転生者たちは終末世界で好き勝手したい!(出来ない) 作:NATTOUGOHAN
ぶ六分街ビデオ屋「Random Play」スタッフルーム
あの激戦から一週間がたった頃、僕はSoureiと一緒に四角い世界でサバイバルをやっていた。
その後どうなったって?僕らはあの後治安局に謎の集団も含めた今回あった事を全て伝えた。
あの謎の集団は戦いの後、プレーンの論理コアを奪ってディニーと論理コアの複製品だけ置いて消えてしまったし、別にクレタ側はそれを黙ることに納得したわけでもなかったからね。
治安局の人はソウルなんとかの手口とかなんとかいっていたけれど結局あの集団が何者かは分からなかった。
で、今回の依頼の目的である残りの3台なんだけど、そちらの方は数日前に全員見つけ出したんだ。
漢に憧れるデュアルショベル──ハンス
恋する乙女のデモリッシャー──グレーテル
中二病のパイルドライバー──フライデー
何故そんな迅速に見つけ出せたのかいうと、プレーンのコアの複製の中に全員の座標が入っていたんだ。
恐らく彼らはプレーンを探す最中に見つけてはいたが手は出さなかった。
どうやら彼らの目的は完全にプレーンだったらしい。
彼らも三者三様に個性豊かだったがプレーンの様に体自体をどうこうする力はなかった。
そして彼らが何故知能を増幅させたのかは、プロトタイプがSOS信号を送りそれを3台が受け取り、その影響で賢くなって脱走したのだそうだ。
何か本当なら3台を見つけてから広場に行くべきだった様な気がするがまあ気のせいだろう。
通常なら、ホロウの内外で通信は成立しない。
だからこそ、プロトタイプから発せられたSOS信号によって三台の知能重機が影響を受けたとしても、ホロウの外にいたプレーンまで同じように変化したとは考えにくい。
だが彼は、明らかに違っていた。
他の三台はそれぞれ個性豊かな人格を持っていたものの、基本的には元々の機体構造の範囲内で行動している。
しかしプレーンだけは違う。
キャタピラへの変形。
内部構造の拡張。
ワイヤー射出装置。
パイルドライバー。
そして、本来存在するはずのない空間から次々と現れる構造、あれは知能が向上しただけでは説明できない。
「……つまり、プレーンだけは最初から別の理由で変化していたってことか」
[そうなりますね]
Soureiが答える。
その声はいつも通りだった。
……いや、いつも通りすぎる。
「それに、あの謎の集団もそうだった」
僕はコントローラーを置く。
「ハンスたちじゃなく、プレーンだけを連れて行った」
[そうですね。]
「論理コアだけを欲しがっていた」
「しかも、ただの機械部品としてじゃない」
あのメカスーツの女性の言葉を思い出す。
──心というのは誰のものでもないでしょう?
「まるで、あの論理コアの中に誰かがいることを前提としているみたいだった」
その瞬間、ゲーム内でSoureiの操作していたキャラがマグマに落下した。
[あーーーーーっせっかくの4時間の努力が!!!!]
アイコンを特大のびっくりマークに変えたSoureiの悲痛な叫びが聞こえる。
「……珍しいね」
Soureiのアイコンが水滴のマークを垂らしながら答える。
[マウスが滑りました。]
「コントローラーだけど?」
[コントローラーが滑りました。]
「手から?」
[そうです。]
明らかに怪しいが、しかしその理由までは分からない。
少なくとも今の僕には。
ただ一つだけ確かなことがある。
残り三台も見つかり、プロジェクトへの影響も最小限で済んだことにより白祇重工の失踪事件は終わったがそれでもプレーンだけは戻ってこなかった。
そして彼を連れ去った謎の集団が何者なのかは僕たちは何一つ知らないままだった。
その頃。
Soureiはゲーム画面を見つめながら全ロスしたアイテムをどうやって取り戻すかの計画とともに別のことも必死に考えていた。
──バレてない。
──多分。
──まだ。
そのはずだ。
そして、その「まだ」がいつまで続くのか。
Sourei自身にも分からなかった。
郊外 防衛軍基地?
