私が誘拐されてから大体1週間が経過した頃だろうか。現在朝6時の早朝、私はベッドの中でぬくぬくしていた、寒いのだ。
そう今は5月、暖かくなっていく季節だが寒いものは寒い、それに黒服が今日は訓練も無しと言っていた。朝のベッドは身に沁みる…もうコレ無しでは生きられない。
ドゴォォン!!!
「ひぇあぁあっ!?」
え?えっえっえ?何今の爆音、もしかして爆撃された?ちょ待てよ、私そんなの聞いてないんだけど、取り敢えず黒服に詳細を聞かなければ。
「黒服!今の爆撃だよな!?一旦どういう…」
「古食さん、SRT特殊学園が貴方を取り返しに来たんですよ、私とてSRTと真正面からやれば瞬殺されてしまいます。なので惜しいですが貴方をお返しすることにしたんですよ」
「うーん…マジか、まぁ一応だが助かったよ、私一人じゃ神秘と色彩の探索は限度があったからさ。もしかしたらまた来るかもな、じゃ、元気で」
「はい、古食さんも体調にお気をつけて」
さて、それじゃ荷物の整理もしないとな、黒服から没収されていたスマホを受け取り、衣類などを畳んでキャリーケースに詰め込む。
よし、これで粗方準備は整った。あとはこのビルから出て皆の所に行くだけなんだが…
「なぁ黒服、このビル
「そうですね…このままではあと6分が限界でしょうか、おちおち脱出できそうではありませんね」
私が何でこんなこと聞いたのか、それはこのビルがさっきからずっと爆撃されているからだ。勿論犯人はSRTの皆、私もいるんだからやめてほしいけどな。
「ま、お互い生きて会おうぜ」
「古食さん、そちらには窓しかありませんよ?それにここは40階ですが…」
私は黒服の忠告を気にせず窓から飛び降りる。勿論このまま行けば即死だ、いちごジャムになっちゃうな。だが私には最近編み出したアレがある。紅いサンクトゥムタワーを作り出し、ビナーと私を融合させる。
「どりゃぁぁ!!」
落下した勢いを打ち消すために尻尾を大きく振り、地面にぶつかる瞬間に衝突させ勢いを相殺する。これで私は無事という訳だ、黒服は…まぁどうせ生き残るだろ。
「さて…あとはミヤコ達でも探すか〜、まぁどっかにいるだろ、ビナーはもう解除しておくか」
ビナーとの融合を解除し、適当にビルの周りをほっつき歩いてミヤコ達を探す。さすればすぐに見つかった、FOX小隊の先輩達もいるじゃん。
「古食さん!!」
「おおミヤコ、お疲れ様。いやー、心配かけさせてすまなかったな、私は見ての通り何ともないから大丈夫だ」
私を発見したミヤコ達RABBIT小隊は走って駆け寄ってきて、先輩達は微笑んでこちらに歩み寄る。
「何か変なこととかされてませんか?解剖とか…」
「されてないされてない、まぁ意外と平和だったよ、強いて言えばデータ提供した程度だから気にすんな」
「全く…心配したんだからな、古食の料理は美味いから食べれなくなったら困る」
いやそこかよ…私のことを心配してほしかったけどまぁ結果オーライか、それにサキっぽいし、あとでイタズラしてやろうかな。
「くひひ、何事も無くて良かったよ〜、それにサキはこんなこと言ってるけど裏ではずーっと古食のこと心配してたんだよ〜」
「ちょっ…モエ!それは言わないって言ってただろ!何言ってんだよ!」
ふーん…まぁ今回は許す、イタズラは勘弁してやろう。この後は連長にも会いにいかないとかな、迷惑かけちゃったし。
「いやー疲れた疲れた、早く帰ろ帰ろ。連邦生徒会長にも会わないといけないし」
「そうですね、帰りましょう」
ということで皆でヘリに乗りSRTの校舎の屋上にあるヘリポートへ帰る。ヘリに乗っている間はずっと先輩達*1におもちゃにされていて少し疲れた。
無事にヘリポートに到着したのでヘリから降り、生徒会長室に突撃する。
「れんちょ〜、戻ったぞ〜!」
「古食さん、心配したんですからね!RABBIT小隊の持ち帰った資料を閲覧した時は本当に肝を冷やしましたよ、あんな猟奇的なことをされてたら本当に…本当に心配したんですからね!」
「分かっ…分かったからそのポコポコするやつやめて、地味に痛い」
その後もポコポコされたがしばらく経てば落ち着きソファに座るように言われる。相変わらず生徒会長室のソファはふかふかだな、少しズルい。
「今回はコレで勘弁してあげます。それで古食さん、捕まっている間はどうでしたか?例えばこんな人がいたとか、その人の目的とか」
「そうだな〜…少し不便な所もあったけどまぁ良い所だったよ、私を捕まえてた奴…黒服は正直に言えばそんな悪人って感じではなかったし、話し合えば分かりそう。それで黒服の目的か、たしか神秘の研究と色彩だっけ」
「色彩…ですか、なるほど、大方把握しました」
