転生者たちは終末世界で好き勝手したい!(出来ない)   作:NATTOUGOHAN

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流石に一章に掛ける話数が多すぎたので次からは短くする努力をするので初投稿です。
この前のホヨフェアのFairyの擬人化めっちゃ刺さったんですが、あくまで非公式だし、例え公式で擬人化してもこのデザインじゃないんだろうなと言う悲しみ。


今日の豆知識:ディルムンは埃そのもの。

六分街ビデオ屋「Random Play」スタッフルーム

 

「いやー、美味しかった! あんなにたくさん美味しいものを食べたの、久しぶりだよ〜」

[ああ……眠い……スヤァ……]

 

 デッドエンドブッチャーを討伐し、住民たちの避難も無事に完了した。

 さらにニコの機転によってヴィジョンの計画も阻止され、その成功を祝って、たっぷりと支払われた報酬で邪兎屋と猫又を誘い、皆で食べ放題へ行ってきたのだった。

 案の定、「T」は姿を見せなかった。

 話によるとあの高性能な換装装備は一度解除すると再装着にかなり時間がかかるらしい。

 帰宅したリンはそのまま風呂へ直行し限界まで演算を続けていたSoureiは、電荷制御の負荷が祟ったのかスリープモードへ移行している。

 

『マスター。一件、報告があります』

 

「どうしたんだい?」

 

『先ほどの戦闘データを解析した結果、使用された爆薬の威力が事前の想定値より約一・五倍高かったことを確認しました。エーテル濃度が変更されていた可能性が極めて高いと判断します』

 

「……やっぱりそうか」

 

 デッドエンドブッチャーを爆破した瞬間、爆炎は僕たちの想定を大きく上回っていた。

 

 遮蔽物として利用していた電車まで吹き飛ばされかけたほどだ。

 「T」が咄嗟に押さえ込んでくれなければ、僕たちまで爆発に巻き込まれていただろう。

 

『ですが、その爆発によってデッドエンドブッチャーの損傷率は予測値を大幅に上回りました。その結果、討伐時間は想定より短縮されています』

 

「……もし爆薬が予定通りだったら?」

 

『シミュレーション結果を表示します。第二ラウンドへ移行する確率、四〇パーセント』

 

 思わず息を呑む。

 四割。

 決して低い数字ではない。

 

「つまり、あの爆発は結果的に僕たちを助けたことになる。でも……」

 

 偶然とは思えない。

 

「もし誰かが意図的に爆薬を弄ったんだとしたら、その目的は二つしか考えられない」

 

 僕は指を折りながら考えを整理する。

 

「一つは、僕たちごと吹き飛ばすこと」

 

「もう一つは……デッドエンドブッチャーを確実に討伐させること」

 

「今の情報だけじゃ、どちらが目的だったのか判断できないな」

 

『考察。あの場にマスターたちが現れることを事前に把握し、なおかつ爆薬へ細工できた人物は限定されます』

 

 Fairyは一拍置いてから、静かに続けた。

 

『候補はヴィジョン関係者、もしくは依頼主側の人物です。現時点では、それ以上の特定は不可能です』

 

 スタッフルームに静寂が戻った。

 Soureiは寝返りの代わりに念動力でスタッフルームの物の中をぐちゃぐちゃにし、廊下の向こうからはリンが風呂場で鼻歌を歌う声が微かに聞こえてくる。

 日常は戻ってきた。

 それでも、誰かがあの戦場で爆薬をすり替えていたという事実だけは、静かに胸へ引っ掛かり続けていた。

 

 


 

 

 

ディルムン本社ビル・最上階

 

『ヴィジョンCEOパールマン氏は殺人未遂の容疑で…』

 

「まさか計画が短縮されるとは思わなかったな。それとブッチャーがあの様になっていたのには驚いたがちゃんと倒せた様で良かった。確実に殺れるように少し爆薬の威力を調整したが役に立ったか?」

 

 カッツェムは壁に架けられたコルクボードを眺めながらそのニュースを聞いていた。

 そして赤ペンを杖で生成するとコルクボードに貼り付けられた絶妙に似ていない似顔絵達の中にあったまるでだるまの様なデッドエンドブッチャーの絵に大きくバッテンを書き、壁ごと回転させ隠すと先ほどまでの気楽な独り言とは打って変わり、その表情から余計な感情が消えた。

 

「これから忙しくなるな」

 

 そう言うとカッツェムは机の引き出しから最高機密と書かれた書類の束を引きだした。

 

『クローンを用いたサクリファイス再現実験結果報告書』

『プルセナス、メリノエホロウに於ける時流停止剤の抽出のタイムリミット』

『強力なエーテリアス転生者の██化を基盤とする楽園創生計画』

『ロスカリファに於ける今後の戦略について』

 

「これではない、これではない、あったこれだな」

 

 ディルムンに所属する転生者の内でもごく一部しか知らない、世に出たら最悪の場合世界の敵と見做される様な書類がずらりと並ぶ中、カッツェムが見つけたのは。

 

『Sourei調査結果報告書』

 

「今のところ大丈夫そうだが、このまま自由に好き勝手やられると後々困るかもしれないんだよな…後眠くなってきたな。作業はここまでにしよう」

 

 そう憂鬱そうに嘆くと、部屋に設けられた仮眠室に向かいそのまま横たわってしまった。

 

「現場に直接出向いたのは久しぶりだから疲れた…」

 

 カッツェムは最後に帰ったのはいつだったのか思い出せない家を思い浮かべながらいつのまにか眠っていた。




バーが満タンの作品を見る度に打ちのめされる…

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