードはほとんど消えた! 次のターンで終わりだ!」
「そうとは限らない」
ユエは墓地のカードを一枚確認した。
「私は墓地の植物族モンスターを除外し、《薔薇の刻印》を発動!」
黒い薔薇の蔓が、オベリスクの巨神兵の腕へと絡みつく。
「対象は……あなたの神!」
「何だと!?」
神の巨体が、わずかに揺らいだ。
ユエはその力を完全に支配することはできなかったが、巨神の動きを一瞬だけ封じ込めることには成功した。
「これで、あなたの攻撃を一度止められる」
「貴様……!」
フリードの顔に、初めて明確な怒りが浮かんだ。
ユエはカードを一枚伏せ、ターンを終えた。
神の拳と黒薔薇の罠
フリードのターン。
彼は手札を確認し、忌々しそうに舌打ちした。
フィールドにはオベリスクの巨神兵がいる。
だが、ユエのブラック・ローズ・ドラゴンと伏せカードが、神の攻撃を阻んでいた。
「ならば、神の力を最大限に解放する!」
フリードは自分のフィールドに残っていた二体のモンスターをリリースした。
「オベリスクの巨神兵の効果を発動! 二体のモンスターを生け贄に捧げ、相手のモンスターをすべて破壊する!」
巨神が拳を天へ突き上げる。
轟音とともに、青い光が決闘場を満たした。
「ブラック・ローズ・ドラゴンを破壊する!」
だが、ユエは静かにカードを開いた。
「罠カード《薔薇の身代わり》を発動。墓地の植物族モンスター一体を除外し、自分のドラゴン族モンスターを一度だけ破壊から守る」
黒い蔓が竜を包み込み、神の光を受け止める。
ブラック・ローズ・ドラゴンは、なおもフィールドに残った。
「馬鹿な……!」
「あなたの神は確かに強い。でも、神の力を振り回すだけでは、私には勝てない」
ユエはブラック・ローズ・ドラゴンの背に手を伸ばした。
「バトル。ブラック・ローズ・ドラゴンで、オベリスクの巨神兵を攻撃!」
「正気か!? 攻撃力の差を忘れたか!」
「忘れていない」
黒薔薇の竜が翼を広げる。
「私は速攻魔法《ローズ・フレア》を発動。このターン、相手の神属性モンスターと戦闘を行うとき、攻撃力の差による戦闘ダメージを軽減し、相手の攻撃力を一時的に下げる!」
赤黒い炎が、ブラック・ローズ・ドラゴンの翼に宿る。
「いけ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」
竜が突進した。
オベリスクの巨神兵が拳を振り上げる。
両者の攻撃が激突し、巨大な衝撃波が空中へ広がった。
巨神の巨体がわずかに後退する。
フリードのライフが削られ、彼は思わず歯を食いしばった。
「この俺が……神のカードを使っている俺が、押されているだと……!」
「まだ終わっていない」
ユエは冷たく告げた。
「私はカードを一枚伏せて、ターンエンド」
フリードの額から汗が流れ落ちた。
オベリスクの巨神兵は健在。
しかし、ユエはその圧倒的な力を真正面から受け止めるのではなく、植物族の再生力と妨害を重ね、少しずつ追い詰めていた。
次のターン、ユエの手札には決定打となるカードがあった。
このまま進めば、フリードは敗北する。
そしてユエ自身も、その勝利を確信しつつあった。
「私のターン!」
ユエはカードを引いた。
そのカードを見た瞬間、彼女の目がわずかに細くなる。
勝負を決める手段が整った。
「私は《ローズ・ウィッチ》を召喚。さらに、墓地のチューナーを特殊召喚する」
フィールドに再びモンスターが並ぶ。
「私はレベル4の《ローズ・ウィッチ》に、レベル3のチューナーをチューニング!」