あれ、連長って色彩のこと知ってるんだ、少し意外。けどまぁ…今でも謎が多い人だし知っててもそんな違和感はないかな。
「取り敢えず古食さんはもう寮に戻って休んでください、黒服とやらの元から戻ってきてすぐ来てもらってすみませんでした」
「いや良いよ、そんじゃまた明日にな」
「はい、また明日」
連長に別れの挨拶をして生徒会長室を出る、いやー、それにしても寮に帰るのは久々だな〜。サキは結構ズボラなところもあるから部屋とかごっちゃになってないか心配だけど、ミヤコがいるし多分大丈夫かな。
◆◆◆
「ただいま戻ったぞ〜、いやー疲れた疲れた」
「あっ、おかえり古食、ご飯もうできてるけど食べるか?今回は古食が戻ってきたからお祝いに私が腕を振るって頑張ったぞ!」
「サキの手作り料理…!?毒物とか入れてない?焦がしたりした?包丁で切ってない?」
「ふんっ」
「いだっ…殴られた…!」
何故だ…ただ心配しただけなのに、だってこの前サキが料理作った時はそれはもう悲惨で、調理器具も食材もそこらかしこに散らばるくらいには料理苦手なのに…
「流石に失礼が過ぎるぞ、私だって古食がいない間なんとか食いつなぐ為に頑張ったんだぞ」
「いや市販の弁当とか買えばよくない?態々サキが作らなくても…」
「う、うるさい!私だってたまにはこういうことしたいんだよ!このっ!」
「痛い痛い、暴力反対」
頬を赤らめ怒り私の頬をポコポコ…というかボコボコ殴ってくるサキ、連長とは段違いで痛いから本当にやめてほしい…
「まぁ取り敢えずご飯食べよ、サキの腕前がどれほど上達したのか見たいから」
「良いぞ!私の腕前、とくと見せてやる!絶対に美味いって言わせてやるからな!」
私への暴力をやめ息巻いてドヤ顔でリビングへと向かうサキ、こういうところだけは好印象を持てるよな。こういうところ
さて、サキの料理、お手並み拝見と行こうか。
───
「美味い…!?」
「そうだろそうだろう!私だって頑張ったからな!もっと褒めても良いぞ!」
ドヤ顔なサキは取り敢えず頬っておいてご飯を食べ進める、いやしかし…本当にサキが作ったのか疑わしい程に美味い、以前のご飯とは比にならない。
「因みにサキじゃなくてミヤコが作ったという可能性は…ある?」
「ない、引っ叩くぞ」
ひぇ〜…相変わらず怖い、そういやミヤコが居ないな、任務…は、緊急任務を除いて一日に一回しかないからもう任務はないはずだし、緊急任務は単独では行けないはずだからその線もないんだけどな…。
「なぁモエ、ミヤコ居ないけどどこ行ったんだ?今日はもう任務ないだろ?訓練も今日は特別にないし」
「あー…食材を買いに行くって言ってたような気がする。サキ沢山失敗して食材無駄にしてたしね〜」
「なっ…!それを言うなー!」
モエとサキの鬼ごっこは置いといてミヤコが心配だな、ミヤコはあの真面目さで方向音痴だから迷ってないか心配だ。
「ご馳走様、私はミヤコの所行ってくる。少し心配だし」
「えー?大丈夫だと思うよ、ミヤコも大丈夫って言ってたし」
「うーん…でも心配だし、取り敢えず様子見てきて大丈夫そうだったら戻ってくるよ」
ミヤコの様子を見に行く為にコートハンガー*3に掛けてあるジャージを手に取り靴を履きながら着る。
「行ってきます」
「行ってらっしゃーい」
───
しばらく走りいつも利用しているスーパーの近くを探索する、すればミヤコがスーパーまでの道とは大きく外れた所にいた。
「あれ…前に古食さんと行った時はこんな所じゃなかったのに、迷子になってしまいました、ここ何処でしょうか…」
やっぱり迷子になってるじゃん、仕方がない、手助けするか。
「おーい、ミヤ…」
「でも、古食さんが戻ってきたお祝いの為のケーキを買わないと…私ができることはこれくらいしかないので、これだけは絶対に一人でやってみせます。サキにも頼みません」
…全く、仕方がない、大丈夫そうだし帰るとするか。まぁ可愛い子には旅をさせよとも言うし、手助けばっかりじゃダメだな。
────
「ただいま〜、ミヤコは大丈夫そうだったぞ」
「お、おかえりなさい、古食ちゃん…ミヤコちゃん順調なんだね…よ、良かった…」
ミヤコが帰ってくるまで暇だしゴロゴロするか、ということでミユを抱えてソファに移動。
ミユを膝に乗せて撫でながら適当にテレビを視聴する、ミユは困惑していて可愛いせいでテレビに集中できない、もう少しこのままでいるか。
「あれ、ミユ少し身長伸びた?前に膝に乗せた時と比べて違和感がある」
「え、えっと…うん…1cmだけ…よく分かったね」
照れてニコニコなミユ可愛いなオイ、そんな可愛い子にはこうしてやる!
