転生者たちは終末世界で好き勝手したい!(出来ない) 作:NATTOUGOHAN
所でなんで広場でクレタの父に封印されてたのかとか、父が何処で存在を知ったのとか、あの録音と通話相手は誰なのかとか、父は何処に消えたのか、三月なのかとかが全くの謎なので初投稿です。
「あいつらが今回の四機の失踪になんか関わっていたりするのか?」
「それはまだ分からないが、ないとは言い切れねえな」
僕たちはプレーンとその周囲にいた謎の武装集団を追いかけ、ホロウの中を激走していた。
ボンプであるイアスの短い可愛いあんよではそれに追いつけそうにないのでグレースに抱えてもらっていたが何か時折怪しい視線を感じる……
「とにかくあいつらを追いかけねえと!」
『プレーンの進行方向はビルが立ち並んでおり行き止まりになっています。おそらく対象はそこで止まるでしょう』
しばらく走っているとFairyの言う通り、建設途中だったビルの廃墟群が見えてきていた。
この逃走劇はここで終わりそうだ。
「この先は行き止まりになっているから多分そこで止まると思う」
「良かった。この先になってくると活動の許可をとってないからね」
安心するグレースの声が上から聞こえてくるが、背中に当たる柔らかい感触で集中できない……
そしてプレーンとそれを追う集団がその行き止まりに差し掛かったかと思うと、プレーンはまさかの行動に出た。
『対象に内部構造の変化を確認、ワイヤー射出機構かと思われます』
「ワイヤー?」
前Soureiが何処からか買ってきた結構面白かった映画の内容を思い出す。
確か主人公がビル街の中を蜘蛛の糸で飛び回る内容だったけどまさか!
「おいおい、そんなのありかよ」
ベンさんが驚愕しているけどそれは当たり前だろう。
プレーンは左右のビルにワイヤーを射出し、逆バンジーの様に体を持ち上げビルを飛び越えてしまったのだから。
「あの体を持ち上げられるなんて!あのワイヤー何でできているのかな?」
グレースの目が輝く。
その声に僕はなんとなく嫌な予感がした。
「グレース、今は追跡が先だぞ。」
「分かってるよベン!でもあんな構造見たことがないんだ! 普通ならあんなワイヤー射出機構を内部に格納する余裕なんて――」
「グレース……」
「分かったってば」
そう言いながらも、グレースの視線は完全にプレーンへ釘付けになっている。
プレーンは二棟のビルの間を飛び越えると、空中でワイヤーを解除した。
そして謎の武装集団は何をしているかというと、なんと壁を走り始めたのだ。
まるで床と壁の区別がついていないかの様に。
「……は?」
思わず間の抜けた声が出た。
「おいおいおい!何なんだあいつらは!」
ベンさんが叫ぶ。
「プレーンだって大概だが、あいつらまで何なんだ!?」
「知るかよ!」
クレタも叫びながら追いかける。
僕は機械に夢中になるグレースを見かね、僕を分捕ったアンドーの腕の中から、必死にその光景を目で追った。
プレーンはビルの向こう側へと消え、そして武装集団も壁を駆け上がった勢いそのままにビルの上へと消えていく。
『解析結果を更新します』
Fairyの声が響く。
『プレーンの内部構造変化は継続しています。現在、当初存在しなかった構造が複数確認されています』
「具体的には?」
『先ほど確認したワイヤー射出機構のほか、脚部内部に通常では説明できない空間容量があります。また、内部構造が観測するたびに変化しています』
「……つまり、どう言うことなんだい?」
『非常に便利な構造です』
「それで済ませていいものなのか?」
Fairyは沈黙した。
どうやら本当に便利の一言で済ませるつもりみたいだ。
「プロキシ!お前んとこの念動力であそこまで運べねえか?」
[……いやちょっと無理ですね。クレタさんならいけるとは思うんですけどベンさんとかになると……あの集団との戦闘も視野に入ってるんですから別れるのは悪手だと思うので迂回しましょう!]
先程から妙に静かだったSoureiはそう言っているけれどいつもベンさんぐらいのものを持ち上げていた様な気がするがまあそう言うことなんだろう。
「Fairy!迂回ルートを探してくれ」
『そう言うと思い5秒前に既にルートの計算を完了しました』
「うーんだいぶ遠回りになるな」
「背に腹は代えられねえ行くぞ!」
僕たちは近くにあった裂け目に入り、遠回りを強いられたのだった。
バイオニア記念広場
「ここは歩きづれえったらないぜ。足元気をつけろ」
アンドーの警告に僕たちはゆっくり目に歩き始めた。
「まさかここにくることになるとはね……ここはプロジェクト範囲内だけど立ち入りの許可はとってないから気を付けてね」
プレーンの信号が止まったのは中央に巨大なモニュメントがある広場だった。
グレースは何か懐かしむ様な感じだけど何か知っているのか?
