ファンの心とかないんか?   作:笑っちゃうよね〜たはー

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『超かぐや姫!』のノベライズを探して近場の本屋(15km圏内)を自転車で奔走した結果…なんの成果も得られませんでした(どこもかしこも在庫切れでした)

誰か慰めてください(´・ω・)


非道いなあ…生徒の心とかないんか?

国分寺高校の生徒達にとって禪院直哉という教師は所謂”当たり”と呼ばれる部類の教師であった。

 

金髪にピアスと、まるで教師とは思えないような格好をしているが、授業はわかりやすくノリもいい。おまけに年齢も近くて顔がいい。

 

さらに京都弁というあまり聞き馴染みのない訛りが生徒達にはウケたようで、それも相まってか人気であった。

 

──そう、京都弁である。

 

話は変わるが、酒寄彩葉という少女には京都弁を話す相性の悪い母親が存在する。

 

母親から逃げるように一人上京して来た彩葉にとって、京都弁を聞くとどうしても母親のことを思い出してしまうのだ。

 

だから別に直哉に非があるというわけでは決してないのだが、彩葉は直哉にどうしても拭えない苦手意識を抱いていた。

 

尤も、担任が変わることなどそうそう起きないので彩葉は半ば諦めていた状態であったのだが──

それが変わるきっかけになった出来事が巻き起こった。

 

およそ一年ほど前に、風邪で寝込んで学校を休んでしまったとある日のことだ。

 

彩葉は連絡を入れるために学校に電話をして、直哉に欠席の旨を伝えた。

 

風邪で頭が働いていなかったのか、はたまた一人で寂しかったのかはわからないが、彩葉は弱音をほんの少しだけ吐いてしまう。

 

それを静かに聞いていた直哉は、彩葉に対して言葉を紡いだのだ。

 

「酒寄ちゃんにどんな過去があったんかも、どれだけ辛い思いをしたのも先生は分からん。せやけどこれだけは言える。君はいつもよう頑張っとるし、結果もちゃんと出しとる。せやから先生はいつでも君の味方やで。気軽に頼ってな」

 

お大事にやで、と直哉は風邪で寝込んでいた彩葉を電話越しに労って電話を切る。

 

その言葉に彩葉はしばらく呆然とするしかなかった。

 

母親と同じ京都弁。しかし言われたことは真反対の言葉。

 

直哉は基本的に頑張っている生徒には優しいのだ。部活にしろ勉学にしろ、何かを成し遂げればそれだけで褒める。

 

結果を出せなくとも、その努力を否定することは絶対にしない。

 

それを学校生活で知っていたというのにどうして苦手意識を拭うことができなかったのかと、彩葉は自身を恥じた。

 

なんてことはなかったのだ。直哉と彩葉の母親は別人であるのだから。

 

それを理解した彩葉は憑き物が落ちた顔をしながら、ぐっすりと眠りについていた。

 

 

 

 

◆◆

 

 

 

 

『ツクヨミ』内にある有料のミーティングルーム。

 

ここにとあるプレイヤーありけり。

 

名をば『いろP』となむいいける。

 

彼女は新規精鋭と評された『かぐや・いろP』の片割れにしてトップライバーの一角に位置するプレイヤーだ。

 

そんな彼女の他に六人のプレイヤーがそこに集合していた。

 

まずは『ブラックオニキス』の帝アキラ・雷・乃依の三人である。

 

彩葉は実の兄である帝にしか声を掛けていなかったのだが、それを受けた帝が他のメンバーを召集した形だ。

 

職権濫用と言われてもおかしくはないが、何も言わずについて来てくれたあたり彼の人徳が伺える。

 

次にまみまみ・ROKAの二人。

 

彼女らは彩葉のかけがえのない友人であり、相談相手としていなくてはならない存在だ。

 

そして最後に──ヤチヨ。

 

この『ツクヨミ』の管理人であり、創始者である彼女も彩葉からの招集に応じて来てくれた形であるが、その笑顔はいつもより固い表情であった。

 

「今日は来てもらってありがとう。実はみんなに相談したいことがあって……」

 

そう言って彩葉は話を始める。

 