「えっと…こ、古食ちゃん?…いきなり撫でてきてどうしたの…?」
「んいや…ただ撫でたくなっただけ」
んー…そういや明日は非番だったな、皆も任務ないし、トリニティに帰省しよ!ミヤコ達も連れていくか。
「なぁなぁミユ、明日って皆任務ないだろ?だからトリニティに帰省しようと思うんだけど皆で一緒に行く?」
「トリニティ?それって古食ちゃんの元居た学校だよね…い、行きたい…かな…」
よしそうと決まれば早速皆に提案するぞ!あ…でもミヤコがまだ帰ってきてないし…
「ただいま帰りました」
お、噂をすれば何とやらだ、丁度ミヤコが帰ってきたし皆をリビングに招集するか。
「おーい、ちょっとリビングに集まれー、話したいことがある」
招集すればミヤコ達がソファに集まる。意外と早く集まったな、もっとグダるかと思っていたが。
「なぁ古食…なんでミユを膝に乗せてるんだ?」
「んー…気にするな」
サキが怪訝そうだがまぁ取り敢えず本題に入るか。
「えーっと…それで話なんだがな、明日は皆非番だろ?そんで私帰省する予定なんだよ、だから皆でトリニティに行こう!てこと」
「なるほどな、私は良いぞ、古食の元いた所もちょっと気になるし」
「私も大丈夫です」
「よし、モエは…まぁその顔を見れば言わずもがな、めっちゃワクワクしてそうだし行くってことで良いよな。と言うことで散っ!」
私の声と同時に皆が各自バラバラになる。因みにミユだけ私が誘拐している。
因みにこの後は学校だ、本当は既に登校時間過ぎてるんだが早朝から任務があったため特別に2限目からの登校が許されている。SRTに行くのも久々だな〜。
◇◇◇
と言うことで着きましたSRT特殊学園の校舎、今は丁度1限目が終わったところだな。
「ほら古食さん、モタモタしていたら2限目が始まってしまいますよ」
「あぁ、すまんすまん今行くよ、待たせて悪いな」
取り敢えず校舎の中に入り教室に移動する。皆から心配されたが大丈夫だと言って落ち着かせておいた、さて2限目の体育だ、さっさと向かわねば。
「そういや今日の体育って何すんだろうな〜、なんかオートマタ先生*4も今日の体育はいつもと違うことするって言ってたし、ミヤコ何か知ってるか?」
「いえ特にには…あっ、ですが古食さんから模擬対人戦を行うと聞きました」
「対人戦〜?私サポートが主なんだから苦手なんだけどさぁ〜、見学ってできるかな、それに今すっごく眠〜い…」
そう今回の体育は対人戦、私がいない間に成長したらしい皆の実力を知りたくてこの案をオートマタ先生にお願いしたらすんなり通った対人戦!
皆が成長していて嬉しいぞ私は、そんなこと言える立場でもないんだがまぁそこはともかく、ルール説明だ!