一方その頃郊外では、一機の不審なヘリコプターが基地に着陸しようとしていた。
のだが。
「妨害電波が発生!基地外への通信ができません!」
着陸した途端基地の全通信が途絶する。
恐らくその原因であろうヘリを無数の兵士、兵器が取り囲んだ。
「降りろ!」
だが搭乗員は一向に降りる気配がない。
それどころか何やら不穏な機械の音と共にヘリの回転翼があらぬ方向に回転していく。
「何が起こっている」
ヘリの回転翼が折り畳まれると次は機体そのものが変形していく。
周囲も異変に気づき銃弾が暴雨の様に放たれるが一向に気にすることなく変形していき、最後には人型になった。
その不審機が変形した人型はミサイルをまるで機関銃の様に放ち、人を、兵器を、基地を火の海にしていく。
そして衝撃波を放ったかと思うと周囲の兵器を消滅させ、司令塔のガラスを破壊した。
その人型はある建物に向かってい──
ガツッ ドゴンッ
その人型はコケてしまった。
自分の破壊した兵器で足元を掬われてしまったのだ。
先ほどまでの緊迫した雰囲気が台無しである。
そして拡声器の声が響き渡る。
カット!
その瞬間周囲の人、死体、建物が破壊された兵器を残して金属色にドロドロに溶けていく。
そしてステルスにより巧妙に隠されていた撮影、特殊効果ドローンが戻り、そして大型のドローンによって兵器の残骸が掃除されていく。
そうこれは壮大な映画撮影の一環だったのだ。
「困るよトランスくん、こんなところでコケちゃ、まだこのシーンの半分ぐらいだってのに」
先ほどの拡声器の声の主の不満気な声が響く。
このトランスとはプレーンのことである。
論理コアの改修後新しい名前を与えられ、そしてこの映画監督に変形の激しい無機物役としてスカウトされたのだ。
因みにこの映画撮影はCEOが一部の転生者の前世の映画がまた見たいという要望を受けて映画監督だった彼をスカウトしたことから始まった。
蜘蛛男、放射能怪獣ときてこれで三作目である。
「廃棄予定の型落ち兵器も知能液体金属も無限じゃないんだからさあ」
「すみません!次は気をつけますので」
ここで撮影されたものは全て門外不出とは銘打たれているがほぼフリーと同然であり、勝手にビデオテープにダビングしたりして貸し出しをするものもいたりする。
そうして流出したものは一部のマニアの中でとても合成とは思えない大迫力の映像が観れるとして高額で取引されている。
「次こそ全部やるよ〜」
再建された基地が何事もなかったかの様に動き出す。
そしてトランスもまたヘリコプターに戻り、また空を飛び出した。
これが彼の新しい仕事であり。
彼の新しい人生である。
●良い世来いよ
幽霊基地を見つけた件について
とんでもないものを見ちまったんだ。
俺と友人でバイクで新エリー都からどれだけ離れて帰って来れるかの競走をしていたんだが、その際爆発音がして何事かと思ってその爆発音のした方角に行ってみたんだ。
そこには焼け野原の軍の基地があってさ、そこには人型機械の怪物がいたんだ。
多分そいつがやったんだと思う。
俺は怖くなってその場をすぐに離れて友人にその話を伝えたんだ。
そしたら友人は「防衛軍はエリー都を守るものでしょ。そんなエリー都から離れたところに基地がそもそもあるわけないじゃん、水分不足で幻覚でも見た?じゃあ約束通りあんたの負けで掛け金は私のものね」って言ったんだがいや、そうじゃないと言って翌日そこに連れて行ったんだが何もなかったんだ。
やっぱり幻覚じゃないのって笑われたんだがとてもそうとは思えなかった、あの肌が焼ける様な熱い煙、人々の悲鳴、兵器が燃える炎、どれを取っても幻覚とは思えなかった。
これをみてくれてありがとう。
例え作り話だと思われても良い。この心のモヤモヤを垂れ流したかったんだ。
それは友人が正しい。
そんな郊外に軍事基地があるわけないじゃん
もし本当だったら
その軍事基地の持ち主かその化け物に消されるんじゃね
夜道には気をつけろよ
やっぱり幻覚だろ
その友人ってもしかして女性?
リア充爆発しろ
ディルムン娯楽部門映画部
一部の転生者の要望を受けCEOが創設した転生者向けのゲームや映画を提供する部門の映画を作っているところ。
監督は出来れば偽物は使いたくないと思っており、登場する兵器、武器、爆発、炎、エーテリアス、ホロウは全て本物であり、撮影クルーは安全対策はされているものの常に冷や汗をかきながら撮影に挑んでいる。
因みに監督の名前はクリストフ
[いやー面白かったなー。そうだ!これダビングしてマスター達に見せたら喜んでもらえるよね!]
——蜘蛛男を見たSourei
地球のみんな!オラに評価を分けてくれーーーっ!!!
多分投稿ペースは落ちます。
(夏休みは関係ありません)