──今はこの場にいない『かぐや』についての真実を。

 

月から来た宇宙人であること。

それを迎えに来た宇宙人が次の満月にはかぐやを連れて行ってしまうこと。

 

彩葉は全ての真実を話し、どうしてもそれを阻止するために力を貸して欲しいと頼み込んだ。

 

「かぐやちゃんが月のプリンセスとはッ!分かる〜」

 

「築地生まれじゃなかったんだ〜」

 

「海行っても肌真っ白だったしね〜」

 

そんな風にそれぞれ違ったリアクションを見せながらも、全員が彩葉の荒唐無稽な話を信じていた。

 

その事実に彩葉は嬉しそうにしながら、ヤチヨに話しかける。

 

「ヤチヨ。かぐやを守ることってできないかな?」

 

ヤチヨは『ツクヨミ』の管理者であり、最高峰のAIである。

 

彼女がかぐやを守ることが出来たらーー縋るような思いで彩葉はヤチヨを見つめた。

 

「調べたんだけど、どこからアクセスしてるのか分からなかったんだよね〜ごめん」

 

だがその希望は儚く散る。

 

次に『ツクヨミ』にログインしなければいいという意見が出たが、彩葉はなんらかの力で現実からかぐやがログアウトされると、確信めいたものがあったためそれを否定した。

 

「それなら『ツクヨミ』で迎え撃つしかねえな」

 

むしろこれ以外取る手がねえと言わんばかりに帝は告げる。

 

「てか彩葉はそれをわかってるから俺達を呼んだんだろ?宇宙人だかなんだか知らねえけどよ、わざわざこっちの土俵に合わせてくれるってんならそうしようぜ。ここなら俺達が一番強いからな」

 

自身満々に言い切る帝に他の面子は目を閉じるも、それ以外の道はないと理解していた。

 

「私も……やる。かぐやを守るために戦う」

 

そう言って強い意志を見せる彩葉。

 

そんな彼女に帝はある一つの提案をする決心をした。

 

「俺から一つ提案がある」

 

その言葉に全員の目が帝に向けられる。

 

「ここに一人、強力な助っ人を呼んでいいか?」

 

「……どういうこと?」

 

帝の言葉に彩葉は疑問を投げかけた。

 

他のメンバーもいきなりそう言った帝に対して懐疑の目を向ける。

 

「どうしてもかぐやちゃんを守りたいって言うなら、認めたくねえけどそいつの力を借りた方が絶対に勝率は上がる。どうする彩葉」

 

だがそれを無視して帝は続けた。

 

いつもの表情とは明らかに違うその真剣な表情を見て、彩葉は帝の並々ならぬ覚悟を持っていると理解する。

 

「どんな人なの」

 

その覚悟を汲み取って、彩葉は続きを促した。

 

「そいつは──()()()使()()()()タイマンで俺に勝ち越せるイカれた奴だ」

 

『!?』

 

帝はこれでも歴としたプロゲーマーで、そのプレイスキルは相当なものである。

 

そんな帝を”妖術師”という遠距離・サポート特化の職業でありながらステゴロで下せるほどの強さをその助っ人は持っているということだ。

 

「……まさかっ」

 

彩葉は思い出す。

 

──およそ一ヶ月前ほどに颯爽と現れて窮地を救ってくれた一人のプレイヤーを。

 

彩葉がそのプレイヤーの名前を言おうとしたその刹那

 

「先生を頼らんとか非道いなあ」

 

()()()()()()()胡散臭いコテコテの京都弁が響き渡った。

 

先生、という単語に驚きつつも全員が声のした方向に目を向ける。

 

そこには金髪で耳にピアスをつけた和服の男が、ゆっくりとこちらに足を進めていた。

 

「生徒の心とかないんか?」

 

彼の名は”NAOYA”──現実世界で彩葉の担任を務める”禪院直哉”と同一人物の男である。

 




彩葉はいつもスパダリで最高にカッコいいけど、弱った時はポロッと本音とか言ってそう(小並感)

彩葉から頼られたい人生でした

(見切り発車で書いたのに続いてるとか…執筆者の心しかないんか?)
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