まず小隊の中で模擬戦をして、その中から勝った一人を小隊の中から選出する。そして次はその選出された者同士で勝ち上がりで戦う、そして最終的に勝った一人が優勝だ。
そんで今は小隊内の勝ち上がりに備えて休憩&武器の整備だ、因みに今回は私とビナー君の融合を使っていこうと思う。かっこいいから。
そして時は進み10分後。サキ対私、ミユ対モエ、そんでミヤコはミユモエで勝った方と模擬戦となった、奇数チームの悪いところが出たな。
「そんじゃサキ、始めるか」
「おうよ!容赦しないからお前も手抜くなよ!」
「勿論、ハナからそのつもりだ。使えるモン全部使ってやる」
と言うことで融合!ビナー君+私!さすればなんと言うことでしょう、私の腰から約20mの尾が生えてくるではありませんか。
「…え…?えっえっえ?」
「ん〜?どうしたんだ、サキ?まるで豆鉄砲を食らった鳩のような顔をして、強気なサキには不似合いな顔だな〜」
「いや…え?え!?ちょっ…え!?おまっ…それどうなってんだ!あとニヤニヤするな!絶対この状況楽しんでるだろ!」
全く滅相もない、私がそんな悪〜い顔をする訳ないじゃやいか…そんな怯えてるサキが面白いとか、そんな
「そっちから来ないなら私から行くぞ〜、それっ」
「ちょっ…待っ…!」
───
「私の勝ち〜!」
「それは…ズルいだろ…!てか本当に何なんだよその尻尾(?)、メカメカしいし、どうやってそんなの生やしたんだよ」
「企業秘密」
まぁこの試合は私の圧勝で終了、次はモエ対ミユの試合か、二人とも戦闘には不向きだけどどうなるかな、案外ポコポコ試合になったりして。
「ミユ!いくらお友達だからと言って手加減無用だから覚悟しなよ!」
「わ、私も…ちゃんと真面目にやるね…」
おっ、もう始まったのか、さてさて…お手並み拝見、と行きたいところ何だけどなんかミユが愛銃構えてるな。
おっと…?そのまま狙いを定めて…命中、モエは一瞬で気絶だ。流石にハンドガンじゃスナイパーライフルには射程で勝てなかったか、武器の性能が色濃く出た試合だったな。
さて、次はミユ対ミヤコだが…私はミヤコが勝つと思う。ミヤコは身のこなしが良いしいくらフィールドの大きさが500㎡もあるとは言えどスナイパーに取っては距離が近いしな、それにグラウンドだから身を隠す所も少ない。
さて、そろそろ始まるな。因みにサキとちょっとした賭けをしている、私はミヤコが勝つに弁当一つ、サキはミユが勝つに同じく弁当一つ賭けている。
「両者構え、よーい…スタート!」
私の合図を聞き、ミユはスナイパーを構え、ミヤコは走り出す。ミユが発砲するもののミヤコは難なく避けて引き続きミユに接近する、ミヤコの射程圏内まで入った瞬間にヤケクソになったミユが突撃してスナイパーを振りかざすが、それもまた避け背後を取る。
「これって…」
「あぁ、ミヤコの勝ちだ」
「それやめとけ、フラグ立つぞ。それはそうと賭けに負けちまったか、仕方がない、後で弁当奢ってやる」
「ラッキー、ゴチになるよサキ」
不機嫌そうなサキを
あと一つ、私のお気に入りのかっこいい必殺があるんだよね、まぁ
「そろそろ時間だな、行ってくる。高級弁当楽しみにしたるからなー」
「おう、高級弁当は許さないけど楽しみにしとけよー」
さて、フィールドに上がり最後の武器の点検もする。
「ミヤコ、本気で行くからな」
「えぇ、私も目にモノ見せてあげますのでお覚悟を」
以前より雰囲気が少し違う…のだが、
「では…始めっ!」
サキの声と同時にミヤコが私に一瞬で接近する。速い、見違える程に強くなったことが肌でヒリヒリと感じる。
それと同時に私の神秘が作動し、ミヤコの攻撃を予知する。勿論私はその予知を真に受けそれに備える。だが、先程から感じる違和感に気を取られ少しばかり掠ってしまう。
「避けられましたが…勝てなさそうではありませんね」
「本当に、強くなって凄いな。一週間前は私についてくることすら夢のまた夢と言う状態だったのが嘘みたいだ。こりゃこのままだったら負けちゃうかな」
久々に、気持ちが高鳴る。今まである程度は戦ってきたが全員