光が重なり、再びブラック・ローズ・ドラゴンが現れた。
「シンクロ召喚、《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」
黒薔薇の竜が咆哮する。
「そして、効果を発動! フィールドのカードを破壊する!」
「またか……!」
フリードは顔を歪めた。
オベリスクの巨神兵は、ユエの妨害によって本来の力を発揮できずにいる。
このままでは、次の攻撃で敗北しかねない。
ユエは勝利を決定づけるため、最後のカードを手に取った。
「速攻魔法《ローズ・リベンジ》を発動。墓地の植物族モンスターを除外し、相手のモンスター一体の攻撃力を下げる!」
黒い蔓がオベリスクの巨神兵へと伸びる。
神の巨体が揺らいだ。
「これで、次の攻撃が通れば――」
その瞬間だった。
「そこまでだ、フリード様!」
空から飛来した魔人族の兵士が、決闘場へ割り込んだ。
ユエの攻撃が中断される。
「……何?」
ユエの視線が、乱入者へ向けられた。
兵士はフリードの前に跪いた。
「王都の守備隊が再編成されつつあります! このままでは、こちらの損害が増えます。いったん後退を!」
「貴様、今がどれほど重要な局面か分かっているのか!」
フリードは怒鳴りつけた。
「しかし、フリード様の安全を確保するよう、あらかじめ命令を受けております!」
「……あらかじめ、だと?」
フリードは歯噛みした。
この兵士は、戦況が悪化した場合に自分を退かせるため、事前に命令されていた護衛だった。
だが、今の決闘は、ユエに追い詰められたからこそ、フリードにとっても引けない戦いになっていた。
「ふざけるな! 俺はまだ負けていない!」
「ですが、ここでフリード様を失うわけにはいきません!」
兵士は強引にフリードの乗る魔物を動かした。
ユエはブラック・ローズ・ドラゴンを構えたまま、冷たい声を放つ。
「待ちなさい。決闘はまだ終わっていない」
「黙れ、小娘!」
フリードは怒りに顔を歪めた。
「この勝負は預けてやる! 次に会ったときこそ、神の力で貴様を叩き潰してやる!」
「逃げるの?」
「何とでも言え!」
フリードは護衛に引きずられるようにして、空の彼方へ退いていった。
オベリスクの巨神兵の姿も、黒い光とともに消える。
決闘場には、ユエだけが残された。
「……あと少しだったのに」
ユエはデュエルディスクを下ろした。
勝利は目前だった。
しかし、最後の攻撃を通す前に乱入され、勝負はうやむやになってしまった。
彼女の表情に、わずかな悔しさが浮かぶ。
「ハジメなら、もっと怒っていたかもしれない」
そう呟き、ユエは通信機を起動した。
「ハジメ、聞こえる?」
『ああ、聞こえてる。そっちはどうなった?』
「フリードと決闘した。オベリスクの巨神兵を使っていたけど、あと少しで勝てた。でも、護衛が割り込んできて逃げられた」
『……なるほど。相変わらず、胸糞悪い奴だな』
「うん。次は逃がさない」
『頼む。俺も愛子先生を見つける』
通信が切れた。
ユエは王都の方角を見つめ、再びD・ホイールへ跨がった。
まだ、戦いは終わっていない。
一方、王都へ続く街道の反対側。
シアは魔人族の軍勢を足止めするため、開けた草原へと飛び出していた。
敵兵の一部が彼女に気づき、進路を変える。
「たった一人で、俺たちを止めるつもりか?」
前に出てきた男が、嘲るように笑った。
その顔を見た瞬間、シアの表情が変わった。
オルクス大迷宮でハジメと戦った魔人族の女、カトレア。
その恋人である男だった。
「……あなたは」
「俺を覚えていたか。そうだ、カトレアの相手をした南雲ハジメの仲間だな」
