再スタートキヴォトス   作:猫と兎の総力戦

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 どうも有言不実行筆者です。最近は色々と忙しかったり病みたにえんしていて結構ヤバい状態でしたが、認識を改めてとにかくやることやろう。でようやく投稿できました、あと絵がどんどん先延ばしされていて結構ヤバい、どうも有言不実行筆者です。


補修授業部(前編)

 あれから数日経ち、今は先生と共に補修授業部の授業を開いている…のだが、中々順調にすすまない。

 

「もう嫌っ!!」

 

 授業を進めていると、コハルがシビレを切らして大きな声を出す。

 

「こんなことやってらんない!分かんない!つまんない!めんどくさい!!」

 

「どれもこれも、全部先生のせい!!」

 

「なんという暴論…私でなきゃ呆れちゃうね、もう呆れてるけど」

 

"えぇ、私……?"

 

 コハルの暴論に私と先生が呆れの意を示していると、ハナコが口を挟み、反論を呈する。

 

「もう、コハルちゃん。そんなこと言ったら、先生が困ってしまうでしょう?」

 

「あくまでも先生は私たちを助けるために来てくださってるんですし……そもそも勉強が分からないのも試験に落ちたのも、コハルちゃん自身のせいで……」

 

 ハナコの反論に、コハルは何も言えず退いて考える素振りを見せる。

 

「うっ…!!」

 

「わ、私は正義実現委員会の一員だから!それで、授業に出られないことが多くて……そう!それのせいなの!」

 

 「それは他の正義実現委員会のメンバーも同じだ。でもここに来ているのはコハルだけ」

 

「…」

 

 再度異議を唱えるコハルに見事にアズサの横槍が入り、また黙りこくる。見事なまでに封殺されてるな、まぁ事実なんだろうけど。

 

「なるほど、つまりアズサちゃんが言おうとしていることは、ただコハルちゃんがおバカさんだからですよ、ということで合ってますか?」

 

「まぁ、それもあながち間違ってはいない。仕方のないものは仕方ない、人生は往々にして虚しいものだ」

 

「たしかに人生は苦痛の連続ですからね……そういうこともあります」

 

「ああもうっ、うるっさいなぁっ!?そんなこと言ったらあんたたちも皆一緒じゃん!私がバカならここにいる全員バカでしょバーカ!!!」

 

 またコハルの暴論が暴発してる…まぁもうそろそろ慣れてくる頃合いだろうか、先生を見れば苦笑いを浮かべている。流石にまだ慣れないか。

 

「あ、あはは……えっと、それはその……」

 

「あんたも!あんたも!!あんたも!!!あんたもぉっ!!!!」

 

「私は先生の補佐として連れてこられただけだし、そもそも先生は教える側なんだが」

 

"そうだよ…?一応、私も教える側なんだけどな……?"

 

「そ、それは…その……!アレよ!アレ!!とにかく、バカなのよ!!」

 

 怒った様子で苦言を呈し、指を刺して怒鳴るコハルに冷静に反論すると、また苦虫を噛み潰したような顔になる。

 

「あぅ…こ、コハルちゃん、ちょっと落ち着いて……」

 

「落ち着いてなんかいられないわよ!みんな仲良く退学になりそうな、こんな状況で……!」

 

「もし退学になったら……せ、正義実現委員会のメンバーじゃ、なくなっちゃう……うぅ…」

 

 虫の居所が悪そうな表情から一転して、涙を浮かべ泣きそうな顔になる。まぁ退学かどうかが掛かっているこの状況じゃ不安定になるのも分からなくもない。

 

「もちろん私も、退学になるつもりはない。何をしてでも、例え惨めな思いをしてでも、乗り越えてみせる」

 

「まぁまぁ、退学になったからといって何もかもが終わりというわけではありませんから、気長に行きましょう。むしろ……」

 

「あ、あのっっっ!!」

 

「…」

 

「…」

 

「…」

 

 口論に唐突に水を刺し、珍しく大声を出して静止するヒフミに皆は一言も話さず黙る。

 

「あ、えっと、その……こうして集まっているのは、そもそも退学せずに済むようにするためですし……」

 

「取り敢えずその、今は皆で知恵を寄せ合って、何か良い方法を探さないと……」

 

「そうしないと、一週間後には本当に仲良く全員退学、なんてことに……」

 

「『知恵を寄せ合う』……なるほど、悪くはないのですが、あまりグッと来る感じではありませんね。もう少し、何か……」

 

「おいハナコ、まさか変なこと言うつもりじゃないよな?」

 

 ヒフミの真面目な話からハナコの不穏な言葉を聞き、嫌な予感がして問いかける。そして私の予測は見事に的中する。

 