今でも避け続けているが結構ギリギリだ、それにタフネスではミヤコは私に勝る。このまま持久戦に持ち込まれれば私の負けは火を見るより明らかだ。
故に、私もコクマーを使う。それも紅いサンクトゥムタワーをエネルギー源とした
「これで負けても泣くなよ、ミヤコ。私だって負けたくないんだ」
「機械の尾の次は機械の爪…ですか、本当に多彩ですね。手札はあと何枚あるのですかね」
「聞かれて答える奴がいるかよって話だ、ほらほら行くぞミヤコ」
二つのコクマーの手を素早く動かしミヤコに叩き付ける。しかしミヤコはそれを避け、私の目前へと移動し、私に銃を突きつける。
「ここまで近寄れば、機械の爪は使えないですよね?」
「そうだな、ここまで近寄られてしまえばアレは使えない。何故なら私にも当たるからだ、だがミヤコ、お前勘違いしてないか?」
「ッ…!」
あらら…避けられちゃったか、鉄パイプ君。まぁそういうこと、コクマー君ばかりに気を取られれば私が鉄パイプ君やRestartで落とされる。
だが、未だに違和感が拭いきれない。何か嫌な予感が頭に警報を鳴らす、未来は私の勝ちと定められているはずなのに。
「ッ…またただの突撃か、ミヤコ?それじゃ爪の餌食に…」
また突撃ばかりのミヤコに多少呆れながらもコクマーを動かす。ここでミヤコは避けきれず結果は私の勝ちとなる、私の神秘もその光景をはっきりと映し出していた。
「ッ…まだ、です!」
「…は?」
ミヤコは、
「…なるほどね」
「どうですか古食さん、私だってSRT、RABBIT小隊の隊長なんですよ。隊長の力は伊達ではないですから」
確かに、伊達ではなさそうだ。まさか
必ずしも未来の引っ張り合いが起き、勝った方の望むもしもが引き起こる。だが私にはこの神秘があり、引っ張り合いで負けることはほぼない。言うなれば引っ張り合いレベルは相手がLv.1、私がLv.99って感じだ。
だがミヤコはそのレベル差すらも覆し私に引っ張り合いで勝った、これは本来起き得ない事例だ、恐らく気持ちだけで勝ったのだろう、私に勝ちたいという気持ちだけで。
だからこそ私はその気持ちに応えなければならない、故に、私の本気を見せてやろう。
「凄いなミヤコ、私はお前を認めるよ。だからコレ、避けてくれよ」
コクマーの爪は空中に細かく分解し、鉄パイプに刀になるようにくっついていく、その刀は全体を宇宙のような藍色で包まれ、星のような白が散りばめられている。
そして私は、いつもの手の平サイズではなく、本来の大きさには劣るものの、巨大な紅いサンクトゥムタワーを空中に背後に10本作り出していた。もう色彩だとか預言者だとか神秘のことはどうでも良い、私はただ、ミヤコを認めたい。
そして10本の巨大な紅いサンクトゥムタワーから色彩の力が刀に流れこみ、黒いモヤが刀に纏わりついていく。次第にその刀は重量を増していき、力が貯められていることが分かる。
「行くぞミヤコ、頼むから
「ッ…!!!」
私は刀を上に掲げ、振りかざす。その瞬間、振られた先を長く黒いモヤが爆発する。爆発の影響で立った砂埃により、ミヤコの安否が確認できない。
因みにこの攻撃は、未来を見ていないため私にも結果は分からない。完全な博打だ、だが私にはミヤコの勝ちという結果が到来する自信に溢れていた。
次第に砂埃が消え失せ、ミヤコの姿が見えつつある。その姿は、反転していないことを表していた。そう、ミヤコの勝ちだ。
「お疲れ様、ミヤコ。すまなかったいきなり」
「いえ…それは良いんですがアレは一体何なんですか、説明を求めます」
「んー…言わば体質の応用*5ってやつだ」
やべっ、ミヤコが宇宙猫になってる。まぁ当たり前か、色彩って何だよってなるよな普通。
「いやさ、それはそうと助けてくれない?私アレ使うと動けなくなるんだよね、マジ身体中痛すぎて辛ひ…」
「え?あっ…分かりました」
私はミヤコにおんぶされ、休憩所に運ばれる。いやーマジで痛い、本当に痛い。ちょ待ってモエやめて、お腹ツンツンやめて。シャレにならない、シャレにならないから。
その後は何故かされたミユの膝枕を堪能しながらミヤコを応援していった。
「いやー、お疲れ様やで、古食」