男は腰のデュエルディスクを起動した。
「お前の仲間がカトレアを倒した。ならば、その借りを返すのは俺の役目だ」
シアもデュエルディスクを装着した。
「……そうですか」
彼女の声は、いつもの明るさとは違っていた。
かつてのシアなら、こうした状況で怯えていたかもしれない。
自分の力に自信がなく、相手の威圧感に押され、ハジメの助けを待っていたかもしれない。
しかし、今は違う。
ハジメとの修行。
ハウリア族とともに積み重ねた鍛錬。
何度も失敗し、倒れ、それでも立ち上がってきた日々。
それらは、確かにシアの中に積み上がっていた。
「私は、ハジメさんの仲間です」
シアはデュエルディスクを構えた。
「だから、あなたをここから先へは行かせません!」
「いいだろう。後悔させてやる!」
「「デュエル!」」
シアのターン
「私のターンです!」
シアはカードを引く。
「私は《D・スコープン》を召喚!」
小型の機械モンスターが、フィールドに姿を現した。
「さらに、手札から《D・ラジオン》を召喚!」
赤い装甲をまとった機械が、スコープンの隣に立つ。
「《D・ラジオン》の効果で、私の機械族モンスターの攻撃力を上げます!」
シアはカードを掲げた。
「そして、レベル3のチューナー、《D・スコープン》に、レベル4の《D・ラジオン》をチューニング!」
光の輪が七つ重なり、巨大な工具を持った竜が姿を現す。
「シンクロ召喚! 《パワー・ツール・ドラゴン》!」
機械仕掛けの竜が、金属の翼を広げた。
シアの切り札。
彼女が初めて自分の力を信じるきっかけとなったカードだ。
「さらに、パワー・ツール・ドラゴンの効果を発動! デッキから装備魔法を三枚選び、そのうち一枚を手札に加えます!」
シアは三枚を選び、相手に見せる。
男はその中から一枚を選んだ。
シアは選ばれたカードを手札に加えた。
「私は装備魔法《団結の力》を発動! パワー・ツール・ドラゴンに装備します!」
竜の身体に、仲間の力を象徴する光が宿った。
「カードを二枚伏せて、ターンエンドです!」
男のターン
「俺のターン!」
男はカードを引き、口元を歪めた。
「俺は《暗黒の騎士》を召喚! さらに、魔法カード《魔人の契約》を発動する!」
黒い魔力がフィールドを覆う。
「このカードの効果で、手札から悪魔族モンスターを特殊召喚する!」
漆黒の翼を持つ魔人が現れた。
「さらに、二体のモンスターを使い、上級モンスターを召喚する!」
男のフィールドに、巨大な悪魔が降り立った。
「《冥府の魔人王》!」
その攻撃力は、パワー・ツール・ドラゴンを上回っていた。
「バトル! 冥府の魔人王で、パワー・ツール・ドラゴンを攻撃!」
悪魔の腕から、黒い衝撃波が放たれる。
「罠カード発動! 《スクラップ・リサイクラー》!」
シアは伏せカードを開いた。
「パワー・ツール・ドラゴンが破壊されるとき、装備カード一枚を墓地へ送って、破壊を無効にします!」
団結の力が光となって砕け散り、パワー・ツール・ドラゴンを包む。
悪魔の攻撃が弾かれた。
「ちっ、守りを固めているか!」
「当然です! 私のパワー・ツール・ドラゴンは、そう簡単には壊れません!」
シアは胸を張った。
男は舌打ちし、カードを一枚伏せた。
「ターンエンドだ!」
シアの反撃
「私のターンです!」
シアはカードを引くと、すぐに動いた。
「私は魔法カード《ジャンク・ボックス》を発動! 墓地のレベル4以下の機械族モンスターを特殊召喚します!」
墓地からD・ラジオンが戻ってくる。