「ここは例えば、そうですね……『弱くて敏感な部分を寄せ合う』、という形でいかがでしょう?」

 

「ほら見たことか、ハナコしやがって」

 

"ハナコしやがって…?何その単語知らん、怖…"

 

「い、いきなり何言ってんの!?下ネタはダメ!禁止!死刑!!び、敏感な部分って、何をどう寄せ合おうっていうわけ!?」

 

 また始まったか、取り敢えず私はここから退散しようかな。休憩がてらにコンビニにでも行ってきて、ついでに皆の分のお菓子でも買ってこようかな。

 

「古食ちゃん、どこかに行くんですか?」

 

「ああ、ハナコのセクハラに巻き込まれたくないからコンビニにでも行ってくるよ。皆の分のお菓子も買ってくるね」

 

 ヒフミにお菓子を買ってくることを伝え、スクールバッグを肩に掛けて部室から出る。一年経った今でもハナコのセクハラは健在どころか、むしろ激しくなってきている気がする。

 

「ほむ…これとこれと…これ…あと…」

 

 エンジェル24に到着し、ポテチやら袋飴をひとまず考え無しに籠に詰め込む。そしてお会計し、部室に戻る。

 

「買ってきたぞー、好きなの取れ」

 

「流石古食!気が効くわね!!」

 

 お菓子を取り出し、ポテチやら皆で分けれる物は開封し、口に運ぶ。最近はサワークリームなる味がマイブームになりつつある、筆者が何気に好きな味だ。

 

「先生は食べないのか?沢山買ってあるから好きなの食って良いんだぞ」

 

"私はやることがあるからね、食べてれたら食べるよ"

 

「む…そうか」

 

 先生の返しに少し残念に思っていると、撫でられる。ほんと、こういうところだよな、先生を女誑し足らしめる理由は。

 

 はぁー…それにしてもなんでこんなことになったかな、たしか、原因は数週間前のことだったかな。

 

 

■■■

 

 

「こんにちは、先生、として古食さん。こうしてお会いするのははじめましてですね、古食さんとは一度お会いしたことありますが」

 

「チッ…」

 

"古食?ダメだよ、相手に威嚇したら"

 

 相変わらず苛つかせてくれる奴だな、本当に、そのニヤついている口にロールケーキをぶち込んでやりたい。

 

「…ティーパーティーのホスト、桐藤ナギサと申します」 

 

「そしてこちらは、同じくティーパーティーのメンバー、聖園ミカさんです」

 

「あらためまして、お初にお目にかかります。私たちがトリニティの生徒会、ティーパーティーです」

 

 …中等部の頃の私にやった威圧や、相手を下に見る態度が見受けられない。恐らくシャーレという連ちゃんから直々に任命された立場にいる先生相手だから、下手に出て様子を見ているんだろうか。

 

 なんともまぁ…いやらしい。けどまぁ、私としても少しは気分が良いから別に気に留める必要はないか。

 

「へー、これが噂の先生かー。あんまり私たちと変わらない感じなんだね?」

 

「なるほどー、ふーん……うん、私は結構良いと思う!!ナギちゃん的にはどう?」

 

「……ミカさん、初対面でそういった話はあまり礼儀がなっていませんよ」

 

 うーん…少し違和感、あの時、アリウスの兵と共に攻めてきた時のミカと少々印象が違う。あの時は余裕がない雰囲気だったけど、今回は明るい雰囲気だ。

 

「それと…そこの子も初めましてだね!さっき資料で見たよ、古食ちゃんって言うんだってね?」

 

「まぁそうですね、私が嘉瀬乃 古食です。今回、ナギサ…さんの指名により、補修授業部の監視役に任命されました。よろしくお願いします」

 

「うーん…堅い感じヤダなー。もうちょっとフラットでも良いんだよ?」

 

 うわー…The・陽キャじゃん。私苦手なんだよな、ダル絡みされると疲れるし、取り敢えずさっさと本題に入ろう。

 

「……では、あらためまして。今回、先生に少しお願いしたいことがありまして」

 

"お願い?"

 

「いきなりだね?もうちょっとアイスブレイクとか必要なんじゃない?ほら、お元気ですか…は少し違うか、良い天気ですねー。とか?」

 

「……もう既にミカさんが済ませたではありませんか、話を戻しますね」

 

 良かった、またダル絡みされるかと思った、陽キャって怖い。できるだけ関わりは控えよう。

 

「もう…たしかにそうだけど……」

 

"貴方たちが、トリニティの生徒会長なんだよね?"