「ハタか…私は今めっちゃ疲れてる、気分によってはボコす」
「めっちゃ理不尽やんね、まぁそれはそうと凄いな古食。お陰でフィールドボッコボコやで、今はオートマタ先生が頑張って直しとる」
ちょっと…ハタが邪魔でミヤコの試合が見えない。ビナー君の尻尾で退かすか。ビナー君の尻尾を生成し、ハタに巻き付ける。
「ちょっ…古食?古食〜?やめっ…その尻尾収めてくれへん?あっ…あ〜〜れ〜〜!!」
取り敢えず上に高く投げ飛ばす、後でキャッチしとけばまぁ大丈夫だろ。さて、ミヤコの試合だが…ミヤコの勝利で終わった様だ。その後も次々と勝ち進んでいき次は準決勝、相手は…ハタじゃねぇか。
「おっ、ミヤコお疲れ様、はいこれ水」
「ありがとうございます古食さん」
試合が終わり休憩所まで来たミヤコに水を渡す。ハタか〜、まぁある程度予想はしていた。アイツは調子の良い奴だがSRT一年の中では私の次に強い、ミヤコと同レベル程だろう。
「ミヤコ〜、ハタには遠慮しなくて良いからな!ハタをぶっ飛ばせ!メッタメタにしちまえ!」
「はい、元からそのつもりです」
あれ、ミヤコから私怨が感じられる。アイツ、ミヤコにも何かしたのかよ*6。つくづく調子の良い奴だな。
そして休憩時間は終わり、ミヤコはフィールドに上がる。ハタもまた同様にフィールドに上がり、ミヤコと睨み合う。
「デュエル開始ィ!!」
いつものオートマタ先生の宣言を合図にハタとミヤコが動き出す。ミヤコはRABBIT-31式短機関銃を、ハタはアサルトライフル、確か名前は《嘘つき》だっけ、随分ユニークな名前だな。
ミヤコがRABBIT-31式短機関銃を乱射しながらハタに突撃し、ハタはそれを避けつつ接近する。そしてハタはミヤコの懐に入りそのまま勝つ…と思いきやミヤコの機転により頭にRABBIT-31式短機関銃を突きつけられる。
「こりゃミヤコの勝ちだな、ハタとかいうやつあんまり強くないな」
「いや…この試合はハタの勝ちかな」
ハタは武器を捨て手を上げる、しかし上げた手でミヤコの銃を握る手を掴み背負い投げ、投げた際に銃を奪い頭に突き返す。
やっぱアイツの銃の名前はアイツの性格にピッタリだな、騙って奪う、まるで詐欺師だ。
「お疲れ様ミヤコ、惜しかったな」
「ハタさんにしてやられました。ですが次はこうはいきませんので」
さて、決勝進出はハタ…だけどもう戦える一年はいないよな、じゃあ一体誰が…
「私が相手だ、田沼ハタ。決勝進出おめでとう」
「えっ…ユキノ先輩!?」
まさかのここにきてのユキノ先輩が相手とは…ハタ勝てるかな、私ですら純粋な身体能力では五分五分なのにハタは…まぁ負けるだろうな。
「頑張れハタ〜、私はお前が負けても気にしないからな〜」
「なんで私が負ける前提なんですか古食さん、いやまぁどうせ負けるでしょうけど」
ということで始まりました田沼ハタ対ユキノ先輩!ハタは先程の騙し討ちが通用しないと踏んだのか突撃し乱射!しかしユキノ先輩はそれを走って避ける!
おっとここでユキノ先輩が攻撃に回った!ハタは焦りつつも隙を見極め懐に入るが逆にユキノ先輩に読まれ胸ぐらを掴まれ投げられる!そしてハタが倒れたところを頭に銃を突きつけチェックメイトだぁぁぁ!!決まったぁぁ!!
「やっぱ負けたなお前、ご愁傷さま」
「馬鹿に…してますよねそれ、全く酷いモンです、ちぃと手加減してくれてもええっちゅうのに…」
ということでこのトーナメントはこれにて終了、最後にハタが惨敗したせいでなんか締まらないがまぁ良いでしょう。
…続く
眠ひ、腹減った。あとお気に入り登録と評価、感想もよろろろろ、してくれなかったら君の枕元に出てイタズラするからね、んじゃ。
あとようやく武器の名前決まった、ついでに下にIFルート書いとくね。
1.古食反転ルート(キヴォトス滅亡、ヒフミ生存)
2.ヒフミ死亡ルート(キヴォトス滅亡、ヒフミ死亡)
3.このままルート(キヴォトス存命、ヒフミ生存)
3.依存ルート(キヴォトス存命、ヒフミ生存)
※依存ルートは今のとこミヤコ、ヒフミの二人が候補です。まだまだ他にも出てくるかとしれませんね。