「さらに、《D・スコープン》を召喚!」
小型のチューナーが再び現れた。
「レベル4の《D・ラジオン》に、レベル3のチューナー、《D・スコープン》をチューニング!」
光が重なり、再びパワー・ツール・ドラゴンが現れる。
「二体目のパワー・ツール・ドラゴンだと!?」
「はい! 私は諦めません!」
シアは装備魔法を手に取った。
「装備魔法《団結の力》を発動! 今度は二体目のパワー・ツール・ドラゴンに装備します!」
機械竜の攻撃力が上昇する。
「さらに、もう一体のパワー・ツール・ドラゴンの効果を発動! デッキから装備魔法を選び、手札に加えます!」
シアはカードを引き抜いた。
「装備魔法《巨大化》を発動! 私のライフが相手より少ないとき、装備モンスターの攻撃力を倍にします!」
パワー・ツール・ドラゴンの装甲が輝き、巨大な力が宿る。
「バトル! 一体目のパワー・ツール・ドラゴンで、《冥府の魔人王》を攻撃!」
機械竜が巨大な工具を振り下ろす。
魔人王は攻撃を受け止めようとしたが、力負けして吹き飛ばされた。
「なにっ!?」
男のライフが大きく減少する。
「まだです! 二体目のパワー・ツール・ドラゴンで、直接攻撃!」
巨大化した機械竜が、鋼鉄の翼を広げて突進する。
「罠カード、《魔人の盾》を発動!」
男が伏せカードを開いた。
「このターン、俺が受ける戦闘ダメージを半分にする!」
黒い盾が現れ、攻撃を受け止める。
しかし、衝撃は完全には消えず、男は後退した。
「くっ……!」
シアは攻撃を止め、次のカードを構えた。
「私はカードを一枚伏せて、ターンエンドです!」
男は表情を険しくした。
相手はただ攻撃力を上げて殴るだけではない。
装備魔法を使い分け、破壊を防ぎ、墓地からモンスターを再利用し、攻撃の手を絶やさない。
そして、何よりも。
シアの目に、怯えがなかった。
修行の成果
「俺のターン!」
男はカードを引くと、残った手札を確認した。
「俺は《魔人の契約》を再び発動! 墓地の悪魔族モンスターを除外し、手札から《冥府の処刑人》を特殊召喚する!」
黒い鎧の戦士が現れる。
「さらに、魔法カード《悪魔の呼び声》を発動! 墓地から《暗黒の騎士》を特殊召喚!」
男のフィールドに、二体のモンスターが並んだ。
「二体をリリースし、再び《冥府の魔人王》を召喚する!」
巨大な悪魔が復活する。
「これで終わりだ! 冥府の魔人王で、攻撃力の上がったパワー・ツール・ドラゴンを攻撃!」
悪魔が黒い炎を放った。
「罠カード発動! 《パワー・ブレイク》!」
シアが伏せカードを開く。
「装備魔法を装備した機械族モンスターが攻撃されたとき、その装備魔法を墓地へ送って、攻撃を無効にします!」
巨大化のカードが光となって消え、攻撃が止まった。
「また防いだだと……!」
「これで、あなたの攻撃は終わりです!」
シアは強く言い切った。
「私は、ハジメさんに教わりました。力が足りないなら、工夫すること。負けそうなら、最後まで考えること。そして、大切な仲間を守るために、簡単に諦めないこと!」
彼女はパワー・ツール・ドラゴンを見上げた。
「私はもう、あの頃の私じゃありません!」
男の表情が歪む。
「小娘が……!」
「ターンエンドです!」
シアはカードを引き、最後の攻勢に出た。
「私のターン!」
手札を確認し、シアは一枚のカードを掲げた。
「魔法カード《リミッター解除》を発動! このターン、私の機械族モンスターの攻撃力を倍にします!」
二体のパワー・ツール・ドラゴンが、まばゆい光に包まれた。
