転生者たちは終末世界で好き勝手したい!(出来ない)   作:NATTOUGOHAN

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この世界ではパエトーンはホロウ内外を繋ぐだけでなく念動力を使うことでも有名です。


協力者

デッドエンドホロウ内路線近く

 

 

「CEOにここで待ってろって言われたけど本当に来るのかなぁ。」

 

 此処はデッドエンドホロウ辺りが瓦礫だらけの中、ポツンと機械人がいた。

 それははまるで自分の身体が自分自身のものではないかのように動きが少し鈍かった。

 

「幾ら機械に偽装するからって高速移動が持ち味の俺に普通こんなの着せるか?」

 

 そう、機械人に変装したエーテリアス転生者のトラキアンである。

 今回、先日あったトラブルによりほかの人員が復旧現場に駆り出され、偽装スーツを持っているのが自分しかいなかったのである。

 だがこれではこの体本来の力である空中浮遊が使えず、さらにはCEOの趣味である「やっぱりロボットはガチャンガチャンと動いたほうロボっぽいしカッコいいよね」と言う仕事に私情を挟むなと言いたくなるような口出しにより途轍もない不自由を強いられていた。

 

「絶対帰ったらCEOに文句言ってやる。だから協力者、早く来てくれー」

 

 そんなことを独り言を言っているとスーツに搭載されたレーダーに此方に近づいてくる何かが映った。

 

「おっ噂の協力者かな?待つの暇だからちょっと覗いてみよっと」

 

 そう呟きながらステルス機能をオンにして念の為物陰に隠れながら覗いてみた。

 そうして高台から確認するとその接近者はネコのシリオンと01と書かれたスカーフを身に付けたボンプだと分かった。

 

(確か依頼が重複して、人が一人付いてくるって言ってたよな?じゃああの普通に喋ってるボンプがあの協力者(Sourei)の持ち主なのかな?変わってんな。)

 

 トラキアンはエーテリアスで有り当然の如くホロウから出られない。

 だから外の情報を得るには掲示板を使う必要がある。だがしかし情報源が一つしかないと言うことは情報が偏ると言うこと。

 それが掲示板となれば尚更である。

 協力者が掲示板を伝う以外の手段でホロウ内外を繋ぐ特別なプロキシと言う事は知っていてもどんな奴なのか全く見当も付かなかった。

 然も転生者掲示板は人や無機物、エーテリアス転生者が語り合う混沌とした掲示板である

 勿論ボンプの転生者も存在しているのでなんとな〜くあの普通のより賢そうなボンプがプロキシ本人で特殊な電波でも出してるんだろうなと勘違いしてしまった。

 

「にゃにゃっ誰かに見られてる気がするぞ」

 

『そうかな、周囲には誰もいない様だけど?』

 

「そっそうか」

 

 そんな勘違いをされているとはつゆ知らず、パエトーン達はSoureiに指定された協力者のいるとされる座標に向かっていた。

  そんな道中はパエトーンのH.D.Dを使った遠隔ナビゲートや電子式のロックはFairyの圧倒的スペックによるハッキング、遠隔でハックできないロックはSoureiの特典を用いたハッキング(物理)で強行突破するので驚くほどスムーズに進んでいるのであった。

 

「あたし念動力とか眉唾物だと思ってたけど本当だったなんて驚きだぞ。」

 

 目の前で一人でにバキバキと音を立てながら開いていく明らかに錆びつき動かなくなっていたドアを見ながら猫又が言った。

 

『そろそろ約束の座標だね。』

 

 そうして目的の座標についてみるとそこには誰も居なかった。

 

「協力者なんて何処にも居ないぞ。」

 

[あっあれー何処にいるんでしょう。]

 

 まさか自分のミスかと思いSoureiが焦る。

 そうして周りをキョロキョロ見渡していると近くで突然大きな音がした。

 

 その機械音は何故こんな音を出す存在を今のいままで見逃していたのかと自分達の五感、センサーを疑いたくなるほど煩かった。

 そしてそれはどんどん近づいてきている。

 

「うう、うるさい。」

 

 ネコは人の3〜4倍の聴力を持っていると言われている。

 それはシリオンといえど同じだったのだろう。

 その存在が近づくにつれ頭を抱え、ついにはしゃがみ込んでしまった。

 

『だ、大丈夫かい?』

 

[Fairy、ちょっと演算して!具体的には音の逆位相の出し方!]

 

『了解。聴覚保護を最優先事項に設定。逆位相の音波データを生成——1.2ミリ秒で完了。マスター、イアスのスピーカー出力を最大に。Sourei、あなたはその「物理干渉」で周囲の空気密度を局所的に調整し、音の伝播をさらに減衰させてください』

 

[任せて!]

 

 H.D.Dを通じてFairyが計算した「打ち消しの波形」がイアスから放たれ、同時にSoureiが目に見えない力で猫宮の周囲の空気を震わせる。

 

「……にゃっ? 急に静かになったぞ……耳の中に綿を詰められたみたいだ。」

 

 そうして猫又が恐る恐る頭を上げると、そこには瓦礫の山を割り、重厚すぎる影がゆっくりと歩み寄ってきたかと思うと足を止めた。

 

「あれ?なんであの人耳を抑えてたんだろ?あっやべっ機械音量MAXにしてた。10%にしてっと。」

 

 先程まで煩かった機械音が小さくなり、ぎこちない動きで此方を向くと話しかけてきた。

 

「遅れてすまない。君が今回協力してくれるプロキシで、そしてそこのさっきまで頭押さえてた君が俺たちと一緒の依頼を持ちかけてきた人かな?さっきは煩くてごめんね。」

 

 それは黒と紫を基調とした塗装の機械人であった。

 

「俺は護衛として今回君たちに同行する「T」だ。よろしく頼む。」




関係ない話ですがエーテリアス転生者のスーツにはふんだんにフリンツ合金が使われてます。

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