 

「おお、ほらナギちゃん見た?先生が空気読んで話変えてくれたよ!これが大人の話術だよ!!自然な会話への誘導!!」

 

「……はい、仰る通り、私たちがトリニティ総合学園の生徒会長たちです」

 

「あれ、ナギちゃん無視?もしかして無視かな?おーい?」

 

 …まぁ、横に鬱陶しい奴が居たら私も無視する。本題にさっさと入りたいし。

 

「昔……『トリニティ総合学園』が生まれる前、各分派の代表たちが紛争を解決するために『ティーパーティー』を開いたことから、この歴史は始まりました。」

 

「え、ひどっ……ぐすん、私ちょっと傷付いた……」

 

 なんでかな、重要な話なはずなんだが、ミカのせいで茶番にしか見えない。陽キャってこんな効果もあるのか。恐ろしや。

 

「パテル、フィリウス、サンクトゥス・・・・・・それらの三つの学園の代表を筆頭にティーパーティーを開き、和解への流れが生み出されたのです」

 

「ナギちゃんが本当に無視した・・・・・・嫌がらせだぁ・・・・・・ひどくない? 私たち一応十年来の幼馴染だよ?こんなこと今までに・・・・・・結構あったかもだけど・・・・・・。」

 

「…………………その後から、トリニティの生徒会は「ティーパーティー」 という通称で呼ばれるようになり、各派閥の代表たちが順番に『ホスト』を―」

 

「ああもう五月蝿いですね!?」

 

「!?!!?」

 

「ひぇっ……」

 

 ナギサの怒号に、ミカは少量の涙を浮かべて先程の勢いを失う。き、急に怒り出したぞ…いやまぁ原因は明白なんだが…ほら先生も少し固まってるぞ。

 

「今、私が説明をしているんですよ!?それなのにさっきからずっと!横でぶつぶつと…!どうしても黙れないのならその小さな口に……」

 

「ロールケーキをぶち込みますよっ!?」

 

「…」

 

「…」

 

「…oh」

 

"…"

 

 ヒフミから噂程度には聞いていた、『ナギサ様は普段は温厚で優しいですが、怒らせると、とてつもなく非道で残虐なお仕置きが待っている』と。まさか本当にあったとは、いやはや、恐ろしいものだな。

 

「……あら。私ったら何という言葉遣いを……失礼しました、先生……ミカさんも」

 

「いやー、怖い怖い……」

 

"……中々本題に入らないね"

 

「……入らないな」

 

 本題に入らないことを先生と小声で話していると、ナギサが口を開く。

 

「そろそろ本題に入りましょうか。先生にお願いしたいのは、簡単なことです」

 

「簡単だけど、重要なことだよ」

 

「はい、そうですね」

 

「……補修授業の、顧問になっていただけませんか?」

 

"補修授業?"

 

「はい。つまり、落第の危機に陥っている生徒たちを救っていただきたいのです。『部』という形ではありますが、今回は顧問というより『担任の先生』と言った方が良いかもしれませんね」

 

 本当の目的は教えないつもりか、まぁ先生が真実を知ればこの件は破談になる可能性が高いから正解と言えば正解なんだが…私には話したのに先生には話さないのが、下に見られてる感があって少し嫌だな。

 

 モヤモヤしていると、ナギサから資料が配られる。題名は予想通り『補修授業部』、取り敢えず確認くらいはしておくか。

 

「そちらは、補修授業部に関する情報の詳細が記されている資料です」

 

 やっぱり前世と同じ期間、部員、原因も同じだ。それと…採用理由やらなんやらも一緒に書かれているな。ならある程度は前世と同じように動いても大丈夫だろう、ならこの会議が終わったら、さっさとミカ襲来の対策を立てないと。

 

「他に確認したいことがあればなんなりと質問してください、可能な限り答えますので」

 

"じゃあ二つ"

 

"エデン条約……って、何?"

 

「…」

 

「…」

 

「その件については、解答し難いので、また後日に。それに……補修授業部とは関係のないことですので……」

 

"それと、もう一人の生徒会長はどこに?"

 

 随一とグイグイ行くな、先生。まぁ私としてはナギサの困った顔が見れて満足なんだけどな。

 

「……現在、もう一人の生徒会長のセイアさんは入院しています」

 

「そうなの、ちょっとした事故でね」

 

"……そっか、それじゃ私が聞きたいことは以上だよ。古食は、何か聞きたいことはないの?"

 

「私は…ないかな、ただ与えられたことをするだけだし」

 

「……では、これでこの会議は終了とします。先生と古食さんも御足労、ありがとうございました」

 

 生徒会への質問を最後に、会議は終える。このあとは補修授業部のメンバーに会いにいかなければならない。なんとも面倒なことだ、まぁ…丁度会いたかった人もいるし、先生の護衛もついでで仕事に入ってるし行かなければな。




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