「さらに、装備魔法《団結の力》の効果で、私のモンスターの攻撃力はもっと上がります!」
機械竜の攻撃力が、冥府の魔人王を大きく上回る。
「ば、馬鹿な……!」
「バトル! 一体目のパワー・ツール・ドラゴンで、《冥府の魔人王》を攻撃!」
竜の工具が、悪魔の巨体を叩き潰した。
男のライフが大きく減少する。
「まだ終わりません! 二体目のパワー・ツール・ドラゴンで、直接攻撃!」
機械竜が突進し、巨大な光を放った。
「ぐああああっ!」
男のライフがゼロになった。
決闘は、シアの完全勝利で終わった。
ほんの少しの成長
男は膝をつき、呆然とフィールドを見つめていた。
「……この俺が、負けただと……?」
その表情には、怒りよりも驚愕が強く表れていた。
彼は、シアを弱い相手だと思っていた。
ハジメの後ろに隠れ、誰かに守られているだけの兎人族。
そう決めつけていた。
しかし、目の前にいる彼女は、最後まで自分の力で戦い抜いた。
攻撃を受け止め、戦況を立て直し、相手の隙を見逃さず、最後には完璧な攻勢で勝利をつかんだ。
「……あなた、以前とは別人のようですね」
シアは、ふとそんな言葉を口にした。
「以前の私だったら、きっとあなたの威圧感に負けていたと思います。自分が弱いことばかり気にして、どうせ勝てないって思っていたかもしれません」
シアはパワー・ツール・ドラゴンを見上げた。
「でも、ハジメさんと出会ってから、たくさん鍛えてもらいました。自分の弱さを知って、どうすれば強くなれるかを考えて……少しずつ、前に進んできたんです」
彼女は小さく笑った。
「……少しは成長できたのかもしれませんね」
その言葉には、確かな実感があった。
男は何も言い返せなかった。
シアの背後には、王都へ向かう道が続いている。
その先には、まだ多くの敵がいる。
シアはデュエルディスクを下ろすと、男へ背を向けた。
「これ以上、先へは行かせません。あなたたちが何を企んでいるのか知りませんが、私たちの仲間や、守るべき人たちを傷つけさせるわけにはいきません!」
男は悔しげに拳を握り締めた。
だが、敗北した以上、もはやシアを侮ることはできなかった。
彼女は確かに、強くなっていたのだ。
一方、ハジメは王都の外壁を越え、混乱する街中へと入り込んでいた。
城門付近では兵士たちが魔人族の襲撃に備えており、街の各所で住民の避難が進められている。
だが、王都の中にも、魔人族の手引きを受けた者たちが潜んでいる可能性がある。
ハジメは人目を避け、建物の屋根から屋根へと移動した。
千年眼が、周囲の魔力の流れを捉える。
「……あった」
教会に近い区画。
地上からは見えにくい場所に、地下へ続く入り口があった。
入口を守る兵士たちは、王国の紋章を身につけている。
しかし、その動きには統一感がなく、周囲を警戒する様子も不自然だった。
「王国の兵士が、教会の地下牢を守ってる……。きな臭いにも程があるだろ」
ハジメは小型の爆薬を取り出し、入口の反対側へ投げた。
轟音が響く。
「何だ!?」
「裏口だ! 確認しろ!」
兵士たちが走り出す。
その隙を突き、ハジメは地下への階段を駆け下りた。
石造りの通路には、魔法による封印がいくつも施されている。
だが、ハジメにとって、それらは障害にもならなかった。
魔力を込めた弾丸で封印の核を撃ち抜き、警報装置を破壊し、最奥の牢獄へ向かう。
やがて、鉄格子の向こうに一人の女性が見えた。
「……愛子先生」
愛子は驚いたように顔を上げた。
「ハジメくん……!?」
目を見開き、信じられないものを見るようにハジメを見つめる。
「本当に、ハジメくんなの……?」