「何か知っているのかい?」
「昔ここの建設事業を任されていたことがあってね。ここはバイオニア記念広場って言うところになる予定だったんだよ」
そんなこんなで広場に近づくと逃げている時に勢いをつけすぎたのか、モニュメントに激突していたプレーンとそれをひっくり返そうとする謎の集団、そしてその激突された勢いで吹き飛ばされた?白い謎の重機が見えてきた。
「なんだあの白いデカブツ」
アンドーは訝しんでいるがグレースは興奮して答えた。
「慎ましやかな配色、端整なシルエット……あれは先代の作ったプロトタイプだよ!なんでこんなところにあるのかわからないけどこんな状況じゃなければ回収したい所だよ!」
「なんでプロトタイプがアイツが工事を投げた広場にいやがんだ!」
そしてクレタは何かトラウマ?に触れたのか激昂していたのだけれど。
「気持ちは分かるがプロトタイプのことは後にしよう。まずはプレーンの回収が先だ」
ベンさんが場を鎮め、そうして広場にたどり着くとプレーンはひっくり返され裏表を正常にされていた。
「おいてめえら何してんだ!」
その集団の中で一際目立つメカスーツを着た顔を完全に隠した女性が答えた。
「救出ですよ。彼からSOSを受け取りましたから」
彼女は当たり前かの様にそれを口にした。
「救出?そいつはうちの会社の重機だぞ」
「所有権の話をしている訳ではありません。確かにこの機体はあなた達のものですが心というのは誰のものでもないでしょう?」
「心?」
「彼はとてもシャイな性格でプライベートなことを覗かれたくないと思っています。そして私達も彼のプライベートが覗かれることは都合が良くない」
後ろでプレーンがうんうんと言っている。
「ずいぶんと感情表現が豊かになったね!もしかして論理コアの更新の時にそうなったのかい?」
その興奮するグレースを見たプレーンが身を縮めてその謎の女の後ろに隠れた。
「やめろグレース、多分プレーンが逃げた発端はお前だ」
「そんなぁ……!」
グレースが心底ショックを受けたような声を上げる。
そしてプレーンが謎の女性の背後に隠れたまま、こちらの様子を窺っている。
「とにかく、プレーンを返してもらおう。こいつはうちの重機だ」
クレタが一歩前に出る。
それに対して、謎の女性は動じることなく首を横に振った。
「それはできません、彼は完全に私たちの保護対象ですから」
「というか、思ったんだがなんでこいつのプライバシーはともかくそれを暴かれるとお前らが困るんだ?」
「答えられません。私達引いては世界の為に成りませんから」
クレタがどんどん不愉快になっていくのを感じる。
「タダでとは言いません。こちら側からも保証はしましょう。ここで無駄に軋轢を生んであなた方と無駄に傷つけたり消耗させたりしたくありませんから」
謎の女性は頭からUSBを取り出すと近くを飛んでいた少しでかいドローンにそれを挿入し、そして近くの仲間からアタッシュケースを貰うとそれをクレタに差し出してきた。
「私たちが取りたいのは彼の論理コアそのものでこの中には製造費と同様のディニーと今回の事の慰謝料が入っています」
「補償はするから見逃せっていうのか?」
「そうです。サービスに論理コアのコピーも渡しましょう。中身は真っ新ですけどね」
先程USBを差したドローンから場違いなオーブンの様な音がする。
女性がそのドローンの中を開けるとそこには機械が入っていた。
「そのドローン見せてくれないかい!」
アンドーの羽交い締めをすり抜けたグレースが1歩踏み出したところだった。
ドンッ
モニュメントに積まれていた石が落ちると突如コンクリートが砕ける音と共にモニュメントから何者かの上半身が出てきたのだ。
「ちっ出てきましたか」
おそらく知っていたらしい謎の女性は赤熱化されたナイフを取り出し、周りの仲間達も一斉に武器を構え始め、その何者かの頭部は機械化されており紫にキラリと輝くと突如周囲のエーテルが活性化されエーテル結晶が生え始めた。
「エーテリアス!?」
「には見えないけれど凄いエーテル反応!」
その正体不明の怪物はこちらを捕捉すると、下半身をモニュメントから無理やり捻り出し恐ろしいスピードでこちらに飛びかかってきた。
アチーブメントを達成しました。
『どうやってここまで?』
プロトタイプの影響を受けた重機を一つも見つけず広場に突入する。
グレースがクレタの父の下りをカットしたせいでただの機械好きの変態になってしまいましたが原作ではそれに"加えて"家族思いで技術者倫理のしっかりした人です。(極端な方が話が作りやすいので⋯)
ちなみに途中でクリンがUSBを頭から取り出したのは解析結果(論理コアの構造)を脳から読み取ってUSBに入れてたからです。
お気に入り、評価してくれると大変嬉しいです。