「他に誰がいるんですか。こんな場所で再会するとは思いませんでしたけど」
「そんな……! あなた、無事だったのね……!」
愛子は鉄格子へ駆け寄った。
その目には、涙が浮かんでいた。
「みんなは? ユエさんやシアさんは? クラスのみんなは無事なの?」
「詳しい話は後です。今はここから出る」
ハジメは鍵穴へ細い工具を差し込んだ。
数秒後、乾いた音とともに錠前が外れる。
「さあ、行きましょう」
「待って、ハジメくん! 私、ここで見聞きしたことを伝えなきゃいけないの!」
「歩きながら聞きます」
ハジメは愛子を支え、牢獄の外へ出した。
「……ありがとう。助けに来てくれて」
「礼は後でいいです。今は生きて帰ることを考えてください」
愛子は頷いた。
だが、通路へ出た瞬間、ハジメは足を止めた。
前方の空気が、異様に重い。
千年眼が、強烈な魔力の反応を捉えていた。
「……誰だ」
暗闇の向こうから、ゆっくりと足音が響く。
コツ、コツ、コツ。
やがて、一人の男が姿を現した。
白い衣服。冷たい笑み。人間離れした気配。
その背後には、異形の機械が浮かんでいた。
歪な装甲。無数の機械部品。人型の輪郭を持ちながら、どこか生物めいた不気味さを漂わせる存在。
その胸部には、無限を思わせる紋章が刻まれている。
「……神の使徒か」
ハジメが呟くと、男は愉快そうに笑った。
「ご名答。私はノイトン。神の意志を遂行する者の一人だ」
ノイトンは、ハジメの左目を覆う眼帯へ視線を向けた。
「千年眼を持つ者……。そして、神の計画を乱し続けている異端者、南雲ハジメ。ようやく会えたね」
「俺に何の用だ」
「君の力を確かめたい。神に逆らう者が、どれほどのものなのかをね」
ノイトンは腕を広げた。
「もちろん、ただの戦いではつまらない。君が得意とする方法で、決着をつけようじゃないか」
ハジメのデュエルディスクが、静かに起動する。
「……決闘か」
「そう。君が勝てば、ここから生きて帰る道を与えてあげよう。負ければ、君もあの教師も、神のための駒として利用させてもらう」
愛子が息を呑んだ。
「ハジメくん、危険よ……!」
「分かってます」
ハジメは愛子を背後へ庇った。
「愛子先生、下がっていてください。ここは俺がやります」
「でも……!」
「大丈夫です。俺はもう、あの頃の俺じゃない」
ハジメはノイトンを見据えた。
「それに、神の使徒ってのは、どいつもこいつも人の人生を勝手に弄ぶのが好きらしい。いい加減、うんざりしてたところだ」
ノイトンは微笑んだ。
「威勢がいいね。だが、君はまだ知らない。神が与えた力の、本当の意味を」
背後の機械が唸りを上げる。
無数の歯車が回転し、鋼鉄の装甲が展開した。
その姿を見たハジメの目が細くなる。
「……機皇帝、か」
「そう。これこそ、私の切り札」
ノイトンは高らかに宣言した。
「現れろ――《機皇帝ワイゼル∞》!」
機械の巨体が、牢獄の通路を埋め尽くすように浮かび上がった。
無機質な赤い眼が、ハジメを捉える。
神の使徒ノイトン。
そして、その背後に立つ機皇帝ワイゼル∞。
愛子先生を救出したばかりのハジメは、今度は神の使徒との決闘に挑むことになる。
「さあ、南雲ハジメ。神に抗う力を見せてくれ!」
ノイトンがデュエルディスクを構える。
ハジメもまた、義手に組み込まれたデュエルディスクを展開した。
「いいぜ。神の使徒だろうが、機皇帝だろうが関係ねぇ」
赤い光が、ハジメの千年眼の奥で鈍く瞬く。
「俺の邪魔をするなら、まとめてぶっ潰す!」
二人の決闘が、始まろうとしていた。